教育研究業績の一覧

寺川 直樹
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 ライティング(各種レポート、教員採用試験(小論文)対策)に関する講義、個別指導・添削 2013-04-00 ~ 京都造形芸術大学通信教育部非常勤講師や東北大学Student Learning Adviser(学部1, 2年生や留学生を主な対象とする個別対応型学習支援)、長野県立大学の教員採用試験対策などにおいて、レポートや小論文に関する個別指導・添削を実施してきた。また、長野県立大学「発信力ゼミ」にて、また東北大学高度教養教育・学生支援機構Student Learning Adviserとして、レポート作成に関する講義やセミナーを担当した。
2 授業各回における質問時間の設定 2014-04-00 ~ 講義各回の前半部で1, 2回質問時間を設定し、これまでの内容で疑問等があれば質問することができるようにし、学生の理解度を適宜確認しながら授業の進行度合いを調整している。質問が特にない場合には、その後のディスカッションにつながるような簡単な質問や問題提起をするようにしている。
3 ディスカッションおよびプレゼンテーションの積極的導入

2014-04-00 ~ 講義各回の後半に、講義前半部で取り上げた内容と関連した問題提起を行い、その問題についてディスカッションを実施することで、講義内容に関する学生の理解の深化や、対人関係能力および他者理解の増進を目指している。また、ディスカッションの内容を端的にまとめて発表してもらうことで、要約能力や表現力を磨くことに寄与している。

4 発問の積極的導入 2014-04-00 ~ 講義各回の後半に、ディスカッションの内容を発表してもらう際に、理解や考察をさらに深めるべく問いをさらに投げかけ、発表者や他の受講生に答えてもらったり、ディスカッションを再度導入したりしている。その際、発問の方法論として「哲学対話」や「こども哲学(P4C)」を採用している。
5 コメントペーパーの活用とフィードバック 2014-04-00 ~ 講義各回の最後に、学生の理解度・疑問点等を確認するためにコメントペーパーを活用し、その内容をもとに次回講義冒頭で補足を加えることで学生の理解をより一層促進するように努めている。また、学生の立場からは、講義各回の最後に授業内容を総括し文章化することで、要約能力や表現力を養うことができる。
6 オフィスアワーおよびオンラインツールなどを活用した学生相談の実施 2018-04-00 ~ オフィスアワーを設定することはもちろんのこと、会議以外の時間は自由に研究室を訪問することができるようにしており、随時相談を受け付けることができるようにしている。また、対面での相談が難しい場合には、ZoomやMicrosoft Teamsなどを利用して、オンライン上で相談に乗ることも試みている。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 講義用補助資料(レジメ、パワーポイント) 2014-04-00 ~ 各授業において教科書を指定しているものの、それだけでは学生が十分な理解に至らない場合も見受けられる。そのような背景から、授業1回ごとに補助資料(レジメ、パワーポイント)を作成し、教科書の要点をまとめたり補足情報を併記したりすることで、教科書の内容理解を促進することができた。
2 教育的思考の歩み 2017-07-00 ~ 宮城県高等看護学校(非常勤講師)「教育学」、長野県立大学「教育原理」「教育原論」において、教育思想の講義の際に、ヘルダーの教育思想を説明するための参考書として使用した。担当箇所の詳細については、「研究活動」I.-1を参照。
3 教育原論 2018-06-00 ~ 長野県立大学「教育原理」「教育原論」において、教師論の講義の際に、教育する人の資質・能力を説明するための教科書として使用した。担当箇所の詳細については、「研究活動」I.-2を参照。
4 教職論 2018-06-00 ~ 長野県立大学「教育原理」「教育原論」において、教師論の講義の際に、小学校教師の仕事を説明するための参考書として使用した。担当箇所の詳細については、「研究活動」I.-3を参照。
5 考える道徳教育 2019-04-00 ~ 京都造形芸術大学通信教育部(非常勤講師)「道徳教育の理論と実践」において、本書を教科書に指定し、レポート執筆に向けた事前課題として、担当箇所である「中学校における道徳科の授業づくり」をはじめ本書全体を熟読の上、レポートを作成させた。また、大谷大学では、「道徳教育の理論と方法(小)」および「道徳教育の理論と方法(中等)」において教科書に指定し、その内容に即して授業を展開している。担当箇所の詳細については、「研究活動」I.-4を参照。
6 10代からの批判的思考 2020-08-00 ~ 長野県立大学「発信力ゼミ」において、自然災害や批判的思考をテーマとした探究学習を実施するにあたり、批判的思考の一例を説明するための参考書として使用した。担当箇所の詳細については、「研究活動」I.-5を参照。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 平成28年度全国歯科技工士教育協議会 新任教員講習会 講師(講習名:「教育原理」) 2016-08-01 本講習では、教育原理の要点を概説し、「教育とは何か」ということについて理解を深めることを目標とした。まず「なぜ人間には教育が必要なのか」という理由について解説し、その上で「教育」ならびに“education”の字義について説明した。そしてその字義をもとに、教育の役割が(1)文化(知識)の伝達と、(2)発達の助成であることに言及した。その後、教育的行為の目的論的性格について取り上げ、目標設定の方法についても概説した。そのうえで、西洋近代を中心とした伝統的教育観にふれながら、教育的行為における〈教師‐生徒〉関係(教育的関係)について考究した。
2 長野県立大学平成30年度教員免許状更新講習 講師(講習名:「「考え、議論する道徳」の教育」)

2018-11-18 本講習では、「考え、議論する道徳」の教育について、幼児教育・食育との関係を中心に考察した。具体的には、①「考え、議論する道徳」の概要を解説し、②道徳性の発達に関する理解を通じて道徳教育における幼小連携のあり方を考えるとともに、③その一事例として、食育を基盤とした道徳教育の指導について検討した。
3 長野県立大学令和元年度教員免許状更新講習 講師(講習名:「「考え、議論する道徳」の教育」) 2019-08-21 本講習では、「考え、議論する道徳」の教育について、幼児教育・食育との関係を中心に考察した。具体的には、①「考え、議論する道徳」の概要を解説し、②道徳性の発達に関する理解を通じて道徳教育における幼小連携のあり方を考えるとともに、③その一事例として、食育を基盤とした道徳教育の指導について検討した。

4 長野工業高等専門学校FD研修会 講師(講習名:「教育の方法―発達・〈教師‐生徒〉関係」をふまえて)

2019-09-13 本講習では、発達およびそれをふまえた教育方法・〈教師‐生徒〉関係のあり方について解説した。具体的には、発達段階(エリクソン)や青年期の特徴(アイデンティティ、自尊感情)、発達と教育の関係(環境閾値説、レディネス、発達の最近接領域)についてまず説明し、それをふまえて、段階教授法(ヘルバルト、ライン)や問題解決学習(デューイ、ブルーナー)、カウンセリング技法の応用、教え合い・学び合いなどの教育方法を紹介した。
5 長野県立大学令和2年度教員免許状更新講習 講師(講習名:「自分で考え話せる子どもを育てる」) 2020-11-07 本講習では、子どもが他者との関係をどのように作っていくか、またその関係の中で道徳をどのように身につけていくか、について考察する際に鍵となる子どもが自分で考え話せることに着目し、その効果的な支援方法の一つである「子どもの哲学」(哲学対話)を取り上げた。具体的には、実際の〈保護者-教師-子ども〉のコミュニケーション場面を想定しながら、子どもが自分で考え話すことを支援する環境づくりや方法について紹介しつつ実際に哲学対話も体験してもらった。
6 長野県立大学令和3年度教員免許状更新講習 講師(講習名:「自分で考え話せる子どもを育てる」) 2021-11-13 本講習では、子どもが他者との関係をどのように作っていくか、またその関係の中で道徳をどのように身につけていくか、について考察する際に鍵となる子どもが自分で考え話せることに着目し、その効果的な支援方法の一つである「子どもの哲学」(哲学対話)を取り上げた。具体的には、実際の〈保護者-教師-子ども〉のコミュニケーション場面を想定しながら、子どもが自分で考え話すことを支援する環境づくりや方法について紹介しつつ実際に哲学対話も体験してもらった。
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
1 東北大学大学院教育学研究科ティーチングアシスタント 2012-04-00
~2017-03-00
東北大学教育学部「人間形成論演習」「教育学概論」および全学教育「大学生のレポート作成入門」において、学生が予習・復習の際に抱いた疑問点についてアドバイスを与えたり、参考文献を紹介したりすることで、授業内容に関する学生の理解を促進させた。また、授業時には適宜授業内容に関する補足説明を行ったり、議論が滞っている場合に学生へ発問したりするなど、円滑に授業を展開するとともに学生の理解を深めるように働きかけた。さらに、発表会等の際には司会も務めた。
2 宮城県仙台第一高等学校ティーチングアシスタント 2012-10-00
~2014-01-00
スーパー・サイエンス・ハイスクール認定校の宮城県仙台第一高等学校で実施された総合的な学習の時間「災害研究」において、東日本大震災以降災害ボランティア活動を継続している応募者は、テーマ設定や文献検索、調査設計、自ら運営するボランティア活動への体験参加、関連団体への仲介、調査内容の分析、発表準備などの点で学生の補助を行った。
3 全国公立小中学校事務職員研究会調査研究員(文部科学省委託事業「学校の総合マネジメント力の強化に関する調査研究(自律的・組織的な学校運営体制の構築に向けた調査研究)」) 2015-01-00
~2015-03-00
応募者は、「学校現場における業務改善のガイドライン」(2015年7月公表)策定に向けた本調査研究において、主に「自由記述回答欄」の内容に関する分析を行い、既定の調査項目では十分に汲み取ることができない教員が抱える課題を明らかにした。調査結果報告ならびにガイドライン執筆には直接携わらなかったが、申請者が行った分析結果をふまえながら調査結果の概要が上記ガイドラインにおいて報告され、その調査結果をもとにガイドラインが作成された。
4 東北大学大学院教育学研究科リサーチアシスタント 2015-10-00
~2017-03-00
本研究は、1)「持続可能な発展のための教育(ESD)」に関する学際的で先端的研究の推進ならびに、2)途上国のcommunity learning center職員の研究機会提供を通じたグローバルな教育的課題への実践的寄与を目指すとともにその研究拠点形成を目的としている。申請者は、主に「持続可能な地域社会のための教育」に関する哲学的・倫理学的基礎づけの研究に協力し、岡山県におけるESDの取り組みに関する現地調査や、生命倫理学・環境倫理学を中心とした文献調査を行った。
5 競争的資金の獲得(長野県立大学公募型裁量経費:研究代表者) 2018-08-00
~2019-03-00
長野県立大学公募型裁量経費「安藤昌益の自然哲学に関する一考察-教育学・食文化論との関連もふまえて-」(2018.8.7- 2019.3.31)の研究代表者として、単独で研究を行った。
6 外部資金の獲得(科学研究費研究助成事業:研究代表者) 2019-04-00
~2022-03-00
科学研究費助成事業(若手研究)「多文化共生の実現に向けた人間性形成に関する一考察―ヘルダーを手がかりに―」(研究課題番号19K14100 2019.4.1-2022.3.31)の研究代表者として、単独で研究を行った。

7 外部資金の獲得(科学研究費研究助成事業:研究分担者)

2019-04-00
~2021-03-00
科学研究費助成事業(基盤研究(C))「中国の就学前教育振興政策下における農民工子女の教育保障」(研究課題番号19K02566 2019.4.1-2022.3.31)において、行政府の政策意図に関する事項の調査分析を担当した。
※2021年度については、新型コロナウイルス感染症の影響から、補助事業廃止。
8 外部資金の獲得(科学研究費研究助成事業:研究分担者) 2020-04-00 ~ 科学研究費助成事業(基盤研究(C))「近代西欧の教育思想と現代日本の道徳教育―道徳教育の学的基礎づけへ向けて―」(研究課題番号20K02478 2020.4.1-2023.3.31)において、ヘルダーを中心とした西欧の道徳教育観と学的諸観点との関係の考察を担当している。
※新型コロナウイルス感染症の影響により、1年延長中。
9 外部資金の獲得(科学研究費研究助成事業:研究代表者) 2022-04-00 ~ 科学研究費助成事業(若手研究)「フランス人格主義を基点とした「人格の完成」の再検討ー道徳教育との関連もふまえてー」(研究課題番号22K13640 2022.4.1-2027.3.31)の研究代表者として、単独で研究を行っている。
10 外部資金の獲得(科学研究費研究助成事業:研究分担者) 2023-04-00 ~ 科学研究費助成事業(基盤研究(C))「現代日本の道徳観に対する仏教教育の影響の再検討―仏教の近代化と教化の視点から―」(研究課題番号21K02233 2021.4.1-2025.3.31)において、浄土真宗を中心とした研究を担当している。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2012-04-00~0000-00-00 日本ヘルダー学会会員
2 2012-04-00~0000-00-00 仙台ゲーテ自然学研究会会員
3 2012-04-00~0000-00-00 東北教育哲学教育史学会会員
4 2014-06-00~0000-00-00 教育哲学会会員
5 2014-06-00~0000-00-00 日本教育学会会員
6 2014-06-00~0000-00-00 日本仏教教育学会会員
7 2022-04-00~0000-00-00 大谷学会
8 2022-04-00~0000-00-00 大谷大学初等教育学会
9 2022-04-00~0000-00-00 大谷大学哲学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 教育的思考の歩み共著 2015-11-00ナカニシヤ出版 本論文では、ヘルダーの教育思想が、連続的段階的発展と各年齢期における諸能力の全体的調和的発展とが融合した発達観のもと、教育や環境の影響によって、人間の内的素質たる普遍人間性の発現を目指していることを明らかにした。そのためにも、自然の事物を用いた実物教授や、それをもとにした生きた知識・言語の習得をヘルダーが重視していることを指摘し、その実現に向けたカリキュラム構想についても考察した。
総頁数264頁
本人担当:「第3章人間形成論の開花―ヘルダーの人間性形成思想―」
16頁(37-52頁)
編者:笹田博通、共著者:笹田博通、佐藤安功、山口匡、寺川直樹、森淑仁、松山雄三、清多英羽、相澤伸幸、走井洋一、齋藤雅俊、盛下真優子、土橋寶、紺野祐、小池孝範、金浜耕基

2 教育原論-保育・教育を支える6つの視点- 共著 2016-09-00ミネルヴァ書房 本論文では、まず教職という言葉とその意義を確認し、現在の教職観が成立するまでの歴史的変遷について説明した。その上で、現在教員に求められる資質・能力を、中教審などの答申や教職経験者の論考などをもとに解説するとともに、幾つかの調査結果をもとに、子どもが理想とする教師像についても言及した。そして、ボルノーや大村はまらの教師論を取りあげ、教育する人の資質・能力に関する理解をさらに深化させた。
総頁数244頁
本人担当:「第4章の2教育する人の資質・能力」
17頁(133-149頁)
編者:木山徹哉、太田光洋、共著者:木山徹哉、太田光洋、荒井聡史、寺川直樹、平山静夫、中山智哉、村上太郎

3 教職論-保育者・教師の仕事をつかむ-共著 2017-03-00ミネルヴァ書房 本論文では、まず小学校学級担任の基本業務として、学級経営、教科等の指導、生徒指導、校務分掌について解説し、その上で多岐にわたる小学校教師の一例として、学校行事やクラブ(部)活動、地域社会・家庭との連繋についても取り上げた。また、教師が抱える課題として、教師の多忙化について言及し、その解消に向けた取り組み、とりわけ教師間の協働の重要性について指摘した。
総頁数250頁
本人担当:「第2章の2小学校教師の仕事」
18頁(45-62頁)
編者:木山徹哉、太田光洋、共著者:木山徹哉、太田光洋、寺川直樹、平山静夫、山本直樹、荒井聡史、中山智哉、春高裕美、杉岡品子、植村秀人

4 考える道徳教育-「道徳科」の授業づくり-共著 2018-08-00福村出版 本論文では、文部科学省「道徳教育アーカイブ」で紹介されている学習指導案をもとに、中学校における道徳科の授業づくりの方法について解説した。とりわけ、「主題設定の理由」ではジレンマ教材を取り上げる意義について、「本時の過程」においてはワークシートの活用、問題解決学習・協働学習の導入について、そして「評価」ではパフォーマンス評価やワークシートの活用、自己評価(ポートフォリオ)について重点的に取り上げた。
総頁数216頁
本人担当:「第14章中学校における道徳科の授業づくり」
10頁(170-179頁)
編者:笹田博通、山口匡、相澤伸幸、共著者:笹田博通、山口匡、相澤伸幸、八幡恵、吉川友能、走井洋一、齋藤雅俊、坂本雅彦、紺野祐、小池孝範、奥井現理、神林寿幸、清多英羽、池田全之、盛下真優子、寺川直樹
5 10代からの批判的思考-社会を変える9つのヒント-共著 2020-04-00明石書店 本論文では、まず校則の教育的意味を確認した上で、ブラック校則をはじめ、世の中には不可思議なルールがあることを指摘した。次に、自由とルール(秩序)の関係を批判的に検討し、ルールは人間の有限的な自由を支える機能も有することを指摘した。これらをふまえて、最後にルール(校則)と主体的に向き合う一手段としての哲学対話について、道徳教育や主権者教育と関連づけながら読者とともに批判的に考察を深めていく。
総頁数276頁
本人担当:「第1章校則(ルール)って?」
26頁(23-48頁)
編者:名嶋義直、共著者:名嶋義直、寺川直樹、田中俊亮、竹村修文、後藤玲子、今村和宏、志田陽子、佐藤友則、古閑涼二
以上5点
Ⅱ学術論文
1 ヘルダーの人間形成論における「継承」の原理―歴史哲学と「魂の転生」との関係を中心に―単著 2014-03-00『教育思想』第41号
(東北教育哲学教育史学会)

本稿では、ヘルダーにとって人間(性)形成の手段の一つである教育をはじめとした継承行為が、単に模範を模倣させるだけでなくわがものとして取り込ませるプロセスだということを指摘した。さらに、本稿ではより考察を深めるべくこの継承行為の基盤である輪廻思想に着目し、ヘルダーにとって継承とは個々人に生来可能性として具わる「普遍人間性」をより純粋に想起(発現)させていく過程だということを示した。
19頁(67-85頁)
2 ヘルダーの自己形成思想―言語哲学および宗教哲学との関連において― 単著 2014-12-00『プロテウス』第16号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿では、ヘルダーの言語哲学・宗教哲学をもとに自己形成の諸原理について考察した。言語は自己や世界の認識をもたらすとともに、教育的関係をはじめとする人間関係の成立根拠であるなど、自己形成や教育の基盤となる言語の意義について考察した。また、ヘルダーにとって自己形成とは、人間に内在する神的で純粋な人間性や自己を実現していく過程であることなど、自己形成の基底をなす宗教的要素について検討した。
20頁(25-44頁)
3 ヘルダーの人間形成論における宗教的形成の意義―コメニウスとの関係をふまえて―単著 2015-03-00『教育思想』第42号
(東北教育哲学教育史学会)
本稿では、ヘルダーとコメニウスの人間形成観を比較した。その結果、「(神的)模範への形成」から「個人の素質全体の展開」へと移行する人間形成概念の変遷過程において、コメニウスの場合には後者を内包しながらも前者に比重が置かれているが、ヘルダーの場合には後者の比重が大きいことを指摘し、ヘルダーの人間形成論を人間形成概念の変遷過程における過渡期として位置づけた。
20頁(85-104頁)
4 ヘルダーのフマニテート思想に関する一考察―その世界観ならびに人間観との関係から―単著 2016-08-00『ヘルダー研究』第21号
(日本ヘルダー学会)

本稿では、ヘルダーの人間性(フマニテート)概念が人間の道徳性・社会性に留まらず、自然や「神的なもの」と密接に関わることを説明した。改正教育基本法前文にて「豊かな人間性・・・・・・を備えた人間の育成」という文言が掲げられ、その要たる道徳科の視点D「主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること」が含まれているなど、ヘルダーの人間性理解はわれわれに大きな示唆を与えてくれるといえる。
33頁(37-69頁)
5 ヘルダーの「道徳的形成」思想
単著 2016-12-00『プロテウス』第17号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿では、ヘルダーの「道徳的形成」思想について考察した。人間は本源的に社会や教育を必要とし、その社会性を保持するために道徳性が要請される。この人間の道徳性・社会性の形成に向けたヘルダーの「道徳的形成」思想は、道徳を知識として教える前段階として、感情として道徳性を生徒に刻み込むことを重視し、しかもそれが美的・調和的均斉へと向かうことから、美的―道徳的形成と捉えることができることを明らかにした。
17頁(17-33頁)
6 ヘルダーの人間形成論―その人間観・宗教観・自然観に定位して―(博士論文)単著 2017-03-00東北大学 本稿では、ヘルダーの人間形成論をその人間観・宗教観・自然観に定位して考察した。ヘルダーにとって人間は、自然と「神的なもの」との中間に位置づけられており、それは著書1でも取り上げた彼のカリキュラム構想にも反映されている。また、学術論文5でも指摘したように、教育目的たる人間性もまた、「神的なもの」や自然とも密接に関連しており、彼の教育観においても、彼の世界観が投影されていることを明らかにした。
総頁数162頁
7 ヘルダーの人間形成論における類比的認識の意義―自己形成/世界形成の動的連関をめぐって―単著 2018-11-00『教育哲学研究』第118号
(教育哲学会)
本稿では、ヘルダーの人間形成論における類比的認識を通じた自己形成と世界形成との動的連関を明らかにした。彼にとって、学習の要となる人間の認識(理性・知性)とは、感受(感覚)と類比(想像力)に基礎づけられたものであるが、こうした類比的認識に基づいて万物が人間に類似していることを確証することで、人間は自己形成を行うと同時に自己と類似した万物(世界)を認識しそれをも形成するという動的連関を明らかにした。
18頁(38-55頁)
8 ビルドゥングの原理としての「対立の一致」―ヘルダーを手がかりに― 単著 2018-12-00『プロテウス』第18号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿では、ヘルダーの思想を手がかりに、ビルドゥング(人間形成)の原理としての「対立の一致」の機能について考察した。具体的には、対立構造や緊張関係が現実世界には数多く存在するが、そうした対立および緊張をそのままに引き受けながら、均衡という名の一致へと向かう過程こそが、ビルドゥングという運動の原理にであり、それは〈教師‐生徒〉関係にも当てはまることを明らかにした。
16頁(89-104頁)
9 自然・食・人間形成―安藤昌益の自然哲学を手がかりに―

単著 2019-03-00『こども学研究』第1号
(長野県立大学健康発達学部こども学科)
本稿では、安藤昌益の自然哲学を手がかりに、自然・食・人間形成の関係を考察した。彼によれば、自然とは「互性」、すなわち「〈他なるもの〉の相互内在性」を意味するが、本稿ではこの「互性」概念をもとに、〈教師―生徒〉関係を捉え返す必要性について指摘した。また、昌益自然哲学の鍵概念である「食」にも着目し、食が自然と人間との互性関係を新たに生成するとともにその自覚をもたらすという人間形成的意義も明らかにした。
14頁(15-28頁)
10 人間性と個性―ヘルダーの人間形成論を手がかりに―(査読有)

単著 2020-03-00『プロテウス』第19号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿では、ヘルダーの人間形成論を手がかりに、人間性と個性との関係について考察した。「特殊なもの」たる個々人や諸民族は、「普遍的なもの」たる人間性の歴史的風土的影響によって多様化した存在であり、翻せば彼らは常に「普遍的なもの」たる人間性を有することから、〈人間性‐個性〉の対立が一致(均衡)した実存であることを明らかにし、多文化共生やそれを可能にする道徳教育への応用可能性についても示唆した。17頁(59-75頁)
11 ヘルダーの自己移入論―人間形成の視点から―

単著 2021-03-00『プロテウス』第20号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
ヘルダーの自己移入論は、自己の他者への拡張から始まり、実存する人間の人間性に直に触れながら、公平性を実現しようとする人間形成の過程を目指している。これをふまえて、「読み物教材の登場人物への自我関与が中心の学習」において自己移入を行う際に直接体験が重要であること、また道徳科の視点A~Cへと道徳観を深めていく過程が上記ヘルダーの自己移入の深化と一致することから、道徳教育における自己移入の意義を指摘した。
18頁(1-18頁)
12 A Consideration of Berdyaev’s Theory of Personality Development -Comparing to the Idea of Humanity Formation by Herder-単著 2021-03-00『こども学研究』第3号
(長野県立大学健康発達学部こども学科)
本稿では、ベルジャーエフの人格主義をヘルダーの人間性形成思想と比較しながら人格形成論として再構成した。ベルジャーエフによれば、人間は超越としての認識や愛を通じて人格および人格共同体を形成しなければならない。それはヘルダーにも通ずるが、ニヒリズム以降に生きるわれわれが教育目的である人格(人間性)形成を考察する際には、ベルジャーエフをはじめとする人格主義に着目する必要があることを指摘した。
21頁(1-21頁)
13 孤独の意義と不安の超克-原始仏教およびショーペンハウアーの視点から- 単著 2022-03-00『日本仏教教育学研究』第30号
(日本仏教教育学会)
本稿では、原始仏教およびショーペンハウアーの視点から、孤独の意義と不安の超克について論じた。第1節では、原始仏教における孤独と不安の関係について確認した。第2節では、ショーペンハウアーの孤独観が原始仏教のそれと連関していることを明らかにした。これらの見解をもとに、第3節では原始仏教の教えを、孤独を通じて他者に開かれた本来的自己の究明およびその過程を通じた不安の克服として再構成することを試みる。
16頁(201-216頁)
14 自然への共感に向けた一考察-ヘルダーの人間形成論を手がかりに-単著 2022-03-00『プロテウス』第21号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿では、ヘルダーの人間形成論を手がかりに、自然への共感について考察した。第一節では、その基盤となる自然と人間との連続性と非連続性について確認した。続く第二節では、共同知性と投射的共感の関係に焦点を当て、「あらゆる自然へ」の共感の可能性とその限界について指摘した。そして、それとの関連で第三節では、両者の関係の基底をなす「同情」の意義について検討した。
15頁(1-15頁)
15 自由と人格形成―ベルジャーエフを手がかりに― 単著 2023-02-00『哲學論集』第69号
(大谷大学哲学会)
本稿では、ベルジャーエフの人格形成論の要となる自由概念に着目し、自由と人格形成の関係について考察した。その際、『奴隷と自由』を中心としつつ『創造の意味』や『人間の運命』もふまえながら、人格と自由との関係(第一節)、創造的行為としての自由(第二節)、人格形成と創造的自由との関係(第三節)について検討し、その現代日本の道徳教育における自由理解およびそれを基調とした人格形成に対する意義にもふれた。
16頁(44-59頁)
16 Th.リップスの感情移入論に関する批判的検討―ヘルダー、H.シュミッツとの比較を交えて― 単著 2023-03-00『プロテウス』第22号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿の目的は、Th. リップスの感情移入論を批判的に検討することにある。まず、リップスの感情移入論の梗概にふれる。次に、「多様における統一」「統一における多様」の法則に着目し、感情移入成立の基礎づけを試みる。そして、以上の内容をヘルダーの自己移入(共感)論、さらにはH. シュミッツの身体的コミュニケーション論と比較検討し、その思想的意義に迫りたい。
16頁(59-74頁)
17 道徳教育における自由―概念史および戦後道徳教育史の視角から― 共著 2023-03-00『大谷大学初等教育学会研究紀要』第5号 本稿の目的は、道徳教育において自由がどのように捉えられてきたのかという点を戦後道徳教育史の視角から検討することにある。それに際し、その基調をなす自由の概念史、さらにはその両者を繋ぐ紐帯として、日本における自由概念の受容についても取り上げることで、現代日本の道徳教育において自由を取り扱う際に考慮すべき点を明確にする。
本人担当:「1.1.3」「1.1.4」「2.1」「2.2」「2.4」(なお、「問題の所在と探究の視座」「結論的考察」については、寺川が原案を起草し、小山が適宜加筆修正を施した。)
21頁(42-62頁)
共著者:寺川直樹、小山誠南
18 ムーニエ『人格主義』にみる人格・自由・行為の関係―人間形成の視点から― 単著 2024-03-00『プロテウス』第23号
(仙台ゲーテ自然学研究会)
本稿では、ムーニエ『人格主義』を手がかりに、彼の人格主義思想を人間形成の視点から吟味した。第1節では人格(自然との連続性および非連続性、内面化と外面化)、第2節では「条件のもとでの自由」(人格の運動としての超越(解放)と選択(創造)という自由の両側面)、そして第3節では行為論(行為の4類型、参加、対決(抗議))について検討し、最後に同書における教育論との関係にも言及した。
18頁(21-38頁)
19 西谷啓治の人間形成観―大谷大学講義を手がかりに― 単著 2024-03-00『大谷学報』第103巻第2号(大谷学会) 本稿では、西谷啓治の「大谷大学講義」を手がかりに彼の人間形成観の特質を、文化としての人間形成(自然と人間の連続性および非連続性)、課題としての人間形成(自己形成と教育の関係)、認識論および目的論の見地からみた人間形成の機制、そして人間形成の基盤としての宗教性といった観点から考察した。
18頁(73-90(59-76)頁)
20 道徳教育における平等―概念史および戦後道徳教育史の視角から― 共著 2024-03-00『大谷大学初等教育学会研究紀要』第6号
本稿の目的は、道徳教育において平等およびその類概念である公正・公平・社会正義がどのように捉えられてきたのかという点を戦後道徳教育史の視角から検討することにある。それに際し、その基調をなす平等(公正・公平・社会正義)の概念史、さらにはその両者を繋ぐ紐帯として、日本における平等(公正・公平・社会正義)概念の受容についても取り上げることで、現代日本の道徳教育において平等(公正・公平・社会正義)を取り扱う際に考慮すべき点を明確にする。
本人担当:「5. 日本における「平等」概念の受容」「6. 戦後道徳教育史における平等概念緒取扱い」(なお、「問題の所在と探究の視座」「結論的考察」については、寺川が原案を起草し、成田・小山が適宜加筆修正を施した。)
25頁(50-74頁)
共著者:寺川直樹、成田龍一朗、小山誠南
21 「人間中心カリキュラム」再考単著 2024-03-00『大谷大学教職支援センター研究紀要』第17号 1970年代にアメリカで導入された「人間中心カリキュラム」では、コア・カリキュラムを軸としつつ、教科カリキュラムとの平行カリキュラムを提唱しており、現行学習指導要領にも通ずる点があることに本稿では言及した。また、「人間中心カリキュラム」にはカリキュラム・マネジメントの萌芽を孕んでいることも指摘した。そして、昭和52年改訂学習指導要領以降、日本でも道徳教育との関連などから「人間中心カリキュラム」を継承している点についても確認した。
以上21点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 ヘルダーの人間形成論における「継承」の原理―歴史哲学と「魂の転生」との関係を中心に―口頭発表(一般発表) 2013-09-00東北教育哲学教育史学会第46回大会(於東北大学、仙台市) 本発表は、学術論文1のもとになった発表である。論旨は学術論文1と同様であるため、既述要旨を参照のこと。
発表時間:25分
2 ヘルダーの人間形成論における神学的形成の意義―コメニウスとの関係をふまえて―口頭発表(一般発表) 2014-09-00東北教育哲学教育史学会第47回大会(於東北大学、仙台市) 本発表は、学術論文3のもとになった発表である。論旨は学術論文3と同様であるため、既述要旨を参照のこと。
発表時間:25分
3 ヘルダーのフマニテート概念―「人間性」理解との関連から―口頭発表(一般発表) 2014-11-00日本ヘルダー学会2014年度秋季研究発表会(於東北大学、仙台市) 本発表は、学術論文4のもとになった発表である。論旨は学術論文4と同様であるため、既述要旨を参照のこと。
発表時間:15分
発表要旨:ヘルダー研究第20号、2015年、2頁(237-239頁)
4 ヘルダーの学校構想―その世界観および人間形成観との関連から―口頭発表(一般発表) 2015-09-00東北教育哲学教育史学会第48回大会(於東北大学、仙台市) 本発表は、著書1の第3章第2節の基盤となった発表である。『旅日記』における教育論(実科学校構想)によれば、ヘルダーの発達観(人間形成観)は、連続的段階的発展と各年齢期における諸力の全体的・調和的発展との融合であり、また彼のカリキュラム構想が「自然」「人間(歴史)」「神的なもの」によって構成される彼の世界観と対応関係があることを明らかにした。
発表時間:25分
5 ヘルダーの人間形成論における自然と歴史の関係口頭発表(一般発表) 2015-10-00教育哲学会第58回大会(於奈良女子大学、奈良市) 本発表は、学術論文6のもとになった発表である。論旨は学術論文6と同様であるため、既述要旨を参照のこと。発表時間:20分
6 18世紀啓蒙主義の自然観と現代の教育哲学 共著 2017-03-00『平成25・26・27・28年度科学研究費補助金基盤研究(C) 25381002 研究成果報告書』 本稿では、ヘルダーの人間形成論における自然と歴史(人間)の関係、特に風土と人間形成の関係について論じた。ヘルダーにとって人間形成は、人間に内在する力(遺伝)と風土(環境)の影響という両諸力の拮抗作用を経て、調和的均衡点に達する過程であり、さらに人間ならびに人間性が自然の諸形式や諸力の統合であり、それゆえ自然と密接に連関しているということを明らかにすることで、自然と人間の関係を改めて問い直した。
総頁数163頁
本人担当:「ヘルダーの人間形成論における自然と歴史」
14頁(69-82頁)
共著者:笹田博通、松山雄三、佐藤安功、池尾恭一、相澤伸幸、寺川直樹、金浜耕基、齋藤雅俊
7 宗教/自然/教育をめぐる啓蒙時代の思索―ヘルダーを手がかりに―口頭発表(シンポジウムのパネル) 2018-11-00日本ヘルダー学会2018年度秋季研究発表会(於東北大学、仙台市) 本発表では、ヘルダーの人間形成(教育)論における宗教・自然・教育の関係を考察した。啓蒙時代の教育観に関する一般的特徴として、宗教・自然・教育が緊密に関わっていることをまず確認しその上で、ヘルダーの『旅日記』以降のカリキュラム構想および学校論も、宗教・自然と密接に関連することを指摘した。
発表時間:15分
8 子どもを再考する―近代的子ども観の動揺のなかで―(査読有) 共著 2019-03-00『こども学研究』第1号
(長野県立大学健康発達学部こども学科)
本稿では、まず、近代的子ども観の創出の意義とその後を辿りながら、子どもの意義が相対的なものであることを改めて確認した。次に、今後の社会の在り方として我われにはどのような価値志向が選択可能か、そしてその価値志向のもとで子どもの意義とそれに対応する教育をどのように捉え直すかについて、一つの試論を述べた。
本人担当:寺川は、木山が執筆した草稿全体について、木山と議論しながら適宜加筆修正を担当した。
12頁(3-14頁)
共著者:木山徹哉、寺川直樹
9 中国の幼児園教師の資格、編成、及び待遇―就学前教育振興政策下の状況―(研究ノート) 共著 2020-03-00『こども学研究』第2号
(長野県立大学健康発達学部こども学科)
本稿は、中国の就学前教育振興政策における幼児園教師の資格制度、編制、待遇の現状と課題について整理した。資格制度については、幼児園教師の資格に必要な学歴条件が低いこと、小中学校教師資格が幼児園教師資格にも適用されること、また編制については、編制標準の固
定的な運用によって教師資源配置の不均衡を助長していること、さらに待遇についても教員間や地域間に不合理な格差が存在することなどが確認された。
本人担当:寺川は、木山の助言を受けながら全体執筆を担当した。
18頁(85-102頁)
共著者:寺川直樹、木山徹哉
10 中国の都市に流入する子どもの就学前教育保障-公共サービス及び私立幼児園の位置づけをめぐって-(研究ノート) 共著 2021-03-00『こども学研究』第3号
(長野県立大学健康発達学部こども学科)
本稿では、上海市で実践された流動児童の就学前教育保障政策を、先行研究のレビューを通して検討した。上海市の実践は、公共サービスの民間委託方式を採用して、私立三級幼児園を母体に一定の成果を示したが、就学前教育事業の公共サービスとしての位置づけや、私立幼児園の役割機能に対する政策的、社会的認知
のあり方が、私立幼児園の発展及び就学前教育全体の振興にとって足枷になっている。
本人担当:寺川は、木山が執筆した草稿全体について、木山と議論しながら適宜加筆修正を担当した。
21頁(81-101頁)
共著者:木山徹哉、寺川直樹、中山智哉、渡邉望
11 多文化共生およびその実現に向けた道徳教育に関する一試論-ヘルダーの人間性形成思想を手がかりに-(研究ノート)単著 2022-03-00『こども学研究』第4号
(長野県立大学健康発達学部こども学科)
本稿では、まず第1節において、多文化共生について批判的に考察する先行研究を整理し、続く第2節では、小・中学校『学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』を中心に、現代日本の道徳教育において多文化共生がどのように位置づけられているのかを吟味した。その際、これまでの研究成果をふまえ、ヘルダーの人間性形成思想の多文化共生およびその実現に向けた道徳教育への応用可能性についても検討した。
23頁(61-83頁)
12 自由と人格形成―ベルジャーエフを手がかりに― 口頭発表 2023-06-07大谷大学哲学会合評会 本発表は、学術論文15に基づく発表である。論旨は学術論文15と同様であるため、既述要旨を参照のこと。
発表時間:25分
13 教育哲学事典共著 2023-07-00丸善出版 本稿では、ヘルダーが人間形成論の先駆者であることを紹介した上で、主著の一つである『言語起源論』をもとに、言語の起源を探究する同書の試みが同時に人間の本質を解き明かすことでもあった点、さらには言語形成と並行して人間形成が展開されていくことが同書から読み取れる点について指摘した。
総頁数640頁
本人担当:「第Ⅱ部 西洋の教育思想 第8章 近代 ヘルダー」
2頁(324-5頁)
編者:教育哲学会
14 歴史・道徳・形成―ヘルダーを手がかりに―口頭発表(シンポジウムのパネル) 2024-08-05日本ヘルダー学会2023年度夏期研究発表会 本発表では、ヘルダーの主著『人類歴史哲学考』および同書が刊行されたワイマール期の「学校講話」を手がかりに、歴史・道徳・形成の関係を考察した。まずは『人類歴史哲学考』における歴史観と形成観の関係を確認し、その上で、幾つかの「学校講話」をもとに、人類史における学校および教育の役割、人類史における人間形成の原理としての「公正」、そして公正としての「完全無欠さ」と「恥じらい」といった内容について論じた。
以上14点

前のページに戻る