教育研究業績の一覧

栫井 大輔
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 ICT機器の活用,学生の活用を意識した授業方法

2016-04-00 ~ 「初等体育」などの授業において,ICT機器を活用することで,映像やモデル図を効果的に提示しながら学生にイメージをもたせて理解できるようにしている。また,ホワイトボードミィーティングの手法を活用し,提示された資料を協同的にまとめる活動を毎時間行うことで,ICTを活用した授業の授業モデルを学生に示している。
2 研究室の図書の貸し出し 2016-04-00 ~ 小学校教員の頃から私自身が読んできた図書を学生にも貸し出している。小学校教員の先輩として読書することの大切さを学生に伝えるだけでなく,実際に読む経験を通して学び続ける教員の第一歩を踏ませることを意図している。
3 高校での模擬授業,及びオープンキャンパスでのミニ講義 2016-04-00 ~ 高校での出前授業で教育学や体育科教育についての模擬授業を行ったり,オープンキャンパスにおいて小学校の教師についてのミニ講義を行ったりしている。

4 授業観の変容を目指した模擬授業の省察 2017-09-00 ~ 「体育科教育法」では,模擬授業と省察を通して体育の授業づくりについて実践的に学べるようにしている。省察の授業内容は,模擬授業の映像を視聴しながら具体的な授業実施に関する技術を学ぶとともに,模擬授業をもとにした学習課題と小学校教員の実際の省察をもとにした学習課題について協同的に解決していく内容となっている。また,メタファー法を用いて,学生の体育授業のイメージを科目最初に把握し,そのイメージを変容させることを目指して授業を行ってきた。
5 Formsを活用した授業アンケート 2019-09-00 ~ アンケート作成アプリであるFormsを使って,毎時間の授業の感想や質問を集計し,次回の授業で質問へ応答することを行っている。
6 ALACTモデルを活用した「教育実習指導」の授業 2020-09-00 ~ 2020年度の後期の「教育実習指導」及びゼミにおいて,模擬授業後の省察にALACTモデルを取り入れて省察を行った。ALACTモデルとはコルトハーヘンが,経験による学びの理想的なプロセスとは行為と省察が代わる代わる行われるとものとした上で,このプロセスを5つの局面に分けたものである。5つの局面の内,「本質的な諸相への気づき」と「行為の選択肢の拡大」をねらって実践を行った。受講者数や実習経験によって省察の質が異なることが実践研究によって明らかになった。現在も改良しながらよりより省察方法を探っている。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 絶対成功の体育授業マネジメント
(明治図書)
2017-04-00 体育科を専門としない小学校教員や,教員養成段階である大学生を対象とした書籍である。よい体育授業を成立させるための条件である「基礎的条件」と「内容的条件」について,具体的なイメージをもてるような内容となっている。「初等体育」の授業において参考書として活用し,体育科教育の理論を教育現場で実際に活用する際の具体例の資料として使用した。
2 遠隔授業教材 2021-05-00 ~ コロナ禍のため,遠隔授業を行うためにパワーポイントに音声をつけたものを映像化し,それと課題を記したFormsを合わせることで,オンデマンドで授業を受講できる教材を作成した。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 夢ナビライブ2018【大阪会場】での講演 2018-06-16 2018年度の夢ナビライブ(大阪会場)にて,「秘密の道具で〇〇と子どもをつなぐ」のタイトルで,高校生に教材・教具の工夫によって子どもたちを文化(学問の世界)に参加させる視点での授業づくりについて,私自身の実践例をふまえながら講演を行った。
2 日本教育心理学会第61回総会の自主企画シンポジウムにおいて教員養成における「学び続ける教員」育成プログラムについて発表 2019-09-15 初年次教育において,「学び続ける教員」育成プログラムとして「マインドセット」と「学習方略の修得」に焦点をあてた実践について,その効果と課題について発表を行った。
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 関西体育授業研究会顧問 2016-04-00 ~ 関西(西は広島県,東は愛知県)の体育授業について関心のある小学校教員で構成される「関西体育授業研究会」で顧問を務めている。
2 2017年度ベストティーチャー賞 2017-05-31 2016年度のプール学院大学の教育活動において向上・発展に大きく貢献したと評価され,表彰された。
3 白山ふるさと文学賞 第38回暁烏敏賞(第2部門) 2022-11-26 石川県白山市が主催している白山ふるさと文学賞において第二部門(子どもの育成に関する論文)において第38回暁烏敏賞を受賞した。
B 職務実績
1 外部資金の獲得(科学研究補助金:研究代表者) 2013-04-00
~2014-03-00
科学研究費補助金(奨励研究)「タブレット型端末活用による協働学習の体育科授業モデルの開発」(研究課題番号25910005 2013.4.1~2014.3.31)の研究代表者として小学校体育科において「協働学習」を行うツールとしてタブレット型端末を体育科の授業で活用することについて実践研究を行った。
2 吹田市小学校教育研究会学校研究体育部講師 2014-04-00
~2023-03-00
吹田市の学校研究体育部において,2014年度から2015年度までは市の領域の方向性を決めていく実践研究に対し助言を行った。2016年度からは地区ブロックごとの研究に移行したが西ブロックの器械運動領域の講師となった。2018年より,年間を通じて全ての地区の指導助言をするようになり,子どもたちが主体的に学んでいくために必要な理論を紹介しながら,理論を授業にどのように活用していくのかを実践事例を基に示している。
3 市教研,校内研究の指導助言及び研  
 修の講師

2016-04-00 ~ 大阪市,八尾市,摂津市,島本町,箕面市,和泉市の小・中学校において研究授業の指導助言および研修会の講師を務めた。
4 箕面市体力向上における授業づくり研究部会スーパーバイザー 2016-04-00
~2017-03-00
箕面市の体力向上に向けて小・中学校の教員で構成される研究部会において,体力向上のための実践で明らかになったことについて理論をふまえて示し,授業内で行える体力向上の実践の方向性を示した。
5 箕面市体力向上モデル校事業アドバイザー 2017-04-00
~2019-03-00
箕面市六中校区をモデル校に設定し,授業改善を通して子どもの体力を高めるための実践的な取り組みの指導助言を行った。具体的には,体育授業の改善に教師教育の観点からアプローチして体力向上をめざす取り組みを計画した。結果として1つのモデル校で体力向上が確認された。
6 外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究分担者) 2018-04-00
~2021-03-00
科学研究費助成事業(基盤研究C)「学び続ける教師」を育成する教員養成プログラムの開発:初年次教育に関する介入研究」(研究課題番号18K02743 2018.4.1~2021.3.31 研究代表者:梶田叡一)において,プログラムの実践と成果の定性分析,ならびに日本教育心理学会の自主企画シンポジウムでの発表を担当した。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2009-04-00~0000-00-00 関西体育授業研究会(2016年~現在:顧問)
2 2014-04-00~0000-00-00 日本教育方法学会
3 2015-04-00~0000-00-00 日本体育・スポーツ・健康学会(日本体育科教育学会)
4 2016-04-00~0000-00-00 日本教師教育学会
5 2016-04-00~0000-00-00 日本教育工学会
6 2018-04-00~0000-00-00 日本和文化教育学会(2021年~現在:理事)
7 2023-04-00~0000-00-00 教育目標・評価学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 絶対成功の体育授業マネジメント

共著 2017-04-00明治図書 小学校体育科の授業を行う上で不可欠な指導技術及びそれを裏付ける体育科教育の研究成果によって明らかにされた理論について述べている。
本人は教師に欠かせないマネジメントの基礎や学級力を高めるための体育授業について担当した。指導技術について述べているが,ハウツー的な内容とならないよう、指導観や授業観に関わる教師としての信念の形成や学び続ける教師として必要な知識についても言及している。
総頁数134頁
本人担当:第2章「体育教師に欠かせない,マネジメントの基礎基本」26頁(18~43頁)と,第3章「「学級力」を一気に高める体育授業マネジメント」32頁(44~75頁)
共著者:垣内幸太,栫井大輔
2 人間教育を進めるために:主体的・対話的で深い学びを創造する共著 2018-03-00ERP 主体的・対話的で深い学びについて人間教育の視点で論じたものである。人間教育とは人材教育と一線を画すもので,社会に貢献できる人を育てるだけでなく,主人公としての人間形成を目指すものである。各教科における 主体的・対話的で深い学びについて提案を行っている。
本人は体育科における主体的・対話的で深い学びについて担当した。授業で使われる言語に着目し,個人の内言をクラスで共有できる言語に変化させる授業モデルを提案した。
総頁数131頁
本人担当:第6章「動くイメージの言語化で主体的・対話的で深い学びへ導く:「私の言葉」と「私たちの言葉」に着目した単元計画」18頁(83~100頁)
編者:今宮信吾,
共著者:梶田叡一,中村哲,間處耕吉,小餅谷哲男,飯田真人,栫井大輔,安井茂喜,柴恭史,鎌田首治朗

3 「伝統や文化」に関する教育の性格と教材開発共著 2019-03-00銀河書房 「伝統や文化」に関する教育の基本的性格や教育課程について解説するとともに,各教科における教材開発を提案する内容となっている。
本人は体育科の教材開発について担当し,伝統遊びを体育科の授業に導入するためにゲーム修正の論理の応用と,実践を通した体育授業例を紹介した。
総頁数233頁
本人担当:第3章第11節「体育における「伝統文化」に関する教材開発-伝承遊び」10頁(157~166頁)
編者:中村哲,
共著者:梶田叡一,渡邉規矩郎,平田恭輔,橋本正恵,今宮信吾,二瓶弘行,湯峯裕,山本圭一,西村康幸,峯岸由治,山口聖代,飯田真人,上中修,栫井大輔,安井茂喜,藤原靖浩,兼島久美,佐々田享三
4 教壇に立つ前に読んでほしい本共著 2020-02-00東洋館出版 大学生や初任者教員に向けて,教壇に立つ前に考えてほしいことや身につけておくべきことについて教科ごとにまとめたものである。
本人はよい体育授業を成立させるための基礎的条件にあたる「マネジメント場面」に着目し,意図的に授業を計画することや指導の工夫の必要性を論じた。
総頁数141頁
本人担当:第6章「体育授業の基礎・基本」11頁(76~86頁)
共著者:松久眞実,田原昌子,西川恭一,今宮信吾,山本景一,栫井大輔,山口聖代,Decker Warren, 小野巧一郎,宋知潤,梶田叡一
5 桃山学院教育大学教員養成カリキュラムの持続的構築:教職課程科目のカリキュラムと授業実践を焦点にして 共著 2020-03-00銀河書房 教員養成として,「どのような教員を育て,どのようなカリキュラム編成で,どのように指導するのか」というカリキュラムの系統性と関連性,さらに本学における教員養成の独自性を含めたカリキュラム・マネジメントの対応が課題になるが,この課題への研究的試みをまとめたものである。
本人は,体育科教育学で明らかになっている「よい体育授業を成立させる条件」をもとに,その条件を成立させる授業力をどのように育んでいくのかについて「初等体育」「体育科教育」での実践をもとに論じた。
総頁数270頁
本人担当:3章第8節「体育に関する科目と授業の状況」10頁(207~216頁)
編者:中村哲,
共著者:梶田叡一,中西正人,鎌田首治朗,二瓶弘行,柴恭史,永井明子,今西幸蔵,松久眞実,金澤孝夫,村上祐介,今宮信吾,山本景一,寺田博幸,山口聖代,飯田真人,和田博子,栫井大輔,安井茂喜,中村浩也,湯峯裕,重田明彦,鈴木寿一

6 桃山学院教育大学教員養成カリキュラムの持続的構築:FD活動としての授業研究の試み共著 2021-03-00銀河書房 大学のカリキュラムの質的向上を図るFD活動としての授業研究に基づく事例研究を実施し,個人に委ねる授業改善から大学組織の教育研究体制に基づく授業改善の試みをまとめたものである。
本人は「初等体育」における学生の信念の変容を目指した授業実践や,「体育科教育法」において省察を重視しながら学生を反省的実践家と意識づける授業実践について述べた。
総頁数214頁
本人担当:第3章11節「授業力向上をめざす体育科の授業実践」10頁(155~164頁)
編者:湯峯裕,中村哲,
共著者:中村浩也,鎌田首治朗,柴恭史,松久眞実,八木利律子,今宮信吾,山本景一,中島英康,山口聖代,藤原昌樹,栫井大輔,灘本雅一,上野雄司,Warren Decker,オチャンテ・ロサ

7 教職概論:人間教育の理念から学ぶ 共著 2021-03-00ミネルヴァ書房 子どもたちへの指導を最後まであきらめない教師を目指す学生に向けた,人間教育の理念から学ぶ教職論の内容となっている。
本人は教職の特徴である「不確実性」「無境界性」「再帰性」の知見をもとに,実務家教員としての小学校現場の経験を踏まえながら小学校教師になるための考え方や学び方について論じた。
総頁数207頁
本人担当:第3章「小学校教員の仕事」
17頁(42~58頁)
編者:鎌田首治朗,
共著者:梶田叡一,名須川智子,栫井大輔,飯田真人,二瓶弘行,松久眞実,八木成和,村上幸一,橋本光能,安井茂喜
8 短時間でパッとできる体育あそび大事典 共著 2023-03-00明治図書 新型コロナウイルス流行の影響は多々あるが,体育授業もその中の1つである。人とのかかわりを強制的に遮断することとなったため,直接的・間接的に子どもの心や体に影響を与えていることが予想される。そこで,体育授業において短時間で各領域の基盤となる運動を遊びの形式で楽しく行うための事例を集めたものが本書である。
本人は表現領域を担当した。
総頁数191頁
本人担当:「表現・リズム」10頁(162~171頁)
共著者:鈴木邦明,田村直,野澤諭史,小林治雄,前木場龍太,西岡毅,垣内幸太,栫井大輔,中田智之,北川雄一
以上8点
Ⅱ学術論文
1 小学校における動いているボールを打つ指導法の考察:高学年のバッティング指導においてシンクロ打法を用いた実践を通して 共著 2012-02-00『大阪教育大学紀要第Ⅴ部門教科教育』第60巻第2号(大阪教育大学) 小学生にとって難しい動くボールを打つバッティングの場面に焦点を当て実践研究を行った。具体的には「シンクロ打法」を取り入れたバッティング指導を行い,フェアグラウンド内に打つこととバッティングの基礎的な動きを習得することを目指した。明らかになったことは,「シンクロ打法」はバッティングの「ため」の動きまでを習得する打法であり,腕のみで打つバッティングを改善できる打法である。
8頁(23~30頁)
本人担当:栫井は論文全体の計画,執筆を担当し,光本が動作の分析を行った。
共著者:栫井大輔,光本允
2 小学校体育学習における初めての表現運動の指導法に関する研究:動きの広がりからイメージの広がりへと展開する単元計画の検討 共著 2017-01-00『プール学院大学紀要』第57号(プール学院大学) 運動会集団演技として行われるため,通常の授業であまり行われない表現運動の授業を,初めて小学校の表現運動を指導する教師でもできるように指導法を提案し,その検証を行った。その結果,単元が進むとともに動きの評価も漸増した。また,イメージの評価も時間経過とともに漸増し,動きの評価とイメージの評価には有意な正の相関が見られた。これらの結果は,表現運動の指導において動きの広がりから学習することの効果を示す。
11頁(243~253頁)
本人担当:栫井は論文全体の計画,執筆を担当し,遠藤が動作の分析を行った。
共著者:栫井大輔,遠藤陽

3 体育授業の初任者教育における指導のタイミングに関する研究 :体育授業場面の推移イメージに着目した示範授業の検討 単著 2017-02-00『実践学校教育研究』第19号(大阪教育大学実践学校教育講座) 初任者指導で行われる示範授業のタイミングをよい体育授業の単元推移イメージを基に検討した。2名の初任教師による3単元の授業において,示範授業を単元序盤・途中・最終のタイミングで行い,各授業場面の内容と形成的授業評価の推移を調べた。その結果,体育科の示範授業を単元序盤に行うことは,初任教師がよい体育授業をする上で必要な技術を身につけるのに有効であることが示唆された。
10頁(31~40頁)
4 SECIモデルに基づく体育科におけるアクティブ・ラーニングの実践研究:ボール運動領域ゴール型の授単著 2017-03-00『プール学院大学教育学部研究紀要』第1巻(プール学院大学教育学部) 本研究は、小学校体育科におけるアクティブ・ラーニングの実現の方策として,SECIモデルに基づく新たな学習活動とその構成を考案した。SECIモデルとは,経営学者である野中郁次郎と竹内弘高が提唱した知識創造理論の枠組みである。このSECIモデルは,あくまで経営管理における理論の枠組みであるが,知識が他者との相互作用の中で異なる知(暗黙知と形式知)が創造されることを前提とした上で4つのモードを提案している。この4つのモードを授業に活用し,検証授業を通して,SECIモデルの効果及び教師の役割を探ることで体育科におけるアクティブ・ラーニングの構築を試みた。その結果,暗黙知と形式知の変換という知識変換モデルでボール運動領域ゴール型の単元構成をすることは可能であることが明らかになった。
10頁(29~38頁)
5 同僚性コミュニティを軸とした授業力量に資する省察の実践的研究 単著 2017-09-00『日本教師教育学会年報』第26号(日本教師教育学会) 「書き言葉」による省察に特化した同僚性コミュニティである「リフレクションコミュニティ」を形成し,協同的な省察をすることと,授業力量の要素である「信念」「知識」との関係を明らかにしようとした。その結果,リフレクションコミュニティによる省察は,授業力量の要素の「信念」の変容につながることが明らかになった。
11頁(124~134頁)

6 小学校体育学習における記述式テストによる評価に向けた事例研究:第5学年ボール運動ゴール型における子どものイメージに着目して単著 2018-01-00『プール学院大学紀要』第58号(プール学院大学) 小学校体育科の授業評価において記述式テストによって子どもの学びをどの程度測ることが可能か,短文体テストによる評価を試みた。小学校5年生にボール運動ゴール型(サッカー)の教材①と教材②の単元後に授業(単元)での学びについて尋ねると,教材②の記述では単元を通して教師の学ばせたかった動きに関する記述が最も高い割合を示した。これによって,短文体テストでも子どもの学びを確認できることが明らかとなった。
12頁(141~152頁)
7 小学校教員志望学生の教師イメージの特徴:2016・2017年調査の結果から単著 2018-03-00『プール学院大学教育学部研究紀要』第2巻(プール学院大学教育学部) 本研究では,小学校教員志望学生の教師及び授業イメージ(「授業」「教師」「教えること」)の特徴を比喩生成課題による質問紙調査の結果に基づき,過去の先行研究と比較し検討した。その結果,「指導者としての教師像」の割合が高く,「反省的実践家としての教師像」のイメージがないことが14年前と変わらなかった。その背景には,教師の役割を「手本」として捉える傾向が認められた。
8頁(51~58頁)
8 省察に関する信念を強化する要因のモデル化:学び続ける教師のライフヒストリーに着目して

単著 2019-03-00『桃山学院教育大学教育実践研究』第1号(桃山学院教育大学) 教師の成長のためには省察が不可欠である。本研究では小学校教師の省察に関する信念を省察の深化の観点で捉えようとしたものである。長年,省察を行ってきた小学校のベテラン教師にインタビュー調査を行った。それをもとに省察の対象や方法,省察に関する価値観,授業観の3つの変容をライフヒストリーの中で比較検討を行った。その結果,省察に関する信念はライフヒストリーにおける出来事以上に継続時間に影響を受けることが示唆された。
14頁(115~128頁)
9 教師の成長に資する新しい教育実践に挑戦することの効果:テキストマイニングによる省察の効果に着目して

共著 2019-03-00『人間教育学研究』第6号(日本人間教育学会) 本研究は,自らの実践を批判的に検討し,それを出発点として新たな教育実践に挑戦する教師の省察に着目し,省察をもとに新しい教育実践に挑戦することが,省察の内容にどのような変化を及ぼすのかを明らかにしようとした。そこで,新たな実践に挑戦した教師の省察を対象にテキストマイニングを実施した。その結果,新たな教育実践に挑戦した後の省察は,通常の省察に比べ多面的かつ新たな視点を取り入れた省察になることが確認された。
8頁(23~30頁)
本人担当:本人担当:栫井は論文全体の計画,執筆を担当し,冨嶋はテキストデータのコーディングにおいて共同的に分析を行った。
共著者:栫井大輔,冨嶋瑛

10 学び続ける教師に資する体育教育法の実践研究:授業前後のメタファーに着目して 単著 2019-03-00『桃山学院教育大学研究紀要』第1号
(桃山学院教育大学)
体育科教育法における模擬授業の省察の工夫によって小学校教員志望学生の教師イメージを変容させることが可能かについて,授業評価を行った。授業前後において教師についてのメタファーを尋ねると,「教職の複雑さ」「反省的実践家としての教師」を回答する割合が増えた。これによって,省察の工夫によって教員志望学生の教師イメージがある程度変容することが明らかになった。
16頁(40~55頁)
11 初年次教育における「学び続ける教員養成プログラム」の開発

共著 2020-02-00『桃山学院教育大学研究紀要』第2号
(桃山学院教育大学)
初年次教育において,学び続け自己成長に向かう姿勢の礎として「マインドセット」と,「学びの技術」である学習方略の修得に焦点をあてて実践を行った。その結果,マインドセットの知見が子ども対応に有益であると述懐した学生もおり, 本プログラムが,教員養成の一環としても有益なものであることが示唆された。一方で学習方略の「方略保有感」に対するプログラムの効果は確認されなかった。
18頁(157~174頁)
本人担当:3章「研究2」5頁(164~168頁)
共著者:村上祐介,栫井大輔,飯田真人,柴恭史,高木悠哉,八木利律子,Decker Warren,大畑昌己,今宮信吾,山本弥栄子,間處耕吉,鎌田首治朗,梶田叡一
12 伝承遊びの教材化における「ごまめ」ルールの特徴に関する考察:「ごまめ」ルール経験者のインタビュー分析結果より 単著 2020-08-00『和文化教育研究』第14号(和文化教育学会) 本研究では「ごまめ」ルールの経験者にインタビュー調査を行い,「ごまめ」ルールの捉え方の特徴について明らかにし,それを体育科の教材づくりに活用することについて考察することを目的とした。その結果,年代の差によって「ごまめ」ルールの捉え方が異なること,異年齢集団での遊びには「遊び集団に参加させる価値」と「遊びそのものを楽しむ価値」があることが明らかになった。
8頁(15~22頁)
13 実務家教員が教師教育者としての成長に資するセルフスタディの検討:ダブル・ループ学習に着目して 単著 2021-03-00『桃山学院教育大学研究紀要』第3号
(桃山学院教育大学)
本研究の目的は,セルフスタディにダブル・ループ学習を取り入れるための基礎的な知見を得ることである。そのために,メンタルモデルと情報フィードバックの差異に着目して実践研究を行い,ダブル・ループ学習をセルフスタディとして取り入れることの効果を検討した。その結果,自己のメンタルモデルと情報フィードバックの違いに気づくことができ,自らの実践を客観的に振り返ることができた。
13頁(19~31頁)
14 A Study on Cognitive Transformation in the Process of Acquiring Movement Skills for Changing Running Direction 共著 2022-03-00IEICE TRANS D E105-D(3) バスケットボールの方向転換動作の技能習得過程における認知変容を明らかにすることを目的として,方向転換動作の練習をしている選手の認知をアンケートで調べ,時間的な分析を行った。結果,(1)技能習得の目標設定,(2)走る方向の変化の経験,(3)速度・加速度の経験,(4)脚や股関節などの下肢の動きの経験,の4項目が共通の認知変容として示唆された。また,方向転換動作の技能習得の程度によって認知変容が異なること,【5)身体の重心位置や重心移動などの身体感覚に注意を払いすぎることが方向転換動作の技能習得の障害になることを指摘した。
13頁(565~577頁)
本人担当:SCAT分析
共著者:山田雅敏,大畑昌己,栫井大輔
15 模擬授業後の省察の違いによる大学生の学びのプロセスに関する研究:ALACTモデルと従来の方法による省察後の日誌を対象として 単著 2022-03-00『桃山学院教育大学研究紀要』第4号
(桃山学院教育大学)
本研究は,模擬授業後の省察を ALACT モデルで行う方法と従来の方法で行った後の日誌に着目し,2つの省察における学生の学びのプロセスを明らかにすることを目的とした。そのために,模擬授業後の省察を ALACT モデルと従来の方法で行い,省察後の日誌を SCAT により分析し,省察の方法の違いによる学生の学びのプロセスを確かめた。その結果,省察の方法に 関わらず授業を適切に
行うための技術を学んだり,多面的に授業を捉えることを学んだりしていく共通点がある一方で, ALACT モデルの省察は従来の省察の方法に比べ教師の成長に資する学び方を学んでいくことが示唆された。
15頁(14~28頁)
16 スポーツチームの部活動による言語的コミュニケーションに関する認知科学的検討:バスケットボールチームにおける監督と選手の対立事例をもとに 共著 2022-03-31人間教育学研究 第8号(人間教育学会) スポーツチームのマネジメントとは,指導者と選手との円滑なコミュニケーションにより成立する。しかし近年,両者のコミュニケーション不足が原因によるチームの崩壊が,大きな社会問題となっている。そこで本研究では,選手の内省的認知を検討することにより,指導者とのコミュニケーションを阻害する要因を明らかにすることを目的とする。方法として,指導者との衝突事例を部活ノートに記述した選手に対して,臨床心理士による半構造化面接を実施し,発話データを収集した。次に,質的分析手法の SCAT(Steps for Codingand Theorization)により発話データを分析し,構成概念を抽出した上で理論化を図った。その結果,分析の結果,「選手はプレーを通して自己表現を行いたい一方で,選手が指導者に対して恐怖心を抱く場合,その表現ができるプレーを躊躇するというジレンマを感じる」,「プレータイムや選手起用などチーム運営の権限を持つ指導者に対して,選手は指導者を忖度してコミュニケーションを図る」という理論が導かれた。
9頁(1~9頁)
本人担当:SCAT分析
共著者:大畑昌己,山田雅敏,栫井大輔
17 笑いのある授業に資する落語の活用に関する一考察:桂枝雀氏の「緊張の緩和」「さげの四分類」と有田和正氏のユーモア分析を通して 単著 2022-09-00『和文化教育研究』第16号(和文化教育学会) 落語の「サゲ」による笑いの取り方を授業に導入するために,桂枝雀氏の「サゲの四分類」の観点で有田和正氏の授業記録を分析した。その結果,有田氏のユーモアを「サゲの四分類」で分類することができた。この結果をもとに,授業版緊張の緩和の方法について考察を行った。授業版緊張の緩和では,授業という緊張場面から,授業内容から離れた内容に話題をずらす方法と,共感によって納得や関心を生む二つの方法があることが示唆された。
8頁(9~16頁)
18 小学校体育科における言語活動の充実に関する考察:第5学年ネット型の授業中の発話に着目して 単著 2023-02-00大谷大学国語教育研究 第10号 本研究は,小学校5年生ネット型の授業中の言葉を「教室の言葉の階層性」モデルで分析し,体育の授業における言語活動の特徴を明らかにすることを目的に実践記録を分析した。その結果,体育科における言葉の階層性は,教室で行われる授業と異なる特徴をもっていた。すなわち,上位概念の言葉の獲得を目指すというよりも,学習者が共感・共有できる言葉をめざすのが体育科といえる。そのため,「言語活動の充実」については,運動経験を通して形成されたイメージを踏まえた話し合い活動がなければ効果がないことや,VRのような一人称視点での動画の活用の可能性が示唆された。
12頁(2~13頁)
19 より深い省察に資する模擬授業協議会における大学教員の役割:深い見方を促すための発問に対する学生の発言,記述に着目して 単著 2023-03-00大谷大学初等教育学会研究紀要
第5号
近年,ALACTモデルに代表されるように,授業行為の検討のみに終始せず,何が本質的な問題なのかを掘り下げる局面をもつ,より深い省察の仕方が重要となっている。本研究では,より深い省察を行う際の大学教員の役割を明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために,模擬授業後の協議会において大学教員による深い見方を促すための発問と,学生の協議会の発言内容や協議会後のリフレクションシートの記述内容の関連を分析し,大学教員の協議会における役割を検討した。その結果,授業の文脈および協議会の文脈に即した発問をした場合には,記述内容が省察の内容を受け止め,それを自分事として考えた記述となる傾向があった。一方で,文脈に即していない発問の場合には,授業内容に関する評価や感想を記述する傾向となった。このことから,より深い省察を行う際の大学教員の役割の一つに,模擬授業だけでなく協議会の文脈をも把握することが重要であることが示唆された。
16頁(26~41頁)
20 セルフスタディにおけるクリティカルフレンドの基本的役割に関する実践研究:比喩生成課題を用いた学生の体育授業・教師イメージの変容をフィードバックとした実践との比較を通して 単著 2023-11-30大谷学報 本研究では,セルフスタディにおけるクリティカルフレンドの代替として学生の体育授業及び教師のイメージ変容をフィードバックにする実践とクリティカルフレンドによるフィードバックを取り入れた実践の比較を行った。その結果,学生のイメージ変容をフィードバックした実践では,自分自身の信念に気づくことはできたが,信念の変容までは至らなかった。また,本研究の結果をふまえ,クリティカルフレンドの存在価値について論じた。
20頁(133~152頁)
21 大学における自主的な授業改善に向けた試み:体育科模擬授業の期間記録の活用の検討 単著 2024-03-00大谷大学初等教育学会研究会 本研究は期間記録が授業改善に直結する客観的な資料として活用できるのかについて検討することを目的とし,筆者の担当してきた模擬授業の期間記録から学生の模擬授業の実態を明らかにした上で,授業改善が可能かを検討した。  
その結果,期間記録を授業改善に活用することは可能であることが示唆された。ただし,期間記録のデータそのものが授業改善の資料となるのではなく,学生の実態と期間記録に関する知見をもとに作成される複合的知識を指標とすることで,授業改善に直結する客観的な資料となる。
15頁(35~49頁)
以上21点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 初任者指導における指導のタイミングに関する研究体育授業場面の推移パターンに着目した示範授業の検討口頭発表(一般発表) 2016-10-00日本教育方法学会第52回大会
(於九州大学福岡市)
初任者教員の体育授業における悩み事は,体育授業の「基礎的条件」に関わる課題である。この「基礎的条件」のもと適切な学習内容が行われた時の授業の単元推移パターンが明らかになっている。そこで本研究の目的は,示範授業を単元の序盤・途中・最終に行うことによる効果をよい体育の授業の単元推移パターンと形成的授業評価の視点で明らかにすることである。結論として,示範授業を単元序盤に行うことは,初任者教員が理想的な体育授業を経験することにつながり,若手教師に体育授業の指導する際の方法を示すことができた。
発表時間 30分
2 小学校体育科における記述式テストによる評価に向けた事例研究:第5学年ボール運動ゴール型における指導と評価の一体化の試み口頭発表(一般発表) 2017-09-00日本体育学会第68回大会
(於静岡大学静岡市)
他教科と違い評価技法としてペーパーテストをほとんど扱わない体育科において子どもを評価することは難しく,とりわけ体育科を専門としない小学校教員にとっては難しい。そこで、記述式テストによって子どもの学びをどの程度測ることが可能か短文体テストによる評価を試みた。結果短文体テストでも子どもの学びを確認できることが明らかとなった。
発表時間 15分
3 省察に関する信念の内容とその形成に関する研究:学び続ける教師のライフヒストリー的分析口頭発表(一般発表) 2018-09-00日本教師教育学会第28回大会
(於東京学芸大学小金井市)
長年,省察を行ってきた小学校のベテラン教師にインタビュー調査を行った。それをもとに省察の対象や方法,省察に関する価値観,授業観の3つの変容をライフヒストリーの中で比較検討を行った。その結果,省察の方法に変化がある場合には,それを促す他者の存在がいること,省察方法のよさについては省察を継続する中で気づくこと,省察を継続している教師ほど省察する対象が拡大し,その内容も深化していくことが認められた。
発表時間 30分
4 学び続ける教師に資する教科教育法の実践研究:授業前後のメタファーに着目して口頭発表(一般発表) 2018-09-00日本体育学会第69回大会
(於徳島大学徳島市)
体育科教育法の授業における模擬授業の省察の工夫によって,小学校教員志望学生の教師イメージを変容させることが可能かについて,授業評価を行った。授業前後において教師についてのメタファーを尋ねると,「教職の複雑さ」「反省的実践家としての教師」を回答する割合が増えた。これによって,省察の工夫によって教員志望学生の教師イメージがある程度変容することが明らかになった。
発表時間 15分
5 教員養成における「学び続ける教員」育成プログラムの展開(1)インプリシット知能観への介入を見据えた予備的検討の成果 口頭発表(自主企画シンポジウム) 2019-09-00日本教育心理学会
第61回総会
(於日本大学世田谷区)
「学び続ける教員」育成プログラムの効果と改善点を多角的・探索的に明らかにすることを意図した。分析の結果,肯定的な成果として,【プログラムの直接的効果】と【プログラムの間接的効果】のカテゴリーが生成された。一方,プログラムの課題として,<教員とのマッチング>,<グループ構成>,<内容の難易度>などが得られた。
本人は「学びの態度と方略に焦点をあてた介入の効果:質的分析」を担当した。
発表時間 25分
6 伝承遊びにおける特別ルールの体育的価値に関する研究 口頭発表(一般発表) 2019-10-00第16回和文化教育全国大会
(於鳴門教育大学鳴門市)
本研究では,「ごまめ」の経験者にインタビュー調査を行い,特別ルールの捉え方の特徴について明らかにし,それを体育科の教材づくりに応用することについて考察することを目的とした。調査の結果,特別ルールは年少者への配慮という意味合いが強く,裏返せば同学年に対してはそのルールは使わない傾向があった。また,体育科における異年齢交流の教材を作成する際に活用できることも示唆された。
発表時間 20分

7 2019年改訂新小学校児童指導要録記入文例集資料作成他 2020-02-00指導要録記入文例集
(文溪堂)
新小学校児童指導要録記入文例集の体育科の記入文作成
6頁(19~20頁,61~62頁,115~116頁)
8 教員養成大学における大学運動部の在り方に関する一考察:「学習する組織」からみた女子バスケットボール部の事例をもとに口頭発表(一般発表) 2020-10-00日本教育方法学会第56回大会
(於宮崎大学宮崎市オンライン開催)
大学運動部を学習する組織とするための基礎研究として知見を得ることを目的とし,教員養成大学の大学運動部の取り組みを学習する組織の5つのディシプリンで分析し,大学運動部を学習する組織とするためのモデル作成を試みた。その結果,学習する組織として大学運動部を組織するためにはシステム思考を基盤とし,メンタル・モデルまで踏み込んだ活動が必要であることが明らかになった。
発表時間 20分

9 「本質的な諸相への気づき」を目指す模擬授業後の省察に関する実践的研究 :ALACTモデルの実践における「発問」と「板書」に着目して 口頭発表(WEB発表) 2022-01-22人間教育学会(於桃山学院教育大学堺市オンライン開催) 大学におけるALACTモデルによる省察の具体的方法を提案することを目的とし,この目的を達成するために,「本質的な諸相への気づき」に至ることを目指した省察の過程における「発問」と「板書」に着目し,その変遷を対象化することで具体的手立てを考察した。その結果,現段階では次の方法が「本質的な諸相への気づき」に資する省察になると考えられた。すなわち,模擬授業での出来事を時系列に「かえりみる」中で授業の文脈を明らかにし,その文脈に沿いつつも授業や指導の内面を問う発問によって「深める」活動を行うことである。
発表時間 20分
10 実務家教員の教師教育者としての成長に資する ダブル・ループ学習を取り入れたセルフスタディの検討:学生の体育授業に関する信念の変容を情報フィード バックとしたダブル・ループ学習に着目して 口頭発表(一般発表) 2022-06-25日本体育科教育学会第27回大会(於北海道教育大学札幌市) 本研究は,第25回学会大会 WEB研究発表で報告した,ダブル・ループ学習を取り入れたセルフスタディの修正版の報告である。本研究の目的は,小学校教員を目指す学生対象の体育科に関する授業において,学生の体育授業のイメージ変容を情報フィードバックとした省察が,自らの授業改善に資するかを明らかにすることである。この目的を達成するために,2020 年度と 2021 年度の履修者のイメージ変容をもとに省察を行い,授業実践とイメージ変容の関連を調査した。研究の方法として,年度に 3 回(「被教育体験期」「理論
学習後」「実践終了後」)比喩生成法を行い,それをコーディングし,学生の体育授業イメージ(2020 年度の「実践終了後」からは教師イメージも)を調査した。その結果,2020 年度の省察を 2021 年度の授業に活かすとともに,ダブル・ループ学習によるセルフスタディのモデルを示すことができた。一方で,クリティカルフレンドの助言から情報の捉え方も変わることもわかり,今後もモデルの改善の余地があることも確認できた。
発表時間 15分
11 より深い省察に資する模擬授業協議会における大学教員の役割:深い見方を促すための発問に対する学生の発言,記述に着目して 口頭発表(一般発表) 2022-09-18日本教師教育学会第32回大会(於秋田大学秋田市オンライン発表) 近年,ALACTモデルに代表されるように,授業行為の検討のみに終始せず,何が本質的な問題なのかを掘り下げる局面をもつ,より深い省察の仕方が重要となっている。本研究では,より深い省察を行う際の大学教員の役割を明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために,模擬授業後の協議会において大学教員による深い見方を促すための発問と,学生の協議会の発言内容や協議会後のリフレクションシートの記述内容の関連を分析し,大学教員の協議会における役割を検討した。その結果,授業の文脈および協議会の文脈に即した発問をした場合には,記述内容が省察の内容を受け止め,それを自分事として考えた記述となる傾向があった。一方で,文脈に即していない発問の場合には,授業内容に関する評価や感想を記述する傾向となった。このことから,より深い省察を行う際の大学教員の役割の一つに,模擬授業だけでなく協議会の文脈をも把握することが重要であることが示唆された。
発表時間 30分
12 模擬授業の省察における教育実習経験の影響に関する実践研究:教育実習未経験学生との発言の比較を通して 口頭発表(一般発表) 2022-10-02教育方法学会第58回大会(於山口大学山口市) 近年,ALACTモデルに代表されるように,授業行為の検討のみに終始せず,何が本質的な問題なのかを掘り下げる局面をもつ,より深い省察の仕方が重要となっている。しかし,多くの報告は教職大学院での報告のように,教育実習経験者が対象となっていることが多い。本研究では,より深い省察を行う際の教育実習の経験の影響を明らかにすることを目的とする。この目的を達成するために,教育実習経験者・未経験者の模擬授業後の協議会における発言内容を分析し,実習経験の有無による深い省察をするための協議会の方法論について検討した。実習前と実習後の協議会の比較から,全般的な傾向として実習後の方が,発話数が増え,沈黙が減る傾向にあった。次に,発話の内容の内,変化が見られた特徴的な内容と,実習後の発話で「学校現場での経験」や「実習校での指導」についての発話が増える一方で,「教材理解」「児童の想定」の発話が減る傾向が見られた。これらの結果から,実習経験を経ることで,学校現場での経験や実習校での指導など実践的知識を根拠に発言する傾向が示唆された。
発表時間 30分
13 より深い省察に資するための指導の変遷が 学生に及ぼす影響について:教員の手立ての変化と学生の発言,記述の変化に着目して 口頭発表(一般発表) 2022-10-08日本教育工学会研究会(於関西学院大学西宮市) 本研究では,より深い省察を行うための大学教員の役割を明らかにすることを目的に研究を進めた。この目的を達成するために,模擬授業後の協議会における教員の板書や発問と,学生の協議会の発言内容や協議会後のリフレクションシートの記述内容の関連を分析し,大学教員の協議会における役割を検討した。その結果,大学教員の役割は,模擬授業及び協議会の文脈を把握することであり,そのための手立ての1つとして模擬授業中の出来事を可視化した板書の活用が挙げられた。
発表時間 24分 
14 わび茶の教材化に関する基礎的研究 口頭発表(一般発表) 2022-11-05第19回和文化教育全国大会(於同志社大学京都市) 本研究では,茶道のもつ魅力を教材化するために「わび茶」に着目し,それを映像化するための方法について文献研究を行った。その結果,わび茶を素材として,余計なものを省く視点を取り入れることでわび茶の映像化(教材化)が可能であることが明らかになった。そして,この余計なものを省くための方法として「影」に着目した。谷崎(1933)が「日本座敷の美は全く陰翳の濃淡に依って生まれている」と述べているように,日本的な美の中には影が含まれる。わび茶においても,小間の茶室では突き上げ窓や下地窓など,単に光を取り入れるのではなく意図的な光の取り入れ方,逆に言えば影の作り方でわび茶を演出している。よって,今後は影の演出によってわび茶を表現する映像を作成することで,わび茶のもつ魅力の教材化を図る予定である。
発表時間 20分
15 第4回論文作成支援セミナー 話題提供 2023-06-24日本教師教育学会(オンライン開催) 日本教師教育学会年報第26号掲載論文について,その論文作成の詳細や査読への対応などについて話題提供を行った。特にリジェクトとなった第30号投稿論文との比較は,論文投稿を考えている参加者にとって有益な情報であったと評価された。また,発表の中で提示した「教育実践論文」と「実践報告」の違いについては,第5回で引き続き検討されることとなった。
16 授業形態が学生の体育授業のイメージ変容に及ぼす影響について:対面授業とオンデマンド型授業の比較をもとに
口頭発表(一般発表) 2023-07-00日本体育科教育学会第28回大会(於順天堂大学千葉県印西市) CODIV-19の流行は,同時双方向型やオンデマンド型の遠隔授業というこれまでにない授業形態を広めるきかっけとなり,このことは体育科教育も例外ではなかった。これまでの対面授業と異なった授業形態は,教師を目指す学生の信念に関連する体育授業イメージや教師イメージにどのような影響を及ぼすのであろうか。そこで,本研究では,A大学教育学部の2年生開講科目で行ったオンデマンド型授業(n=56)と,B大学教育学部の1年生開講科目で行った対面授業(n=48)による学生のイメージ変容を比喩生成課題によって調査した。その結果,授業イメージについては授業形態にかかわらず前後で違いがみられなかったが,教師イメージについては実践後において有意な差がみられた。すなわち,オンデマンド型授業後は「手本・有識者」の教師イメージが多く,対面授業後は「製作者」の教師イメージが多いことがわかった。また,その結果と授業終了後の記述内容との関係を調べるために,自由記述によるテキストデータをKH Coderによるテキスト分析した。その結果,オンデマンド型授業後に「手本・有識者」の教師イメージの学生の抽出語は「知る」との関わりが深いことがわかり,対面授業後に「製作者」の教師イメージの学生の抽出語は「得意」「苦手」との関わりが深いことがわかった。このことをふまえ,オンデマンド型授業の可能性について考察を行った。
発表時間 15分
17 和文化教育としてのWEB教材の開発と課題:茶道の教材化の事例をもとに 口頭発表 2024-02-24第20回和文化教育全国大会オンライン九州大会 グローバル文化価値形成を意図する和文化教育としての茶道のウェブ教材開発をするための,実践の過程を示すとともに,今後に向けた課題を示した。教材を作成する前に,茶道になじみのない大学生に模擬授業を実施した。その模擬授業および共同研究者の意見をもとに,ウェブ教材を作成した。実際に作成すると,容量の県警で動画が使えないことや影の演出や画像として美しく見えるための撮影には,それなりの技術や機器が必要であるといった課題が明らかになった。今後,『和美茶』として日本の美の魅力を伝えるWEB教材にするために,日本の美の魅力を表現できるページに改良する必要がある。
発表時間 20分
以上17点

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