教育研究業績の一覧

廣川 智貴
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 授業評価アンケート 2005-00-00 ~ 年に2度実施される授業評価アンケートの結果を授業に反映するように努めている。
2 ドイツ文学(講義) 2007-04-00 ~ 文学作品について講義する際、視聴覚教材(CD、DVDなど)を使用するだけでなく、文学と諸芸術との関連を意識させる教材を用いることで、学生の好奇心を刺激するよう工夫している。なお、講義で使用する教材は自身で作成し、学生の反応や最新の研究動向を反映させる形で毎年改訂している。
3 ドイツ語(文法) 2007-04-00 ~ 視聴覚教材を使用することでドイツの文化を具体的に紹介し、語学の授業にありがちな単調さを回避するよう努めている。また、総まとめのプリントを配布したり、小テストをおこなうことで、より確実な知識が習得できるよう工夫している。
4 初年次教育(「専門の技法」) 2007-04-00
~2017-03-00
学科導入科目である「専門の技法」では、大学導入科目「学びの発見」を意識して授業を運営している。また、毎回、オリジナルの資料を配付し、限られた時間内で、高度な技法を伝達するよう努めている。なお、資料は毎年改訂したものを使用している。
5 大学コンソーシアム(インターンシップ) 2008-04-00
~2010-03-00
インターンシップのゼミでは、学生が発言しやすい環境を提供することを目指した。また、レポート作成については、書き方のポイントをゼミで教授した。また、実際の執筆に際しては、メールを利用し細かく添削した。
6 初年次教育(「学びの発見」) 2008-04-00 ~ 「ブレーンストーミング」「KJ法」などといったそれぞれの方法が、レポートや卒論の執筆においてどのような位置を占めるのか、ということをつねに説明しながら授業をすすめるよう努めている。
7 インターンシップ(学内) 2011-04-00
~2013-03-00
事前学習では、これまでに大学コンソーシアムのインターンシップで得た経験をもとに、受講生が積極的に発言できるよう配慮した。その結果、事前学習から事後学習に至るまで、活気のある授業となった。また、事前レポート、事後レポートも、可能なかぎり詳細に添削し、受講生に読み手を意識して文章を書くよう指導した。2012年度は、学生諸君が積極的にこのプログラムに参加できるように、それまでのグループディスカッションという形式だけでなく、芝居を取り入れ、一定の成果をあげることができた。
8 ドイツ文学・文化ゼミ 2011-04-00 ~ これらのゼミでは、大学導入科目「学びの発見」で学んだことがらをできるだけ意識させることで、学びの技法の定着をはかっている。
9 サブゼミの実施 2012-04-00
~2013-04-00
ドイツ語を履修せずにドイツ文学・文化を選択した2回生を対象にして、正規の授業のほかにサブゼミを実施し、ドイツ語の基礎を教授している。
10 国際文化概論(講義) 2014-04-00 ~ 今年度からはパワー・ポイントの資料を利用することで、視覚的にもドイツ文化を学ぶことができるよう工夫している。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 ドイツ語(文法) 2007-04-00 ~ ドイツ語を教授する際、復習のためのプリントを作成し、それを配布することで知識の定着をはかっている。なお、これらの資料は自身で作成し、教科書の内容および学生諸君の反応を考慮して毎年改訂している。また、期末試験対策として模擬テストをおこない、詳細な解説を書き入れた模範解答を配布した。
2 ドイツ文学(講義) 2007-04-00 ~ 文学作品について講義するにあたり、講義内容をコンパクトにまとめたプリントを配布することで学生の基礎知識の定着をはかっている。これらの教材は自身で作成し、研究の動向や学生諸君の反応を考慮して毎年改訂している。また、文字情報のみならず、図版などを挿入することで学生の好奇心を刺激するよう努めている。
3 国際文化概論(講義) 2007-04-00 ~ 講義内容をコンパクトにまとめたプリントを配布することで学生の基礎知識の定着をはかっている。これらの教材は自身で作成し、研究の動向や学生諸君の反応を考慮して毎年改訂している。また、文字情報のみならず、図版などを挿入することで学生の好奇心を刺激するよう努めている。
4 レポート・卒論作成の手引き 2009-00-00 ~ ドイツ文学・文化を専攻する2回生のために、レポート・卒論作成の手引きを作成した。なお、このテキストは、毎年改訂している。
5 「学びの発見」(ハンドブック)(改訂第1版・第2版) 2012-00-00
~2014-00-00
「読み・書き」の基礎を徹底するという観点から、全学共通科目「学びの発見」のハンドブックを大幅に改訂した。
6 海外研修旅行 2014-05-00 ~ 海外研修旅行の事前講義の際に、パワーポイントによるスライドを作成し、具体的な美術作品の鑑賞法を示した。
7 ドイツ文学必読作品リスト 2015-04-00 ~ ドイツで刊行されている『ドイツ文学を学ぶ学生は何を読むべきか』という必読リストを編集し、日本語に翻訳されている作品の情報を書き加えた。
8 文学科演習I 2015-04-01
~2016-03-31
この授業では、1回につき、ひとつのテーマを扱った。文学作品の読み方を体験するために、作品からの引用とそれについての問題を記したプリントを毎回配付した。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 SAと初年次教育科目-大谷大学「学びの発見」を例にして 2012-01-20 ~ 本学の初年次教育の取り組みを、「大学時報」誌上で紹介した。詳細は「III.口頭発表・その他」を参照されたい。
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 TA・SA講習会 2013-03-00
~2014-03-00
自身で改訂したハンドブックによりながら、「学びの発見」にご協力いただく教員、TA・SAの講習会を実施した。この場でいただいたご意見を参考に、さらにハンドブックを改訂した。(2013年3月13日、18日、27日、2014年3月13日、19日、27日)
B 職務実績
1 模擬授業(オープンキャンパス) 2007-08-03 ~ オープンキャンパスで模擬授業および講習をおこなった。(2007-08-03、2010-08-08、2013-07-21、2014-08-03、2015-08-23、2016-08-06、2021-08-07)
2 海外研修旅行 2008-00-00 ~ ドイツ語圏への研修旅行の引率をおこなった(2010年、2012年、2014年、2018年)
3 真宗総合研究所国際仏教研究研究員 2008-00-00 2008年にマールブルクで開催された第6回ルドルフ・オットー国際シンポジウムにおいて言語仲介者として登壇した。
4 模擬授業(高等学校) 2008-10-18 ~ 京都精華女子高校:「ドイツ・ロックとドイツ現代史」、大阪府立刀根山高校:「ヴェルテルはなぜ自殺したのか-ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』(1774)について-」(2009-11-26)、滋賀県立甲西高等学校:「学部・学科紹介とミニ講義」(2010-02-17)、滋賀県立八日市高等学校:(2010-09-30)、追手門学院高等学校:「文学は役に立たない?-ドイツ文学を例にして-」(2012-07-10)、京都府立桂高等学校:「自然と文学」(2012-10-11)、滋賀県立大津高等学校:ゲーテ『魔王』を読む」(2012-12-18)、滋賀県立長浜北星高等学校:「《魔王》を読む」(2013-03-12)、滋賀県立八幡商業高校:「文学入門――登場人物の顔を読む」(2015-12-14)光泉高等学校「文学入門-「魔王」を読んでみよう」(2016-07-11)
5 真宗総合研究所国際仏教研究研究員 2010-00-00 藤枝真准教授、村山保史准教授とともに、Dietrich Korsch: "Martin Luther -Eine Einführung"の下訳を作成した。
6 推薦合格者にたいする入学前指導 2012-02-11 ~ 自己推薦入試および指定校推薦入試合格者のための講義を担当した。そのさい、入学前課題を添削し、コメントを付して返却した。(2013-02-12~2013-03-31)
7 レポート・論文講座(高等学校) 2012-02-18 ~ 「大学におけるレポート・論文の作法」に関する講義を以下の高等学校でおこなった。京都府立山城高等学校(2012年2月18日・25日、2013年2月23日)、明徳高等学校(2015年2月18日・25日、2016年2月17日・18日)京都翔英高等学校(2015年7月21日)
8 講演会の企画 2012-05-23 国際文化学科主催の講演会を、本学のデッケ=コルニル教授と企画し、実施した。講師として大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館副総領事シュテファン・ビーダーマン氏をお招きし、「EUとは何か―個人的な体験から」と題してお話していただいた。
9 模擬授業(大学見学会) 2012-09-27 滋賀県立北大津高等学校のみなさんに、「なぜ外国語を学ぶのか-ヨーロッパを手がかりに-」と題して模擬授業をおこなった。具体的には、「ヨーロッパ共通参照枠」を手がかりにして、グローバル化が進行しつつある日本でもヨーロッパと同様に外国語を学ぶことが重要であることを述べた。
10 大学説明会(講演) 2012-12-02 大学説明会において、「文学部って、役に立たないの?-人を理解するということ」と題する講演をおこなった。文学部での学びが社会人基礎力を涵養するものであることを、ヨーロッパの「観相学」を例にして述べた。(40分)
11 ドイツ人留学生との交流会 2012-12-19 ~ NCCのドイツ人留学生をお招きし、本学学生との交流会を毎年実施している。
12 高校訪問 2013-03-01 ~ 2013年3月1日~31日(朱雀高等学校、高島高等学校、能登川高等学校、栗東高等学校)、2015年7月27日~8月28日(東宇治高等学校、大冠高等学校、滋賀学園高等学校、石山高等学校、太子高等学校)、2016年7月6日~8日(城南菱創高等学校、東宇治高等学校、莵道高等学校、京都芸術高等学校、洛陽総合高等学校)
13 高大連携プログラム 2013-04-17 ~ 高大連携プログラムの一環として、伊那西高等学校で講義を担当した。(2013年4月17日、24日、5月1日;2018年6月7日)
14 グローバル・スクエア(課外授業) 2013-05-00 ~ 「独検3級対策講座」(2013年5月~7月)、「独検3級対策講座」(2014年5月~9月)
15 国際文化学科 シンポジウム 2013-07-18 国際文化学科主催のミニ・シンポジウム「世界の食文化と宗教」において、「キリスト教とビール」と題する報告をおこなった。
16 小論文講座 2013-08-24 高校生を対象とした小論文講座の添削と個別指導を担当した。
17 進学ガイダンス 2013-09-19 大阪府立牧野高等学校で、「文学部では何を学び、どこに就職できるか」と題するガイダンスをおこなった。
18 外部資金の獲得 2015-04-01
~2017-03-31
科学研究費助成による共同研究(課題番号15K12438、研究課題名:「文化地質学:人と地質学の接点を求めて」、研究代表者:鈴木寿志准教授)の分担研究をおこなった。
19 大学総合企画委員会 2016-12-12
~2018-08-31
20 外部資金の獲得 2017-04-01 ~ 科学研究費助成による共同研究(課題番号17H02008、研究課題名:「変動帯の文化地質学」、研究代表者:鈴木寿志教授)の分担研究をおこなった。
21 学長補佐 2017-10-00
~2019-03-00
22 総合研究室主任 2018-04-00
~2021-03-00
総合研究室主任として、総合研究室の運営に携わった。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1997-00-00~0000-00-00 日本独文学会京都支部 支部委員(2008-2010年、2012-2014年、2016-2018年)
2 2006-09-00~2017-03-31 日本ゲーテ協会
3 2006-11-00~0000-00-00 日本独文学会(全国学会実行委員 2014年)
4 2010-09-00~0000-00-00 日本18世紀学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
以上0点
Ⅱ学術論文
1 文体論の理論と実践-クライストの『ロカルノの女乞食』を例にして単著 2000-12-00『研究報告』第14号(京都大学大学院独文研究室) 本論文では、まず現代文体論の成立について論じた。そして、ドイツ語圏の文体論においては、理論的考察が先行する傾向にあり、テクストを分析するという実践面が欠如していることを指摘し、それを補うべくクライストの『ロカルノの女乞食』を分析した。具体的には機能文法における他動性のカテゴリーを分析の枠組みとし、語り手の選択する他動性のネットワークが主人公の無力感を表現していると結論した。[総頁数17頁、1-17頁]
2 主語の文体論-クライストの『決闘』を中心にして-単著 2004-12-00『研究報告』第18号(京都大学大学院独文研究室) 本論文は、クライストの短編『決闘』の冒頭にみられる主語の用法を論じたものである。具体的には、一般に主語とよばれるものには三つの機能があることを指摘し、その分類にもとづいてテクストを分析した。一般にこの作品は分析的手法で構成されているといわれるが、主語の用法を詳細に分析すると、語り手はすでに作品の冒頭部分でクライマックスを示唆していることを指摘した。[総頁数22頁、1-22頁]
3 ハインリヒ・フォン・クライストの文体-文体論からのアプローチ-単著 2005-03-23京都大学(課程博士論文) 本論文は、現代言語学を分析の枠組みとして、クライストの散文(新聞記事、短編小説)にみられる文体とその効果を論じたものである。第1部で文体論および文体について検討し、現代文体論が文学と言語学との間の求心力として成立したことを指摘し、個々の文体事象を言語理論で裏付けた。第2部では、クライストの文体を具体的に考察した。ここでは、クライストが執筆した短編小説、新聞記事を考察の対象とした。拙論では、分析のカテゴリーが重複しないように配慮し、テクストを単に記述するのみならず、その解釈にまで言及するよう努めた。[総頁数119頁]
4 ジャーナリストとしてのクライスト-名詞文体を中心に-単著 2006-06-25『西洋文学研究』第26号(大谷大学西洋文学研究会) 本論文では、一般的に「動詞文体」の書き手として知られるクライストが、「名詞文体」のすぐれた書き手でもあったことを、とりわけ彼の執筆した新聞記事をもとにあきらかにした。また、この作家の名詞文体と現代ドイツ語のそれとの類似点、および、相違点にも言及した。[総頁数23頁、1-23頁]
5 「無気味なもの」としての自然-ゲーテの『魔王』について-単著 2007-03-01『大谷学報』第86巻第2号(大谷学会) 本論文では、アニミズム的な自然観と合理的な自然観という、自然に対する二つの異なった見方が、ゲーテのバラード『魔王』に見られることを指摘した。そして、フロイトの理論を援用し、これらの自然観を語り手が提示したのは、自然を「無気味なもの」として捉えているからだと結論した。[総頁数21頁、30-50頁]
6 ドイツ語文体論における教育文体論の可能性について単著 2007-06-25『西洋文学研究』第27号(大谷大学西洋文学研究会) ドイツ語圏の文体論は理論的考察に偏向しがちである。しかしこの傾向は、文体論にとって決して望ましいことではない。なぜなら、現代文体論は、言語理論でテクストを分析する実践的な営みとして成立したからである。拙論では、ドイツ語文体論の閉塞状況を改善するのに、具体的な分析に重点をおくイギリスの教育文体論が示唆を与えることを指摘した。[総頁数16頁、20-35頁]
7 詩人は病人か?-ゲーテ『トルクヴァート・タッソー』におけるメランコリーについて-単著 2007-06-30"Germanistik Kyoto" 第8号(日本独文学会京都支部)(レフェリー付) 本論文では、ゲーテの戯曲『トルクヴァート・タッソー』におけるメランコリーについて論じた。詩人タッソーには明らかにメランコリーの症状が見られる。だが、それは彼の詩的才能と密接に関係してもいる。宮廷の人々はタッソーを病人とみなし旧来の医学的治療を試みるが失敗に帰する。しかし、アントニオは、タッソーに同情することで詩人のアイデンティティを保つことに成功する。これは、当時のドイツで流布しつつあった新療法、すなわち、モラル・マネージメントを応用したものであると結論した。[総頁数18頁、53-70頁]
8 結束性と文体-クライストの『拾い子』について-単著 2010-06-25『西洋文学研究』第30号(大谷大学西洋文学研究会) 拙論では、結束性をテクストの統一性を保証するものとして定義し、クライストの『拾い子』の冒頭を分析した。そこから、1)指示代名詞による強固な結束、2)文接続辞"und"による劇的な休止と継続の効果、3)アナグラムを効果的にする「指示」「語彙的結束」による結束、4)近接の指示代名詞"dieser"による転回点の示唆があきらかとなった。[総頁数25頁、27-51頁]
9 『ミヒャエル・コールハース』とプロイセン改革
-「営業の自由」を中心に-
単著 2010-10-01『ゲーテ年鑑』第52号(日本ゲーテ協会)(レフェリー付) 本論文では、クライストの『ミヒャエル・コールハース』をプロイセン改革期の具体的な法案に即して解釈した。クライストは改革派の人びとと交流があった。そして、その改革派が重きを置いたのは経済政策、とりわけ「営業の自由」であった。クライストもこの政策に関心をもっており、それが『ミヒャエル・コールハース』にもおおいに影響していると論じた。[総頁数15頁、237-251頁]
10 演技術と心理学-J. J. エンゲル『演技のための理念』(1785-86)について単著 2012-03-25『ドイツ文学』第144号(日本独文学会)(レフェリー付) 本論文は日本独文学会の機関誌『ドイツ文学』の特集「身体文化」に寄稿したものである。ベルリン啓蒙主義を代表するJ・J・エンゲルの演技論『演技のための理念』が、経験心理学をはじめとする当時の心理学を受容していることを指摘した。[総頁数15頁、19-33頁]
11 市民の教育―ヨハン・カール・ヴェーツェル『ヘルマンとウルリーケ』単著 2014-08-01『希土』第39号(希土同人社) ヴェーツェルは「作家」として知られるが、その仕事の幅は広い。とりわけ、彼が汎愛学舎に接近し、その機関誌のなかで教育論を展開していることは興味深い。本論は、彼の代表作『ヘルマンとウルリーケ』に、こうした教育論の影響がみられることを、「名誉心」という観点から明らかにしたものである。[総頁数25頁、86-110頁]
12 ドイツ語の弁護―ヨハン・カール・ヴェツェル『ドイツ人の言語、学問、趣味について』単著 2015-08-01『希土』第40号(希土同人社) ヴェツェルの『ドイツ人の言語』は、フランス趣味で知られるフリードリヒ二世(大王)の『ドイツ文学論』を受けて書かれたものである。本論文では、ヴェツェルが国王の指摘するドイツ語の欠点を詳細に検討し、この言語を肯定的に捉え直し、(文学にとっての)可能性を啓蒙的に提示していることをあきらかにした。[総頁数24頁、80-104頁]
13 人はなぜ狂うのか-クリスティアン・ハインリヒ・シュピース『狂人列伝』の社会批判単著 2016-08-01『希土』第41号(希土同人社) 本論文では、クリスティアン・ハインリヒ・シュピースの『狂人列伝』が、道徳的な堕落によってだけでなく、法や教会といった制度・機関によっても狂気に陥る人々を描いた作品であることを示した。[総頁数23頁、84-106頁]
14 徳の教育-Ch・F・ゲラート『スウェーデンのG伯爵夫人の生涯』-
単著 2017-05-31ドイツ啓蒙主義研究14(大阪大学大学院言語文化研究科) 18世紀半ばのドイツにおいて、ゲラートは「ドイツの道徳的文化の基礎」(ゲーテ)を形成していた。とりわけ彼の「道徳講義」は、多くの聴講生を集めた。本論文は、彼の小説『スウェーデンのG伯爵夫人の生涯』が、そうした道徳理論の実践例であることを指摘したものである。[総頁数20頁、21-40頁]
15 古代に映る近代-クライスト『ペンテジレーア』とエウリピデス『バッコスの信女』-
単著 2017-07-25『西洋文学研究』第37号(大谷大学西洋文学研究会)
18世紀から19世紀にかけてのドイツの作家は、それまで範としてきたラテン系の文学とたもとをわかち、古代ギリシアの文学や文化を受け容れることで、自分たちの抱く願望や問題を表現するようになる。クライストもそうした一人だった。彼は、『ペンテジレーア』において、ギリシア悲劇からディオニューソス的な側面を受容し、同時代の理想的国家に内包される危険を表現したのだった。[総頁数14頁、19-32頁]
16 汎愛派の知られざる教育者J・K・ヴェツェル単著 2018-05-31ドイツ啓蒙主義研究15(大阪大学大学院言語文化研究科) あまり言及されることはないのだが、ドイツ啓蒙主義期に活躍した作家ヨハン・カール・ヴェツェルは、この時代の教育改革を象徴する汎愛派の動きに関与していた。本稿では、彼が汎愛派の批判的継承者であるという観点から、ヴェツェルの教育論に一貫しているのが、個人の「相対的完成」、「多様な世界観」、「〈行為〉と〈名誉〉」であることを指摘した。[総頁数16頁、1-16頁]
17 アルプスを見る詩人―ヘルダリーンとエーベル―
単著 2019-05-31ドイツ啓蒙主義研究16(大阪大学大学院言語文化研究科) 本論文は、口頭発表「山を見る詩人-ヘルダリーンと地質学」を加筆修正したものである。なお、本論文は、2015-2016年度日本学術振興会科学研究費助成事業、挑戦的萌芽研究「文化地質学:人と地質学の接点を求めて」(課題番号15K12438)による研究成果の一部である。[総頁数12頁、35-46頁]
18 ヴェツェルとウィーン―『喜劇役者たち』を中心に―単著 2020-07-31ドイツ啓蒙主義研究17(大阪大学大学院言語文化研究科) ドイツ啓蒙主義時代の作家ヴェツェルは、ドイツ文学には珍しく、喜劇『喜劇役者たち』を執筆した。この作品では、当時のウィーンの演劇界を代表するシュテファニー兄弟が風刺されているのだが、本論文ではそうした風刺が後進国ドイツにおける文化の振興を視野に入れたものであることを指摘した。[総頁数15頁、11-25頁]
19 ヴェツェルの教育論と『ロビンソン・クルーソー』単著 2021-05-31ドイツ啓蒙主義研究18(大阪大学大学院言語文化研究科) 本論文は、ヴェツェルの小説『ロビンソン・クルーソー』を、彼の教育論のキーワード、すなわち「労働」「精神のバランス」「経験と反省」という観点から解釈したものである。[総頁数14頁、37-50頁]
以上19点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 語り手が語るもの-クライストの『チリの地震』-口頭発表 2003-06-28日本独文学会京都支部春季研究発表会 本発表では、クライストの『チリの地震』にあらわれる特徴的な文体を二つとりあげた。一つは従属接続詞alsで、一般には時をあらわすこの接続詞がクライストにあっては時間的な意味をこえて用いられることがあることを指摘した。他方では、この作品には特徴的な他動性の構造がみられることを指摘した。つまり、作品を通して主人公は目標(GOAL)の位置を占めており、それによって彼らが外界の脅威に対していかに無力な存在として描かれているかを論じた。[発表時間:30分]、[要旨掲載雑誌:Germanistik Kyoto 5. 2004. S. 104-108]
2 ゲーテの『魔王』について-「無気味なもの」としての自然-口頭発表 2006-07-29大谷大学西洋文学研究会年次大会 本発表では、アニミズム的な自然観と合理的な自然観という、自然に対する二つの異なった見方が、ゲーテのバラード『魔王』に見られることを指摘した。そして、フロイトの理論を援用し、これらの自然観を語り手が提示したのは、自然を「無気味なもの」として捉えているからだと結論した。[発表時間:30分]
3 古代的なものと近代的なもの-クライストの『ペンテジレーア』について-
口頭発表 2007-07-21大谷大学西洋文学研究会年次大会 本発表では、クライストの古代受容のあり方を『ペンテジレーア』を中心に論じた。ペンテジレーアの狂気は、エウリピデスの『バッコスの信女』にみられるディオニュソスを想起させるが、これはアマゾン国の抱える矛盾を暴露してもいる。当時理想とされた国家理論を体現するアマゾン国の女王ペンテジレーアの狂気を、古代のモティーフをとおして効果的に描写することで、クライストはこの理想的国家観を批判したのだと結論した。[発表時間:40分]
4 J.J.エンゲルの演劇論について-『身振りのための理念』を中心に-口頭発表 2008-11-22日本独文学会京都支部秋季研究発表会 同時代においては大きな影響を与えたにもかかわらず、今日ではほとんど顧みられないJ.J.エンゲルの演劇論について報告した。具体的には、彼の理論的主著である『身振りのための理念』(以下『理念』と略記)を中心にして、『理念』が執筆された背景、そこで展開される演劇論と人間学との関係、『理念』の実践的側面、そして、この書物の今日的意義を示唆した。[発表時間:40分]、[要旨掲載雑誌:Germanistik Kyoto 10. 2009. S. 68-72]
5 クライストと法-『ミヒャエル・コールハース』を中心にシンポジウム 2009-05-29シンポジウム「ゲーテと法」(日本ゲーテ協会) 本発表では、クライストの『ミヒャエル・コールハース』をプロイセン改革期の具体的な法案に即して解釈した。クライストは改革派の人びとと交流があった。そして、その改革派が重きを置いたのは経済政策、とりわけ「営業の自由」であった。クライストもこの政策に関心をもっており、それが『ミヒャエル・コールハース』にもおおいに影響していると論じた。[発表時間:40分]
6 心理表現としての身振り-J.J.エンゲル『演技のための理念』(1785/1786)について口頭発表 2010-07-17大谷大学西洋文学研究会年次大会 本発表では、今日ではすでに忘れられているが、同時代においてはレッシングとならぶ思想家であったJ・J・エンゲルの『演技のための理念』(以下『理念』)について報告した。ここで、エンゲルは、表現の「真理」、すなわち、身振りによる内面の表示を考察の対象としている。『理念』では、そのような身体表現がいかに体系化され、俳優がその表現をとおしていかにイリュージョンを実現するかが詳述されている、と論じた。[発表時間:40分]
7 SAと初年次教育科目-大谷大学「学びの発見」を例にして報告 2012-01-20「大学時報」第342号 本稿は、「TAの有効活用法」という小テーマにおいて、本学の大学導入科目「学びの発見」の現状を報告したものである。具体的には、「学びの発見」におけるSA導入の経緯、SAを対象としたアンケート結果を紹介し、SAの仕事とキャリアとを関連づけることがSAの動機の向上につながると指摘した。[総頁数2頁、82-83頁]
8 革命としての地震―クライスト『チリの地震』エッセイ 2012-07-10『世界文学』第115号 本稿は特集「災害と文学」に寄稿したものである。ドイツ語圏で地震を扱った作品は少ないが、『チリの地震』はそうした作品のひとつである。拙論はエッセイ形式で書かれているが、先行研究をふまえつつ、革命としての地震に焦点をあてて、この短編小説を紹介したものである。
9 人間学と小説-18世紀ドイツの場合口頭発表 2012-10-26大谷学会研究発表会 18世紀のドイツにおいて、「人間学」という新しい学問がおこった。ここで問題となったのは、「精神」と「肉体」という人間の二重性であった。「人間学」はこれらの相互作用を考察し、人間を「全的人間」として捉えた。この学問の特徴は学際的な点にあるが、そうした動向は文学にも影響を及ぼさずにはおかない。本発表では、こうした「人間学」の影響を受けた18世紀ドイツの文学理論や作品を紹介した。[要旨掲載雑誌:『大谷学報』、第92巻第2号、34~37頁]
10 ヨハン・ヤーコプ・エンゲルのための追悼文翻訳・解説 2015-07-25『西洋文学研究』第35号(大谷大学西洋文学研究会) ヨハン・ヤーコプ・エンゲルはドイツ啓蒙主義を代表する人物であるが、今日では忘れられた存在である。しかし、彼のような通俗哲学者を知ることなしに、当時の思想状況を理解することはできない。盟友フリードリヒ・ニコライによる追悼演説は、そうしたエンゲルの姿を浮き彫りにする一級の資料である。本論はこの演説の翻訳に解説を付したものである。[総頁数41頁、25-65頁]
11 山を見る詩人-ヘルダリーンと地質学口頭発表 2015-09-11大谷大学西洋文学研究会年次大会 ヘルダリーンの詩的世界の形成に大きな影響を及ぼした人物にズゼッテ夫人(ディオティーマ)がいる。この女性との出会いのきっかけは、ヨハン・ゴットフリート・エーベルであったと言われる。ヘルダリーンの伝記では、彼の名はこの文脈で語られることが多い。だが、興味深いのは、エーベルが地質学者であり、ヘルダリーンがその影響を受けたということである。本発表では、エーベルのアルプス研究を概観し、そこからヘルダリーンの詩を捉え直した。なお、本発表は、科学研究費助成事業の課題番号15K12438「文化地質学」の研究成果の一部である。(発表時間:40分)
12 地質の詩学-ゲーテ、ヘルダーリン、ノヴァーリス招待講演 2016-09-12日本地質学会第123年学術大会 18世紀は今日的な意味での地質学が誕生した時代だった。本講演では、ゲーテ、ヘルダーリン、ノヴァーリスと地質学との関わりを、具体的な文学作品をとおして紹介した。なお、本講演は、科学研究費助成事業の課題番号15K12438「文化地質学」の研究成果の一部である。(発表時間:30分)
13 大人になれない少年-E・T・A・ホフマン「ファールンの鉱山」口頭発表 2017-03-11「文化地質学:人と地質学の接点を求めて」平成28年度成果報告会 ドイツ・ロマン派の作家たちにとって、地下へともぐることは、心の中へ入ってゆくことでもあった。ホフマンの「ファールンの鉱山」も、そうした傾向を示す作品である。ここでは主人公エーリスの自我が、意識の世界と無意識の世界をそれぞれ象徴する、地上と地下(鉱山)のあいだで引き裂かれてゆく。それはエディプス・コンプレックスをめぐる物語でもあることを報告した。なお本報告は、科学研究費助成事業の課題番号15K12438「文化地質学」の研究成果の一部である。(発表時間:20分)
14 フランツ・ヘルツォーク―ゲッティンゲンの作曲家・合唱団の指導者翻訳 2018-03-00DONA NOBIS PACEM(ゲッティンゲン少年合唱団日本コンサートツアーパンフレット) ゲッティンゲン少年合唱団の創設者フランツ・ヘルツォークの伝記を翻訳したものである。[総頁数:2頁、18-19頁]
15 大地が崇高になるまで-18世紀ドイツの文芸理論を中心に-シンポジウム 2018-03-11文化地質研究会 第1回シンポジウム・研究発表会 かつて「山」という素材は、文学において否定的な位置を占めていた。しかし、文学の目的を「敬虔な楽しみ」に認めたスイス派(18世紀)は、「山」を文学の素材に値すると考えた。なぜなら彼らは、そのような壮大で激しい自然(「崇高」なもの)こそが、読者に「驚異」の念でもって神の存在を心地よく知らしめるのに適切だと考えたからである。なお本報告は、科学研究費助成事業の課題番号17H02008「変動帯の文化地質学」の研究成果の一部である。[発表時間:20分]
16 すぐれた教師による「精読」の集中講義書評 2018-07-21図書新聞 ヴィンフリート・メニングハウス著(竹峰義和訳)『生のなかば-ヘルダーリン詩学にまつわる試論』の書評を執筆した。(2018年7月21日号 第8面)
17 『この世における神の享受』にみられる崇高なものシンポジウム 2019-03-03文化地質研究会 第2回シンポジウム・研究発表会 18世紀において、それまで恐怖の対象であった険しい山は、「崇高」概念と結びつくことで肯定的に捉えられるようになる。「崇高」の特徴は「恐怖」と「喜び」という矛盾した感情の生起にあるが、自然神学の影響下に書かれたブロッケスの詩「山」にも、そうした「崇高」な山が描かれている。なお、本報告は、科学研究費助成事業の課題番号17H02008「変動帯の文化地質学」の研究成果の一部である。[発表時間:20分]
18 地質と文学の接点を求めて―『メッツラー文学シンボル事典』を手がかりに―エッセイ 2020-12-31地質と文化 第3巻第2号(文化地質研究会) 本稿は、ドイツでも定評のあるシンボル事典を手がかりにして、文学研究者の地質へのアプローチを、地質学者に紹介したものである。なお本稿は、科学研究費助成事業の課題番号17H02008「変動帯の文化地質学」の研究成果の一部である。[総頁数3頁、38-40頁]
以上18点

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