教育研究業績の一覧 亀山 裕樹
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A 教育業績 | ||||||
教育実践上の主な業績 | 年月日 | 概要 | ||||
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む) | ||||||
1 | 教員と学生の双方向的な授業展開 | 2022-04-00
~2024-03-00 |
札幌国際大学短期大学部にて非常勤講師として担当した「子ども家庭福祉」、および北海道スポーツ専門学校にて非常勤講師として担当した「情報基礎」において実践した。
各回の授業終了後、学生に感想および質問を記入し提出してもらった(教育支援サービス「Respon」や「Google Classroom」を用いた)。それらの感想・疑問を、匿名化してコメントを付しレジュメとしてまとめ、各回の授業冒頭で配布し共有した。この実践の意図は、教員と学生の双方向的なコミュニケーションを促し、お互いに新たな気づきや学びを得ることにある。 | |||
2 | 複数回の小テストの実施 | 2023-10-00
~2024-03-00 |
上記の「子ども家庭福祉」において実践した。小テストでは基礎知識の有無を問うような1問1答形式を基本とし、授業期間内に3回実施した。この実践の意図は、学生の習熟度および理解度を高めること、および測定することにある。小テストの結果をふまえてその後の授業内容を若干修正することもある。 | |||
3 | 様々な授業資料の活用およびWeb上での公開 | 2023-10-00
~2024-03-00 |
上記の「子ども家庭福祉」において実践した。社会福祉・社会保障に関する公的統計、研究者らによる調査結果、子どもの権利条約・児童福祉法等の条文、実践現場の映像、新聞記事など、様々な授業資料を活用して、授業内容を掘り下げて紹介した。これらの授業資料はすべて、教育支援サービス「manaba」を活用してWeb上で公開し、学生が自由にダウンロード、プリントアウトできるようにした。この実践の意図は、学生の抱く漠然としたイメージを客観的データや事例などの事実に置き換え、それらの事実に基づいた社会的支援のあり方を考察するための手がかりを提供することにある。 | |||
4 | 2023年度秋学期授業評価・札幌国際大学短期大学部幼児教育保育学科「子ども家庭福祉」 | 2023-10-00
~2024-03-00 |
上記「子ども家庭福祉」の受講生60名による授業の評価は、総合的な満足度94.7%であった(「教員は授業開始・終了の時間を守っていましたか」「教員は教室内の秩序を維持していましたか」「教員は学生の理解度を確かめながら授業を進めていましたか」などの設問に対する「守っていた」「維持していた」などの肯定的回答の割合について、各項目の平均を取った値)。
自由記述では、「毎授業のリプライで前回の質問に答えてくれるところがとても良かったです。理解が深まったし、気になることへの回答が得られて納得感もありました。」など、上記1の教育実践を肯定的に評価する意見が目立った。 | |||
2 作成した教科書、教材、参考書 | ||||||
1 | 授業スライドの作成 | 2022-04-00
~2024-03-00 |
授業スライドをパワーポイントで作成した。複数の教科書の内容を整理してまとめるとともに、重要語句を赤字にしてコメントをつけるなど、学習を促進する工夫を行った。 | |||
2 | ヤングケアラー当事者の声をまとめた冊子「子ども・若者ケアラーについて知っていますか?」の作成 | 2023-02-00 | 立命館大学人間科学研究所「子ども・若者ケアラーの声を届けようプロジェクト」における当事者参加型アクションリサーチの一環として、ヤングケアラー当事者の声をライフステージごとにまとめた10頁の冊子を作成した。上記3の教育実践において用いるとともに、同プロジェクトのWebサイトにて公開した。 | |||
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等 | ||||||
4 その他教育活動上特記すべき事項 | ||||||
B 職務実績 | ||||||
1 | 外部資金の獲得(JST次世代研究者挑戦的研究プログラムに基づく北海道大学DX博士人材フェローシップ:研究代表者) | 2022-04-00
~2024-03-00 |
JST次世代研究者挑戦的研究プログラムに基づく北海道大学DX博士人材フェローシップ「子どもがケアを継続せざるをえない構造の検討」(2022年4月~2024年3月)の研究代表者として、単独で研究を遂行した。 | |||
2 | 外部資金の獲得(貧困研究会貧困研究奨励基金による研究助成:研究代表者) | 2023-06-00
~2024-03-00 |
貧困研究会貧困研究奨励基金による研究助成「子育てをするケアラーの生活状況と資源の不足に関する検討」(2023年6月~2024年3月)の研究代表者として、単独で研究を遂行した。 | |||
3 | 外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究代表者) | 2024-04-00 ~ | 科学研究費助成事業(特別研究員奨励費)「なぜ子どもがケアを担わざるをえないのかに関する検討」(研究課題番号:24KJ0281 2024年4月~2026年3月)の研究代表者として、単独で研究を遂行している。 | |||
C 学会等及び社会における主な活動 | ||||||
所属期間及び主な活動の期間 | 学会等及び社会における主な活動 | |||||
1 | 2020-11-00~0000-00-00 | 日本社会福祉学会 | ||||
2 | 2021-09-00~0000-00-00 | 立命館大学の非常勤職員という立場で、「子ども・若者ケアラーの声を届けようプロジェクト(YCARP)」という研究プロジェクトの共同発起人として、ヤングケアラーに関する啓発活動における主要な役割を担っている。シンポジウムや専門職養成講座の企画運営およびコメンテーター(朝日新聞 2023年4月14日 地方版/京都)、当事者の声をまとめた冊子「子ども・若者ケアラーについて知っていますか?」(2023年2月発行)の作成などに従事した。そのほか、20代までの子ども・若者ケアラーのピアサポートグループ「若者ケアラーのつどい」および「定例ミーティング」の運営にも携わった経験がある。 | ||||
3 | 2021-11-00~0000-00-00 | 貧困研究会 | ||||
4 | 2024-02-00~0000-00-00 | 社会政策学会 | ||||
D 研究活動 | ||||||
著書、学術論文等の名称 | 単著、 共著の別 | 発行又は 発表の年月 | 発行所、発表雑誌等 又は 発表学会の名称 | 概要 | ||
Ⅰ著書 | ||||||
以上0点 | ||||||
Ⅱ学術論文 | ||||||
1 | ヤングケアラーをめぐる議論の構造――貧困の視点を中心に | 単著 | 2021-03-00 | 『北海道社会福祉研究』41(3)
(日本社会福祉学会北海道地域ブロック) |
日本国内のヤングケアラーをめぐる議論においてどのような点で貧困を見落としやすい議論の組み立て方が取られてきたかを検討した。分析の結果、代表的な研究者である澁谷らが、①障害や病気のある家族員のためにケアを担う狭義のヤングケアラーと、②貧困などに応じてケアを担う子どもとの混同を懸念していたことを提示した。
13p(pp. 35-47) 査読有り。 |
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2 | イギリスのヤングケアラー研究は貧困をどのように議論してきたか | 単著 | 2021-09-00 | 『教育福祉研究』25
(北海道大学大学院教育学研究院・教育福祉論研究グループ) |
イギリスのヤングケアラー研究が貧困に関してどのような議論や言及を行ってきたかを検討した。分析の結果、1990年代半ば以降、子どもにケアを促す重要な要因の1つとして貧困に言及されるようになってきたが、一方で、ヤングケアラーの貧困に焦点を当てた調査研究はほとんど取り組まれていないという課題を提示した。
14p(pp. 57-70) |
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3 | ケアをめぐる交渉において子どもが直面する制約の検討――A. Senの協調的対立概念を用いて | 単著 | 2023-08-00 | 『社会福祉学』64(2)
(日本社会福祉学会) |
なぜヤングケアラーがケアをやめられないのかについて、18歳未満でケアを担った経験のある者にインタビュー調査を行った。分析の結果、子どもがケアをやめた場合の生活状況の劣悪さを認識し、また他の家族員の利益を優先することによって、ケアをやめることが困難になるという制約を明らかにした。
13p(pp. 1-13) 査読有り。 |
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4 | ケアを担う子どものケアの状況と学校生活における制約 | 単著 | 2024-03-00 | 『子ども発達臨床研究』19
(北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター) |
北海道・札幌市子どもの生活実態調査のデータを用いて、ヤングケアラーの基本属性やケアの状況、学校生活における制約を検討した。分析の結果、ヤングケアラーはふたり親世帯および上位所得層で有意に少なかった。また、学校や部活動に行けない日があり成績がよくないなど、学校生活における制約を受けていた。
13p(pp. 161-173) |
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以上4点 | ||||||
Ⅲ 口頭発表・その他 | ||||||
1 | ケアをめぐる交渉においてヤングケアラーの直面する制約の検討 | 口頭発表(一般発表) | 2022-10-00 | 日本社会福祉学会 第70回秋季大会
(於関西福祉科学大学、大阪府柏原市) |
子ども期にケアを担った経験のある者が、ケアをめぐる利害関係を持ちながらどのように家族内の交渉を試み、どのような制約に直面したのかを検討した。分析の結果、不均衡な権力関係のもとでの交渉を経て、子どもの不利益となるかたちで家族内のケアの配置が形成されているという可能性を示唆した。
発表時間25分 |
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2 | ヤングケアラーをどのように問題にするのか | 口頭発表(招待有り) | 2022-11-00 | 北海道社会福祉学会第1回定例研究会(於北星学園大学、北海道札幌市) | ヤングケアラー研究に対するイギリス障害学等からの批判を取り上げたうえで、ヤングケアラー研究の意義として、家族のなかでどのように子どもがケアを担うことになるのかというプロセスを検討する必要があると評価した。
発表時間30分 |
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3 | Public interest in young carers in Japan: Issues of support for carers in the familialistic welfare regime | 口頭発表(一般発表) | 2023-06-00 | 6th Transforming Care Conference
(於シェフィールド大学、イギリス・シェフィールド市) |
日本をはじめとする東アジアの家族主義福祉レジームにおけるヤングケアラー支援における課題について、日本の児童福祉法における親の養育責任や介護保険制度における家族責任に言及しつつ整理を行った。
発表者:斎藤真緒・亀山裕樹・河西優 発表時間20分 |
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4 | ケアを担う子どもの貧困の経験 | 口頭発表(招待有り) | 2023-11-00 | 日本子ども虐待防止学会 第29回学術集会滋賀大会
(於立命館大学、滋賀県草津市) |
子どもが貧困をどのように認識し対処しようとしているのかについて、18歳未満でケアを担った経験があり、かつ貧困の経験に言及した4名を対象に分析した。分析の結果、子どもが貧困を認識することで、家計支持や家事を含むケア役割を担いうることを示唆した。
発表時間20分 |
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以上4点 |