大谷大学教育研究業績検索システム

教育研究業績の一覧

磯島 浩貴
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 授業開発の実践 2021/03/31 ~
2024/07/31
医療従事者の育成を目的とする医療系専門学校で、歯科衛生科の一般教養科目「人間関係論Ⅰ・Ⅱ」の授業開発を行った。医療における人間関係論として、ACPの事例を中心に「患者とその家族を含めたケア」という医療における他職種連携の全体像を学ぶことを目的とした。受講学生は実習経験も豊富であるため、実習経験と講義の理論的内容との関連を言語化させる機会を毎回設計した。
2 オンライン授業に対応した授業実践 2021/03/31 ~
2022/07/31
コロナ禍に伴うオンライン授業の実施のため、パワーポイントの録画機能を用いたビデオ教材の作成や、Google Meetを活用して授業を行なった。また学生-教員間の双方向的なやりとりをオンライン授業でも確保する工夫を行なった。ビデオ教材では、授業内容と学生の実習経験とを紐づける課題提出を課し、提出された学生の意見を適宜講義資料に反映させた。オンライン授業では、学生自身が能動的に声を出して活動する時間の割合を増やす時間を設けた。
3 AL型授業及びPBL型学習の実践 2024/03/31 ~
2024/11/30
高校2年生の「公共」の授業で、生徒主導で日本政策公庫主催の「ビジネスプラングランプリ」の企画作成に取り組むため、AL型授業及びPBL型学習を実践した。生徒たち自身の問題関心と興味をもとに取り組むテーマを決めるまではAL型授業を採用した。テーマが決まり次第、問題解決を示すビジネスプランの作成を目指すPBL型学習を採用し、他者との協力を含む汎用力の育成を行なった。生徒自身が身近な問題を社会の構造的問題へとつなげ、その問題に対する解決案を「企画」として形にするまでの「思考力」を育むよう授業の設計を行った。
4 学生の考え・意見が出やすいようにする仕組み作りの実践 2025/04/01 ~ 人数の多い講義や、専門性の高い講義になるほど発言を避けたがる学生が多くなる傾向を受け、学生の考え・意見が出やすいようにする仕組み作りを行った。具体的には、学生を2人・3人のグループにし、授業中に区切りのいいところで5分ほど時間をとり、「グループの中で今の箇所でわからないところ、間違えているのではないかと思うところ、もっと聞いてみたいところを話し合ってください」と投げかけ、個人的な疑問であっても集団の疑問という形にして心理的負担を下げる仕組み作りを行なった。またいかなる意見であれ、可能な限り肯定的に拾い上げ、より本質的な問いとして返答することで、学生の積極的な姿勢と意欲を維持させるよう心がけた。
5 文献講読授業の実践 2025/04/01 ~ 大谷大学で担当している「哲学特殊演習」ならびに「英米哲学文献を読む」では、哲学の文献を原典で読む訓練として、英語の哲学文献を段落ごとに担当者を割り振り、順番に訳読・発表してもらっている。その際、文法解説を板書で行うと共に、哲学の内容に関して板書と補助プリントを使用しながら、時間の許す限り説明している。また、授業時間中は時間をかけて訳読していくと同時に古典を自分なりの関心にひきつけて読めるようになることを重視するため、あえて最初の授業でレポート課題のお知らせしている。ひとえに学生自身が自らの関心に引きつけて重要な古典的議論を理解してもらうことを狙っている。
6 哲学カフェの運営 2025/04/01 ~ 学内外から参加者が集まる「大谷大学哲学カフェ」の企画、宣伝、司会等々を担当し、定期的に開催している。現時点では、私が対話のテーマを決めて、そのテーマをさまざまな角度から話すことを可能にするテキストを選定し、そのテキストの内容を参加者全体で共有した上で哲学対話を開始している。司会として、自らの体験談を交えて発言することを心がけ、参加者が自発的に発言することに関するハードルを下げる努力を行っている。
7 読書会の開催及び大学院生の研究サポートの実践 2025/04/01 ~ 大谷大学哲学科の学部生と大学院生のために複数の読書会(学部生向けと院生向け)を開催している。学部生向けには、私の専門であるアンリ・ベルクソンの『道徳と宗教の二源泉』と『記憶理論の歴史講義』を隔週で90分ほど行っている。また院生向けには、「応募者自身の関心と院生自身の関心とが合致する文献を読む」というたてつけで、デイヴィッド・ヒュームの『人間知性研究』、宮地尚子の『環状島=トラウマの地政学』、チャールズ・テイラーの『今日の宗教の諸相』を現在読んでいる。これらはオープンスペースで隔週1時間、教員と学生の一対一で開催しており、最初の5分は院生の研究サポートの時間にあて、その後研究の水準で文献を読む訓練を行っている。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 授業後のコメントシートの作成 2021/03/31 ~ 講義後に提出課題として課していた「コメントペーパー」を、「講義の内容が学生にとって実践的にどのような効果をもたらしたのか数値化して把握する」という観点から以下のように設計し直した。①学生自身に講義の理解度を「授業内容に関する心の距離」として点数化させ、次いで②講義内容の要約を100字程度で行ってもらい、最後に③学生自身が①でつけた点数の理由を②の内容と学生自身の経験とを関係させながら説明してもらう、という形式に変更した。①から③に至るまでの取り組みは、「学生自身に建設的な意見を書く練習」と共に、「講義内容を学生なりに腹落ちする経験」を狙ったものである。また、その結果、講義を通じて学生が自らの経験に裏打ちされた「自分の考え」を提出するようになり、応募者は学生の個性に合わせた学習機会の提供が可能となった。
2 「医療における人間関係論」の学習のための教材を作成 2021/03/31 ~
2024/07/31
歯科衛生科の学生を対象にした「医療における人間関係論」の学修に適うよう授業毎にパワーポイントを作成し、授業後に学生に配布した。具体的には、教科書として選定した村上靖彦『ケアとは何か』(中公新書)は、看護学の実践が中心であるため、教科書の中で出てくる事例を歯科医院の実践の中では何に該当するかを適宜読み替えて伝えるような教材を作成した。
3 AL型授業やPBL型学習教材の開発 2024/03/31 ~
2024/11/30
AL型およびPBL型学習の核となる「デザイン・シンキング」について理解し、修得してもらうための教材を高校2年生向けに作成した。作成にあたって参考にしたのは一般財団法人デザイン思考研究所の提供教材であり、これをもとにA4で6~8枚の規模で作成した。
4 発表後のフィードバックシステムの作成 2024/03/31 ~
2024/11/30
高等学校のAL型授業及びPBL型学習において、生徒が授業内で発表した発表内容に対する他生徒からのコメントを確認しやすくなる仕組みを作成した。具体的には、聞いた発表に対するコメントを記入するGoogleフォームを事前に配布し、そのフォームの回答がGoogleスプレッドシートに保存されるよう設定し、生徒のコメントを一括管理できるようにした。発表後の生徒にこのスプレッドシートを共有し、複数人からなるグループでも寄せられたコメントを同時に閲覧できるよう工夫した。
5 読書会用のGoogleドキュメントの作成 2025/04/01 ~ 大谷大学で開催している読書会において、私が口頭で行った説明の記録(文字)や板書の記録(写真)を記録したGoogleドキュメントを作成した。読書会参加者には、このドキュメントのURLを共有し、読書会の予習や復習、そして相互のやり取りをスムーズにできるように設計した。ペーパーレス化の意図もあったが、結果として私の説明に対して学生が改めて何らかの質問や自らの関心をまとめておきたい時に、時間と場所を選ばず書くことができ、次回の読書会の時に学生の関心を検討することから読書会を始められる仕組みとなった。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 優秀授業賞の受賞 2026/02/28 大谷大学で開講された「英米哲学文献を読む2」において優秀授業賞を受賞した。
B 職務実績
1 学内ジャーナルの編集及び事務を担当 2024/06/30 ~
2025/02/28
所属部局で、学内ジャーナルの編集及び事務を担当した。特に編集委員会では日程調整及び議題の準備を、編集事務としてはJ-stageへの論文登録、投稿された論文原稿の査読者の選定業務、特集記事のディレクションなどの業務を行った。
2 大阪大学人間科学研究科付属未来共創センターの年次報告書の作成を担当 2024/06/30 ~
2025/02/28
所属部局で、年度内に行った学術イベントや種々の実践活動に関する年次報告書の作成を、事務職員の方との協力のもと行った。
3 シンポジウムの企画・運営・実施 2025/04/01 ~
2025/09/30
学問することの意義や喜びを学生たちに伝えることを目的に、総合研究室で開催されている、任期制助教による共同企画「学生のためのガクモン講座」の企画、運営、実施を行なった。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2017/08/31~ ベルクソン哲学研究会会員
2 2017/08/31~ 日仏哲学会会員
3 2017/08/31~ 2019/07/31 日仏哲学会事務局員
4 2019/08/31~ 関西哲学会会員
5 2024/06/30~ ジャーナル『未来共創』編集委員会事務局長
6 2025/04/01~ 大谷大学哲学会編集委員
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
以上0点
Ⅱ学術論文
1 真理探求の方法論としての「直観」―ラッセルのベルクソン批判を巡って― 査読済 単著 2017/12/31『龍谷哲学論集』
(龍谷大学文学研究科哲学研究室紀要)Vol.32
ベルクソンとラッセルの自伝や書簡から英語圏におけるベルクソン受容史を内在的に描き出し、その上で両者の哲学上の関係を「直観概念をめぐる方法論」の観点から比較した。また、ラッセルの『ベルクソンの哲学』や『神秘主義と論理』で展開された批判を踏まえてベルクソンの『思想と動くもの』を検討することで、仮説探究とその検証を基礎にする方法論という観点から両者の隠れた類似性とその差異を明らかにした。
27頁(27〜53頁)
2 20世紀における英仏哲学の交錯に関する一試論 ―L. S. Stebbing 『プラグマティズムとフランス自発的行動主義』を読む― 単著 2018/02/28『共生学ジャーナル』
(大阪大学大学院人間科学研究科)Vol.2
イギリスの女性哲学者L. S. Stebbingの『プラグマティズムとフランス自発的行動主義』を検討し、当時のイギリスで「新しい哲学」として受容されたベルクソン哲学の新しさの内実と、ラッセルのベルクソン批判の背景を扱った。知性主義と反知性主義の対立として展開したラッセルとベルクソンの関係を、当時のフランス唯心論とイギリス観念論の関係から跡付けるStebbingの主張を明確にした。
18頁(93〜110頁)
3 ラッセルの空間論 査読済 単著 2020/06/30『アルケー』
(関西哲学会)Vol.28
最初期ラッセルの幾何学思想と、1910年以降展開される認識論・存在論との関連を空間論及び感覚論の観点から検討した。先行研究では最初期の空間論と1910年以降のセンスデータ論に基づく空間論の間には解釈上の裂け目が存するとされていた。そこで彼の感覚論に基づく「構成」の観点から両時期の主張を統一的に捉える解釈を提示し、ラッセル哲学における空間概念の変遷過程とその意義を明らかにした。
12頁(52〜63頁)
4 19世紀における幾何学革命と初期ベルクソンの空間論の関係について 査読済 単著 2023/08/31『フランス哲学・思想研究』
(日仏哲学会)Vol.28
19世紀の幾何学革命と空間論の関係から、初期ベルクソンの空間論に対する再検討を行なった。19世紀の幾何学革命と空間論の関係の議論を「カントの空間論に代わる新たな哲学的な基礎づけの問題」として概観した。その上で、『意識に直接与えられたものに関する試論』(ベルクソン)に対するG. Lechalasの書評の検討から、当時の幾何学基礎論の中にベルクソンの空間論を位置付ける解釈を提示した。
12頁(153〜164頁)
5 アンリ・ベルクソンの空間論に関する哲学史研究:ラッセルを中心とした同時代人の受容と批判に着目して(博士論文) 査読済 単著 2024/02/29大阪大学 20世紀初頭の英語圏におけるベルクソン受容と、19世紀の幾何学革命を機に盛んに議論された幾何学に基づく空間論との関連から、ベルクソンの空間論を19世紀末から20世紀初頭の英仏哲学史の中に位置付けた。ベルクソンの空間論は、空間表象の起源を扱う人間知性の問題に対する当時最先端の哲学的分析である。このことを踏まえた上で、本論は、空間論を軸にベルクソンが提起する形而上学の姿を明らかにした。
総頁数160頁
6 〈ベルクソン形而上学〉への入門―『形而上学入門』における〈やり直しの論理〉― 査読済 単著 2025/02/28『共生学ジャーナル』(大阪大学大学院人間科学研究科紀要)9号 ベルクソンの『形而上学入門』を、実在把握の方法論として読解し、分析と直観の二元的な区別及びその相補性を、三つの認識様態に分けて検討した。直観に存する〈やり直しの論理〉というベルクソン独特の実在認識及び学の進歩に関する考え方を、分析の成果を直観で再び辿り直す循環的手続として定義し、ベルクソン形而上学を「実在認識における既存の位置づけを直観によって徹底的に更新する意図をもつ方法論」として明確にした。
26頁(78頁-104頁)
7 知られざる英米仏哲学史 共著 2025/08/31『フランス哲学・思想研究』(日仏哲学会)28号 19-20世紀転換期の英米仏哲学の知的交流を内在的に描き出すことを目的とした、日仏哲学会秋季大会の公募WS(「知られざる英米仏哲学史」)の報告論文である。磯島は、ジェイムズの真理論を「人間的経験から規定される真理論」と捉えることで、当時の思想交流の再考を促す結節点となるだけでなく、「人間的な経験の形而上学」という知られざる英米仏哲学史を描き出しうるひとつの源泉ともなりうる点を指摘した。
6頁(139頁-144頁)
8 ベルクソン「哲学的直観」における 「中間的イメージ」と「身体の態度」について 査読済 単著 2026/01/31『哲學論集』第72号
(大谷大学哲学会)
ベルクソン「哲学的直観」における「直観の否定作用」の内実を、〈解釈者がある哲学者の学説を内側から辿り直す〉という観点から検討した。上記の観点を遂行するのに必要となる中間的イメージを、〈当の哲学者独特の「身体の態度」から発する否定の表現が中間的イメージだ〉と規定した。そして、その具体例として提示されているベルクソンによる「ソクラテスのダイモーン」解釈を検討した。
総頁数21頁(1頁-21頁)
以上8点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 ベルクソンの直観は真理探求の方法となりえるのか―ラッセルの直観批判に応える―口頭発表 (一般発表) 2017/08/31ベルクソン哲学研究会第41回大会
(於東京大学本郷キャンパス 東京都文京区)
ベルクソンの著作は、哲学と科学が協働することで「真の形而上学」が顕現しうるという、最初期から一貫した意図をもつことを示そうと試みた。「真の形而上学とは哲学と科学の協働である」というベルクソンのテーゼを、ラッセルのベルクソン批判から検討した。その検討から「真理探求の方法論」という論点を取り出し、この論点のもとで哲学と科学の協働の内実を描き出し、ベルクソン自身の「真の形而上学」の説明を行なった。
発表時間 60分
2 「感情」を「事実の糸」として辿るベルクソン―『意識に直接与えられたものに関する試論』第一章読解を中心に―口頭発表 (一般発表) 2018/08/31日仏哲学会2018年秋季大会
(於明治大学駿河台キャンパス 東京都千代田区)
ベルクソンの『意識に直接与えられたものに関する試論』第1章で展開される感情の議論から、二元論的対立として強調されがちなベルクソンの空間概念と時間概念の対応関係を検討した。ベルクソンによる「深い情動としての持続から空間的表象は発生し、その発生した空間的表象を事実の糸として辿ることで持続の存在を把握する」という論証を検討し、最初期ベルクソン哲学の二元論的対立だけに留まらない内実を考察した。
発表時間 40分
3 「T. E. ヒュームの政治思想―ベルクソン論とソレル論を手掛かりに」口頭発表 2019/05/31The Association for Cultural Typhoon 2019年全国大会
(於慶應大学三田キャンパス 東京都港区)
本発表は安藤歴及び小泉空との共同発表である(パネル名「集合的暴力とその意味づけ−−革命、戦争、暴動」)。磯島は、ベルクソンの「形而上学入門」とG. Sorelの『暴力論』の英訳者として知られるイギリスの美学者、批評家T. E. ヒュームの政治思想を扱った。特にそのベルクソン論とソレル論を手がかりに、保守主義的暴力肯定論として提示されるヒュームの「反ヒューマニズム」概念を考察した。
発表時間 90分
4 ラッセルの空間論口頭発表 (一般発表) 2019/09/30関西哲学会第72回大会
(於同志社大学今出川キャンパス 京都市)
最初期ラッセルの幾何学思想と、中期以降展開される認識論・存在論との関連を感覚論の観点から検討した。最初期の幾何学思想に基づく空間論が展開される『幾何学の基礎に関する試論』と、中期のセンスデータ論に基づく形而上学的な空間論が展開される『哲学の諸問題』、『外界に関する私たちの知識』の間に存する解釈上の裂け目の解消を目指し、彼の感覚論を手がかりに検討した。
発表時間 45分
5 ‘Intuition’ or ‘Scientific Method’? ―A Comparative Study of Bergson and Russell on Methodology口頭発表 (一般発表) 2020/01/31Passages philosophieques Ⅳ Philosophie contemporaine au Japon et en France
(À Université Paris X(Université Paris Nanterre)Paris)
大陸哲学と分析哲学の対立という構図で論じられる傾向が強いベルクソンとラッセルの哲学上の関係について、その構図の発生起源を探る試みを行った。特に、1910年以降のラッセル自身の哲学的方法論として打ち出される「科学的哲学」概念は、ラッセルのベルクソン批判の中でも「直観とは神秘主義に他ならない」というテーゼの継続的な批判と共に練り上げられている点を検討した。
発表時間 30分
6 【翻訳】 画面が画像を作る時共訳 2020/06/30『社藝堂』
(社会芸術学会)Vol.7
美学、科学哲学、フランス現代思想の専門家として評価されているフランスの哲学者Elie Duringによる、画面(écran)と画像(image)を巡る美学理論の今日的な意義を探る論文の翻訳(仏語⇨日本語)を行なった。奥野文夫との共訳であり、主に磯島の下訳をもとに訳文全体の調整を共訳者の奥野と共に行った。
訳者: 磯島浩貴、奥野文夫
25頁(25〜49頁)
7 『意識に直接与えられたものに関する試論』の空間論とその立ち位置口頭発表 (一般発表) 2021/02/28ベルクソン哲学研究会第47回大会
(於zoomオンライン 日本)
ベルクソンの『意識に直接与えられたものに関する試論』の空間論を、同時代の19世紀の幾何学思想との連関から検討した。この時代、幾何学革命を機に、「カントの空間論に代わる新たな空間論の哲学的基礎づけ」が要請されていた。カントが『純粋理性批判』「超越論的感性論」で展開する空間と幾何学の主張に対するベルクソンの批判から、ベルクソンの同時代の幾何学思想における立ち位置を考察した。
発表時間 60分
8 ラッセルにおける「物質の構成」の問題―1911年から1914年までの草稿群を中心に口頭発表 (一般発表) 2021/09/30関西哲学会第74回大会
(於zoomオンライン 日本)
ラッセルが1911年から1914年にかけて集中的に扱った「物質の構成の問題」の内実を、1911年から1913年末までに書かれた未完の草稿群を中心に検討した。物質の構成の問題とは、私たちの感覚的知覚の経験であるセンスデータと通常の物理的対象との間の関係を詳細に調査しようとするラッセルの研究プログラムのことである。この研究プログラムがその後のラッセル形而上学に与えた影響を考察した。
発表時間 45分
9 「近代科学の形而上学」と「空間における運動についての新しい考え方」:『創造的進化』を補足する『時間観念の歴史講義』の哲学史観口頭発表 (一般発表) 2023/02/28ベルクソン哲学研究会第51回大会
(於相模女子大学 相模原市)
ベルクソンが『創造的進化』第4章で提示する「近代科学の形而上学」の内実を、コレージュ・ド・フランス講義『時間観念の歴史講義』第8講義のアリストテレスの運動論及び第16講義のルネサンス期の自然哲学者たちの運動論から検討した。機械論や目的論の原理とも異なる形而上学的原理に支えられた運動論から、ベルクソン自身の科学論を「ありえた科学たる近代科学の形而上学」として考察した。
発表時間 60分
10 【翻訳】『新実在論:哲学における協働研究』(1912)「序文」翻訳共訳 2023/02/28『共生学ジャーナル』
(大阪大学人間科学研究科紀要)Vol.7
20世紀初頭アメリカの新実在論者E. ホルト、W. マーヴィンなど、古典的プラグマティズムの弟子筋によるアメリカにおける実在論的展開を宣言した著作(『新実在論:哲学における協働研究』(1912))の「序文」翻訳(英語⇨日本語)を行なった。豊泉俊大との共訳であり、訳文全体の調整を豊泉と共に行なった。
訳者:豊泉俊大、磯島浩貴
47頁(314〜360頁)
11 「知性」を巡るジェイムズとベルクソンの割れ目:W. B. ピトキンによる批判とベルクソンの応答口頭発表 (一般発表) 2024/02/29日仏哲学会2024年春季大会
(於東京大学駒場キャンパス 東京都目黒区)
20世紀初頭の英語圏におけるベルクソン受容の中でも、アメリカのW. B. ピトキンによるベルクソン読解を軸としたジェイムズ批判と、ピトキンに対するベルクソンの応答を検討した。ピトキンはジェイムズによるベルクソンの知性論理解に多くの疑義を寄せる。ピトキンの解釈に対するベルクソン自身の応答を検討し、ベルクソンが『創造的進化』で「知性による実在の把握」として展開する議論の強調点を考察した。
発表時間 40分
12 知られている人々から知られざる英米仏哲学史を掘り起こす:Jamesの真理論を中心に口頭発表 2024/08/31日仏哲学会2024年秋季大会
(於東京都立大学南大沢キャンパス、八王子市)
本発表は米田翼、山根秀介、特定質問者小山虎との合同公募ワークショップのひとつである(パネル名「知られざる英米仏哲学史」)。磯島は、ほとんどの人が知っている哲学者から、ほとんどの人が「知らない」英米仏哲学史の姿を描き出すことを目的に、ジェイムズを中心に起きた真理論におけるベルクソンやラッセルの交錯、という観点から20世紀初頭の英米仏哲学史の一つの姿を考察した。
発表時間 120分
13 ベルクソンにおける「ギリシアの精確さ」概念の検討:「公理論的論証」との関係を中心に口頭発表 2024/09/30関西哲学会第77回大会
(於京都大学吉田キャンパス 京都市)
ベルクソンの「ギリシアの精確さ」概念の数学史上の起源と、その主張の意義を扱った。この概念の数学史上の起源を、『時間観念の歴史講義』(ベルクソン)と、『ギリシア人の数学』(伊東俊太郎)を手掛かりに、ユークリッドの公理論的論証の起源をエレア派の帰謬法に求めた。さらに、この帰謬法と「演繹」という思考形式の結びつきこそが、ベルクソン哲学における知性批判の出発点に位置することを指摘した。
発表時間 45分
14 ACE COOL氏への質問(コメンテーター)コメンテーター(対談) 2024/12/31第24回 阪大コレギウム・ムジクム「ラップ X 哲学」特別対談/ The 24th Handai Collegium Musicum “Rap and Philosophy” Special talk event ACE COOL「明暗」X ラッセル「幸福論」
(於大阪大学豊中キャンパス、豊中市)
気鋭のラッパーであるACE COOLが、哲学者バートランド・ラッセルの『幸福論』を下敷きとして作成した作品『明暗』について、磯島はラッセル哲学の研究者としてコメンテーターを務めた。『明暗』というアルバムの魅力は「幸福」と「未完の人生」との結びつきにあるが、それはACE COOL自身が『幸福論』とは異なる結論を引き出すひとつの源泉として夏目漱石の未完の小説『明暗』を踏まえていることを対談の中で強調した。
発表時間 90分
15 生活の思想としての〈世相〉:柳田國男の食物論から口頭発表 2025/02/28大阪大学社会技術共創研究センター2024年度ELSI共創プロジェクト「生活に根差した技術と芸術の研究:日本哲学の立場から」主催「シンポジウム:生活の思想」
(於大阪大学中之島キャンパス、大阪市)
〈生活の思想〉とは、社会の中で生きる個々人や共同体の経験を形作る観念や感情といった「思想」のことであり、その解明は〈私たちはどこから来て、どこへ行くのか〉という死活の問題に応答する必要が生じる、という問題設定のもと柳田國男の『明治大正史 世相篇』を扱った。柳田の叙述を、現代生活の横断面という「素材」と横断面の連結という「方法」の二軸に整理した上で、『世相篇』第2章「食物の個人自由」を検討した。
発表時間 40分
16 否定の直観とソクラテスのダイモーン:「哲学的直観」における「イメージl'image」の機能口頭発表 2025/08/31日仏哲学会2025年秋季大会
(於立教大学池袋キャンパス 東京都豊島区)
『哲学的直観』における「否定の直観」の内実を、〈解釈者がある哲学者の学説を内側から辿り直す〉というベルクソン形而上学の方法論から検討した。哲学者の学説を内側から辿り直すために中間的イメージの把握が必須だというベルクソンの主張を、〈どうしても変えられぬ当の哲学者独特の「身体の態度」から発する否定の表現こそが中間的イメージだ〉と規定し、その働きの具体例として提示する「ソクラテスのダイモーン」解釈を検討した。
発表時間 40分
以上16点

前のページに戻る