教育研究業績の一覧

源嶋 孝太
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 オンラインツールを用いたフォローアップ 2018-04-00 ~ Googleクラスルームやeメール等を用いて、学生が課外学習を行う際に出た疑問に対し、次の授業までに解決できるようフォローしている。また過去に学生から出た質問とその回答を授業で配付する講義ノートに掲載し、学生の持つ問題意識を学生間で共有できるようにしている。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 講義ノート、演習問題集の作成 2018-04-00 ~ 担当授業科目ごとに独自教材として講義ノート、演習問題集を作成している。課外学習に活用できるよう詳細な説明と多くの例を載せ、学内システムやGoogleクラスルーム等を通じて配信している。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
以上0点
Ⅱ学術論文
1 Shintani functions on SL(2,C) and Heun's differential equations 単著 2017-09-00Journal of
Ramanujan
Mathematical
Society
32(3)
GL(2,C)上の保型形式と呼ばれる、多変数実解析的関数に付随する新谷関数の明示公式について、そのU(2)-タイプの次元に関する帰納的公式を証明した。証明は、保型形式の調和解析的な性質から導かれる、新谷関数の差分-微分方程式を書き下し、それを表現論的な手法によりガウスの超幾何微分方程式に帰着するという手法をとった。また、その副産物として、ホインの微分方程式の解の中に、ガウスの超幾何関数の多項式線形結合として表されるものが存在することがわかった。
2 An explicit formula of the unramified Shintani functions for (GSp4, GL2 ×GL1 GL2) and its application 単著 2017-11-00Proceedings
of the Japan
Academy、 Ser. A
Mathematical Sciences
93(9)
GSp4の保型形式に付随するある複素関数(スピンL関数)の解析接続および関数等式の証明を目指し、村瀬-菅野ゼータ積分の研究を行った。特に、有理数体の不分岐素点における新谷関数の明示公式と測度論・積分論の手法を用いて、村瀬-菅野のゼータ積分を明示的に計算することで、その不分岐素点部分が、スピンL関数とランキン-セルバーグL関数の局所L因子の商となっていることを証明した。
3 An explicit formula of the unramified Shintani functions for (GSp4, GL2 ×GL1 GL2) 単著 2018-02-00Journal of Number Theory
183
任意の非アルキメデス的局所体において、GSp4の不分岐新谷関数の明示公式を証明した。ポアソン積分を用いて新谷関数を構成する、という方針は加藤-村瀬-菅野による先行研究と同様であるが、その証明の難解な部分であった、新谷汎関数の解析接続の証明を、複素関数論と測度論・積分論の基本的な命題を組み合わせることにより、大幅に簡略化することができた。
4 Shintani Functions for the Holomorphic Discrete Series Representation of GSp4(R) 単著 2019-05-00Journal of Lie
Theory
29、No.2
GSp4(R)上の正則保型形式と呼ばれる、多変数複素解析的関数に付随する新谷関数の明示公式を証明した。証明では、保型形式の正則性から導かれる、新谷関数の差分-微分方程式を書き下し、一般化超幾何関数3F2を用いて、その解を構成するするという手法をとった。また、得られた明示公式を用いて、村瀬-菅野ゼータ積分を計算することで、その実素点部分が、スピンL関数とランキン-セルバーグL関数の局所L因子の商となっていることを証明した。これにより、GSp4の正則保型形式に付随するあるスピンL関数の解析接続および関数等式の証明が得られる。
5 An average of special values of Dirichlet series of Rankin–Selberg type 単著 2020-08-00The Ramanujan Journal
52(3)
GL2の正則保型形式に関するランキン-セルバーグL関数の特殊値の平均を、保型形式のフーリエ係数の有限和として表す明示公式を証明した。証明では、ランキン-セルバーグL関数を、アイゼンシュタイン級数と呼ばれる保型形式と、ある概正則保型形式の積分として表し、アイゼンシュタイン級数と概正則保型形式のフーリエ級数展開を計算するという方針をとった。
6 Remarks on the rightmost critical value of the triple product L-function 共著 2021-12-00International
Journal of Number Theory
18
【当該業績全体の概要】
GL2の正則保型形式に関する三重積L関数の、ある特殊値の平均を、保型形式のフーリエ係数と、ランキンセルバーグL関数の特殊値の有限和として表す明示公式を証明した。証明では、三重積L関数を、アイゼンシュタイン級数と呼ばれる保型形式と、ある概正則保型形式の積分として表し、アイゼンシュタイン級数と概正則保型形式のフーリエ級数展開を計算するという方針をとった。
【本人の果たした役割】
研究の立案、研究方針も含めた計画、論文執筆、研究発表を担当した。
著者:福永健吾、源嶋孝太
7 Some remarks on the critical values of Rankin–Selberg L-series 単著 2022-09-00Journal of Number Theory
238
GL2の正則保型形式に関するランキン-セルバーグL関数の特殊値を、保型形式のフーリエ係数の有限和として表す明示公式を証明した。証明は、該当研究者によりすでに得られていたランキン-セルバーグL関数の特殊値の平均公式を、解析学の技法(L関数の漸近公式など)を用いて精密化するという手法をとった。
以上7点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 SL(2,C)上のShintani関数とHeunの微分方程式 単著 2015-02-00RIMS講究録
No.1973
RIMS研究集会「モジュラー形式と保型表現」において、GL(2,C)上の保型形式と呼ばれる、実解析的関数に付随する新谷関数の明示公式について研究発表を行った。また、その副産物として得られた、ホインの微分方程式と呼ばれる、4点に特異点を持つ2階のフックス型微分方程式の解の中に、ガウスの超幾何関数の多項式線形結合として表されるものが存在するという結果についても述べた。
2 An explicit formula of the unramified Shintani functions of (GSp4, GL2 ×GL1 GL2) 単著 2017-02-00RIMS講究録
No.2055
RIMS 研究集会「保型形式とその周辺」において、有理数体の不分岐素点におけるGSp4の新谷関数の、ポアソン積分による構成と、その村瀬-菅野ゼータ積分への応用について研究発表を行った。特に、先行研究において難解な部分であった、新谷汎関数の解析接続の証明が、複素関数論と測度論・積分論の基本的な命題を組み合わせることにより、大幅に簡略化できることを述べた。
3 Inner product formula for Shintani lift単著 2022-01-00RIMS講究録
No.2230
RIMS 研究集会「保型形式、保型 L関数とその周辺」において、GL2の正則保型形式と、ヤコビ群の正則保型形式の間の対応である、志村対応と新谷対応をテータ積分により再定式化したこと、および、その応用として、ある保型L関数の中心値を、保型形式の積分として記述する公式が得られることを発表した。特に、テータ積分と保型L関数を結びつける過程で必要となる、ゼータ積分の計算が、ある微分作用素をうまく利用することで容易に行えることを述べた。
4 Determining cusp forms by critical values of Rankin-Selberg L-functions単著 2023-01-00RIMS講究録
No.2264
RIMS 研究集会「保型表現の解析的・数論的研究」において、GL2の正則保型形式に関するランキン-セルバーグL関数の特殊値を、保型形式のフーリエ係数の有限和として表す明示公式について研究発表を行った。特に、該当研究者によりすでに得られていたランキン-セルバーグL関数の特殊値の平均公式と、解析学の技法(L関数の漸近公式など)が、証明の中で重要な役割を果たすことを述べた。
以上4点

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