教育研究業績の一覧

下村 優佳
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 大谷大学ティーチングアシスタント(TA) 2020-04-00
~2023-07-00
大谷大学の初年次教育科目である「学びの発見」において、TAとして第1学年の授業を受け持ち、文章読解やレポート作成などについての指導を行った。
2 作成した教科書、教材、参考書
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
1 大谷大学博物館調査員 2020-04-00 ~ 大谷大学博物館所蔵品の調査・撮影、各展覧会においての準備補助、その他大谷大学博物館業務での補助などを行った。
2 文化庁 非常勤調査員(文化財第一課) 2023-08-00 ~ 文化財防災関連書類の整理、書籍・考古の写真台帳の整理、翻刻資料の校正作業などを行った。
3 同朋大学佛教文化研究所特別研究員 2024-04-00 ~ 寺院における調査および調査補助を行った。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2020-04-00~0000-00-00 大谷大学日本史の会
2 2022-06-00~0000-00-00 真宗連合学会
3 2024-04-00~0000-00-00 佛教史学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
以上0点
Ⅱ学術論文
1 中世加賀国における本願寺と在地勢力―「法」を中心として― 単著 2023-01-00『真宗研究』第67輯(真宗連合学会) 中世加賀国では、文明・長享の一揆以降、守護富樫氏に代わる本願寺勢力が実権を握り、その下で異例な在地情況が発生した。それに伴い、本願寺は「三箇条掟」や「国中通規」として登場する規則を制定した。ここでは、在地寺社たる白山本宮荘厳講と在地住民との請文にみられる「国法」を取り上げ、本願寺による規則が「国法」に相当する可能性があり、当時の本願寺が敷いた規則が在地寺社・住民ら在地勢力にも適用されていたとした。
[23頁][本人担当181~203頁]

2 越前真宗史の再考 単著 2024-12-00『大谷大学大学院研究紀要』第41号(大谷大学大学院) 従来越前への真宗の進出は三河の高田門徒の系統によるものとされ、近世に成立した『叢林集』など本願寺系統で記された史料や、高田系の北庄仙福寺由緒などにも同内容が散見される。これらは光教寺顕誓『反古裏書』の影響を受けたものだが、三門徒系の連坐像や史料にあらわされる系統とは異なる。したがって従来の見方は『反古裏書』を根拠として近世に通念的理解として広まったもので、実態と異なる可能性があることを指摘した。[28頁][本人担当33~62頁]
以上2点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 穴馬門徒不参からみる本願寺東西分派期の門徒と寺・道場口頭発表(一般発表) 2020-09-00大谷大学日本史の会例会(大谷大学日本史の会) 越前国大野郡穴馬では門徒集団が一定の勢力をもっていたが、文禄~慶長年間にかけて、上寺である長勝寺に不参し、本願寺への直参化を目指す動きがみられる。こうした動きは石山合戦での各地門徒の馳走や本願寺東西分派期による錯綜が、各門徒集団の教団内での世俗的・宗教的な向上心を後押しした結果であると考えられる。
[発表時間:60分]
要旨掲載誌名:『歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌―』第23号、2021年、大谷大学日本史の会
[1頁][本人担当57頁]
2 〔最近読んだ本〕草野顕之編『本願寺教団と中近世社会』書籍紹介 2021-01-00『歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌―』第23号(大谷大学日本史の会) 草野顕之編『本願寺教団と中近世社会』では、中近世における本願寺教団の在り方を問うことで、世俗社会や政治権力と宗教との関係を検証することを目的としている。これは従来、宗派史としての側面に軸足が置かれてきた本願寺教団史を見直し、歴史における宗教の役割を検討する上で重要な論点である。本書は本願寺教団が果たした役割を十三名の執筆者が各々の視点で述べるもので、これら各論を整理し紹介した。
[6頁][本人担当38~43頁]
3 中世加賀国における本願寺と在地勢力口頭発表(一般発表) 2022-06-00真宗連合学会大会(真宗連合学会) 上記Ⅱ.学術論文1のもとになった口頭発表。
[発表時間20分]
4 中世加賀国における本願寺勢力と在地寺社―白山本宮との関わりを中心に―口頭発表(一般発表) 2022-07-00京都・宗教系大学院連合(K-GURS) 院生発表会 第12回(京都・宗教系大学院連合(K-GURS)) 中世後期の加賀国では加賀の一向一揆の後に本願寺教団や関係勢力が台頭し、それに伴って、在地に存在していた本願寺系寺社以外の寺社も影響を受けることとなった。ここでは、中世を通して有力な「領主」として機能していた白山本宮の加賀国での立場や状況の変化について報告した。あわせて、本願寺勢力との血縁や在地問題に依拠した重層的な関係が存在していたことを明らかにした。
[発表時間15分]
要旨掲載誌名:『京都・宗教論叢』第16号、2023年、京都・宗教系大学院連合(K-GURS)
[3頁][本人担当91~93頁]
5 真宗における先徳連坐像の依用およびその伝播口頭発表(一般発表) 2023-07-00真宗史研究会 第48回(同朋大学佛教文化研究所) 真宗絵画は、門流で異なった形態や用い方がある。従来は光明本尊や絵系図に焦点が置かれてきたが、ここでは連座像(特に専海系三河門流)に着目した。具体的には、まず光明本尊など、他の真宗絵画との比較やそこから受けた影響を考察し、真宗絵画が各門流で製作・依用されていく中で影響し合ったと指摘した。さらに近世になると、組織の編成や統括をするにあたっても真宗絵画が用いられたことを越前国の真宗を事例として紹介した。
[発表時間60分]
6 書評会 同朋大学佛教文化研究所編『親鸞・初期真宗門流の研究』口頭発表(一般発表) 2024-02-00佛教史学会特別例会(佛教史学会) 親鸞・初期真宗門流研究では新たな視点や問題点が示されている。一つは門流に共通する①移動性、②掛軸集団、③太子信仰という視点で、いま一つには宗派史観の見直しである。これらより門流内の絵画資料をもとにした成果の見直しが課題であり、評者はその必要性に同意する。一方で、史料(資料)が一定の場所に留まり続けることにより信頼性が担保される点と、①移動性という性格には矛盾が生じる点を指摘した。
[発表時間60分]
7 真宗における連坐像の展開について―越前の事例を中心として― 口頭発表(一般発表) 2024-10-00佛教史学会大会(佛教史学会) 真宗で用いられた絵画のうち先徳像は描かれる人物や描き方など、その様相は多岐にわたる。本発表ではその中でも高僧先徳連坐像に着目した。連坐像に対する研究では、『真宗重宝聚英 第八巻 高僧連坐像』の刊行などで、その意義や系統立てによる初期真宗研究への有用性が論じられてきた。しかし一方で、この系統立てにそぐわない連坐像もみられるなど、残された課題は多い。ここでは、越前地域で活動した「三門徒」系の門弟集団が用いた連坐像にみられる、図様や表現の一致、あるいは、差異を取り上げた。そして、金龍静氏の論を援用しつつ、当該の集団が異なる法脈上にありながらも擬似同族的なつながり「衆」のもと活動し、その特徴が集団が信仰の対象とした絵画にも反映されたとした。
[発表時間30分]
以上7点

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