教育研究業績の一覧 宗 周太郎
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A 教育業績 | ||||||
教育実践上の主な業績 | 年月日 | 概要 | ||||
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む) | ||||||
1 | 遠隔授業の工夫 | 2022-04-00
~2022-07-00 |
福井県立大学での「東洋史」講義において、中国史を経済史の観点から概論し、古代から新中国成立までの歴史的変遷を論じた。高校で世界史を履修していない生徒も多かったため、初学者にも伝わるよう極力専門用語の使用を避け、歴史全体の流れや前後のつながりの説明に注力した。また学生からの質問を募り、都度答える形式を取り、受講生からは興味深く受講できたという感想を得た。コロナ禍のため、zoomによる遠隔授業を行い、授業後に録画とレジュメを受講者に公開した。 | |||
2 作成した教科書、教材、参考書 | ||||||
1 | 福井県立大学「東洋史」講義教材 | 2022-04-00
~2022-07-00 |
福井県立大学での「東洋史」講義において、授業資料のパワーポイントを作成し、配布した。関連する研究書や図版から引用した画像や、youtubeやNHKで公開されている動画を活用し、視聴覚的にも理解しやすいよう工夫した。 | |||
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等 | ||||||
4 その他教育活動上特記すべき事項 | ||||||
1 | 中国人留学生に向けた日本の東洋史研究についての概説講義 | 2022-06-00 ~ | 京都大学東洋史研究室院生有志の会において、日本の大学院への進学を考えている中国人留学生に向けた日本の東洋史研究についての概説講義を行った。少人数によるzoomでの双方向授業を実施し、日本における中国古代経済史の研究史を概説し、学会の最前線を紹介した。経済史の主要な研究分野である、生産と貨幣について、先行研究の偏りにも触れながら講義を行った。6月に2回開催し、以後不定期開催。 | |||
B 職務実績 | ||||||
1 | 外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究代表者) | 2021-04-00
~2022-03-00 |
日本学術振興会特別研究員DC2として、2021年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別研究員奨励費)「中国古代の流通構造の解明」(課題番号:21j11586)に基づく研究を研究代表者として実施。 | |||
2 | 外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究代表者) | 2022-04-00
~2023-03-00 |
日本学術振興会特別研究員PDとして、2022年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(特別研究員奨励費)「中国古代の流通構造の解明」(課題番号:21j11586)に基づく研究を研究代表者として実施。 | |||
C 学会等及び社会における主な活動 | ||||||
所属期間及び主な活動の期間 | 学会等及び社会における主な活動 | |||||
1 | 2017-04-00~2018-09-00 | 東洋史研究会 編集委員 | ||||
2 | 2020-10-00~2022-03-00 | 東洋史研究会 編集委員 | ||||
3 | 2021-03-00~0000-00-00 | 战国秦汉简牍在线研读组(京都大学・ソウル大学・武漢大学の三大学合同オンライン国際研究会)の第1回開催、以後三ヶ月おきに開催し、その運営委員を担当 | ||||
4 | 2021-04-00~0000-00-00 | 古代文化会員 | ||||
5 | 2022-04-00~0000-00-00 | 東洋史研究会会員 | ||||
6 | 2022-09-00~0000-00-00 | 日本秦漢史学会会員 | ||||
D 研究活動 | ||||||
著書、学術論文等の名称 | 単著、 共著の別 | 発行又は 発表の年月 | 発行所、発表雑誌等 又は 発表学会の名称 | 概要 | ||
Ⅰ著書 | ||||||
1 | 『嶽麓書院所藏簡《秦律令(壹)》譯注』 | その他 (分担執筆) | 2023-03-28 | 汲古書院 | 京都大學人文科學研究所の研究班(「秦代出土文字史料の研究」班、二〇一六~二〇二〇年度、「秦漢法制史料の研究」班、二〇二一~二〇二五年度)で會讀した、嶽麓書院所藏《秦律令(壹)》の譯注本である。すでに『東方學報』に發表したものに必要な校訂・修正をほどこした譯注篇と、解釋の難しい語句や更なる掘り下げが可能な術語・條文に關して考証した考證篇から成る。総頁数608頁。116~123簡(144頁~152頁)、303~312簡(308頁~320頁)、考証編論考「動産売買の質」(445~454頁)部分を担当。編者:宮宅潔。 | |
以上1点 | ||||||
Ⅱ学術論文 | ||||||
1 | 中国古代における都市と市―張家山漢簡より見える市像― | 単著 | 2015-10-00 | 『曰古』第25号(中国古代の基礎史料研究班) | 中国古代の経済の中心として市があるが、本稿では江陵張家山漢墓より出土した漢簡中の「奏讞書」の第二十二案件、秦代の市における事件を取り上げ、市と国家の関係を再検討した。秦代の咸陽においては、従来の研究で考えられてきたほどには市の管理・統制が厳しくなく、いまだ市においては一定の自由が残されていた、と結論付けた。
23頁(16~38頁)査読あり。 |
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2 | 参国伍鄙再考―齊国の改革プラン― | 単著 | 2018-06-00 | 『東洋史研究』第77巻1号(東洋史研究会) | 参国伍鄙は古代中国における富国強兵策の一種であり、しばしば春秋時代に実際存在した制度とみなされている。テキストの校訂を行い、従来春秋時代の制度とされてきた参国伍鄙は、実際は戦国斉の状況を反映した制度と考えられること、参国伍鄙が書かれる斉語と小匡はそれぞれ君主の権力や支配力の増強のため国制の改革案の一例を提示する事を狙ったものであろうことを主張した。
32頁(1~32頁)査読あり。 |
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3 | 戦国秦漢期における流通・交通管理制度の研究(学位論文) | 単著 | 2022-03-00 | 京都大学 | 戦国秦漢期における流通・交通管理制度を取り上げ、物流については、道路などの流通管理が国家にとって重要とされつつも、理想通りに運用できたわけではなかったことを、また商業管理については、商人に自由を与えて流通促進を図っていた戦国期から、財産の移動を管理する仕組みが秦代に施行され、後に均輸平準などの国家的流通が行われ、国家主導の流通管理に移行したことを指摘した。博士(文学)文博第891号。
総頁数177頁。 |
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4 | 質字考 | 単著 | 2023-03-30 | 『古代文化』第74巻第4号(古代学協会) | 秦漢期に大型動産を売買した際に行う質という手続きに関して、基本史料の『岳麓秦簡(肆)』金布律を仔細に検討することで、その主目的は、売買契約に課す税金ではなく、売買証明に加え大型動産の所有登記であり、大型動産の所有情報が郷において管理されたであろうことを指摘した。また、大型動産売買の質と質入れの質には、官による管理の必要があるという共通点があり、動産情報の把握を狙った事を示した。22頁(23~44頁)。査読あり。 | |
5 | 戦国秦漢期の商取引管理―券と質を中心に― | 単著 | 2023-11-00 | 『日本秦漢史研究』第24号(日本秦漢史学会) | 戦国秦漢期には、売買成立時に券や質を発行することが行われていた。本稿では近年発見された岳麓秦簡を中心に用い、馬牛といった大型の動産売買時に発行された質の検討を行った。戦国秦漢期の商取引管理の変遷を考察し、類似する性格を持つ券と質が券に一本化されると結論づけた。また、これらは戦略的物資の管理を主眼とするものであったことを指摘した。
33頁(1-33頁)、査読あり。 |
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以上5点 | ||||||
Ⅲ 口頭発表・その他 | ||||||
1 | 岳麓書院所蔵簡《秦律令(壹)》訳注稿(二) | 訳注、共著 | 2018-12-00 | 『東方学報』93冊 (京都大学人文科学研究所) | 近年出土した秦律令を含む『岳麓書院所蔵秦簡(肆)》』(上海世紀出版股份有限公司・上海辞書出版社、2015刊行)の日本語訳注。「秦代出土文字史料の硏究」班の共著で、共著者は斎藤賢、畑野吉則、藤井律之、宮宅潔、宗周太郎、目黒杏子。
66頁(1~66頁)。116~123簡(14頁~22頁)部分を担当。査読あり。 |
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2 | 近年来日本简牍研究现状―以秦简利用的研究为主―(日本の簡牘研究の状況について―秦簡研究を中心に―) | 口頭発表 | 2019-11-06 | 武漢大学秦簡研読会(於武漢大学、中国湖北省) | 日本における秦簡を用いた簡牘研究の現状と課題を整理し、発表した。報告の中で、日本の古代史研究が秦漢帝国の概念に囚われていることを指摘した。中国語による口頭発表。発表時間40分。 | |
3 | 釋秦代的“徭”与“戍” | 翻訳 | 2021-12-00 | 『簡牘学研究』11巻(甘粛人民出版社) | 宮宅潔の論文「秦代の『徭』と『戍』―その字義をめぐって―」(「秦代出土文字史料の研究」班HP上、2019年4月発表)の中国語翻訳を担当した。
14頁(90~103頁)。 |
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4 | 岳麓書院所蔵簡《秦律令(壹)》訳注稿(四) | 訳注、共著 | 2021-12-00 | 『東方学報』96冊 (京都大学人文科学研究所) | 『岳麓書院所蔵秦簡(肆)》』(上海世紀出版股份有限公司・上海辞書出版社、2015刊行)の日本語訳注。「秦代出土文字史料の硏究」班共著で、共著者は佐藤達郎、章瀟逸、西真輝、角谷常子、宮宅潔、宗周太郎、安永知晃。
57頁(59~115頁)。303~312簡(95頁~106頁)部分を担当。査読あり。 |
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5 | 『漢簡語彙考證』訂補(六)──平賈 | 口頭発表(一般発表) | 2022-03-00 | 战国秦汉简牍在线研读组(オンライン開催) | 「战国秦汉简牍在线研读组」(京都大学・ソウル大学・武漢大学の三大学合同オンライン国際研究会)。近年出土の秦漢簡の用例から、標準価格とされる平賈について先行研究の整理と語義の検討を行った。中国語による口頭発表。発表時間30分。本報告内容は、武漢大学簡帛中心が運営している、簡牘史料のオンライン論壇である「簡帛網」(http://www.bsm.org.cn/?hanjian/8704.html)で公表された。(公表日2022年5月17日) | |
6 | 岳麓秦簡語彙考証『質』 | 口頭発表(一般発表) | 2022-03-00 | 「秦漢法制史料の研究」班研究会(於京都大学人文科学研究所) | 中国経済史上新たな知見であり注目を集めている、動産売買時の手続きである質の用法と意味についての整理を行った。日本語による口頭発表。発表時間60分。 | |
7 | 戦国秦漢期の交通路管理 | 口頭発表 | 2022-11-06 | 2022年度東洋史研究大会(於京都大学) | 交通路をどのように管理したかという観点から戦国秦漢期の交通の様相を明らかにし、特に新出の簡牘史料に基づき、どのような交通行政を行っていたかを検討した。京都大学文学研究科第三講義室で開催。日本語による口頭発表。発表時間20分。 | |
8 | 戦国秦漢期の商取引管理―券と質を中心に― | 口頭発表 | 2022-11-19 | 第34回日本秦漢史学会(於岡山大学) | 中国の戦国期から漢代までの商取引の管理について、券と大型の動産売買時に製作された質というシステムから論じた。岡山大学津島キャンパスにて開催。日本語による口頭発表。発表時間は質疑応答含め一時間。 | |
9 | オンライン研究会「战国秦汉简牍在线研读会」開催報告 | 特別寄稿 | 2023-07-01 | 『中国出土資料学会会報』第76号、中国出土資料学会 | 自身が参加・運営をしている国際オンライン研究会である、战国秦汉简牍在线研读会について、開催概要や研究報告の内容、これまで10回分の発表題目を含めて紹介した文章。[総頁数5頁]、[掲載箇所3~7頁] | |
10 | 肩水金关的检察职能 | 口頭発表 | 2023-08-26 | 第十四回中国中古史青年学者聯誼会(於上海、復旦大学) | 「肩水金关的检察职能」と題し、漢代西北地方の関所の検察機能について論じた。中国、上海、復旦大学の光華楼の一室で開催。中国語による口頭発表。発表時間30分。その後20分ほどの中国語での質疑応答を行った。 | |
以上10点 |