教育研究業績の一覧

工藤 克洋
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 解読史料のイラスト化と
インターネットによる公開
2016-04-00
~2017-03-00
大谷大学文学部歴史学科「日本中世史料を読む1・2」の担当時、中世史料の内容理解を深めてもらうべく、史料の読み下し・現代語訳だけでなく、四コマ漫画等にしてイラストにして表現してみるというとりくみを行った。受講者によってイラストの得手不得手が学生にあるため、それだけをもって評価することはできないが、イラストが得意な学生の授業への積極的な授業への参加が見られたとともに、受講者が提出したイラストから史料に対する理解度が把握できるといったメリットがあった。なお、優れたイラスト作品については著作者の許可を得てホームページにて公開し、受講者に作成した作品が電子コンテンツとして世間に発信できるということを知っていただいた。
2 ホームページを活用した
レジュメ・資料の配布
2016-04-00
~2017-03-00
大谷大学文学部歴史学科「日本中世史料を読む1・2」の担当時、受講棄権者分のレジュメ・資料作成コストを削減するため、ホームページを作成し、そこに授業で必要な資料を掲載して、受講者各自にダウンロードおよびプリントアウトしてもらうしくみを構築した。印刷代のコスト削減とともに、自ら資料を印刷することで自主的に授業に臨む意識が受講者のなかには垣間見られた。
2 作成した教科書、教材、参考書
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
1 大谷大学真宗総合研究所
 真宗本廟(東本願寺)造営史研究班
 研究補助員および執筆活動
2007-04-00
~2011-07-00
東本願寺の親鸞聖人750回御遠忌法要の記念として『真宗本廟(東本願寺)造営史研究』の執筆に際し、研究補助員として東本願寺造営関係史料の調査・収集・整理・研究および執筆にあたった。
2 愛媛県生涯学習センター企画展
「いろは丸の帰郷―龍馬のうまれた
 世界―」展示担当
2010-10-00 2010年の大河ドラマ「龍馬伝」の放映にあわせ、愛媛県にて坂本龍馬に関する企画展示を企画・開催した。龍馬が海援隊として活動している際に乗船していた「いろは丸」が、伊予国大洲藩より購入していることから、あまり知られていない伊予国と龍馬の関係性について紹介した。
3 滋賀県県政史料室企画展
「県庁文書係のお仕事」展示担当
2013-09-00
~2013-11-00
明治期から終戦までの滋賀県行政文書が、2012年に県有形文化財に指定されたことを受け、同文書が県庁においてどのように管理されていたのかを紹介。明治期より保存されていた永久文書は明治末年には文書の「捜査」が困難な保管状態に陥っていたが、大正7年に文書編纂保存規定を制定し文書の整理が行われ、文書の出納が可能な状態になったことを明らかにした。
4 滋賀県県政史料室企画展
「近代湖国の観光ビジョン―東洋の
瑞西となす」展示担当
2014-05-00
~2014-07-00
外国人観光客をいかに誘致するかが、近年の自治体の課題であるが、滋賀県においてはすでに100年前から外客誘致の取り組みが行われていたことを滋賀県行政文書から紹介。滋賀県では大正から昭和初期にかけて、県内の風景や文化財を観光資源としてどう活用できるのか調査を実施。琵琶湖の景観がスイスに似ているとして「東洋の瑞西」と銘打ってPRをするとともに、調査によってわかった外国人向け宿泊施設の不足を解消するため、県が進めた琵琶湖ホテルの建設事業を明らかにした。
5 大谷大学真宗総合研究所
 教如上人研究班 研究協力者
2015-04-00
~2017-03-00
真宗総合研究所教如上人研究班の研究協力者として、教如上人関連史料の調査に携わるとともに、教如上人に関連する寺院の研究および文献史料の翻刻、デジタルアーカイブの作成を行った。
6 明石市立文化博物館
 2023年度春季特別展
 「昭和のこども」展示担当
2023-04-01
~2023-05-14
明石市民に芸術作品の鑑賞機会を提供する目的で、株式会社クレヴィス企画の昭和の名写真家19名(木村伊兵衛、土門拳等)の作品(こどもの写真)を紹介する展覧会を担当。じっとしていられないこどもの写真を撮ることの難しさや、それを容易になしとげる写真家たちの技術の高さ、また撮影に慣れたこどもの自然な姿がとりにくくなる撮影環境の変遷を紹介した。
7 明石市立文化博物館
 ミュージアムグッズの開発
2023-11-00 明石市立文化博物館の来館者に常設展をふりかえってもらうグッズを開発。「播磨国明石城絵図」や明石ゆかりの戦国武将・高山右近を印刷したクリアファイルを作成し販売した。クリアファイルには、googleマップに館所蔵の「播磨国明石城絵図」に記載された場所を落とし込んだマップが閲覧出来たり、明石と右近の関わりを展示品を交えつつ説明する動画を附録としてつけ、研究成果をふまえたグッズとしている。
8 明石市立文化博物館
 体験プログラム講師
2023-12-00
~2024-01-00
こどもに博物館のことを知ってもらうため、こども向けに常設展の展示品を観覧した後、展示品をモチーフとしたグッズをつくる「体験プログラム」を実施。兜にまつわるクイズや常設展示室の兜を観覧して兜について学んだ後に、ポスターのあまりを用いてつくる兜づくり「つくって学ぼうオシャレなかぶと」や、展示品を観覧した後に気に入った展示品を撮影してクリアファイルを作成するイベント「常設展示室で写真撮影をしてグッズをつくろう」の講師を担当した。
9 明石市立文化博物館
 2024年夏季特別展
 「迷路遊びからお城イラストへ
  -香川元太郎の作品世界-」
 展示パンフレット
 『ゲンタロウ先生のさがし絵ブック』の作成
2024-07-00 2024年明石市立文化博物館夏季特別展「迷路遊びからお城イラストへ-香川元太郎の作品世界-」開催につき、展覧会図録の代替として、城郭イラストレーターの香川氏の城郭イラストをさがし絵で楽しめる冊子を作成した。日本の城郭についてあまり知識のないこども向けの冊子で、イラストのなかに描かれた城郭の構造物や特徴(天守や水の手櫓など)を”さがす”という体験と通じてお城を身近に感じていただいた。
10 明石市立文化博物館
 2024年夏季特別展
 「迷路遊びからお城イラストへ
  -香川元太郎の作品世界-」
 展示担当
2024-07-13
~2024-09-01
明石市民に芸術作品の鑑賞機会を提供する目的で、株式会社青幻舎プロモーションの企画「香川元太郎城郭原画展」をアレンジし、城郭イラストだけでなく、こどもの頃に好きだったことが今の仕事につながっているという香川氏の生い立ちを含めて紹介する展覧会を開催。城郭についてなじみのないこどもも楽しめるように、ダンボール迷路や城郭イラストをフロア迷路を設置するとともに、城郭の造物や特徴(天守や水の手櫓など)をさがすしてもらうさがし絵遊びを設け、親子で楽しめる展覧会とした。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2005-04-00~2022-03-00 交通史学会 会員
2 2005-04-00~2022-03-00 大阪歴史学会 会員
3 2007-01-00~2022-03-00 日本史研究会 会員
4 2008-05-00~0000-00-00 歴史学研究会 会員
5 2008-06-00~0000-00-00 中世史研究会 会員
6 2009-12-00~2012-03-00 四国中世史研究会 会員
7 2012-12-00~2022-03-00 仏教史学会 会員
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 本願寺教団と中近世社会共著 2020-06-00法藏館 日本の中近世社会において、大名権力が脅威に感じつつも頼らざるをえなかった真宗の存在について、その具体例の提示を試みた論集。越後の戦国大名・上杉謙信の上洛を支援した真宗寺院・本誓寺の関与を示す石田定賢・本庄宗緩連署状の真偽について検討し、正文であることを論証するとともに、正文説では天文22年の関与とされていた理解を改め永禄2年の関与であることを指摘した。
総27頁(19頁~45頁)
本人担当:第1部「上杉謙信と笠原本誓寺―真宗寺院という戦国大名の外交チャンネル―」
(編者:草野顕之/共著者:工藤克洋、安藤弥、川端泰幸、山本春奈、湊悠介、木越祐馨、青木馨、山田哲也、老泉量、松尾奏子、大畑博嗣、松金直美、草野顕之)
2 論集 修験道の歴史2
  寺院・地域社会と山伏
共著 2024-07-00岩田書院 「論文でたどる修験道史の研究入門書」として修験道史研究の成果と課題を概観すべく1980年代後半以降に公刊された論文を選定・集成したもの。内容はⅡ.学術論文-2と同内容。
本人担当:「熊野先達の「大法」と檀那」総19頁(13頁~31頁)
(編者:川崎剛志、時枝務、徳永誓子、長谷川賢二/共著者:工藤克洋、近藤祐介、増山智宏、三好英樹、三宅克広、水野圭士、野地秀俊、藤村行弘、榎本直樹、久保康顕)
以上2点
Ⅱ学術論文
1 戦場をかいくぐる書状と使僧―情報伝達から みる北畠親房発給文書―単著 2008-12-00『大谷大学大学院研究紀要』25号
大谷大学大学院
南北朝期の紛争地帯において文書の運搬がいかになされていたのかを北畠親房が結城親朝に発給した文書から検討した。文書の運搬は敵地を通過せざるを得ない場合、武士ではなく山伏等の宗教者に託すことが多いこと、また文書サイズも縦寸法が一般的サイズ(竪紙)の1/3のサイズの小切紙を多く用いることが一般的だったことを明らかにした。
総34頁(211頁~244頁)
2 熊野先達の「大法」と檀那単著 2009-09-00『歴史の広場』12号
大谷大学日本史の会
中世の熊野参詣におけるガイド的存在であった「熊野先達」は、氏族を檀那として抱え込むルールが先達内で存在していたことが知られているが、本論文では、15世紀後期になると檀那側が先達ルールに従わず、自らが好む先達を選んでいたことを指摘。檀那に選ばれなければ先達業が成り立たない時代に変化していくことを明らかにした。
総11頁(42頁~52頁)
3 聖・山伏がうみだした戦国期の本願―多賀社不動院を事例として―単著 2010-05-00『年報中世史研究』35号
中世史研究会
戦国期に多賀社(近江)の修造を勧進で請け負った本願(勧進聖)・不動院について分析。不動院は聖護院配下の山伏で多賀社の正員でなく、それゆえ勧進で得た奉加は多賀社の収益に組み込まれず独自の収益としていたこと、山伏であることを活かし配下の聖・山伏だけでなく列島各地に在住の知音の聖・山伏に勧進を請け負わせ、彼らが抱える檀那からも奉加を得られるしくみを構築していたと指摘した。
総26頁(77頁~102頁)
4 戦況情報と南北朝内乱単著 2011-03-00『歴史学研究』
877号
歴史学研究会
南北朝内乱を情報戦という観点から分析。各陣営の畿内における優勢が地方に伝わるたびに、在地武士の去就が二転三転する様子を明らかにするとともに、偽の戦況情報を警戒し、情報に踊らされることなく一族の団結を再確認する武士のあり方や、上からの情報だけでなく、近隣武士等の横から情報を入手し情勢認識を形成する武士のあり方を明らかにした。
総15頁(18頁~32頁)
5 先達と認められなかった白山先達の檀那引単著 2011-04-00『交通史研究』
74号
交通史学会
白山に参詣する三河国牛久保郷の檀那をめぐり、三河国白山先達・桜井寺と同先達・財賀寺が繰り広げた相論を分析。白山や戦国大名は、白山先達のルールに則り由緒のある桜井寺を先達と認定するが、相論に敗れた財賀寺が檀那の支持のもと先達を継続していることを明らかにし、先達としての由緒よりも檀那の支持を取り付けることが戦国期の白山先達においては必要とされていたことを指摘した。
総18頁(1頁~18頁)
6 情報がつくるイメージとしての中世社会
(博士論文)
単著 2012-03-00大谷大学 日本中世においては、戦況情報をもとに社会情勢を認識・判断するという前提のもと、中央から発信される戦況情報に振り回され右往左往する武士の姿がある一方、地方の戦況情報を得るといち早く檀那である大名のもとに見舞いとして駆け付け奉加を獲得する勧進聖の姿を明らかにし、戦況情報に価値を見出し、たくましく生き抜く人々の存在を指摘した。
7 戦国時代の勧進聖と在地の聖・山伏単著 2013-03-00『大谷大學史學論究』18号
大谷大学文学部歴史学科
戦国期に寺社造営にあたった聖・山伏の社会的位相について、寺社の正員ではないこと、師と弟子からなるユニットを形成したが、諸国勧進ではユニット外の聖・山伏に得意なフィールドでの勧進を請け負わせていたこと、勧進で得た奉加は寺社ではなく聖・山伏の得分とされたこと、寺社の正員ではないが募財能力が評価され室町幕府下では存在が認められたが、江戸幕府下では所属曖昧につき統制の対象となり寺社正員外は排除されたことを指摘した。
総25頁(24頁~48頁)
8 中世の情報メディアとしてみる山伏単著 2014-07-00『歴史の広場』17号
大谷大学日本史の会
中世の山伏が在地から畿内の寺社・霊山へ参詣・修業に赴く間で得た情報が、地方の戦国大名が情勢分析の判断材料になっていること、また寺社参詣をする山伏には敵対する大名の侵攻を在地にもたらす間諜としての役割が期待されていたこと、更には諸国をめぐり諸大名の動静に通じた山伏が大名の情勢判断の誤りを指摘する場合もあったことを指摘した。
総15頁(3頁~17頁)
9 戦国期における愛宕山五坊・山伏の諸国勧進単著 2016-03-00『同朋大学仏教文化研究所紀要』35号
同朋大学仏教文化研究所
戦国期の愛宕山五坊(長床坊・尾崎坊・下坊・上坊・西坊)の諸国勧進について、収入源である檀那(大名・家臣)の移住や滅亡により、五坊間で檀那の奪い合いを行っていたこと、また、勧進にあたっては五坊に所属していない他寺の聖が愛宕の檀那のもとに赴いており、所属の縦割りでない横断的な勧進活動が展開していたことを明らかにした。
総21頁(61頁~81頁)
10 寺内織部佑素休について―羽柴秀吉・上杉景勝同盟の実務を担った本願寺教如の家臣―単著 2018-12-00『歴史の広場』21号
大谷大学日本史の会
天正11年、羽柴秀吉と上杉景勝は敵対していた柴田勝家を倒すべく同盟を締結するが、締結時に交わした起請文の運搬や署判の確認をしていたのが、本願寺教如の家臣として北陸に派遣され、北陸の真宗門徒を指揮し、上杉家とともに織田家麾下の柴田勝家と交戦していた寺内素休なる人物であったことを指摘。羽柴・上杉両家の同盟締結には、本願寺教如が深く関与していたと結論づけた。
総13頁(4頁~16頁)
11 秀吉と日吉社・延暦寺復興勧進単著 2021-01-00『歴史の広場』23号
大谷大学日本史の会
織田信長が焼討した延暦寺の復興勧進について、豊臣秀吉に支援消極説を山門僧による勧進活動の復元から再検討。勧進が山門僧の意向により彼らの地域的宗教基盤に立脚し展開していること、秀吉が多額の奉加を拠出し、山門僧の勧進を通じて天下人秀吉を喧伝でしていることを指摘。秀吉が延暦寺復興勧進を積極的に利用していると結論づけた。
総23頁(3頁~25頁)
12 WEB版『寛政重修諸家譜』人名検索システムの構築について-歴史学者がプログラミングまでを手がけてみる-単著 2023-03-00『歴史の広場』25号
大谷大学日本史の会
国立国会図書館デジタルコレクションをはじめとしてネット環境があればどこでも史料アクセスできる「デジタルアーカイブ」が諸機関で作成されているが、その構築はプログラマーにゆだねられているため、予算確保ができる機関に限られるのが現状である。歴史学者自らがデジタルアーカイブを構築するための第一歩として、『寛政重修諸家譜』の人名検索を構築し、その概要を説明しつつ、システムのプログラムソースを公開した。
総18頁(16頁~33頁)
以上12点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 戦国の世上をつかむ御師・本願―情報論からみる廻檀と勧進―口頭発表(一般発表) 2009-03-00佛敎史學會
例会報告
戦国期の寺社の造営を請け負った勧進聖が行った諸国大名への勧進活動について、檀那である戦国大名の動向(戦の有無や勝敗)にアンテナをはり、戦勝情報をキャッチするとすぐさま勧進に赴く様子を復元し、勧進がやみくもに行われていたのではなく、広く世上に流れる情報に基づいて行われていたことを明らかにした。
2 鎌倉期武家の公的通信と私的通信単著 2009-04-00『交通史研究』68号
交通史学会
鎌倉幕府が公費でもって賄った鎌倉―京都間の通信制度である駅制(宿駅を設置し馬を一定数常備)について分析。駅制は公的な情報を伝達する際にしか運用できない通信手段であり、私的な理由での運用は戒められていたが、北条氏が幕府の実権を掌握していくなかで、北条氏の私的な情報伝達において駅制を活用しているケースがみられ、通信の公私混同が鎌倉末期に生じていたことを明らかにした。
総15頁(21頁~35頁)
3 荘園制的世界からみる伊予国三嶋社の地頭職口頭発表(一般発表 2009-12-00四国中世史研究会
例会報告
中世後期において、伊予国の一宮である三嶋社が鎮座する大三島は、小早川氏、村上海賊衆とその領有者が変わっていく。ただし、各氏領有に際しては、必ず三嶋社の地頭職を取得していることを指摘。三嶋社地頭職の獲得が島の領有の正当性を保証するものであったことを明らかにした。
4 指定管理者の「学芸員」口頭発表(大会発表) 2010-07-00大谷大学日本史の会
大会報告
平成15年、指定管理者制度が施工され、公共の博物館の運営が、企業に代行されるケースも多くなった。本報告では、指定管理者側の学芸員として採用された筆者が、実際の業務を通じて感じたメリットとデメリットを、研究会の場で報告した。
5 世上をつかむ―戦国の聖・山伏の情報戦略講演 2012-02-00くさつ歴史発見塾 草津街道交流館が実施している講座の講師を担当した。
6 行政文書の整理・保存単著 2013-10-00『湖国と文化』
145号
滋賀県文化振興事業団
明治期における滋賀県の文書管理事情について復元。明治晩年は、文書が文書庫に平置きされ、過去の文書を捜索することが出来ない状況にあったが、大正年間に文書保存管理規程を整備するなどして、文書管理の徹底をはかっていった様子を「滋賀県行政文書」をもとに紹介した。
7 国際ホテル単著 2014-07-00『湖国と文化』
148号
滋賀県文化振興事業団
大正年間、滋賀県が外国人観光客の誘致を目的として、官民協同で推進した琵琶湖ホテル建設事業について、建設にいたる背景や経緯、ホテルに対する県民の期待や不満を、「滋賀県行政文書」をもとに紹介した。
8 西光寺蔵『記録由緒書』(諦観山西光寺略記)共著 2015-03-00『同朋大学仏教文化研究所紀要』34号
同朋大学仏教文化研究所
西光寺(香川県綾歌郡宇多津市町)に所蔵されている寺院の由緒書について、近世までの寺院の来由を示す貴重な史料であり、いまだに学界にて知られていない史料であったことから、内容紹介と全文翻刻を行った。
執筆者:川端泰幸、工藤克洋、山本春奈
9 アーカイブ閲蔵と史資料データ単著 2015-03-00『同朋大学仏教文化研究所報』28号 同朋大学仏教文化研究所は、東海地方を中心とする真宗寺院の収蔵史料調査を進めており、今日に至るまで約10000万件もの文化財の史料データを抱えている。このデータは写真と調書によってまとめられているが、この程、画像および調書データのデジタル化を進めるとともに、HTML形式にて表現する「アーカイブ閲蔵」(デジタルアーカイブ)を自らの手で作成することになり、その基本コンセプトの紹介を行った。
10 ”交通費”をめぐる攻防―経費削減か安全第一か―単著 2015-06-00東寺百合文書WEB「百合百話」
京都府立総合資料館
http://hyakugo.kyoto.jp/hyakuwa
京都府総合資料館に所蔵されている「東寺百合文書」をユネスコの世界記憶遺産への認定に向け、府民に同文書への理解を深めてもらうべく、同館ではWEBでの文書紹介を実施している。本論は館のとりくみに協力すべく、播磨国矢野荘の年貢運送費支出をめぐる荘民と領主である東寺とのせめぎ合いについて紹介した。
11 代銭納マジック―米が不作でも年貢を減らさない方法―単著 2015-07-00東寺百合文書WEB「百合百話」
京都府立総合資料館
http://hyakugo.kyoto.jp/hyakuwa
京都府総合資料館に所蔵されている「東寺百合文書」をユネスコの世界記憶遺産への認定に向け、府民に同文書への理解を深めてもらうべく、同館ではWEBでの文書紹介を実施している。本論は館のとりくみに協力すべく、応永28年(1421)東寺領荘園矢野荘では凶作により年貢が減免となるが、銭貨で年貢を納めることで、不作による米価高騰により通常と変わらない年貢量を確保できていたことを紹介した。
12 西光寺デジタルアーカイブ(香川県宇多津町)自主制作 2015-09-00 2014年8月に西光寺の所蔵文化財を調査させていただいたことを受け、その成果報告として、同寺の開基・地図・年表等の基礎情報や所蔵文化財調査データ(画像・調書データ)をHTML形式でまとめたデジタルアーカイブを作成した。
13 善重寺デジタルアーカイブ(愛知県知多市)自主制作 2015-10-00 2015年9月に善重寺の所蔵文化財を調査させていただいたことを受け、その成果報告として、同寺の開基・地図・年表等の基礎情報や所蔵文化財調査データ(画像・調書データ)をHTML形式でまとめたデジタルアーカイブを作成した。
14 同朋大学仏教文化研究所編『教如と東西本願寺』単著 2015-11-00『佛敎史學研究』
58号
佛敎史學會
同朋大学仏教文化研究所編『教如と東西本願寺』(法蔵館、2013年)の内容紹介と研究史における成果および問題点の指摘をした。
15 蓮慶寺デジタルアーカイブ(愛知県知多郡)自主制作 2016-07-00 2016年2月に蓮慶寺の所蔵文化財を調査させていただいたことを受け、その成果報告として、同寺の開基・地図・年表等の基礎情報や所蔵文化財調査データ(画像・調書データ)をH TML形式でまとめたデジタルアーカイブを作成した。
16 『真宗大谷派甲府別院光澤寺史』共著 2017-07-00真宗大谷派甲府別院光澤寺 真宗大谷派甲府別院での親鸞聖人750回御遠忌法要執行にあわせて刊行することになった寺史編纂に携わらせていただいた。武田信玄の孫・顕了が光澤寺に入寺した経緯や武田旧臣が門徒として同寺を支えていたことを紹介するとともに、同寺所蔵文化財の紹介として武田信玄像のキャプションを担当した。
編著者:平野寿則、川端泰幸、工藤克洋、栗原宣如、東京教務所、御遠忌法要実行委員会事務局
17 戦国大名の興亡と愛宕山五坊・山伏の勧進講演 2017-07-02京都あたご研究会
大会講演
京都愛宕研究会大会にて講演会の講師を担当した講演会の講師を担当。学術論文9と同内容。
18 『洛陽徳正寺由緒』にみる徳正寺の寺地移転について単著 2017-09-00『腕木通信』
創刊号
徳正寺(真宗大谷派京都教区)
2017年に史料調査に携わらせていただいた徳正寺にて、本年度より寺史編纂に向けて住職の呼びかけにより勉強会が開催されているが、編纂作業の一環として同寺が発刊することになった『腕木通信』に史料調査の成果として、徳正寺の寺地移転についての文章を寄稿した。従来、徳正寺は大谷廟堂を守護する寺院の系譜を引くとされていたが、本稿では淀殿による浅井長政追善のために創建されたものではないかと推測した。
19 京都の寺社の勧進を請け負う戦国期の聖・山伏単著 2019-08-00『地方史研究』400号 都市・京都にある寺社が地方の戦国大名の動静を注視して勧進活動を展開していたことを紹介。
20 WEBシステム
和暦西暦変換システム
自主制作 2020-09-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/500-nengo-search-input.php
西暦と和暦を相互変換できるシステム。
21 WEBシステム
年齢(満年齢)・誕生年計算システム
自主制作 2020-09-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/500-nenrei-input.php
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/500-nenrei-input-1.php
人物の生没年を入力すると、満年齢が表示されるシステム。
22 WEBシステム
日本中世の銭貨1貫文・1文の価値換算システム
自主制作 2020-10-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/500-ikkanmon-input.php
中世の銭1貫と1文が、現代の円に換算するといくらくらいになるのか、現代の米の値段で算出できるシステム。
23 WEBシステム
史料にみえる人名の呼称(随時更新中)
自主制作 2021-02-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/2-zinbutu-kosho2.html
歴史史料にみえる人名の呼称をデータベース化。各時代・各史料にどのような呼称を用いているのかを表示するシステム。
24 WEBシステム
書籍・論文データベース検索(随時更新中)
自主制作 2021-03-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/100-book2.html
歴史関係の文献の検索サイト。蔵書検索システムを構築するサンプルとして作成。ウェブで公開されているものはリンクも表示し、文献にアクセスしやすい環境を整えている。
25 WEBシステム
商用利用可能 文化財画像データベース(随時更新中)
自主制作 2021-08-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/102-bunkazai-gazo.html
デジタルアーカイブを構築するサンプルとして作成。ウェブで公開されているものはリンクを表示。また、フリーで使用できる文化財画像をなるべく掲載し、史料閲覧とテキストデータをはじめとする諸情報のプラットホームになるように更新を随時している。
26 WEBシステム
寛政重修諸家譜 人名検索システム(随時更新中)
自主制作 2021-10-00サイト名「歴史の目的をめぐって」
URL:https://rekimoku.xsrv.jp/103-bunkazai-kanseichosyukafu3.html
『寛政重修諸家譜』の人名検索システム。
27 昭和の子ども写真撮史講演 2023-03-10明石しごせんロマン塾第26講 明石しごせんロマン塾にて「昭和の子ども写真撮影史」と題し、明治期から戦前までの子どもを被写体に写真を撮影することの歴史を紹介した。
28 2023年度明石市立文化博物館春季特別展「昭和のこども」特設ページ「#カメラをもう一度」単著 2023-04-00明石市立文化博物館
ホームページ
https://www.akashibunpaku.com/camerawomouichido.html
展覧会開催にあわせ、カメラでこどもを撮影することについての歴史と、昭和の名写真家がこどもをどう撮影したのかを紹介する特設ページ(Vol.1-25)を開設。
29 大坂の陣にみる「城」での攻防講演 2024-03-02明石市立文化博物館
2023年度文化講座
大坂の陣において大坂城を徳川家康がどのように攻め、また豊臣秀頼がどのように守ったのかを史料に即して稙回した。
30 伝えたいことを基にパッケージ展をつくりかえる単著 2025-01-00『博物館研究』第60巻第1号 「意外と面白い?!パッケージ展・巡回展」と題した特集に寄稿。企画会社が制作する改変が難しい展覧会パッケージを担当学芸員だった筆者がアレンジした事例を紹介した。
以上30点

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