大谷大学教育研究業績検索システム

教育研究業績の一覧

髙井 龍
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 双方向授業への取り組み(中国語) 2015/04/01 ~ 広島大学・岡山大学・大阪大谷大学・京都女子大学・大谷大学の授業において、授業中に学生同士で学習内容を確かめる時間を作ってきた。それにより、学生間の交流を深めるとともに、学生にとって、難しい個所があるのは1人ではないことを自覚し、恥ずかしがることなく質問できる授業環境を作り、学生からの発話を増やし、教員と学生の双方向授業を行ってきた。
2 小テスト・フィードバック(中国語) 2015/04/01 ~ 広島大学・岡山大学・大阪大谷大学・京都女子大学・大谷大学・立命館大学等の中国語授業において、リスニング、単語、ピンイン、作文等、幅広い内容の小テストを実施するとともに、フィードバックを行ってきた。また、学生の要望により、授業時間外に質問対応を行い、必要に応じて補講を行ってきた。
3 中国語教育における会話能力の向上への取り組み 2015/04/01 ~
2020/03/31
広島大学・岡山大学・大阪大谷大学・京都女子大学・大谷大学の中国語授業において、学生の発話時間の増加や中国語によるコミュニケーション能力の獲得を目指し、授業内に席移動を行い、学生同士が中国語で会話する環境を作ってきた。この実践により、実際に運用可能な中国語能力の獲得に繋がる成果をあげ、特に発話と聴解の能力の向上を達成した(コロナ禍以降、この授業方法は実践していない)。
4 美術と文学に関する視覚教材の利用 2019/04/01 ~ 大谷大学「国際文化特殊講義」や立命館大学「Lecture for Humanites」等の授業において、魯迅、老舎、余華等の近現代文学や、世界文化遺産について、映画を含む視聴覚教材を利用して、近現代の中国を多角的に学ぶ授業を行っている。
5 インターネットによる遠隔授業の実施(TeamsとZoom)、課題授業 2020/04/01 ~
2023/03/31
2020年度から2022年度まで、コロナ禍のため、インターネットによる遠隔授業を行った。大谷大学と京都女子大学では、それぞれTeamsとZoomを使い、中国語の授業を実施した。いずれの大学においても、ペアの中国語教員と授業の進捗状況を報告し合いながら授業の改善に努めるとともに、遠隔授業では不足する学習内容について、学生に課題を出して補った。また、立命館大学の中国語授業では、大学のメール機能等を用いて課題を出し、その課題に対して毎回個別にフィードバックを行うとともに、定期的にZoomで顔合わせを行い、学習教材の選定や学習内容の希望等を相談して決めながら進めた。
6 漢文の授業(中国文学・東洋史専攻の学部生向け) 2022/04/01 ~ 2022年4月1日~7月31日
2024年4月1日~7月31日
2025年4月1日~現在に至る
立命館大学と奈良女子大学の漢文の授業では、訓読の技法と正確な漢文の理解が得られることを目指す授業を行っている。そのために、古来漢文の学習に供されてきた主要な文章の中から、確かな基礎力が身に付く内容を教材として選別し、授業を行っている。
7 漢文の授業(漢文訓読の基礎を学ぶ学部生向け) 2022/06/08 ~
2022/07/31
立命館大学の漢文授業では、高校時代に漢文を学習したことのある学生と漢文の学習歴のない学生を対象として、漢文の句法を習得する授業を行った。その実施にあたり、大学指定のテキストを用いるだけでなく、句法の理解を促す例文や練習問題を作成して、訓読と現代日本語訳の学習を取り入れた。
8 体験型授業(書道) 2022/09/28 ~
2025/01/31
2022年9月28日~2023年1月31日、
2024年9月25日~2025年1月31日
立命館大学の留学生に向けた中国文学の英語授業(「Lecture for Humanities」等)において、書道を体験する時間を取り入れ、中国の伝統芸術に触れることにより、中国の文学や文化に親しむ機会を作ってきた。
9 新聞から現代中国を考える授業(プレゼンテーションによる発表を含む) 2025/04/01 ~ 立命館大学「現代中国学」の授業において、1年以内の新聞から興味のある記事を学生自身で選んでもらい、それを正確に読むとともに、関連する事項の調査を行い、プレゼンテーションを行う授業を実施している。
10 オンデマンド授業 2025/04/01 ~
2026/03/31
2025年度、龍谷大学「アジアの文化」(完全オンデマンド)において、PPT動画を作成して配信している。定期的に小テスト(自動採点機能)や授業内容に関連するレポート問題を出すことにより、学生の習熟度を確認しながら進めた。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 中国文学の英語授業の教材作成 2018/09/28 ~
2025/01/31
2018年9月28日~2019年1月31日
2022年9月28日~2023年1月31日
2024年9月25日~2025年1月31日
立命館大学で担当している中国文学の授業では、中国文学を初めて学ぶ欧米やアラブ地域出身の学生に向けて、毎回英語による教材を作成した。特に、Arthur Waley、Burton Watson、Victor H. Mair等の執筆した学術的に信頼できる翻訳、及び専門の研究書や論文に基づきながら、中国の歴史や文学上の基礎的な理解を促す資料を作成することにより、欧米とは異なる発展を遂げた中国文学の世界が幅広く学べる授業を行った。
2 中国文学の漢文授業の教材作成 2022/04/01 ~
2022/07/31
立命館大学の漢文訓読の授業において、指定教材の他、高校の国語便覧を用いた解説や、語法や基礎理解を補う自作の解説や図版等の資料を作成し、学生の理解を深める授業を行った。
3 漢文訓読授業資料の教材作成 2022/04/01 ~ 2022年4月1日~7月31日
2023年4月1日~7月31日
立命館大学と奈良女子大学の漢文訓読の授業において、唐宋八家文や『史記』等の主要文献から古来有名な文章や逸話を抜粋し、返り点を付した文章を用いて訓読を学ぶ授業を行った。また、一部の文章は返り点を消すなど、臨機応変に学生の水準に応じた授業も行った。
4 李青・清水由香里・髙井龍(共著)『身につく話せる中国語-京子とスニの留学生活-』(同学社、全76頁) 2023/01/31 当教科書は、初修中国語の学習者が、1年間の学習を通して基礎的な文法や単語を習得できることを目指した教科書である。現在の中国において広く使用される新出語句を多数取り入れるとともに、台湾への留学にも対応できることを目的として、繁体字も習得できる内容となっている。全12課よりなる。
5 配慮学生へ対応した教材や試験の作成(大谷大学、京都女子大学) 2023/04/01 ~ 大谷大学、大阪大谷大学、京都女子大学では、教員のサポートや特別配慮を必要とする学生に対して、個々の学生に合った教材や補足資料、小テストや試験問題を作成することにより、他の学生と同じ学習を達成できるよう取り組んでいる。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 学科書記 2019/04/01 ~
2022/03/31
大谷大学文学部国際文化学科の学会会議における書記を3年間担当した(他の助教3名との共同担当)。
2 大谷大学Global Square中国語検定試験講座 2019/05/16 ~
2021/06/24
2019年5月16日~6月27日
2019年11月14日~2020年1月16日
2021年5月13日~6月24日
2019年度前期、中国語検定試験準4級講座(全7回)を担当した。
2019年度後期、中国語検定試験4級講座(全7回)を担当した。
2021年度前期、中国語検定試験準4級講座(全7回)を担当した。
3 大谷大学・学生プロジェクトのサポートと中国語体験レッスン 2019/07/05 学生による国際交流企画「『中国を知ろう!』~中国の魅力がぎゅっと詰まった90分~」において、開催準備をサポートするとともに、開催当日は中国語の体験レッスンを担当した。
4 大谷大学国際交流企画「中国語カフェ」開催 2019/11/19 大谷大学の学生と学内外の中国・台湾からの留学生が交流する国際交流企画「中国語カフェ」を開催した。中国人教員1名、日本人教員1名、学生約20名が、中国の茶文化に触れながら簡単な中国語を学び、親交を深める場となった。
5 大谷大学助教プロジェクト「ガクモン講座――「海と空のあいだに:石牟礼道子『苦海浄土――わが水俣病を京都で読む」」開催 2019/12/04 「ガクモン講座」とは、様々な学問分野を平易に解き明かし、学問と社会の関係を学ぶべく、大谷大学の助教が開催した講座である。京都の古書店主を招待し、石牟礼道子『苦海浄土――わが水俣病』(講談社、2004年)を題材に座談会を開いた。
6 大谷大学文学部国際文化学科による東アジア文化の体験学習「年越しカフェ――東アジアの正月文化」開催 2019/12/13 大谷大学文学部国際文化学科のプロジェクトとして、東アジアの言語を学ぶ学生に向けて、東アジア各地域の年越し文化と正月文化を紹介した。また、中国の正月の歌を紹介し、韓国の正月ゲームを行うなど、旧正月の文化体験を行った。
7 大谷大学中国語学習希望者への個別授業とグループ授業 2020/09/28 ~
2021/07/31
大谷大学において、中国語学習を希望する学生の依頼を受け、個別レッスンとグループレッスンを行った。個別レッスンでは、初学者に向けて発音から基礎文法までの初級内容の授業を行った。グループレッスンでは、中国語の基礎を学んだ学生3名を対象に、単語と文法の正確な習得を図る一方、発展内容を取り入れた授業を行い、2名が中国語検定試験4級に合格した。
8 卒業論文口述試問の副査(大谷大学・立命館大学) 2021/01/26 ~
2025/01/22
2021年1月26、28日
大谷大学文学部国際文化学科の卒業研究口述試問の審査(副査)を担当した。担当学生5名。
2023年1月24日
大谷大学文学部国際文化学科の卒業研究口述試問の審査(副査)を担当した。担当学生5名。
2023年1月25日
立命館大学文学部東アジア研究学域中国文学思想専攻卒業研究口述試問の審査(副査)を担当した。担当学生3名。
2025年1月22日
大谷大学国際学部国際文化学科の卒業研究口述試問の審査(副査)を担当した。担当学生5名。
B 職務実績
1 共同研究班における活動 2010/04/01 ~
2014/03/31
京都大学人文科学研究所「西陲発見中国中世写本研究」共同研究班(班長:高田時雄)に所属し、敦煌文献を中心とする中国古写本や日本古写本を資料とする研究活動を行った(なお、2011年4月からは「中国中世写本研究」共同研究班に名称を変更した)。
2 科学研究費助成事業による研究活動
代表者
2011/04/01 ~
2013/03/31
名称:外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究代表者)
概要:科学研究費助成事業(日本学術振興会科学研究費・特別研究員奨励費)
「敦煌講経資料より見た変文発展変化の基礎的研究」(研究課題番号:11J01593 2011.4.1~2013.3.31)の研究代表者として研究を行った。
3 科学研究費助成事業による研究活動
代表者
2015/04/01 ~
2018/03/31
名称:外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究代表者)
概要:科学研究費助成事業(日本学術振興会科学研究費・特別研究員奨励費)
「敦煌法会文献研究―日本の法会との比較から見る政治性と大衆化―」(研究課題番号:15J00325 2015.4.1~2018.3.31)の研究代表者として研究を行った。
4 海外の研究助成金
分担者
2017/04/01 ~
2019/03/31
「仏教的学与用――東亜仏教応用類典籍的流布与典藏(仏教における学問的理論と実践的知識――東アジアの仏教に見る実用書の伝播と収蔵)」(2020.4.1~2021.3.31 研究代表者:国立政治大学・楊明璋)の研究分担者として、およそ10世紀に書かれた仏教儀礼文献「解座文」を取り上げ、その写本上の特徴や当時の実際の仏教儀礼との関わり、また文学的特徴等に着目して、その用途や文献としての特徴を多角的に解き明かした。参照:「Ⅱ.学術論文23」
5 科学研究費助成事業による研究活動
代表者
2019/09/01 ~
2021/03/31
名称:外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究代表者)
日本学術振興会・科学研究費助成事業・研究活動スタート支援
「仏教講釈文献の利用と説話の発展に関する写本学的研究―敦煌文献を中心に―」(研究課題番号:19K23056 2019.9.1~2021.3.31)の研究代表者として研究を行った。
6 分担者(研究活動、及び国際学会発表) 2020/04/01 ~
2021/03/31
龍谷大学2017年度龍谷大学仏教文化研究所プロジェクト
「龍谷大学図書館蔵大谷文書の再整理と研究」(2017.4.1~2019.3.31 研究代表者:龍谷大学・中田裕子)の研究分担者として、龍谷大学が所蔵する西域出土文書のうち、特に漢文で書かれた文学文献の調査研究を行った。また、2018年9月には、同・世界仏教文化研究センターの研究費補助を受けて、2018年9月18日に中日敦煌写本文献学術研討会(中国・浙江大学)に参加し、研究発表・学術交流を行った。
7 科学研究費助成事業による研究活動
分担者
2020/10/01 ~
2025/03/31
名称:外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究分担者)
日本学術振興会・科学研究費助成事業・国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))「「チンギス・ハーンの長城」に関する国際共同研究基盤の創成」(研究課題番号:20KK0012、 2020.10.1~2025.3.31 研究代表者:ボルジギン呼斯勒)の研究分担者として、モンゴルの侵入を防ぐために中国の東北地方に建造、増築された金代の長城について、文献研究を行った。
8 出版助成金 2021/06/30 名称:外部資金の獲得(研究分担者)
公益財団法人・日本台湾交流協会・共同研究助成(人文・社会科学分野)
一般財団法人橋本循記念会・令和3年度「中国伝統文化に関する出版助成」
9 共同研究班における活動 2023/03/31 ~ 京都大学人文科学研究所「隋唐石刻資料の研究」共同研究班(班長:倉本尚徳)に所属し、人文科学研究所が所蔵する隋代から唐代の碑文やその拓本を精読し、訳注を作成する研究を進めている。
10 科学研究費助成事業による研究活動
分担者
2023/04/01 ~
2026/03/31
名称:外部資金の獲得(科学研究費助成事業:研究分担者)
日本学術振興会・科学研究費助成事業・基盤研究(B)
「神仏の融合・複合の形成史の比較研究――日本とアジアの国々との様相を対比して」(研究課題番号:23H00575、2023.4.1~2026.3.31 研究代表者:名古屋市立大学・吉田一彦)の研究分担者として、アジアにおける神への信仰と仏への信仰が融合した実態を調査するとともに、中国古典文献や敦煌より発見された仏教文献を用いながら、唐代から宋代における中国から東アジアにかけての神仏信仰の様相を研究している。
11 国際学会発表 2023/09/17 立命館大学・白川静記念東洋文字文化研究所よりの依頼を受けて、第七届東亜漢籍交流国際学術会議(中国・南京大学)に参加し、研究発表・学術交流を行った。
12 調査と発表 2024/06/30 ~
2024/11/30
龍谷大学DARC(古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター)
「小川貫弌氏旧蔵資料内の出土写本の目録作成」
大谷探検隊の隊員であった橘瑞超氏から小川貫弌氏へ寄贈され、現在は龍谷大学が委託管理している中央アジア出土写本約200点の調査を行うとともに、その目録や翻刻等を作成し、当該資料の具体的様相を明らかにした。
13 国際研究集会におけるコメンテーター(中国語) 2024/07/13 第一回東亜宗教文献与文化国際学術研討会(於広島大学東広島キャンパス)において、コメンテーターを担当した。
14 シンポジウムにおける学術的な通訳(中国語から日本語) 2024/12/07 国際シンポジウム「モンゴル帝国時代のユーラシア世界」(於昭和女子大学本部館3階大会議室)にて、発表の通訳を担当した。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2006/03/31~ 2023/02/28 立命館大学中国芸文研究会 会員
2 2006/03/31~ 日本中国学会 会員
3 2011/03/31~ 2013/02/28 広島大学アジア社会文化研究会 会長
4 2012/03/31~ 東方学会 会員
5 2012/03/31~ 京都大学中国文学会 会員
6 2012/10/31~ 2012/11/30 広島市五日市市民講座(全体の講座題目なし)(全2回)「敦煌文献と目連の母を救う物語について」「敦煌文献と地獄観念」
7 2013/06/30~ 2013/06/30 大阪府立東淀川高等学校・エリア特別講義「シルクロードの探検隊――大谷光瑞を中心に」(全1回)
8 2013/09/30~ 2013/11/30 広島市五日市市民講座(全体の講座題目なし)(全3回)「五台山への信仰―文殊菩薩と不堕悪道」「泰山府君から十王まで」「敦煌壁画の『報恩経』悪友品」
9 2016/12/31~ 2017/01/31 龍谷大学REC生涯学習講座コミュニティカレッジ「敦煌文献と説話」(全5回)第1回「敦煌の歴史と敦煌文献」第2回「敦煌文献と地獄」第3回「敦煌文献と仏教経典の説話」第4回「敦煌文献と民間説話」第5回「敦煌文献と莫高窟壁画」
10 2017/12/31~ 2018/01/31 龍谷大学REC生涯学習講座コミュニティカレッジ「日本人によく読まれた中国古典の説話たち」(全4回)第1回「敦煌文献の通俗説話と中国古典」第2回「李陵――敦煌通俗説話に見る李陵と歴史書に見る李陵」第3回「王昭君――敦煌通俗説話に見る王昭君と歴史書に見る王昭君」第4回「伍子胥――敦煌通俗説話に見る伍子胥と歴史書に見る伍子胥」
11 2019/10/31~ 2019/11/30 大谷大学2019年度後期生涯学習講座「紫明講座」敦煌の歴史と文学(全3回)第1回「敦煌の歴史と敦煌文献」第2回「敦煌の文学文献」第3回「敦煌の仏教説話」
12 2021/11/30~ 唐代史研究会 会員
13 2023/03/31~ 立命館大学中国芸文研究会 幹事
14 2024/06/30~ 立命館土曜講座2024年7月テーマ「漢籍の東西伝播」Zoomウェビナーによる開催(全1回)「敦煌文献に見る漢籍の伝播」
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 『項楚先生欣開八秩頌寿文集』共著 2012/08/31(中国)中華書局 本書は中国文学研究者・項楚氏の古稀記念論集である。拙稿は、中国における絵解き芸能・転変の特徴を探った論考である。高麗初期編纂の『十抄詩』とその注釈書に収められた唐・李遠の詩「転変人」を通して、転変とは画巻に描かれた絵を詠う意味であり、その転変が、宋代以降の通俗文学の淵源となった過程を解明した。
総頁数981頁
本人担当:「転変人」
8頁(90~97頁)
編者:四川大学中国俗文化研究所
2 『シルクロードと近代日本の邂逅――西域古代資料と日本近代仏教』共著 2016/03/31勉誠出版 本書はシルクロード研究と近代日本の学術との関係に焦点を当てた書籍である。拙稿は、釈迦の前世譚を書写した敦煌文献BD3578を取り上げ、それが9世紀後半から10世紀に書写されたことを解明するとともに、仏教経典の故事が在俗信者のために平易な文章に書き換えられたことを明らかにした。また、仏教儀礼や通俗文学との関わりに着目し、仏教の通俗化が進んだ時代における仏教講釈の通俗化の一端を解明した。
総頁数814頁
本人担当:「敦煌文献BD3578初探――非講唱体縁起類と講経」
29頁(229~257頁)
編者:荒川正晴・柴田幹夫
3 『敦煌(日文版)』単訳 2020/09/30(中国)朝華出版社 本書は、柴剣虹・劉進宝『敦煌』(中国・朝華出版社、2018年、全192頁)の日本語訳である。その内容は、シルクロードの要衝である敦煌の歴史をはじめ、1900年に発見された6万点に及ぶ敦煌文献とその世界各地への流出、世界遺産でもある莫高窟の壁画、敦煌学の発展と展望について幅広く概説した書籍となっている。また、敦煌の街並みや石窟などのカラー図版が多数掲載されている。
総頁数160頁
4 『神仏融合の東アジア史』共著 2021/02/28名古屋大学出版会 本書は、歴史・仏教・神道・文学・美術等の多分野の専門家が集まり、東アジア各地における神信仰と仏信仰の融合について、多角的な研究を行った成果である。拙稿は、10世紀敦煌の仏教講釈文献を中心資料として、その中に取り上げられる科挙に関する記述や儒教的側面に着目することにより、仏教都市として栄えた敦煌にも、十分に儒教が浸透していたことを明らかにした。
総頁数726頁
本人担当:「敦煌における儒教と仏教」
78~104頁(27頁)
編者:吉田一彦
5 『敦煌講唱体文献研究―写本時代の文学と仏教―』単著 2022/02/28朋友書店 本書は、応募者が2021年までに執筆した中国の文学と仏教に関する論考から成る。中国古典文献は、多くが版本によって伝承されており、写本の残存は極めて少ない。そのため、写本研究はなお斯界に確立されていない。本書は、旧稿18点の全てに加筆修正を施し、9、10世紀の敦煌の古写本を中心資料として、写本時代の文学と仏教を、当時の写本そのものから解明した成果となっている。
総頁数495頁
以上5点
Ⅱ学術論文
1 “変”から“変文”へ 査読済 単著 2010/02/28アジア社会文化研究会
『アジア社会文化研究』第11号
敦煌文献中の変文について、これまで多くの識者が“変文”という2字からその意味や由来を考察してきたが、本稿は、”変文とは絵画を意味する“変”の1字から発展して生まれた語句であることを明らかにした。変文とはいかなる特徴を有するかを考えるにあたり、一部の識者が指摘してきた変と絵画との関係へ遡り、新たに「降魔変文」の写本年代の解明を起点として、変文が10世紀文献であることを明らかにした。
25頁(58~82頁)
査読有り。
2 「金剛醜女縁」写本の基礎的研究 査読済 単著 2011/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第5号
本稿は、縁、因縁、縁起と呼ばれる仏教経典中の説話が、絵解き芸能に由来する変文と交わった過程を明らかにし、変文の発展変化を明らかにした論考である。現存5点の「金剛醜女縁」写本のうち、1点のみ大幅に書き換えられていること、そこに変文との繋がりが生まれていることを指摘した。更に5点の写本を1つの系統にまとめて扱ってきた従来の写本理解を正した意義も有する。
29頁(257~285頁)
査読有り。
3 敦煌本「祇園因由記」考―9、10世紀の敦煌講唱文芸の発展に関する一考察― 査読済 単著 2012/02/29京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第6号
本稿は、10世紀敦煌に流布した「降魔変文」の由来を明らかにした論考であり、該故事の中心的内容である祇園精舎建立説話が、9世紀敦煌の僧侶の講義録にも引用されていたこと、更には8世紀の敦煌の高僧・曇曠の影響があることを明らかにした。10世紀を中心に流布した変文が、9世紀以前の仏教経典の講義や僧侶の学習と関わったことの解明は、該分野の研究において新たな発見であったと言える。
21頁(193~213頁)
査読有り。
4 舜の舌による瞽叟開眼故事の流布について 査読済 単著 2013/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第7号
本稿は、中国の伝説的皇帝である舜が、父・瞽叟の眼を舐め、それによって瞽叟が視力を取り戻す故事の流布を探った論考である。この故事は、孝子譚として、六朝時代から明代に至るまで、長く中国の民間に流布したものであり、中国の孝思想の発展に大きな寄与をしたが、特に10世紀における広汎な流布を明らかにするとともに、現在は失われた舜の孝子譚が、かつて日本に伝来した可能性があることを指摘した。
19頁(313~331頁)
査読有り。
5 S.1519V「寺院収蔵文献目録(擬)」に見る10世紀敦煌の講唱体文献 査読済 単著 2014/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第8号
本稿は、敦煌文献S.1519V「寺院収蔵文献目録(擬)」を中心に、10世紀敦煌に流布した文献の目録学的考察行ったものである。その中で、当時の弥勒信仰の反映を読み取るとともに、歴代の仏教経典目録に確認されない典籍を「経」と呼ぶ事例を複数確認した。そのような「経」の出現は、唐王朝の崩壊によって、様々な規範が崩れたことに起因するものであり、10世紀東アジアの変動との関連を指摘した。
22頁(145~166頁)
査読有り。
6 Ф96「双恩記」写本の基礎的研究――特に各巻の写本の相違に着目して 単著 2015/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第9号
本稿は、10世紀敦煌の仏教講釈文献Ф96「双恩記」を取り上げ、その写本学的考察を行い、現存する「双恩記」3巻の成立がそれぞれ異なること、また多様な講経に使われた実態があったことを明らかにした。そして、「双恩記」の淵源資料となった『報恩経』が、敦煌莫高窟壁画の題材となるだけでなく、古ウイグル語訳も作成されていたことに着目し、東アジアにおける仏教伝播を窺う資料としての価値を指摘した。
20頁(73~92頁)
7 「十世紀敦煌文献に見る死後世界と死後審判:その特徴と流布の背景について」 単著 2015/10/31勉誠出版
(白須淨眞編『アジア遊学(シルクロードの来世観)』192号)
本書は、シルクロードに生きた人々の死生観や死後世界についての論集である。拙稿は、死後世界を主題とする敦煌文献の中でも、『仏説十王経』と仏弟子・目連が地獄に堕ちた母を救う故事とを取り上げ、当時の仏教儀礼との関係や、それらの幅広い流布を明らかにした。またそこには、907年の唐王朝滅亡の後に、敦煌において、より民衆の支持が得られる通俗文献の受容があったことを指摘した。
169~190頁(22頁)
8 P.4524「降魔変画巻(擬)」考 査読済 単著 2016/02/29京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第10号第1分冊
本稿は、敦煌文献中の絵解き画巻P.4524「降魔変画巻(擬)」を取り上げ、写本学的考察を行ったものである。「Ⅲ.口頭発表・その他16」を踏まえ、また「降魔変文」の韻文の書換え方や字体からも、士大夫層の人物に使用された画巻であることを多角的に明らかにした。また、画巻の大きさに着目し、それ程多くの聴衆に向けられた絵解きにはならぬこと、更には写本の破損によって絵解きを行えなくなり、廃棄されたことを指摘した。
13頁(135~147頁)
査読有り。
9 日本における初期敦煌通俗文学研究 査読済 単著 2017/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第11号
本稿は、20世紀前半の日本の敦煌通俗文学文献研究史を考察したものである。狩野直喜は、従来の漢学の伝統を継承しながらも、西洋歴史学の方法を取り入れ、特に通俗文学史に着目し、青木正児は狩野を継承して文学の原始を探求し、倉石武四郎は文学に対する宗教の意義を強調した。また、内藤湖南の敦煌文学文献への関わりを踏まえ、世界の敦煌文学研究を牽引した識者の論考の位置づけを行った。
21頁(35~55頁)
査読有り。
10 「伍子胥変文(擬)」写本研究 査読済 単著 2017/10/31中国芸文研究会
『学林』第65号
本稿は、敦煌文献中に残る伍子胥の伝記を書写した文学作品「伍子胥変文(擬)」の流布の実態を、写本研究によって考察したものである。特に、現存4点の写本の比較考察から系統の分類を見出し、写本時代においては1つの文献が様々に変容していく実態を浮き上がらせた。口頭発表と大英図書館での写本調査をもとに、紙の破損や墨の変化から、当該故事の幅広い受容があったことを明らかにした。
25頁(24~48頁)
査読有り。
11 敦煌文献「妙法蓮華経講経文(擬)」の諸特徴と十世紀敦煌の講経 査読済 単著 2018/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第12号
本稿は、敦煌文献中に5点の写本を残す「妙法蓮華経講経文(擬)」を総合的に捉え、その諸特徴を明らかにした論考である。従来、講経文は、俗講と呼ばれる講経儀式との関係から研究されてきたが、俗講の考察からでは窺うことのできない多様な講経が存在したことを解明した。口頭発表を踏まえ、敦煌と日本における『法華経』の受容の相違を浮かび上がらせた。
21頁(45~65頁)
査読有り。
12 敦煌文献P.2324《難陀出家縁起(擬)》与講経――以写本的使用方法為中心 査読済 単著 2018/05/31(台湾)国立中興大学中国文学系
『興大中文学報』第43期
本稿は、フランス国立図書館での写本調査をもとに、敦煌文献P.2324「難陀出家縁起(擬)」の写本の切り取り方、墨の濃淡、字句の訂正、新紙の使用等に着目し、講経における写本の利用を解明した論考である。また、そこには9、10世紀に流布した念仏や地獄思想が反映されていること、当時の多様な講経の一端を担った文献であることを指摘した。
21頁(97~117頁)
査読有り。
13 須大拏本生譚の伝播―大谷文書5791A「須大拏太子讃(擬)」を中心に― 査読済 単著 2019/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第13号
本稿は、龍谷大学大宮図書館所蔵の西域文献・大谷文書5791の調査を通して、釈迦の前世譚「須大拏本生譚」がいかに中国の民間へ流布したかを考察し、併せて当該故事を主題とする仏教儀礼文書が、在俗信者への流布の過程でいかに書き換えられ、受容されたのかを解明した。また、当該故事の東アジアにおける広汎な流布の一端を明らかにした。
17頁(149~165頁)
査読有り。
14 A Study of Li Yuan’s “Zhuanbian Ren” 査読済 単著 2019/09/30(アメリカ)University of Pennsylvania
Sino-Platonic Papers, No.292
本稿は、2012年に発表した著書論考(「転変人」)の発展研究であり、晩唐の詩人・李遠の詩「転変人」の解読をはじめ、8世紀半ばから10世紀にかけて絵解き芸能「転変」がいかに中国に流布したのか、及びその10世紀に文学文献へと発展する中で生じた特質を明らかにした。また、「転変人」の内容の考察とともに、現在では残存の少ない李遠の詩が、生存時には広く流布していたことを解明した。
18頁(1~18頁)
査読有り。
15 九、十世紀敦煌節略仏経的使用与学習――以《涅槃経節鈔(擬)》為中心―― 単著 2019/11/30立命館大学人文学会
『立命館文学』第664号
敦煌文献には、『涅槃経』を抄出した文献「涅槃経節鈔」がある。従来、それらは唐代初期に用いられた僧侶の教学文献であると考えられてきたが、本稿では、新出の写本を含めて総合的に調査し、「涅槃経節鈔」が780年代に始まる吐蕃統治期以降に再利用されたことを明らかにした。また、それが当時の寺院における教学と関わることを指摘した。
9頁(213~221頁)
16 敦煌本「祇園因由記」考(続) 査読済 単著 2020/02/29京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第14号
本稿は、学術論文「敦煌本「祇園因由記」考」の発展研究であり、祇園精舎建立の故事「祇園因由記」が、9世紀の敦煌の仏教界の中でいかに受容されたのかを、写本の利用方法や故事の内容の発展変化に着目して明らかにした。そして、10世紀に流布した同系故事「降魔変文」との相違に着目し、9世紀における「祇園因由記」の受容の様相とその文献的意義を浮かび上がらせた。
15頁(69~83頁)
査読有り。
17 『賢愚経』の伝播 単著 2020/07/31勉誠出版
(荒見泰史編『アジア遊学(仏教の東漸と西漸)』251号)
本書は、中国の仏教が、東方のみならず、西方へも伝播したことを考察した論集である。拙稿は、西域由来の『賢愚経』が、中国から東西へ伝播する過程で起こった変化を考察した。そして、日本やチベットにおける『賢愚経』の受容の特徴を明らかにし、その広汎な伝播の要因として、『賢愚経』が皇帝による仏教統治を支持する経典であることを指摘した。
177~191頁(15頁)
18 講経文の成立と利用―「維摩詰所説経講経文(擬)」を中心に― 査読済 単著 2021/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第15号
本稿は、10世紀の敦煌文献「維摩詰所説経講経文(擬)」の写本を3点(P.2292、S.4571+S.8163、S.3872)取り上げ、大英図書館における写本調査に基づき、講経の場における写本の利用方法や、写本の利用の場、写本を使用した僧侶について考察した。口頭発表を踏まえ、9世紀の仏教文献との相違があること、更には中原や四川等の他地域からの影響が多分に窺われる文献であることを明らかにした。
18頁(17~34頁)
査読有り。
19 「仏図澄和尚因縁記」小考 査読済 単著 2021/05/31中国芸文研究会
『学林』第72号
本稿は、中国仏教の発展に寄与した仏図澄の研究である。敦煌文献「仏図澄和尚因縁記」は複数点の写本を残すが、そのうち最も信頼のおける写本の本文を定め、翻刻と訳注を作成するとともに、写本の伝承過程において、いかにその内容が書き換えられたのかを解明した。それは、写本による文献伝承がいかに困難であったかを示す成果となっている。
17頁(50~66頁)
査読有り。
20 「頻婆娑羅王后宮綵女功徳意供養塔生天因縁変」初探 査読済 単著 2022/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第16号
本稿は、敦煌文献「頻婆娑羅王后宮綵女功徳意供養塔生天因縁変」が、仏教と絵解き芸能の特徴を併せ持つことを解明した。そして、当該故事の出典文献『撰集百縁経』と比較し、現存する2点の写本の由来が異なることや、その作成者が敦煌の僧侶である可能性を提示した。また、国王が主題となる点が、10世紀敦煌の仏教の特徴に関わることを指摘した。
14頁(83~96頁)
査読有り。
21 近年の日本における金界壕研究 査読済 単著 2022/02/28風響社
『モンゴルと東北アジア研究』第7号
金代に建設された金界壕は、モンゴルの東方遠征に対する中国の防御壁であった。近年、中国において文献研究と考古調査が継続的に進められる中、この分野の日本の研究は、国際的に参照されることが少なくなっている。本稿は、21世紀に発表された日本の研究成果3点をまとめ、その独自の視点と意義を紹介し、中国における研究との比較を行った。
6頁(69~74頁)
査読有り。
22 『李遠詩集』の基礎的研究 査読済 単著 2022/11/30中国芸文研究会
『学林』第75号(『中国芸文研究会四十周年記念論集』)
晩唐の詩人・李遠は、生卒年が不明であり、現代にまで伝わる詩も僅かであるが、生前には当時の著名な詩人との交流もあったことが知られている。本稿は、李遠の詩集4点を調査し、李遠の研究を進めるにあたって底本とすべき版本が、先行研究が底本とした『全唐詩』ではなく、明代に編纂された『唐百家詩』所収の「李遠詩集」であることを明らかにした文献研究の成果である。
20頁(291~310頁)
査読有り。
23 解座文考 査読済 単著 2023/02/28京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第17号
仏教儀礼文献に使われる「解座文」とは、儀礼や講経の場(座)を解散させる時に読み上げられる韻文の文章である。本稿は、敦煌文献によって初めてその存在が知られた解座文の写本P.2305V、P.3128、S.2440の3点を取り上げ、解座文と実際の講の場との関係や、文学文献へ取り入れられた実態を明らかにした。また、講の始まりに読み上げられる押座文との比較を通して、解座文の独自の特徴を明らかにした。
23頁(163~185頁)
査読有り。
24 「“チンギス・ハーンの長城”に関する国際共同研究基盤の創成」プロジェクトによるドルノド県における現地調査報告(2021年9月と2022年3月) 査読済 共著 2023/02/28風響社
『モンゴルと東北アジア研究』第8号
本稿は、「チンギス・ハーンの長城」の堡塁No.31、No.15〜17とその南84キロに位置するバルスホトⅠ城址の調査報告である。まず、実地調査を通して、考古遺物を発掘するとともに、堡塁や城壁の痕跡を発見した。次に、発掘された動物の骨を放射性炭素年代測定した結果、11世紀から15世紀のものと判断された。そのほかに、長城嶺北ラインの堡塁が長城の南側にあり、水源の近くにあることを明らかにした。
10頁(57~66頁)
査読有り。
共著者:ボルジギン・フスレ、U.エルデネバト、Ch.アマルトゥブシン、松川 節、二木博史、J.オランゴア、B.バトダライ、Ch.アマルビレグ、Ts.トゥメン、髙井龍
25 「孔子項託相問書」漢文写本研究 査読済 単著 2024/02/29京都大学人文科学研究所
『敦煌写本研究年報』第18号
孔子が七歳の子供(項託)に議論で負かされる故事は、漢代より確認される。しかし、その文献上の記録は少ない。「孔子項託相問書」は、その伝承を窺う貴重な文献である。本稿は、現存する漢文写本17点を比較し、写本ごとの特徴を考察した文献研究である。また、従来の校訂で底本とされてきた写本の抱える問題を指摘し、当該故事の文献上の問題を明らかにした。口頭発表をもとに、童蒙教育との関わりを指摘した。
20頁(105~124頁)
査読有り。
以上25点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 『降魔変文』の文体研究―舎利弗と労度叉の方術比べに見る描写の二重性について―口頭発表 (一般発表) 2007/05/31日本文体論学会第91回大会
(於東海大学相模キャンパス、平塚市)
本発表は、10世紀頃に書かれた中国通俗文学作品「降魔変文」を取り上げ、その文体の特徴を探ったものである。特に、当該故事の主要場面である仏弟子・舎利弗と外道・労度差の法術比べに着目し、両者の描写方法がいかに明確に分けられているかを明らかにするとともに、両者の人物像の相違を指摘した。また、当該故事と関わりの深い『賢愚経』「須達起精舎品」と比較し、その文体の発展を明らかにした。
発表時間 30分
2 『太平広記』訳注(13)巻 二百八十九「妖妄」(2)共訳 2009/03/31広島中国文学会
『中国学研究論集』第22号
これは、広島大学・中国文学語学研究室において行われた宋・李昉等編『太平広記』(中華書局、1961年)の訳注作成である。
総頁数28頁(49~76頁)
本人担当:「周士龍」3頁(52~54頁)
編集者:山田和大
共著者:富永一登、渡辺志津夫、章剣、山田和大、市原里美、許飛、宗近倫子、髙井龍、何薇、大島愛子、添田静香、高橋彩、福田理恵。
3 転変人口頭発表 2009/06/30(中国)第三届中国俗文化国際学術検討会
(於四川大学紅瓦楼賓館、四川省成都市)
本発表は、高麗初期に編纂された『十抄詩』に着目し、そこに収められた晩唐の詩人・李遠の「転変人」を中心資料として、中国の絵解き芸能の諸特徴を考察した。特に、詩題にいう転変の「転」が、囀に通じる語句であり、詠う意味を持つこと、そして「変」が絵解き画巻の意味であることを明らかにした。また、中国の絵解き芸能が、文学文献「変文」に発展した過程を指摘した。
発表時間 15分
4 『太平広記』訳注(14)巻二百九十「妖妄」(3)共訳 2009/11/30広島中国文学会
『中国学研究論集』第23号
これは、広島大学・中国文学語学研究室において行われた宋・李昉等編『太平広記』(中華書局、1961年)の訳注作成である。
総頁数39頁(29~67頁)
本人担当:「賈充」「武曾」「王猛」7頁(47~49、62、64~65頁)
編集者:山田和大
共著者:富永一登、渡辺志津夫、章剣、山田和大、市原里美、許飛、宗近倫子、髙井龍、劉暢、大島愛子、福田理恵。
5 『太平広記』訳注(15)巻二百九十一「神」(1)共訳 2010/03/31広島中国文学会
『中国学研究論集』第24号
これは、広島大学・中国文学語学研究室において行われた宋・李昉等編『太平広記』(中華書局、1961年)の訳注作成である。
総頁数31頁(102~132頁)
本人担当:「又」「又」「伍子胥」「宛若」7頁(109~110、110~111、116~117、125~127頁)
編集者:渡辺志津夫
共著者:富永一登、渡辺志津夫、市原里美、許飛、宗近倫子、髙井龍、劉暢、石橋博之、村山沙織。
6 「金剛醜女縁」写本研究口頭発表 (一般発表) 2010/07/31西陲発現中国中世写本研究班夏季大会
(於京都大学人文科学研究所、京都市)
本発表は、敦煌文献中に確認される縁、因縁、縁起と呼ばれる経典説話が、変文と交わった過程を明らかにし、変文の発展変化を解明した研究である。現存する「金剛醜女縁」写本5点のうち、1点のみ大幅に書き換えられており、そこに変文との関係が確認されることに着目し、因縁譚と変文の交わりを指摘した。本発表をもとに、従来の翻刻資料の問題を考察し、「Ⅱ.学術論文2」を執筆した。
発表時間 30分
7 『太平広記』訳注(16)巻二百九十二「神」(2)共訳 2010/11/30広島中国文学会
『中国学研究論集』第25号
これは、広島大学・中国文学語学研究室において行われた宋・李昉等編『太平広記』(中華書局、1961年)の訳注作成である。
総頁数23頁(10~32頁)
本人担当:「陽起」「張璞」「洛子淵」6頁(11~12、19~21、21~23頁)
編集者:渡辺志津夫
共著者:富永一登、渡辺志津夫、市原里美、許飛、宗近倫子、髙井龍、劉暢、于暁琪、村山沙織。
8 変文・縁起・経典口頭発表 (一般発表) 2011/02/28東アジア宗教文献国際研究集会
(於筑波大学総合研究棟A公開講義室A110、つくば市)
本発表では、「Ⅱ.学術論文2」をもとに、変文と縁起類の関係を仏教講釈の角度から考察したものである。変文は、絵解き芸能に由来する。これは、社会的地位の低い者の生業であり、もともと知識人や仏僧らの公認するところではなかった。しかし、その絵解きに由来する10世紀の変文文献は、経典のように書写されている。そこには、変文が徐々に社会に浸透し、僧侶が講釈に用いるようになったという変化があることを指摘した。
発表時間 30分
9 『太平広記』訳注(17)巻二百九十三「神」(3)共訳 2011/03/31広島中国文学会
『中国学研究論集』第26号
これは、広島大学・中国文学語学研究室において行われた宋・李昉等編『太平広記』(中華書局、1961年)の訳注作成である。
28頁(148~175頁)
本人担当:「顧邵」「王表」「石人神」5頁(162~164、165、165~166頁)
編集者:渡辺志津夫
共著者:富永一登、渡辺志津夫、市原里美、許飛、宗近倫子、髙井龍、劉暢、大井さき、小野村奈苗、志田乙絵。
10 『太平広記』訳注(18)巻二百九十四「神」(4)共訳 2011/11/30広島中国文学会
『中国学研究論集』第27号
これは、広島大学・中国文学語学研究室において行われた宋・李昉等編『太平広記』(中華書局、1961年)の訳注作成である。
総頁数39頁(29~67頁)
本人担当:「諸葛殷」の一部 7頁(49~55頁)
編集者:渡辺志津夫
共著者:富永一登、渡辺志津夫、許飛、髙井龍、劉暢、棚橋治美、大井さき、小野村奈苗、志田乙絵、世良昂。
11 巻頭言:シンポジウムの趣旨と内容について「資料から問い直す地域研究のあり方」単著 2012/02/29アジア社会文化研究会
『アジア社会文化研究』第13号
当該雑誌の前半部分は、2011年12月23日に広島大学で行われたシンポジウム「資料から問い直す地域研究のあり方」を特集している。当該シンポジウムは、地域研究をめぐる様々なディシプリンとの対話、及びその知識の個々の研究への活用を目指すと同時に、院生間の連携の緊密化、学外研究者とのネットワーク形成も主たる狙いとしたものである。当時、本研究会の会長として、その巻頭言を執筆した。
1頁(巻頭言のため頁番号なし)
12 新たに確認された「王陵変文」の一残簡(原文:Victor H. Mair, “A Newly Identified Fragment of the “Transformation on Wang Ling””, Chinoperl Papers, vol.12, 1983, pp.130-142.)単訳 2012/02/29アジア社会文化研究会
『アジア社会文化研究』第13号
本稿は、ペンシルヴェニア大学ヴィクター・メア(Victor H. Mair)氏が、中国・潘星吉氏の個人所蔵であった敦煌文献「漢将王陵変文」を調査し、それを翻刻紹介するとともに、自身の敦煌変文への見解を簡述した論考である。日本では入手困難な英文雑誌に掲載された論文であり、該写本の存在も詳しくは知られていなかったため、著者の許可を得て翻訳し、その研究成果を日本に紹介した。
12頁(189~200頁)
13 敦煌講唱体文献の生成と縁起類の関わりについて口頭発表 (一般発表) 2013/05/31第59回中国四国地区中国学会大会
(於愛媛大学城北キャンパス法文学部本館8階大会議室、松山市)
本発表は、敦煌文献中の「縁起」と題された文献を取り上げ、それらがいかに当時の仏教講釈と関わるかを明らかにした。特に、韻文と散文を交互に用いる「縁起」の文献が、10世紀の写本であるものの、六朝時代以来の「唱導」の影響を受けており、経典を抄出する「抄経」という行為が関わっていたことを明らかにした。そして、「縁起」の文献が変文と相互に影響関係にあったことを指摘した。
発表時間 30分
14 敦煌における写本の再利用に関する一考察―BD6173を中心に―口頭発表 (一般発表) 2013/10/31第174回アジア社会文化研究会
(於広島大学総合科学部A棟601室、東広島市)
本発表は、敦煌文献に確認される13点の「涅槃経節鈔(擬)」写本を取り上げ、その利用の実態を明らかにしたものである。先行研究では、それらは720年前後に利用されたと指摘されてきたが、北京における写本調査の結果、筆や墨や紙に9世紀の特徴が認められることを明らかにした。また、それらは基礎的な仏教の学習に利用され、当時盛行した寺院教育用の写本との近似性を指摘した。
発表時間 60分
15 学位論文要旨:敦煌講唱体文献の生成と発展に関する研究単著 2013/11/30広島大学大学院総合科学研究科
『広島大学大学院総合科学研究科紀要Ⅲ文明科学研究』第8巻
本稿は、広島大学大学院総合科学研究科へ提出した博士論文の要旨である。敦煌文献に確認される多数の通俗文学文献は、宋代以降の通俗文学の淵源となったと考えられるが、それらがいかに生成され、また発展したかを、敦煌文学文献を中心に、中国古典文献や、絵解きなどの芸能研究にも着目して解明した。なお、フランスやイギリスで敦煌文献の実見調査を行うことによって新たな知見を得た点も成果であった。
3頁(35~37頁)
16 P.4524「降魔変画巻(擬)」考口頭発表 2014/12/31敦煌学国際学術研討会・京都2015
(於京都大学時計台記念館国際交流ホール、京都市)
本発表は、敦煌文献中の絵解き画巻P.4524「降魔変画巻(擬)」を取り上げ、写本学的考察を行ったものである。2011年におけるフランス国立図書館での実見調査をもとに、当該画巻があまり大きくない画巻であり、多くの聴衆を対象とした絵解きには使えないこと、更に写本の破損によって絵解きが行えなくなり、廃棄された画巻であることを指摘した。本発表をもとに学術論文8を執筆した。
発表時間 30分
17 日本における初期敦煌通俗文学研究口頭発表 (一般発表) 2015/07/31中国中世写本研究2015夏期大会
(於京都大学人文科学研究所、京都市)
本発表は、日本における初期敦煌通俗文学研究史の考察である。日本の中国学を牽引した狩野直喜は、西洋歴史学の影響を受けて通俗文学に着目し、青木正児は狩野を継承して文学の原始を探求し、倉石武四郎は文学に対する宗教の意義を指摘した。敦煌研究が1世紀を迎えるにあたり、世界の敦煌文学研究の嚆矢となった三者の論考の意義を明らかにした。本発表をもとに、内藤湖南に関する考察を加えて「Ⅱ.学術論文9」を執筆した。
発表時間 30分
18 P.2324《難陀出家縁起(擬)》与講経――以写本的使用方法為中心――口頭発表 (一般発表) 2016/03/31(台湾)第11届通俗文学与雅正文学曁第12届唐代国際学術研討会
(於国立中興大学人文大楼国際会議庁、台中市)
本発表は、敦煌文献P.2324「難陀出家縁起(擬)」を取り上げ、写本の切断方法、墨の濃淡、字句の訂正等に着目し、講経の場における写本の使用方法を明らかにした論考である。また、そこには9、10世紀頃の敦煌に流布した念仏や地獄思想が反映されていることを指摘した。本発表をもとに、講経文献としての位置づけや紙背に書かれた故事との関係を考察し、「Ⅱ.学術論文12」を執筆した。
発表時間 15分
19 『賢愚経』の伝播口頭発表 (一般発表) 2016/06/30国際研究集会「仏教の東漸と西漸」
(於広島大学中央図書館、東広島市)
本発表は、西域に由来する経典『賢愚経』が、中国から周辺地域へ伝播する過程で起こった変化と受容を考察したものである。9、10世紀頃の敦煌では、18巻本という異例の調巻の『賢愚経』が存在したことを明らかにし、併せて当時の日本やチベットには、各々独自の『賢愚経』が流布していたことを踏まえ、この経典が様々に姿を変化させながらアジアに流布した実態を明らかにした。本発表をもとに、「Ⅱ.学術論文17」を執筆した。
発表時間 30分
20 「伍子胥変文(擬)」写本研究口頭発表 (一般発表) 2016/08/31中国芸文研究会
(於立命館大学衣笠キャンパス敬学館232号室、京都市)
本発表は、敦煌文献中の伍子胥の伝記「伍子胥変文(擬)」の流布を、写本研究によって考察した。まず、現存4点の写本に系統分類が可能であることを初めて明らかにするとともに、文献伝承の過程で異本が生成されていく実態を指摘した。それは、写本によって文献が伝承された時代に起こる問題の提起ともなっている。大英図書館での写本調査をもとに、「Ⅱ.学術論文10」を執筆した。
発表時間 45分
21 講経文の多様性口頭発表 (一般発表) 2017/07/31中国中世写本研究2017夏季大会
(於京都大学人文科学研究所、京都市)
本発表は、敦煌文献中の経典講釈文献(講経文)の形式を精査し、10世紀敦煌における多様な講経の姿を解明したものである。従来の研究では、講経文の詳細な形式の検討が看過されてきたが、本研究は5点の「妙法蓮華経講経文(擬)」を取り上げ、通俗的な法会に使われた講経文から、国家の法会の要素を持つ講経文まで、多様な講経の実態を浮かび上がらせた。本発表をもとに、日本との比較も加え、「Ⅱ.学術論文11」を執筆した。
発表時間 40分
22 大谷文書5791A「須大拏太子讃(擬)」小考口頭発表 (一般発表) 2017/11/30唐代の社会と文化
(於龍谷大学大宮学舎清風館共同研究室1・2、京都市)
本発表は、龍谷大学が所蔵する西域文献・大谷文書5791の調査を通して、釈迦の前世譚「須大拏本生譚」がいかに中国の民間へ流布したかを考察したものである。そして、当該故事を主題とした仏教儀礼文書が、在俗信者への流布の過程で書き換えられた実態をも併せて解明した。また、日本所蔵西域文献の多くは出土地が不明であるが、この文献は、内容や写本の特徴が敦煌文献に近いことを指摘した。
発表時間 60分
23 須大拏故事の伝承と受容―大谷文書5791A「須大拏太子讃(擬)」を中心に―口頭発表 (一般発表) 2018/08/31(中国)中日敦煌写本文献学術研討会
(於浙江大学紫金港校区南華園、杭州市)
本発表は、「Ⅲ.口頭発表22」の発展研究である。龍谷大学所蔵西域文献・大谷文書5791に書写された釈迦の前世譚「須大拏本生譚」が、いかに中国の民間へ流布したかを考察するとともに、当該故事を主題とする敦煌文献中の仏教儀礼文書と、どのような相違点を有するかを明らかにした。特に、敦煌文献との近似性を指摘し、該故事の東アジアにおける広汎な流布の一端を明らかにした。
発表時間 20分
24 写本時代的文献伝播―以《祇園因由記》為中心―基調講演 2018/11/30広島大学大学院総合科学研究科中興大学中文研究所研究生論文発表会
(於広島大学総合科学部M棟2階第一会議室、東広島市)
本講演は、9、10世紀の敦煌の寺院において、仏教説話「祇園因由記」が民衆への講経で語られる際、いかに僧侶が写本にこの故事を書写したかを調査し、写本の残存状態や墨の濃淡を通して、当時の仏教講釈と写本の利用の関係を明らかにした成果である。「Ⅱ.学術論文3」をもとに、フランス国立図書館における写本調査の成果を踏まえ、先の論考を新たな研究へと展開させた。
発表時間 45分
25 「頻婆娑羅王后宮綵女功徳意供養塔生天因縁変」の写本学的特徴と敦煌文献口頭発表 (一般発表) 2019/06/30国際研究集会「伝えられた声とその廻響(ひび)き」
(於広島大学中央図書館、東広島市)
敦煌文献「頻婆娑羅王后宮綵女功徳意供養塔生天因縁変」は、絵解きと仏教因縁譚の性格を併せ持つ文献であり、文学と仏教の発展関係を窺わせる貴重な資料である。本発表は、現存2点の写本から、それがいかに仏教経典を敷衍したかを明示する一方、通俗的な文献へはまだ十分にはなっていないこと、盂蘭盆会との関係が見出されることを指摘した。また、これが多様な講経に使用し得る文献であった可能性を指摘した。
発表時間 30分
26 敦煌本「祇園因由記」考(続)口頭発表 (一般発表) 2019/07/312019年中国中世写本研究夏季大会
(於龍谷大学深草学舍22号館 104号室、京都市)
本発表は、「Ⅱ.学術論文3」の発展研究であり、仏教講釈文献や高僧による『維摩経』講義と関わりの深い仏教故事「祇園因由記」が、9世紀の敦煌においていかに受容されたのかを、写本研究によって明らかにした成果である。その中で、10世紀に流布した同系故事である「降魔変文」との相違を明らかにするとともに、「祇園因由記」のみに認められる仏教経典との繋がりを明らかにした。
発表時間 30分
27 「維摩詰所説経講経文(擬)」写本研究口頭発表 (一般発表) 2020/07/31国際研究集会:敦煌と東アジアの信仰
(於広島大学、東広島市、オンライン開催)
本発表は、『維摩詰所説経』を講釈する文献の中のうち、3点の写本の写本調査を行い、異なる由来を持つ複数の写本を貼り合わせた作られた写本や、一部を抜粋して使用するための底本としての写本が存在することを指摘した。従来、講釈文献は俗講と呼ばれる儀礼との関連において研究されてきたが、本発表は、講釈文献の多様な用途を解明し、新たな講釈文献の理解を提示した。
発表時間 30分
28 コズロフ蒐集ハラホト出土モンゴル語印刷文献断簡 G110r について-『大元通制』ウイグル字モンゴル語訳の発見-口頭発表 (一般発表:共同) 2020/10/31日本モンゴル学会 2020年度秋季大会
(於大阪大学箕面キャンパスA棟416教室)
本発表は、ウイグル文字で書かれたモンゴル語印刷文献の断片G110rを取り上げ、その内容に対応する漢語の記述から、当該文献がモンゴル語訳『大元通制』の木版印刷本であること明らかにした。また、漢文の原文を参照し、モンゴル語のテキストに新たな解釈を提示するとともに、大元ウルス治下の行政文書に対して新たな知見を示した成果である。
共同発表者:牛根靖裕、古松崇志、松川節、小野浩、齊藤茂雄、髙井龍、伴真一朗、毛利英介。
発表時間 25分
29 敦煌文献「仏図澄和尚因縁記」の基礎研究口頭発表 (一般発表) 2021/03/31中国芸文研究会
『学林』第71号合評会及び研究会
(於立命館大学、京都市、オンライン開催)
本発表は、中国への仏教伝来に大きな貢献をした仏図澄の伝記が、9、10世紀の寺院文書の中で、いかに伝承されたのかを解明したものである。仏教都市として栄えた敦煌においてさえ、高僧の伝が正しく伝承されていないこと、本来の西域の僧侶としてではなく、インドの僧侶と誤解されていたことを明らかにした。それは、写本による文献伝承に起こる内容の改編を明らかにした成果である。
発表時間 30分
30 近年の日本における金界壕研究について口頭発表 (一般発表) 2021/08/31(モンゴル)シンポジウム「日本・モンゴル関係の百年―歴史、現状と展望」
(於モンゴル国立大学、ウランバートル市、オンライン開催)
金界壕とは、金代に建設された異民族への防御壁である。本発表は、金界壕に関する日本の研究を海外に紹介したものである。20世紀前半、日本人による金界壕研究は大きな成果を挙げたが、その後、中国において文献研究と考古学調査が進展する中、日本の研究は国際的に参照されなくなりつつある。本発表では、近年の日本の研究成果を海外に紹介し、中国における研究との比較を行った。
発表時間 30分
31 「功德意因縁変」と講経口頭発表 (一般発表) 2021/08/312021年中国中世写本研究夏季大会
(於大手前大学、西宮市、オンライン開催)
本発表は、敦煌文献「頻婆娑羅王后宮綵女功徳意供養塔生天因縁変」に着目し、それが仏教と絵解き芸能の特徴を併せ持つ文献であることを明らかにした。また、当該故事の由来となった仏教経典『撰集百縁経』中の説話と比較考察を行った結果、現存する2点の写本の由来が異なることや、その一方の写本の作成者が敦煌の僧侶であった可能性を指摘した。
発表時間 25分
32 九世紀敦煌における毘沙門天信仰口頭発表 (一般発表) 2021/10/31第71回仏教史学会・東洋部会
(於大谷大学、京都市、オンライン開催)
アジア各地の毘沙門天に関する研究は、ほとんどが美術史家により進められてきた。本発表は、9世紀敦煌を舞台とした文学文献「龍興寺毘沙門天王霊験記」を取り上げ、チベット統治下の敦煌における漢民族の毘沙門天信仰と、そのコータンの民族との関係を明らかにした。また、毘沙門天信仰が護国思想に関わる点に着目し、敦煌の民間における毘沙門天信仰の隆盛を浮かび上がらせた。
発表時間 30分
33 『李遠詩集』考口頭発表 (一般発表) 2022/06/30中国芸文研究会
(於立命館大学清心館206教室、京都市)
唐代の詩人・李遠は、生卒年が不明であり、現代にまで伝わる詩集は僅か1巻しかない。しかし、彼は生存時には著名な詩人として名を馳せており、10世紀の高麗においても、中国の重要な詩人として、その詩が伝承していた。本発表は、現在に伝わる李遠の詩集を調査し、李遠の研究を進めるにあたって底本とすべき版本を定めるとともに、現存する詩集には李遠の詩とは認め難い詩が含まれていることを指摘した。
発表時間 30分
34 講経文的形成与利用――以《維摩詰所説経講経文(擬)》為中心単著 2022/11/30(中国)四川大学出版社
『中国俗文化研究』第22輯
本稿は、「Ⅱ.学術論文18」の「講経文の成立と利用―「維摩詰所説経講経文(擬)」を中心に―」の中国語訳である。翻訳は四川大学中国俗文化研究所による。
著者:髙井龍
訳者:譚恵静
審校:李鵬飛
16頁(49~64頁)
35 「孔子項託相問書」写本研究口頭発表 (一般発表) 2023/08/312023年中国中世写本研究夏季大会
(佛教大学紫野キャンパス1号館408・409号室、京都市)
前近代の中国では、公的には孔子を批判することは認められなかった。しかし、敦煌文献からは、その一端を窺わせる文献「孔子項託相問書」が発見された。本発表は、その漢文で書かれた写本17点を取り上げ、各写本の特徴と相互の関係を解明し、複雑に入り乱れた文章の実態を浮かび上がらせた。そして、これまで翻刻の底本とされてきた写本P.3883の特異な点と問題点を明らかにした。本発表をもとに、「Ⅱ.学術論文25」を執筆した。
発表時間30分
36 試論龍谷大学蔵本《悉達太子修道因縁》口頭発表 (一般発表) 2023/08/31(中国)第七届東亜漢籍交流国際学術会議(於南京大学仙林校区国際会議中心金陵庁、南京市) 本発表は、龍谷大学大宮図書館が所蔵する敦煌文献「悉達太子修道因縁」を取り上げ、実見調査に基づき、写本の書誌情報をまとめるとともに、写本の来歴と内容について、基礎的な考察を行った成果である。また、紙背に書かれたコータン国との関わりを示す文句に着目して、漢文で書かれた文献が西域から敦煌へ伝来した形跡があることや、他の仏教儀礼文献との強い繫がりが見られることを指摘した。
発表時間20分
37 Propagation of the Sūtra of the Wise and the Foolish in Dunhuang口頭発表 (シンポジウム) 2023/10/31国際シンポジウム「ジャータカ・アヴァダーナ伝承の多様性」
(於国際仏教学大学院大学講堂、東京都文京区)
本発表は、アジアの仏教文学に大きな影響を与えた『賢愚経』が、9、10世紀の敦煌においていかに受容されたのかを探求したものである。「Ⅱ.学術論文17」を踏まえ、『賢愚経』の中でも国王を主人公とする説話が多く受容されたことを、仏教講釈文献から明らかにした。国王と仏教が繋がる故事の流布は、仏教が政治と関わりながら発展した中国の国家仏教の反映と言える。
発表時間30分
38 解座文考単著 2023/11/30(中国)四川大学出版社
『中国俗文化研究』第24輯
本稿は、「Ⅱ.学術論文23」の「解座文考」の中国語訳である。翻訳は四川大学中国俗文化研究所による。
著者:髙井龍
訳者:李鵬飛
20頁(17~36頁)
39 2012年から2024年までの中国の学界における“黒水城”関連研究総述単訳 2025/02/28風響社
『モンゴルと東北アジア研究』第10号
本稿は、カラホト(黒水城)より出土した文献や文物等に対する研究のうち、2012年から2024年にかけて中国国内で発表された研究成果をまとめた論考の翻訳である。法律、文学、経済、暦等、あらゆる分野の研究成果を取り上げることにより、近年の研究史を明らかにするとともに、現代における黒水城文献の研究水準を明確に提示し、当該分野の今後の研究への展望を示した成果である。
18頁(173~190頁)
40 歐洲所蔵敦煌写本調査記口頭発表 (一般発表) 2025/05/31第二届東亜宗教文献与文化国際学術研討会
(於広島大学、広島県東広島市)
今日にまで伝わる中国の古典文献は、大部分が版本による。そのため、敦煌文献のような、版本が広く流布する以前の時代に使われていた写本の残存は、稀であり、資料的価値が高い。本発表では、発表者がこれまでイギリス、フランス、日本で行った写本調査に基づく知見や、各写本の書誌情報等を共有し、敦煌文献を研究するにあたり、写本に対する理解を持つことの重要性を指摘した。
発表時間15分
41 小川貫弌師旧蔵資料における中央アジア出土写本の意義口頭発表 (一般発表) 2025/05/31龍谷大学DARC研究成果報告会
(於龍谷大学大宮学舎西黌2階大会議室)
本発表は、2024年に行った小川貫弌師旧蔵資料に関する調査報告である。当該資料は、約200点に及ぶ中央アジアより出土した古写本の断片であり、現在は龍谷大学が委託管理している。発表者は、全写本の翻刻を作成するとともに、先行研究が明らかにできなかった一部の文献を特定した。また、日本古写本のように、文献としては古層の時代の字句を残す写本があることを明らかにした。
発表時間90分
以上41点

前のページに戻る