大谷大学教育研究業績検索システム

教育研究業績の一覧

河野 有時
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 動画提供 2020/03/31 ~
2022/02/28
次回の授業の導入部分を予告編として動画提供することにより、学生が授業内容に関心をもち、事前学習に取り組むよう工夫した。
2 リアクションペーパー 2020/03/31 ~ リアクションペーパーによって補足すべき項目や授業の改善点を明確化するとともに、学生には授業の内容をふり返りながら自分の考えを記述することによって学びを可視化する機会を設けている。
3 学習支援webシステムの活用 2020/03/31 ~ 学習支援webシステムを活用し、質問や意見を受け付けるとともに、それらに対する回答をアップする際に、質問や意見に関連する新たな問いを追記し、授業外の学習を促進するよう努めている。また、授業で用いたスライドを掲載する際に、音声を入れたバージョンを用意している。
2 作成した教科書、教材、参考書
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
1 外部資金の獲得(科学研究助成事業;研究代表者) 2014/02/28 ~
2016/03/31
科学研究費助成事業(基盤研究C)「言文一致運動と近代における短歌表現の研究」(課題番号:26370261)
言文一致運動が伝統的な和歌の革新と近代短歌の成立にどのように影響を与えたかについて考察を加えた。
2 日本学術振興会特別研究員の選考に係る審査会委員 2022/06/30 ~
2023/05/31
特別研究員等審査会専門委員、卓越研究員候補者選考委員会書面審査員及び国際事業委員会書面審査員・書面評価員を務めた。
3 社会教育講座講師 2022/09/06 西宮市生涯学習大学「宮水学園」ことば講座講師。
第5回「詩歌のことば、その不思議な魅力」
4 大学公開講座講師 2023/11/30 社会・地域のためのNDアカデミー「楽しい日本文学シリーズ」全6回のうち3回を担当。
以下は各回のテーマ。

9月7日 「作家×マスク=? 文学は感染症をどう描いていたか」
9月21日 「国語の先生は読み間違えない? 教科書のあの名作を読み返してみる」
11月30日 「石川啄木と現代短歌 先駆けとしての啄木短歌」
5 外部資金の獲得(科学研究助成事業;研究代表者) 2025/03/31 ~
2028/02/29
科学研究費助成事業(基盤研究C)「教材としての挿絵の機能とその活用に関する研究 中学校国語教科書を中心に」(25K06260)
中学校国語教科書に掲載されている挿絵を対象として、学習の目標や内容と挿絵との関係性を捉え、挿絵の機能や役割及び教材としての活用法や可能性について検討する。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1989/03/31~ 日本文芸研究会会員
2 1993/05/31~ 日本近代文学会会員
3 1993/05/31~ 国際啄木学会会員
4 1996/03/31~ 日本文学協会会員
5 1996/03/31~ 和歌文学会会員
6 2007/03/31~ 2011/02/28 国際啄木学会事務局長
7 2011/03/31~ 2017/02/28 国際啄木学会研究年報編集委員長
8 2015/03/31~ 解釈学会会員
9 2015/03/31~ 国際芥川龍之介学会会員
10 2021/03/31~ 2025/02/28 2021年4月国際啄木学会副会長
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 『コレクション日本歌人選035  石川啄木』単著 2011/12/31笠間書院 和歌文学会監修のアンソロジー、全六十冊の中の一冊。石川啄木の短歌より五十首を選び、それぞれにその出典と口語訳及び鑑賞文を執筆した。執筆にあたっては、歌の言葉がつくりだす世界の広がりに主眼をおいた。また、巻末には「略伝」「略年譜」「解説『いま・ここ・わたし・石川啄木』」と「読書案内」を付し、三枝昻之の文章を「付録エッセイ」として掲載した。再版第1刷(2013年9月)、再版第2刷(2023年6月)にあたって一部を加筆修正した。四六版、総頁数120
2 『啄木短歌論』単著 2018/02/28笠間書院 石川啄木の短歌の多様な試みと、啄木と短歌との個性的なかかわりを考察した。「Ⅰ啄木短歌の言葉と表現」「Ⅱ『一握の砂』の詩的時空」「Ⅲ『一握の砂』への道」「Ⅳ啄木短歌から現代短歌へ」の四章からなり、「引用短歌索引」「人名索引」「歌書索引」を付した。また、「序」においては、短歌を読むための理論的な枠組みについて論じている。
A5版、総頁数304
以上2点
Ⅱ学術論文
1 明治四十一年秋の紀念
『一握の砂』「秋風のこころよさに」と「虚白集」
単著 1994/01/31東北大学文芸談話会
『文芸論稿』
第21号
明治41年10月菊花号の『明星』(申歳第9号)に掲載された石川啄木の「虚白集」の題意を「虚白高人靜」の句を含む杜甫の「歸」に求め、その結句「不敢廢詩篇」から「虚白集」の啄木短歌形成史上の位置づけを明らかにした。また、啄木が自注してまでこだわった『一握の砂』の第三章「秋風のこころよさに」を、「虚白集」を母胎とする歌人啄木の「紀念」すべき始発点と位置づけた。
A5版、pp.19-26(8頁)
2 「曠野」の啄木――啄木の散文詩をめぐって―― 単著 1994/08/31日本文芸研究会
『文芸研究』
第137集
明治41年7月号の『明星』(申歳第7号)に発表された石川啄木の五編の散文詩のうち「曠野」を対象とし、当時の詩壇の状況を視野に入れながら、啄木が規範としたツルゲーネフの「犬」との相似と相違に着目して、調和的な一体化ならぬ齟齬や乖離の様相を啄木散文詩の世界の特質として指摘した。また、啄木における散文詩の試みが、対極にある歌という表現形式への新たな認識として働いたことを明らかにした。
A5版、pp.25-33(9頁)
3 芥川龍之介「運」論 単著 1995/01/31東北大学文芸談話会
『文芸論稿』
第22号
大正6年1月の『文章世界』に掲載された芥川龍之介の「運」について陶器造の翁の「貴方がた」や「又、何時の昔話でございますが」、「これは、当人が、手前に話しまた」のような語り口に着目し、語り伝えられる過程で変容していく説話の性格から、翁と青侍との対照が図式的なものではなく、観音信仰と貨殖の運をめぐってねじれの様相にあることを明らかにした。
A5版、pp.12-18(7頁)
4 Henabutte yatta
――石川啄木のへなぶり歌
単著 1996/01/31大韓民国中央大学校
『日本研究』
第11輯
明治四十二年、「ローマ字日記」四月十一日の「へなぶってやった」の記述に着目し、当時流行していたへなぶり狂歌の変質と新たな短歌表現の領域の模索によって、短歌とへなぶり狂歌が交錯する事態が起きていたことを指摘した。また、啄木においては、へなぶりが創作態度として真面目たることの苦痛と煩悶を矛盾的に吸い上げ包み込み、可能態としての歌のあり方を模索する契機となったことを明らかにした。
A5版、pp.65-76(12頁)
5 芥川龍之介「龍」論 単著 1998/08/31東京都立航空工業高等専門学校
『東京都立航空工業高等専門学校研究紀要』
第35号
大正8年5月の『中央公論』に掲載された芥川龍之介の「龍」について、陶器造の翁の語り口に着目し、その話は距離の仮構をもって語られたもので、真実らしさの境界を隴化させながら一つの物語をなしていることを明らかにした。そして、そのあり様は『徒然草』第七十三段にみられるような物語の生起する場の位相を踏まえて成立したものであることを指摘し、「龍」を新たな物語の所在を模索する契機を含み込んだ作品と位置づけた。
A4版、pp.93-97(5頁)
6 石川啄木と非凡なる成功家 単著 2000/11/30国際啄木学会
東京支部会
『国際啄木学会東京支部会会報』
第8号
藪野椋十による『一握の砂』の序の一節「此さびしさを一生覚えずに過ごす人が、所謂当節の成功家ぢや」に注目し、当時実業雑誌において成功談や修養談が隆盛を極めていることを明らかにした。その動向を背景として、成功者に憧れる青年という存在と『一握の砂』の広告文に書かれた「読者を中年の人々に求む」との対比から、啄木短歌の受容の基本的な構図の原質を見定めた。
A5版、pp.14-20(7頁)
7 啄木「おもひ出づる日」の歌 単著 2001/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第4号
『一握の砂』の6番歌の結句を対象に「おもひ出づる日」が時間幅の中にずれとでも言うべき性質を孕み込んでいると考え、それは「おもひ出づ」と「日」の繋がり、すなわち瞬間的な意識の断面への指向と持続的な時間の様態が結句に結ばれ溶け合っていることに起因することを指摘した。それによって一首には非叙述性と完結性が齎され、『一握の砂』における失意の男の総体としての生の様態を開示していくことを明らかにした。
A5版、pp.26-33(8頁)
8 「ふと」した啄木――『一握の砂』四九八番歌をめぐって―― 単著 2003/06/30台湾啄木学会
『漂泊過海的啄木論述 国際啄木学会台湾高雄論文集』
『一握の砂』498番歌について考察した。考察にあたっては初句の「ふと」に着目し、「ふと」が開示する瞬時性の場においては発見的事態と無自覚の自覚という正反対のベクトルが同時に成立していることを指摘し、一首においては「の」音と「と」音の効果もあいまって、一連の旅情に追憶と現在の相関性が生の様態として浮かび上がることを明らかにした。A5版、pp.91-112(22頁)
9 忘れがたき独歩 単著 2004/01/31至文堂
『国文学 解釈と鑑賞』
第69巻2号
啄木の国木田独歩受容の諸相を「牛肉と馬鈴薯」「忘れえぬ人々」を通して考察し、啄木と独歩の交渉は実人生の類縁性に留まるものではないと述べたうえで、『一握の砂』の第四章「忘れがたき人人」は、その題だけでなく、記憶と時間の物語という点において、独歩「忘れえぬ人々」の手法を受け継いでいることを明らかにした。
A5版、pp.100-105(6頁)
10 手を見るまえに 単著 2004/03/31国際啄木学会編
『論集 石川啄木Ⅱ』
おうふう
『一握の砂』101番歌について考察した。考察にあたっては、大正期の啄木論議を視野に入れながら、「猶」と「生活」の語に着目し、一首が貧乏ということのみに限定されない「生活」の意味と所在をめぐる問いかけをなしていることを明らかにした。
A5版、pp.108-118(11頁)
11 さばかりの事
――『一握の砂』三十一番歌をめぐって――
単著 2006/02/28立命館大学人文学会
『立命館文学』
第592号
『一握の砂』31番歌「『さばかりの事に死ぬるや』/『さばかりの事に生くるや』/止せ止せ問答」の一首について考察を行った。考察にあたっては、鉤括弧に注目し句読法案等の背景と表現史的状況を踏まえながら、一首の全体が現在的な発話の形をとっていることを指摘し、沈黙の裡に心中で言葉を発する主体のあり方を明らかにした。
A4版、pp.45-52(8頁)
12 「蛆同様に憐れな百姓の生活」長塚節『土』 単著 2007/02/28池田功、上田博編『明治の職業往来 名作に描かれた明治人の生活』
世界思想社
明治に生きた人々が「職業」によってどのように社会とかかわり生き抜こうとしたかを当代の作品を通して考察する試みにおいて、長塚節『土』について担当執筆し、貧しさが教育に関連しているという当時の言説を分析するとともに、貧農という存在が領土拡張していく帝国に好都合であったことを指摘した。
B6版、pp.211-226(16頁)
13 パンと伝道 内村鑑三『基督信徒の慰』 単著 2007/02/28池田功、上田博編『明治の職業往来 名作に描かれた明治人の生活』
世界思想社
明治に生きた人々が「職業」によってどのように社会とかかわり生き抜こうとしたかを当代の作品を通して考察する試みにおいて、内村鑑三『基督信徒の慰』について担当執筆し、独立伝導家としての内村鑑三における「宗教と経済」の「調和」について論じた。
B6版、pp.67-81(15頁)
14 眼のなかの先生 魯迅『藤野先生』 単著 2008/08/31上田博、池田功、前芝憲一編
『小説の中の先生』
おうふう
明治時代以降の文学作品を対象として、そこに描かれた先生たちの姿から時代や社会背景と教育の場について問いかけようとする企画において、魯迅「藤野先生」を対象に、そこには若き留学生周樹人(魯迅)の書くことへ向かう契機が含み込まれており、それは解剖学という表現に対する藤野先生の忠告が齎したものであることを指摘した。
A5版、pp.187-197(11頁)
15 「経済学以外の理法」を求めて――柳田国男 単著 2009/08/31池田功、上田博編
『「職業」の発見  転職の時代のために 』
世界思想社
明治・大正・昭和の作家、ジャーナリスト、政治家、学者等の著名人のなかから転職の経験のある人たちに着目してその人生の転機から「職業」について考える企画において、官僚から民俗学者となった柳田国男について考察を加えた。
B6版、pp.113-127(15頁)
16 亡児追悼
――『一握の砂』の終幕
単著 2010/08/31至文堂
『国文学 解釈と鑑賞』
第75巻9号
『一握の砂』の第五章「手套を脱ぐ時」の末尾におさめられた亡児追悼挽歌の考察をとおして、『一握の砂』の時間意識について、それが流れ去るものではなく積み重なっていく性質のものであることを明らかにした。考察にあたっては第一章の「我を愛する歌」の終幕を視野に入れて、国木田独歩の「号外」との影響関係も指摘した。
A5版、pp.54-63(10頁)
17 「僻郡記」僻郡で診る、僻郡で聞く 単著 2012/02/29池田功、木内英実、上田博、古澤夕起子編
『木下杢太郎の世界へ』
おうふう
医学者であり詩人としてもよく知られている木下杢太郎の多様な作品を総合的に紹介して、その業績に迫ろうとする企画。杢太郎が赤十字の要請を受けて巡回診療に出た経験を書いた「僻郡記」を論じた。
A5版、pp.146-155(10頁)
18 「譃だとも、譃の皮だわ」
――芥川龍之介『一塊の土』論――
単著 2012/02/29東京都立産業技術高等専門学校
『東京都立産業技術高等専門学校 研究紀要』
第6号
これまで農民小説として読み解かれてきた芥川龍之介「一塊の土」を、『大正徳行録』に代表されるような当時に通行していた節婦の物語を透かし見せながら、それを相対化しようとした物語の型を批判する物語として位置づけた。本稿は台湾淡江大学における芥川龍之介與東亞國際學術研討會會議の口頭発表をもとにしている。
A4版、pp.84-88(5頁)
19 啄木の耳 単著 2012/07/31関西啄木懇話会
『啄木文庫 別冊記念号』
『一握の砂』の第二章「煙 二」の冒頭三首は、「そを聴きにゆく」「聞けばおとなし」「聴かざり」ように「聞」と「聴」の字を使い分けている。このことに着目し、その使い分けによってそれぞれの歌の色調が異なっていることを指摘するとともに、その使い分けが「煙 二」における回想歌のあり方を根底で規定していることを明らかにした。
A5版、pp.28-36(9頁)
20 「若山牧水」「石川啄木」 単著 2012/09/30長澤ちづ、山田吉郎、鈴木泰恵
『今こそよみたい近代短歌』
翰林書房
日本を代表する近代歌人の短歌を取り上げて評釈を加えた試み。石川啄木と若山牧水を担当して、それぞれの歌について解説を行った。啄木は、「東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる」ほか9首、牧水は「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ」ほか4首。
B6版、pp.120-123(4頁)
    pp.128-135(8頁)
21 ウサギとアヒルと『一握の砂』 単著 2014/02/28国際啄木学会
東京支部会
『国際啄木学会東京支部会会報』
第22号
『一握の砂』の包装紙の裏面に記された東雲堂のマークに着目して、それがジャストローによって紹介され、よく知られるようになった「ウサギとアヒル」のだまし絵を模したものであることを明らかにし、東雲堂の社歴からそのマークの意義を考察するとともに、両義図形が『一握の砂』の世界と相関するものであることを指摘した。
A5版、pp.20-29(10頁)
22 『池塘集』 初版・訂正再版対照表 単著 2015/02/28国際啄木学会
東京支部会
『国際啄木学会東京支部会会報』
第23号
初版『池塘集』と訂正再版『池塘集』の及び『草山の詩』(明四三・一、至誠堂)を比して対照表をなした
A5版、pp.36-50(15頁)
23 『池塘集』考
口語短歌の困惑
単著 2015/02/28国際啄木学会
東京支部会
『国際啄木学会東京支部会会報』
第23号
最初の口語歌集である『池塘集』を対象として、歌と口語の関係を助動詞の「た」に着目して論じた。「た」によって、透明化した語り手が誕生し、近代小説の叙法が成立したが、一人称の現在の発語たる短歌に「た」は向かなかったことを指摘し、近代の短歌が「つ」「ぬ」「たり」「り」「き」「けり」という時の助動詞を残したまま文語による短歌文体を用いていく事情を明らかにした。
A5版、pp.36-50(15頁)
24 はだかの動詞たち
――啄木短歌における動詞の終止形止めの歌について
単著 2016/02/29国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第19号
短歌における動詞の終止形止めは、その動きの概念のみを表すという性質において、発語する「我」「私」への手がかりを残すことなく、「我」「私」を透過させ、その動作の主体である「我」「私」の姿を前景化させるともに、対となる有標形との関連性において意味が決まるという特性において、歌集の世界に広がりを与えていくよう機能していることを明らかにした。
A5版、pp.17-25(9頁)
25 鶴嘴を打つ群を見てゐる
――短歌表現におけるテイル形に関する一考察
単著 2017/02/28東京都立産業技術高等専門学校
『東京都立産業技術高等専門学校 研究紀要』
第11号
『一握の砂』の87番歌に着目し、歌におけるテイル形の意味を論じた。テイル形は、時間幅を作り出し、発語者が共時的に現場に存在するように思わせる。このような機能は、短歌文体が平生の言葉から遠ざかっていくなかで、テンス加えてアスペクト表現を持ち込むという工夫の一つであることを明らかにした。
A4版、pp.81-91(11頁)
26 歌のひろがるとき
-「スバつた歌」の行方-
単著 2019/02/28国際啄木学会
東京支部会
『国際啄木学会東京支部会会報』
第26号
「スバつた歌」と評された『スバル』に掲載の諸歌を対象として、表現や歌の素材の類縁性は、それぞれの詠作が歌会という共通の場に根ざしていることを指摘するとともに、それらが投稿歌に影響を与えていく様相を捉えた。さらに、投稿歌の作者が『スバル』と『創作』とに重なっていることを指摘して、一派を越えて歌が広がっていく事象を明らかにした。
A5版、pp.25-35(11頁)
27 「話すこと・聞くこと」から「書くこと」「読むこと」へ――井上ひさし「握手」考 単著 2021/02/28京都ノートルダム女子大学
『京都ノートルダム女子大学研究紀要』
第51号
一九九三年度版に中学校国語の教科書に掲載されて広く読まれている井上ひさしの「握手」について、「指言葉」に着目し、先生と私との間に生じているコミュニケーションのずれが物語の多様な意味を産出していることを指摘し、学習指導要領に新たに「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」が導入されたことを視野に入れて、コミュニケーションモデルのあり方について論じた。
B5版、pp.108-118(11頁)
28 「墨をぬりつゝ秋風を聴く」考 単著 2023/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第26号
啄木の「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨を塗りつゝ秋風を聴く」の一首を「つゝ」の表現機構に着目して読み解いた。「つつ」は、「ながら」が進行していく動作をひとまとまりとして提示するのに対して、一連の動作に切れ目を入れる働きをする。一首では、筆が動く動作が細切れに映し出されるため、重畳されて、暗さが増していくことになる。それに留意して、結句に類縁性もつ与謝野鉄幹の「東西南北」所収の詠作と読み比べることで、啄木の一首が韓国併合だけでなく併合に至る背景までも批判的に詠じていることを指摘した。
A5版、pp.1-16(16頁)
29 物語の挿絵の物語 「少年の日の思い出」考 単著 2023/09/30石川裕之、大風薫編
『文化のポリフォニー』
かもがわ出版
中学校の教科書に掲載されている「少年の日の思い出」を対象として、挿絵と語り手の位置について考察を加えた。「少年の日の思い出」は、「客」が語っているという見方と、「私」が語り直しているという見方がある。これを授業で説明する場合、教科書に掲載の挿絵が生徒にはヒントとなることを述べ、挿絵が学習者の読みに広がりや深まりを齎すことを指摘して、教材としての挿絵の可能性についての提言を行った。
A5版、pp.9-23(15頁)
30 石川啄木と張船山
 「高秋」(「春潮」第七号)末尾の文章について
単著 2024/02/29国際啄木学会
盛岡支部
『国際啄木学会盛岡支部会報』
第32号
「春潮」第七号に掲載された啄木「高秋」の末尾に付せられた文章に引用された漢詩が、清の張船山の「三十生日」であることを明らかにした。その上で、明治時代における清詩の流行を背景として、これまで唐代を中心としていると考えられてきた啄木の漢詩受容が、清代から時代を遡っていくという明治期の漢詩学習の様相と合致していることを指摘した。
B5版、pp.74-83(10頁)
31 「一握の砂」と『立身策』と『美の宗教』 単著 2025/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第28号
啄木が明治40年9月に「岩手県立盛岡中学校校友会雑誌」に掲載した評論「一握の砂」について、“Pushing to the Front”の訳である『立身策』と、姉崎嘲風編の『美の宗教』が基になっていることを指摘した。また、それにより「一握の砂」とは永遠の生命を含意することを明らかにした。
A5版、pp.1-16(16頁)
以上31点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 啄木における短歌口頭発表 (一般発表) 1990/10/31日本文芸研究会
平成2年度秋季研究発表会
(於 東北大学)
『一握の砂』へといたる啄木短歌形成史を『明星』掲載の「石破集」「虚白集」、『スバル』掲載の「莫復問」を対象として吉井勇、平野万里等の影響を視野に入れながら明らかにした。
2 『一握の砂』における秋の景色口頭発表 (一般発表) 1992/03/31東北大学文芸談話会
平成4年度第9回研究発表会
(於 東北大学)
『一握の砂』における季節の表現に着目し、特に第三章「秋風のこころよさに」を対象として「秋」を詠んだ諸歌の構成と機能を明らかにした。
3 尋常の戯けならむや
――石川啄木「莫復問」考
口頭発表 (一般発表) 1995/11/30東北大学国文学会第37回研究発表会
(於 東北大学)
明治42年5月の『スバル』に発表された「莫復問」について歌句を繰り返す表現に注目し、自己意識への接近とそれを回避する戯画的手法の特質を明らかにした。
4 青春の啄木、啄木の青春伊藤淑人著『石川啄木研究言語と思想』(一九九六年十二月刊・翰林書房)書評 1998/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第1号
伊藤淑人著『石川啄木研究――言語と思想――』(一九九六年十二月刊・翰林書房)の書評。
A5版、pp.74-75(2頁)
5 『一握の砂』(一九二〜一九八番歌)の研究発表口頭発表 (一般発表) 1998/12/31国際啄木学会
東京支部
第23回支部会
(於 明治大学)
『一握の砂』(192〜198番歌)の講読をとおして、第2章「煙 一」の現在と過去を往還する構図を明らかにした。
6 豊饒で沈痛な世界の追体験のために 中村稔著『子規と啄木』書評 1999/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第2号
中村稔著『子規と啄木』(潮出版 一九九八年十一月刊)の書評。
A5版、pp.52-53(2頁)
7 徳富蘆花「不如帰」と「黒潮」解説 1999/10/31上田博、瀧本和成編
『明治文芸館Ⅳ 20世紀初頭の文学「明星創刊とその時代」』,
嵯峨野書院, 39〜43頁
「徳富蘆花『不如帰』と『黒潮』」と題して、両作品の構図を「不如帰」については安定した家庭小説の枠組みに収まりきらない指向性から、「黒潮」についてはその社会小説としての評価をめぐって蘆花の思想的営為を視野に入れながら論述した。
A5版、pp.39-43(5頁)
8 啄木を生きるということ 上田博著『石川啄木』書評 2000/04/30和泉書院
『鉄幹と晶子』
第6号
上田博著『石川啄木』(二〇〇〇年五月刊 三一書房)の書評。
A5版、pp.131-135(5頁)
9 「大島経男」「尾上柴舟」「木下尚江」「銀座」「邦人」「酒肆」「笹川臨風」「春陽堂」「田山花袋」「竹柏会」「等光寺」「日比谷公園」「本郷」「ユートピア」の各項目事典 2001/08/31国際啄木学会編
『石川啄木事典』
おうふう
石川啄木の作品、人、時代について広く、深く知ることを目的として編集された事典で、「第一部 作品編」「第二部 項目編」「第三部 資料編」から成る。
「大島経男」「尾上柴舟」「木下尚江」「銀座」「邦人」「酒肆」「笹川臨風」「春陽堂」「田山花袋」「竹柏会」「等光寺」「日比谷公園」「本郷」「ユートピア」の各項目を担当執筆。
A5版、p.255、p.268、p.283、p.284、p.291、p.308、p.325、p.356、p.357、p.370、p.405、p.417、p.437(5頁)
10 通奏低音としての福澤諭吉 上田博、瀧本和成編『明治文芸館 Ⅰ 新文学の機運 福澤諭吉と近代文学』(嵯峨野書院 二〇〇一年五月)書評 2002/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第5号
上田博、瀧本和成編『明治文芸館 Ⅰ 新文学の機運 福澤諭吉と近代文学』(嵯峨野書院 二〇〇一年五月)の書評。
A5版、pp.98-99(2頁)
11 文学の表現教授資料 2003/02/28三省堂
『高等学校 国語総合 指導資料 授業案集』
佐野洋子「ありときりぎす」を対象に、物語を書き換えるという行為を通して文学表現の豊かさについて考える授業案を提案し、「学習活動の展開」「評価の考え方と方法」「発展学習案」を執筆。
A5版、pp.137-141(5頁)
12 佐藤勝『啄木の肖像』書評 2003/02/28関西啄木懇話会
『啄木文庫』
第33号
佐藤勝『啄木の肖像』(武蔵野書房 二〇〇二年三月)の書評。
A5版、pp.43-44(2頁)
13 全身全霊の言葉 山下多恵子著『海の蠍 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜』(二〇〇二年一〇月 未知谷)新刊紹介 2004/02/29国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第7号
山下多恵子『海の蠍 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜』(未知谷 二〇〇二年一〇月 )の紹介。
A5版、p.83(1頁)
14 夜烏 入獄する小作人と残された妻子 平出修解説 2005/08/31上田博編
『大正の結婚小説』
おうふう
平野万里「夜烏」について、農家の妻という存在のもつ意味について考察を行った。
A5版、pp.15-24(10頁)
15 綱島梁川『病間録』
西川光次郎『心懐語』
解説 2005/09/30上田博編
『明治文芸館Ⅴ 明治から大正へ』
嵯峨野書院
近代文学、とくに明治文学の発生、発展、展開について時代社会を<明治空間>として把握しその中で文学を読むという企画。綱島梁川「病間録」、西川光次郎「心懐語」を解説した。A5版、p.164、p.181(2頁)
16 「あたらしき心の刺戟もとめつつうごめく蟲に似て今日もあり」ほか全5首解説 2005/09/30村岡嘉子、山田吉郎編
『前田夕暮百首』
秦野市図書館
前田夕暮の短歌のなかから選び出された百首について鑑賞する試みにおいて、「あたらしき心の刺戟もとめつつうごめく蟲に似て今日もあり」「襟垢のつきし袷と古帽子宿をいで行くさびしき男」「壕端の貨物おきばの材木に腰かけて空をみる男あり」ほか全5首の評釈を行った。
B5版、p.40、p.44、p.52、p.60,
p.62(5頁)
17 武蔵野夫人 死を選ぶ女解説 2006/08/31上田博編
『昭和の結婚小説』
おうふう
わが国の明治以降の小説を「結婚」を鍵語として読み解いていく試みで、大岡昇平「武蔵野夫人」を姦通小説として、新民法とのかかわりから「続」と「族」の小説と指摘した。
A5版、pp.182-186(5頁)
18 安元隆子『石川啄木とロシア』書評 2007/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第10号
安元隆子『石川啄木とロシア』(翰林書房 二〇〇六年二月)の書評。
A5版、pp.50-51(2頁)
19 太田登『近代短歌史の構築』書評 2007/02/28立教大学日本文学会
『立教大学日本文学』
第97号
太田登『近代短歌史の構築』(八木書店 二〇〇六年四月)の書評。
A5版、pp.228-230(3頁)
20 石川くんへ贈る歌 枡野浩一『石川君』(集英社文庫 二〇〇七年四月)新刊紹介 2007/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第11号
枡野浩一『石川君』(集英社文庫 二〇〇七年四月)の紹介。
A5版、p.73(1頁)
21 小浜逸郎「人はなぜ働かなくてはならないのか」
中村雄二郎「仮面」
西山賢一「新しい資本論」
教授資料 2008/03/31数研出版
『現代文【3】 教授資料』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
A5版、pp.179-260(82頁)
22 啄木の一首を読む口頭発表 (一般発表) 2008/04/30関西啄木懇話会・国際啄木学会関西支部共済
2007啄木の集い(於 毎日新聞奈良支局)
『一握の砂』の10番歌を対象として、その「大といふ字を百あまり」について「大という字」のイメージの膨らみから、この字が「一」+「人」から成り立っていることに着目して1首の世界を考察した。
23 伊藤と桂と石川啄木口頭発表 (一般発表) 2008/11/30日本文芸研究会
第2回研究発表会
(於 共立女子大学)
『一握の砂』「我を愛する歌」の末尾の2首を、同時代の資料を補助線として読み解くことで、とくに国木田独歩「号外」とのかかわりからそこに時の移ろいへの感覚があることを指摘した。
24 木股知史著『画文共鳴—『みだれ髪』から『月に吠える』へ書評 2009/04/30立命館大学日本文学会
『論究日本文学』
第90号
木股知史著『画文共鳴—『みだれ髪』から『月に吠える』へ』(岩波書店 二〇〇八年一月)の書評。
A5版、pp.68-71(4頁)
25 仙台なう@啄木コラム 2010/10/31角川書店
『短歌』
第57巻第13号
新郎啄木が欠席した結婚式についてのコラム。
A5版、p.106(1頁)
26 「鮎貝槐園」「扇畑忠雄」「扇畑利枝」「岡千仭」「落合直文」「国分青厓」「島田幸造」「玉城徹」の各項目事典 2013/05/31日本近代文学会
東北支部編
『東北近代文学事典』
勉誠出版
東北を中心とした文学事典。
「鮎貝槐園」「扇畑忠雄」「扇畑利枝」「落合直文」「岡千仭」「玉城徹」「国分青厓」「島田幸造」の各項目を担当執筆。
B5版、p.21、p.84、p.85、p.108、p.124、p.197、p.276、p.348(8頁)
27 上田紀行「『内的成長』社会へ」
村上陽一郎「科学・技術の歴史の中での社会」
教授資料 2014/03/31数研出版
『現代文B 教授資料 1第一章 評論』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.109-132(24頁)
pp.167-192(26頁)
28 中村雄二郎「仮面」教授資料 2014/03/31数研出版
『現代文B 教授資料 3第二章 評論』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.277-302(26頁)
29 三枝昂之著『啄木再発見 青春、望郷、日本人の幸福』書評 2015/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第17号
三枝昂之著『啄木再発見 青春、望郷、日本人の幸福』(NHK出版 二〇一三年三月)の書評。
A5版、pp.46-47(2頁)
30 短歌の近代、近代の短歌 山田吉郎著『明治短歌の河畔』書評 2015/02/28日本文芸研究会
『文芸研究』
第179集
山田吉郎著『明治短歌の河畔にて』(短歌研究社 二〇一四年五月)の書評
A5版、pp.28-29(2頁)
31 毛利衛「宇宙から学ぶ」教授資料 2018/02/28数研出版
『改訂版 高等学校国語総合 教授資料【現代文編2】』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.149-172(24頁)
32 柳沢桂子「命は誰のものなのか」教授資料 2018/02/28数研出版
『改訂版 国語総合 現代文編 教授資料【3】』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.83-106(24頁)
33 石黒浩「ロボットと人間の未来」教授資料 2018/02/28数研出版
『新編 現代文B 教授資料【1第一章・前】』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.5-28(24頁)
34 「短歌」教授資料 2018/02/28数研出版
『新編 現代文B 教授資料【2第一章・後】』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.171-186(16頁)
35 三枝昂之著『跫音を聴く 近代短歌の水脈』(六花書林 二〇二一年九月)新刊紹介 2022/02/28国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第25号
三枝昂之著『跫音を聴く 近代短歌の水脈』(六花書林 二〇二一年九月)の紹介。
A5版、p.42(1頁)
36 若松英輔「書けない日々」教授資料 2022/03/31数研出版
『現代の国語 教授資料 読みを深める1』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.15-39(25頁)
37 日高敏隆「里山物語」教授資料 2022/03/31数研出版
『現代の国語 教授資料 言葉を学ぶ1』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.159-181(23頁)
38 國分功一郎「意志と選択」教授資料 2023/03/31数研出版
『論理国語 教授資料』
担当教材の「作者解説」「出典」「読解のカギ」「参考資料」「参考文献」を執筆。
B5版、pp.155-187(33頁)
39 太田登著『啄木 我を愛する歌ー発想と表現ー』(八木書店 二〇二二年一二月)書評 2024/02/29国際啄木学会
『国際啄木学会研究年報』
第27号
太田登著『啄木 我を愛する歌ー発想と表現ー』(八木書店 二〇二二年一二月)の書評。
A5版、pp.33-34(2頁)
40 「一握の砂」(「盛岡中学校校友会雑誌」第一〇号、明四〇・九)の全集本文について研究ノート 2026/03/31「国際啄木学会研究年報」第29号 『石川啄木全集 第四巻』(昭五五・三、筑摩書房)に掲載の「一握の砂」本文を初出である「盛岡中学校校友会雑誌」本文を突合し、異同を示すともに、全集本文のあり方について論述した。
41 中学校国語教科書における視覚資料の量的調査ー令和6年3月検定済教科書を中心にー  研究ノート 2026/03/31「京都ノートルダム女子大学研究紀要」(第56号) 令和6年3月検定済中学校国語教科書に掲載された視覚資料について定量的な評価を行い、全体に占める視覚資料の割合は15%前後であり、視覚資料を構成する挿絵・写真と図表の割合は65:35程度であることを明らかにした。また、視覚資料について、学年進行に伴う変化には目立った特徴は見られないが領域において各社が特色を打ち出していることを確認した。
以上41点

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