教育研究業績の一覧

四方 保仁
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 高等学校・中学校宗教科年間計画策定
(京都光華中学校・高等学校)
2015-03-00 〔高等学校〕
第一学年年間学習目標
「宗教」の意味を「何を大切に(生活の中心として)生きるのかを教えるもの」と捉え、テキスト『釈尊 生涯と教え』・『ともしび』(真宗大谷派学校連合会編)をもとに、釈尊の中にその手がかりを求めていく。黙想や合掌等宗教行事の意義や作法などの基本的事項を理解する。
第二学年年間学習目標
欲望・いのち・愛・出会い等、私たちが生きていく上で必ず出会う事柄を学ぶことにより、私たちが本当に充実した人生を送るためにはどうするべきか考える。また釈尊滅後、仏教がどのように日本に伝わり、私たちの課題となったか、それぞれの時代背景とともに考える。
第三学年年間学習目標
親鸞の生涯を概観し、その真実たる生き方を、自らのこれからの人生の指針とする。

〔中学校〕
第一学年年間学習目標
本校の建学の精神「仏教」を通じ、「生かされているいのちに目覚める」として、テキスト『釈尊 生涯と教え』・『ともしび』(真宗大谷派学校連合会編)をもとに、釈尊の中にその手がかりを求めていく。また年間の宗教行事の意義や作法などの基本的事項を理解する。
第二学年年間学習目標
自分自身の姿を見つめる視点を持つ。「自らを灯とせよ」自分自身を生かす生き方について考えるために、釈尊や親鸞聖人の生涯から「本当の宗教」「本当のしあわせ」について考える。
第三学年年間学習目標
これまでの学びを通じ、「生きる目標を発見する」ことを目標として、新しい生活に生かせるようにする。

これらの学習目標を策定し、各学年の宗教科担当教員全体の指導にあたった。特に宗教行事の意義を理解することで建学の精神を学び、また日々の生活で出会う事柄から学ぶべきことについて注目し、生徒自身の「生きる目標」「人生の指針」を見出させるために必要な授業計画まで指導している。
2 宗教科教育法Ⅳにおける模擬授業・指導案作成の指導 2016-04-00 ~ 主として教育実習を直前に控えた学生を対象に、現代社会において「宗教を教えること」(宗教科)の意味について改めて意識することの重要性について講義を行い、その上でより実践的な指導案の作成(指導目標、単元目標、本時の目標の設定)と模擬授業を実施。これまで生徒として「宗教科」の授業の受講経験がない学生もいることから、直近の研究発表で使用した指導案を示しながら、授業を行い、適宜解説を加えるなどすることで、指導案の意図等の理解を図れるように工夫した。また模擬授業のため生徒観の設定については具体的な事例を提示するなどして、実習へつなげるよう指導。宗教科は教科の学習指導要領や解説が無なく、これまで勤務校で受け入れてきた実習生からも目標の設定が難しいという意見があり、実習指導担当者としての経験にも即して、各学校における宗教部門のカリキュラムや目標とテキストの位置づけを意識する重要性などを指導。
3 授業感想文の作成(人間学Ⅱ)
2018-04-00 ~ 人間学Ⅱの授業において、受講生から感想文を適宜書いてもらい、次回の授業時に応答をすることによって振り返りを行っている。
4 2018年度優秀授業表彰 2018-10-00 2018年度前期開講科目における学生の授業評価アンケートに基づき、担当科目の「人間学Ⅰ」が優秀授業に選出され、優秀授業表彰を受賞した。
5 授業感想文の作成(仏教と教育) 2020-04-00 ~ 「仏教と教育」の授業において、受講生から感想文を適宜書いてもらい、次回の授業時に応答することによって、受講生の理解度を確認しながら授業の振り返りを行っている。
6 2020年度優秀授業表彰の受賞 2021-03-00 2020年度後期開講科目における学生の授業評価アンケートに基づき、担当授業の
「人間学Ⅰ」が優秀授業に選出され、優秀授業表彰を受賞した。また、この件につき、FD研修会にて講演を行った。
7 2023年度優秀授業表彰の受賞 2023-10-00 2023年度前期開講科目における学生の授業評価アンケートに基づき、担当授業の「教職入門(中・高)Ⅰ」が優秀授業に選出され、優秀授業表彰を受賞した。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 『宗教』学習ノートの作成 2015-04-00 『釈尊 生涯と教え』『ともしび』(真宗大谷派学校連合会編)をもとにした授業展開テキストを独自に作成した。年間計画に基づき、また中学校・高等学校の段階に応じて、宗教教育の導入、仏教教義、親鸞聖人の教えを通じ、自己と向き合うための展開テキストとして利用。
2 『親鸞 生涯と教え』学習ノートの作成 2015-04-00 『親鸞 生涯と教え』(真宗大谷派学校連合会編)をもとにした、授業展開テキストを独自に作成した。親鸞聖人は真理を求める本当の道を、「浄土真宗」という言葉で明らかにされた。そのことを、その生涯を学ぶことにより親鸞聖人の教えを通じ、自己と向き合うための展開テキストとして利用。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 「宗教科教育法Ⅳ」外部講師(大谷大学) 2015-07-00 高等学校での宗教科指導の実践的指導法の講義を実施。初めて宗教の授業を受ける生徒に対し、我々が持っている常識が通用しないこと(例えば、「如来」という言葉を解している生徒はほとんどいない等)を理解させた上で、真宗大谷派学校連合会編『ともしび』「第五章 愛を求めて」を用い、執着の愛と真実の愛(如来の大悲・無縁の慈悲)の違いを考えさせる授業の実践例を示しながら、指導上の留意点等を講義。
2 中等科教育実習指導講義(大谷大学) 2017-03-00 中学校・高等学校での教育実習を控えた学生への事前指導講義。教育実習生を受け入れる学校側として、教育実習生に求められる心得(心構えと態度、実習上の留意点)を講義。また学校の現状として、授業のユニバーサルデザインを特別支援教育の視点から提示。すべての生徒指導に生かすという視点の重要性についても講義し、実習生としてだけではなく、教諭として教壇に立つために必要な姿勢・視点についても言及した。
3 オープンキャンパス人間学模擬授業 2018-07-17 2018年度オープンキャンパスにおいて、人間学の模擬授業を行った。
4 浄土真宗本願寺派龍谷総合学園加盟校の第52回宗教教育研究会講師 2019-08-04 浄土真宗本願寺派龍谷総合学園加盟校の第52回宗教教育研究会において、「宗教科の評価について」の講演を行った。
5 大阪高等学校2019年度夏期講座の講師 2019-08-06 大阪高等学校2019年度夏期講座において、「仏教学を通して人間を知るきっかけを作る」と言う講義を行った。
6 2020年度オープンキャンパス真宗学科模擬授業
2021-03-21 2021年3月のオープンキャンパスにおいて、「真宗学ってなに」を講題に模擬授業を行った。
7 2020年度オープンキャンパス人間学模擬授業 2021-03-21 2021年3月のオープンキャンパスにおいて、「人間学(選びについて考える)」という講題で、模擬授業を行った。
8 2022年度オープンキャンパス人間学模擬授業 2023-03-19 2022年度オープンキャンパスにおいて、人間学の模擬授業を行った。
9 2022年度オープンキャンパス真宗学科模擬授業 2023-03-19 2022年度オープンキャンパスにおいて、真宗学科の模擬授業を行った。
10 2023年度「大谷大学公開講演会」 2023-08-31 2023年度「大谷大学公開講演会」
久留米支部にて「学び、続ける」という講題にて講演を行った。
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
1 光華女子学園宗教部会の運営 1997-00-00
~2018-03-00
光華女子学園において「学園の教育活動の根本には宗教教育がある」と定め、学園全体の宗教教育の現状と課題を精査し、宗教的なものに対する本質的理解を推進するための会議。2007年度からは、さらに「宗教教育」と「宗教の時間」の小中高の連携すべき内容や授業のあり方についても議論し、学園全体の宗教教育の位置づけや方向性を定める。
2 京都府私学社会科研究会 歴史部会会長 1997-04-00
~2012-03-00
京都府下の私立学校社会科担当教員の研究会の歴史部会において、会長として活動。参加教員の指導、研究会・研修会の主催、研究会の冊子(『京都私社研―報告集―』など)の編集等を担当。当該研究会では、京都府科の私立学校教員の情報交換にとどまるのではなく、大学教員を招聘し最新の研究動向を聞くために講演会を実施し、また社会科に関わる内容でのフィールドワークを実施するなど、総合的な指導力向上をはかっている。
3 宗教部指導方針の作成 2007-00-00
~2018-03-00
光華女子学園における宗教教育全体の具体的な方針の作成。授業開始前の「黙想」や各宗教行事、講話、教職研修会の指針を定め、その上で中高宗教科の授業との連続性を踏まえた方向性を構築。学園における教育活動の裏付けとなる宗教行事との連続性を意識し、宗教科だけではなく教職員全体の取り組みとして学園スローガンを意識し、生徒指導に取り組むことなどを定める。
4 宗教科教員統括・指導 2009-00-00
~2018-03-00
光華女子学園宗教部の統括として、宗教科教員の授業を視察し、教員指導(指導案作成指導を含む)を実施。光華女子学園宗教部会や宗教部指導方針をもとに、学園内における宗教教育の連続性や教育活動と宗教教育の連続性を意識することを指導。教員の指導案作成時においても、宗教教育が持つ意義を改めて考えさせ、「宗教」の授業を通じて育成すべき生徒像、そして生徒が今後生きていくために必要なことにつながるための教材・教具の選定や発問の工夫等、具体的な指導を実施。必要に応じて模擬授業を実施するなど、宗教科教員の指導力向上に尽力した。
5 京都光華中学校高等学校 宗教部入試部アドバイザー 2018-04-00 ~ 京都光華中学校高等学校において、宗教部入試部の支援を行っている。
6 真宗大谷派学校連合会大学部会運営委員 2019-04-00 ~ 真宗大谷派学校連合会が主催する、研修会・各協議会の運営。
7 教職支援センター副センター長 2020-04-00 ~ 2020年4月から教職支援センター副センター長に就任
8 教職課程部会 会長  2022-04-00 ~ 2022年4月から、教職課程部会長に就任
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 『魂萌ゆ―暁烏敏の世界―』


共著 1986-08-00東本願寺出版部 『暁烏敏全集』の輪読を通じ、特に教育の現場にいるメンバーによって選び出した文章を通じ、日常を問いなおす機縁として編集されたもの。自己の現実世界を貫く確かな指針として、その言葉から学ぶべき点は多い。
福島和人・太田清史共編(高田正城・三原隆応・四方保仁編集)全236頁
以上1点
Ⅱ学術論文
1 宗教科における言語活動と指導計画について単著 2018-02-00『大谷大学 教職支援センター研究紀要』第7号
(全41頁)
宗教科における言語活動の実例として、単元名「愛をもとめて」を素材に、言語活動を実践するための指導計画への指導助言また指導計画指針、生徒自身の積極的な学び(アクティブ・ラーニング)を引き出すための教材設定・提供、さらに自らに向き合うための「感話」の工夫について示した。また宗教科指導計画を見通す上での留意点についても言及。11頁(pp. 11-16)
2 宗教科指導案作成時の留意点について単著 2018-03-00『大谷大学 教職支援センター研究紀要』第8号
(全41頁)
宗教科年間計画策定を踏まえ、各単元・各回の指導案作成における実践的な留意点について述べたもの。特に生徒自身の日常に密接なテーマを取り上げることで、宗教を身近に感じることの重要性、そのためのグループワークや視覚教材の活用等も提示。
6頁(pp.21-26)
3 宗教と教育―「他者の尊重」という視点から―単著 2018-03-00『大谷大学 教職支援センター研究紀要』第8号
(全41頁)
釈尊や親鸞聖人の生涯を通じて、それによって宗教教育に求められる「他者の尊重」「倫理的規範」を学ぶことの重要性について論じた。これにより宗教的情操が育まれると共に、教師として自己を律する重要性について述べた。
5頁(pp.16-20)

4 今、教員になるということ~「仏教と教育」の前に~
単著 2020-03-00『大谷大学教職支援センター研究紀要』第12号 今、教員を目指す学生に求められる資質・能力、教員の適正について論じ、これまでの学校現場と大学の教員養成の場での経験から「自律的に学ぶ姿勢」や「傾聴の姿勢」の重要性を示した。「特別な支援を必要とする児童生徒の対応」や「チーム学校」としての組織的・協動的に諸課題の解決に取り組むためには、個々の教員の自律的に学ぶ姿勢に加えて、相互に傾聴し、理解を示しながら協働するたまの素地を大学の教員養成段階で養うことが重要だと述べている。9頁(pp.11~19)
5 親鸞に教育を学ぶー廣小路亨先生を通してー単著 2021-10-27『大谷学報』第101巻第1号 本論では『歎異抄』第九条を手がかりに、親鸞によって示されている教育のあるべき姿、特に教育を成り立たせる根幹となる「信頼関係」がいかにして醸成されるかを確かめた。その中で気づかされたのは、廣小路亨先生の著述は「教育」に焦点を当てて語られたものではあるが、「教育とは人間を人間たらしめるもの」とあるように、語られている内容は、人間としての「生き方」、「生きる姿勢」の在り方そのものであることに言及。23頁(pp.1~23)
6 「不断煩悩得涅槃」という生き方 単著 2023-03-00『親鸞教学』117号 「「不断煩悩得涅槃」という生き方」という題のもとで、真宗の生き方について『歎異抄』の言葉を軸に論を展開した。真宗の救済の妙味が表現されている「正信偈」の一句が持っている深い意味に対する筆者の驚きを表白し、読者と共有しようとした。また、真宗の生き方というものを自己の課題、さらには教育の課題とした。驚きや感動に開かれる「真宗学」というものをあらためて問うた。21頁(pp.21~41)
以上6点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 『親鸞 生涯と教え』学習ノートの作成単著 2015-04-00京都光華中学校・高等学校 『親鸞 生涯と教え』(真宗大谷派学校連合会編)をもとにした、授業展開テキストを独自に作成した。親鸞聖人は真理を求める本当の道を、「浄土真宗」という言葉で明らかにされた。そのことを、その生涯を学ぶことにより親鸞聖人の教えを通じ、自己と向き合うための展開テキストとして利用。
各末に「感想ノート」を付し、生徒自身が自らの言葉での「感話」を引き出せるよう工夫。各学年学期で作成。
(各30頁程度)
2 『宗教』学習ノート単著 2015-04-00京都光華中学校・高等学校 『釈尊 生涯と教え』『ともしび』(真宗大谷派学校連合会編)をもとにした授業展開テキストを独自に作成した。年間計画に基づき、また中学校・高等学校の段階に応じて、宗教教育の導入、仏教教義、親鸞聖人の教えを通じ、自己と向き合うための展開テキストとして利用。(各学年30頁程度)
以上2点

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