教育研究業績の一覧

味村 考祐
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 「哲学史」勉強会の実施 2017-01-01
~2017-03-31
大谷大学総合研究室において、西洋哲学史を学ぶために波多野精一の『西洋哲学史要』をテキストにした勉強会を開催した。大学院ではそれぞれの専門領域の研究が主な活動となり、西洋哲学全体の流れを理解するための時間が取りにくいという現状があった。とくに社会人の院生にとってそうした状況が顕著に見られた。波多野による哲学史の説明は、各時代の思想家が前の世代の思想の理解から出てくる問題にいかに取り組んでいるかということテーマにしている。そのため読者は哲学史が単なる出来事の羅列ではなく、問いと答えの連続によって構成されていることを理解することができる。この勉強会は専門領域における各自の問題関心を哲学史全体というより大きな観点から見ることを目標にしたものであった。
2 授業内テストの実施 2018-09-01 ~ 外国語文献を読む授業において、毎回の授業のはじめに前回学習した内容を確認するための小テストを実施している。一度学んだことをもう一度学ぶことで学習内容が定着しやすくなると考えている。
3 哲学的トピックスをめぐる議論 2018-09-01 ~ 哲学文献講読の授業ではテキストで語られる哲学的トピックスに関する議論を行なう時間を作っている。こうした議論を行なう目的は、単にテキストを読むだけでなく、そこで理解したことや疑問点を発話することによって、自分自身の理解に対して自覚的になることである。
2 作成した教科書、教材、参考書
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 哲学カフェの実施 2016-04-01 ~ 学生参加型の学内企画の一つとして哲学カフェを運営している。哲学カフェでは毎回一つの議題について議論を行なう。そこでの議論の目標は一つの有力な意見を探すことではなく、多種多様な意見の交換を経て、参加者らが無自覚ながら共に問題にしている事柄を明らかにすることにある。哲学カフェには、このような対話の実践を通すことによって、各々の研究活動における問題設定能力の向上や、異論を受け止める練習の場という役割があると考えている。
また哲学カフェの開催告知や活動報告をFacebookやTwitterなどのSNS上に公開し、広く情報を発信している。
2 第11回学生のためのガクモン講座 2018-11-02 大谷大学総合研究室任期制助教主催の第11回ガクモン講座「ルーツをたどる-『アリラン峠を越えていく-在日コリアン音楽の今』上映会・座談会」において、質問者として座談会に登壇した。実際に映画に出演された在日コリアンの方々を招き、哲学的観点からアイデンティティの問題について議論した。なお当企画の活動報告を教育研究報告書『響流』vol.6に記載した。
B 職務実績
1 大阪外国語大学ティーチング・アシスタント 2005-07-01
~2006-01-31
「比較思想演習Ⅱ」の補助業務である。国際文化学科比較文化専攻の学生が受講する授業であり、講義を主としてときにレポート課題が与えられる。毎回の授業で使用する資料の準備、受講する学生のサポートを行った。具体的には出欠確認や、課題レポートの取りまとめ等である。また、学生が授業に取り組みやすいよう、教員と学生との間を仲介する役割として授業に参加した。
2 大谷大学ティーチング・アシスタント(TA) 2014-04-07
~2014-07-31
「学びの発見」の教育補助業務である。2014年度は文学科を、2015年度は教育心理学科の学生から構成されるクラスを担当した。第1学年の学生が受講し、レポートや論述の仕方、学生間での議論、個人発表の練習を通して、大学における研究活動の基礎を学ぶ授業である。毎回授業の初めに大教室で担当教員からの課題の説明があり、その後、班ごとに小教室へ移りその課題に取り組む。小教室では学生が課題に取り組めるよう、TAがサポートをする。具体的には進行役を務めると共に、アドバイス、受講態度の注意等を行った。
3 大谷大学真宗総合研究所研究補助員(RA) 2014-10-01
~2017-03-31
大谷大学真宗総合研究所の指定研究である国際仏教研究独仏班の研究補助業務である。書籍の管理、資料の複写、フランス高等研究実習院の宗教学部門において行われている諸研究の動向調査、また大学内で開催される国際フォーラムの準備、当日の運営補助を行った。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2015-08-00~0000-00-00 思想史学会
2 2015-09-00~0000-00-00 関西倫理学会
3 2016-06-00~0000-00-00 日本現象学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
以上0点
Ⅱ学術論文
1 ガダマーの解釈学における伝統について
(修士論文)
単著 2012-03-00大谷大学 ガダマーの哲学的解釈学で主張される「伝統」概念について考察した。ガダマーは、この概念がわれわれ自身の解釈を閉ざすものではなく、むしろ理解の成立条件だという。本稿では、この「伝統」概念と理解との関係を明らかにすることを課題とした。総頁数53頁。
2 同質性と帰属性についての一考察
―ガダマーのディルタイ批判を通して―
単著 2014-03-00『哲学論集』第60号(大谷大学哲学会) ディルタイは認識の確実性を個人の経験の内に求めた。この点についてガダマーはディルタイに同意するが、認識の対象が個人を超えた主題(歴史)に移るとき、その確実性を疑問視する。ガダマーが精神科学的認識の可能性の根拠とするのは、歴史の認識においては解釈者自身がその対象に帰属するということであった。同質性との対比を通して解釈学における帰属性の意義を考察した。
17頁(40頁~56頁)
3 「ガダマーにおける伝統と理解」単著 2014-12-01『大谷大学大学院研究紀要』第31号(大谷大学大学院) ガダマーはプロテスタント神学の聖書理解について言及する際、その神学的解釈学のなかにある矛盾を指摘する。この神学は伝統的教義から離れ、聖書の意味は聖書自身から理解されうると主張する一方で、その意味をプロテスタント的信仰という予め抱かれた観点から読んだ。伝統と理解との整合的関係とはどのようなものかをガダマーの見解に沿って考察した。
24頁(109頁~132頁)
4 「ガダマーの解釈学における伝統概念の両義性」単著 2016-06-30『倫理学研究』第46号(関西倫理学会) ガダマーの伝統概念に対しては、解釈者の理解を支配する権威として、十分な検討がなされずに承認されているという批判が出される。しかし、この概念をみていくと、その承認が理性的なものであることが判明する。というのも、その権威は不合理なものというよりも、むしろ納得のいくものとして理解されているからである。ガダマーにおける伝統と権威概念の密接な関係を明らかにした。
12頁(181頁~192頁)
5 「ガダマーの哲学的解釈学において伝統の習得とは何を意味するのか」単著 2017-11-00『現象学年報』第32号(日本現象学会) ガダマーはテキスト解釈を「伝統の摂取」と言い表す。しかしこのことから、それが過去にあったものの追構成とどう違うのか、という問題が生じる。ガダマー自身によるミーメーシス(真似)の解釈を通して、それが単なる過去のくり返しではなく、新たな解釈であることを論じた。
以上5点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 「ガダマーの伝統概念の二重性について」口頭発表 2015-10-31関西倫理学会2015年度大会 学術論文4のもとになった口頭発表である。
発表時間40分
2 「ガダマーの哲学的解釈において伝統の習得とは何を意味するのか」口頭発表 2016-11-26日本現象学会第38回研究大会 学術論文5のもとになった口頭発表である。
発表時間45分
3 「ガダマーの解釈学における規範の意味について」口頭発表 2018-03-01大谷大学哲学会2017年度春季研究会 本発表では、ガダマーの哲学的解釈学におけるテキスト解釈の規範(Norm)になるものが何であるかという問題を取り扱った。ガダマーが意図する規範は、道徳や価値における規準といったものではなく、語られる事柄に従うことだという。しかし事柄に従うとは何か。この規範の問題をガダマーの詩論の中で具体化し、その意味が「詩からの要請に応じること」であることを指摘した。
発表時間60分
以上3点

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