教育研究業績の一覧

CONWAY MICHAEL J.
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 大学院生を対象に勉強会・研究会を開催 2009-10-00 ~ 仏教漢文の読解力向上を目指し、定期的に輪読会を主催するとともに、英語読解力向上のため、仏教典籍の英訳を輪読する会も開催する。
2 授業用プリントを復習に活用 2011-04-00 ~ 学生に配るプリントに前回の授業の要点を文章としてまとめ、それに基づいて前回の授業内容の復習を行う。
3 学術支援を必要としている学生に対して授業時間外で指導 2011-04-00 ~ 提出課題を解くことのできなかった学生に対して、授業時間外に解くための基礎知識を伝授し、追加課題を提出させる。
4 映画を英語教材として活用 2011-04-00 ~ 授業で映画の重要なシーンを学生に見せて、その内容の和訳を作ってもらう。
5 英訳を活用して、古文の典籍に対する理解度を高める 2011-04-00 ~ 日本語の古文で書かれている書物(『歎異抄』)の解読に際して、英訳の和訳作成を通して、古文の意味と文法を確かめ、原文に対する理解を養っている。
6 作文提出によって学生の理解度を把握 2012-05-00 ~ 講義内容について設問し、授業の最後にそれに応答する作文を提出させ、次回の授業でそれに基づいて復習を行う。
7 英文エッセイの和訳を宿題として課して、授業時においてその内容の確認と解説を行う 2013-04-00 ~ 真宗の基礎知識と英語能力を養うために、学生に真宗関連の英文エッセイ集の一部の和訳を宿題として課して、授業時にその和訳を発表してもらい、英文の理解を確かめる機会を設けている。それに加えて、エッセイの内容について解説し、その中で言及されている概念について学生の理解度を高めようとしている。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 授業時に授業の概要または講義のアウトラインを記したプリントを配付 2011-04-00 ~ 授業の度に学生が講義内容を把握しやすくするために、プリントを配付してそのアウトラインに沿って講義を行う。
2 授業内容に関連する論文を配付し、授業時間外に読ませる 2011-10-00 ~ 講義内容と関連のある論文を学生に配付し読むように指示した上、理解度を試すために次の授業で設問し作文を出させる。
3 「An Outline of the Teachings of Four Major Schools of Japanese Buddhism: READINGS」を作成 2014-03-00 英語で日本仏教を紹介する授業のために、初期仏教、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗の歴史と教義に関連する英文の論文と一次資料の英訳を集めた冊子を作成し、学生に配布した。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
B 職務実績
1 東方仏教徒協会設立90周年記念講演会 2011-05-00 講師・応答者への依頼等、講演会開催の実務を担当。
2 東方仏教徒協会公開セミナー 2011-05-00 月一回の開催で鈴木大拙訳『英訳教行信証』「信巻」に関する講義を行う。
3 The Eastern Buddhist, 42巻1号 2011-12-00 編集責任者として掲載論文の査読・編集等の発刊実務を担当。
4 The Eastern Buddhist, 42巻2号 2012-07-00 刊行の実務を担当。
5 東方仏教徒公開講演会 2012-10-00 開催実務を担当。
6 The Eastern Buddhist, 43巻1/2号 2013-04-00 刊行の実務を担当。
7 東方仏教徒公開講演会 2013-10-00 開催実務を担当。
8 The Eastern Buddhist, 44巻1号 2014-04-00 刊行の実務を担当。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2005-03-00~0000-00-00 The European Association for Japanese Studies
2 2005-06-00~0000-00-00 The International Association for Shin Buddhist Studies
3 2007-03-00~0000-00-00 真宗大谷派教学学会
4 2008-03-00~0000-00-00 真宗連合学会
5 2009-05-00~0000-00-00 日本仏教学会
6 2009-06-00~0000-00-00 日本印度学仏教学会
7 2011-06-00~0000-00-00 American Academy of Religion
8 2013-11-00~0000-00-00 International Association of Buddhist Studies
9 2016-04-00~0000-00-00 東西宗教交流学会
10 2016-11-00~0000-00-00 American Philosophical Association
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
以上0点
Ⅱ学術論文
1 Seeking the Pure Land in the Modern World: Yasuda Rijin’s Search for a Shin Buddhist Sangha単著 2006-12-00The Pure Land, volume 22 安田理深の生涯と思想を簡単に紹介し、氏の展開した僧伽論が真宗大谷派の同朋会運動の思想的背景にあったと論じた。そして、その僧伽論の教学的根拠を示すために、『歎異抄』と『教行信証』「真仏土巻」に尋ね、安田が明らかにした浄土の現代的意義は、特に『論註』における「眷属功徳」に示されている、宗教的求道者の共同体を成り立たしめる原理として用くことにあると論じた。14頁[79頁~92頁]
2 『安楽集』における曇鸞教学の受用と展開―行と信の展開を中心に―単著 2008-06-00『真宗教学研究』第29号 安楽集』における行信論を曇鸞教学との比較において考察した。道綽が『安楽集』において五念門の行に言及しない理由について考察し、道綽教学における常念の称名念仏の強調を紹介した上で、親鸞が道綽の釈功を「三不三信誨慇懃」として讃えた理由について考察した。また、『安楽集』における曇鸞教学の受用を究明するための基礎資料として、『安楽集』における曇鸞の著作を依用した文と曇鸞の著作における原文との対校表を作成した。27頁[82頁~108頁]
3 道綽教学における本願の思想単著 2008-12-00『大谷大学大学院研究紀要』第25号 『安楽集』における四十八願からの引用を整理し、それぞれの文脈において考察することによって、道綽が『観経』を解釈する姿勢を明確にし、浄土真宗の教義形成過程における道綽の意義を明らかにした。先ず、第十八願以外の取意引用文の特徴を考察することによって、道綽が四十八願を捉える基本的態度を明らかにした。そして、第十八願の三つの取意引用を考察することによって、道綽が念仏者の往生を成り立たしめる原理として第十八願の意義を明確にしたことを論じた。32頁[31頁~62頁]
4 Throwing Open the Gates of the Pure Land: Daochuo’s Recognition of the Latter Days of the Dharma as the Foundation for “neither Monastic nor Secular”単著 2008-12-00The Pure Land, volume 24 道綽の時機観を紹介し、「化身土巻」所引『安楽集』の文を考察した。末法の到来が僧と俗という生活形態を超えた仏道を要請したと論じて、道綽が明かした時機相応の教としての本願念仏が一切衆生に開かれている仏道であるということを論証した。そして、親鸞が「化身土巻」において、道綽の思想を受け止め、この時機相応の仏道を「非僧非俗」という表現で言い表したということを明確にした。19頁[133頁~149頁]
5 道綽の回心に関する一考察―同朋の発見によって開かれた仏道―単著 2009-01-00『真宗研究』第53輯 道綽に関する伝記資料を考察することによって、道綽の回心について従来伝えられてきた説を問い直し、道綽の回心の動機を明らかにすることによって浄土真宗における獲信の経験の内実を明確にしようとした。先ず、伝記資料における矛盾点を指摘し、従来の碑文説が史実とは言い難い点があると論じた上で、『安楽集』の記述において道綽の回心を促した曇鸞の言葉を指摘し、『安楽集』の論述によって、道綽の回心の内実を明確にした。18頁[22頁~39頁]
6 善導教学の源泉としての『安楽集』―本願論と行業論を中心に―単著 2011-03-00『親鸞教学』第97号 道綽の『安楽集』において示されている本願論と行業論が善導によって継承されたということを論じることを通して、浄土教の形成過程における道綽の貢献を明確にした。善導が本願の教説を中心に『観経』を解釈していることが道綽の『観経』を捉える基本姿勢と類似していることを指摘し、両者の本願取意文を考察することによって観念念仏に択んで称名念仏を掲げる善導が『安楽集』に示唆されている称名の位置を明確にしたと論じた。18頁[58頁~75頁]
7 『教行信証』における親鸞の歴史観単著 2011-03-00『大谷大学真宗総合研究所研究紀要』第28号 『教行信証』の「総序」と「化身土巻」の論述を対比させることによって、親鸞の思想における二重の歴史観の意義について考察した。一方では、親鸞が本願実現の歴史を強調するが、同時に、仏教の衰退を説く書物から引用している。この歴史の捉え方を、「悲喜の歴史観」と特徴付け、親鸞が末法を悲歎すべき事実として捉えたのみならず、本願による念仏の必要性を明確にする契機とも捉えたと論じた。7頁[201頁~207頁]
8 本願念仏の宣揚―浄土教形成過程における道綽の意義―
(博士論文)
単著 2011-03-00大谷大学大学院文学研究科 道綽が浄土教の形成過程においてどのような役割を果たしたかという問題を主題に6章の構成で論じた。即ち、(一)道綽伝の考察と道綽の回心・(二)『安楽集』における曇鸞教学の継承・(三)道綽教学における末法教説の位置・(四)道綽教学における本願論・(五)道綽教学における行信論・(六)善導教学への影響と題する章からなり、曇鸞からの継承と善導への影響を確かめながら、道綽の貢献がその本願論と行信論にあると論じた。また、『安楽集』上巻の英訳を副論文として提出した。[本論:135頁・副論:48頁]
9 道綽の『安楽集』における末法教説の役割単著 2014-03-00『華厳思想と浄土教―中村薫博士退任記念論集―』中村薫編(文理閣) 従来の研究において道綽の教学的貢献が主に、末法時の仏教として浄土教を取り上げたことにあるとされてきたが、本稿において、道綽が伝統的な仏教に対して痛烈な批判を展開していることを指摘することによって、その定説を問い直した。道綽がいかなる時代においても浄土教に帰依すべきということを基本姿勢にしながらも、浄土教に対する批判が多く行われた当時の仏教界を浄土門へと誘導するために広く認知されていた末法の教説に言及していると論じた。25頁[204頁~228頁]
10 Demarcation from Daoism in Shinran's Kyōgyōshinshō単著 2015-00-00『Daoism in Japan: Chinese Traditions and Their Influence on Japanese Religious Culture』(Abingdon, Oxon: Routledge) 日本における道教の影響についての論文が11篇、集められている本書において、親鸞の『教行信証』「化身土巻」末巻で仏教と道教の区別についての論述を紹介し考察した。親鸞が当時の仏教界における道教的様子を種々に批判しているだけではなく、『弁正論』を引くことによって、道教の老子と釈尊の相違を明示し、そして道教の昇天思想と真宗における浄土往生の差を指し示していると論じた。22頁[126頁~147頁]
11 Dharmākara as the Subject, Not Object of Faith: The Reinterpretation of Amida's Causal Phase in Modern Shin Thought単著 2015-05-00『Faith in Buddhism』(Budapest: Institute for East Asian Studies, Eötvös Loránd University) 曽我量深の法蔵菩薩論を紹介し、それまでの真宗の伝統的な捉え方との差について考察することによって、その独自性を示し、曽我がいかに近代日本に真宗の意義を開示しようとしていたかについて論じた。蓮如の法蔵菩薩の捉え方を紹介した上で、曽我が法蔵菩薩が信仰の対象ではなく、信仰の主体そのものであるとしたということを述べた。11頁[177頁~187頁]
12 Medicinal Metaphors in a Soteriology of Transformation: Shinran's View of the Power of the Nenbutsu単著 2016-03-31『大谷大学真宗総合研究所研究紀要』第33号 親鸞の『教行信証』において、医療や薬剤に因んだ比喩の用例を整理し、紹介することによって、親鸞の念仏の功能についてどのように考えていたかということを明らかにしようとした。その比喩は、親鸞が念仏に現実の病気回復を見たのではなく、人間の精神生活における意味の領域で大きな転換をもたらすことを示している。よって、親鸞が「転悪成善」という利益を念仏の功能として特に重視したと論じた。13頁[13頁~25頁]
13 The Creation of Tradition as an Exercise in Doctrinal Classification: Shinran's Forging of the Seven Patriarchs単著 2016-06-00『The Eastern Buddhist』第45巻第1・2号 浄土教の歴史における祖師の選定について考察した上で、「正信偈」の論述を考察することによって、親鸞がいかに七高僧の思想を創造的に受け止め直して、提示しているかの一端を示した。道綽の『安楽集』における「六大徳」、そして法然の『選択集』「教相章」において示されている祖師を紹介した。そして、「正信偈」における七高僧の讃嘆には、たぶんに親鸞の独創的な思想が含まれているということを指摘し、七高僧の選定が単なる選びではなく、彼らの思想を捉え直す営みであったと論じた。38頁[113頁~150頁]
14 Introduction単著 2017-08-00『A Soga Ryōjin Reader』(Nagoya: Chisokudō Publications) ヤン・バン・ブラフト氏が作成した『曾我量深選集』からの英訳を収録した本の序文を執筆した。曽我量深師の思想の基調が精神主義に対する師の批判に現れていると論じた上で、そのキャリアの中で重要な位置を占めた概念を紹介した。最後に曽我師の論文に度々言及される親鸞思想の概念について解説を加え、英文読者が曽我師の文章を理解するために必要な情報を添えた。32頁[7頁~38頁]
15 Ethics in Pure Land Schools単著 2018-03-00『Oxford Handbook of Buddhist Ethics』オクスフォード大学出版 仏教の倫理思想を紹介する分担著書において、浄土教における倫理思想の章を担当した。浄土教の伝統の中で、他力思想と倫理的規定について古くから緊張関係があると論じ、その緊張が、初期無量寿経、善導の思想、そして親鸞の思想にどのように現れ、解消されているかということを紹介することによって、浄土教の倫理思想と他の仏教の倫理思想が同じ地平で考えられる土台を示した。21頁(184頁~204頁)
以上15点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 Seeking the Pure Land in post-war Japan: Yasuda Rijin's search for a Pure Land sangha and Dōbōkai Undō's quest for a Pure Land口頭発表 2005-09-0011th International Conference of the European Association for Japanese Studies 安田理深の生涯と思想を簡単に紹介し、氏の展開した僧伽論が真宗大谷派の同朋会運動の思想的背景にあったと論じた。安田が同朋会運動の先駆者と戦前より親しい関係を持ったということを指摘し、安田の思想、特にその僧伽論が戦後における真宗大谷派の活動と組織に影響を及ぼし、同朋会運動の基本理念の形成に不可欠な役割を果たしたと論じた。[20分]
2 Seeking the Pure Land in the Contemporary World: Yasuda Rijin’s Search for a Pure Land Sangha口頭発表 2005-09-0012th Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies Ⅱの①と同様の内容を発表した。[20分]
3 Introduction to Kiyozawa Manshi’s “Address for the Opening of Shinshū University翻訳 2006-12-00『真宗総合研究所研究紀要』第24号 田村晃徳が清沢満之の「開校の辞」を解説した和文を英訳した。真宗総合研究所国際仏教研究班が共同で製作した「開校の辞」の英訳とともに、研究所の紀要に掲載した。5頁[90頁~95頁]
4 『安楽集』における曇鸞教学の受用と展開―行と信の展開を中心に―口頭発表 2007-07-00第14回真宗大谷派教学大会 Ⅱの②と同様の内容を発表した。[20分]
5 Throwing Open the Gates of the Pure Land: Daochuo’s Recognition of the Latter Days of the Dharma as the Foundation for “neither Monastic nor Secular”口頭発表 2007-08-0013th Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies Ⅱの⑤と同様の内容を発表した。[20分]
6 Discourse and Ideology in Medieval Japanese Buddhismの書評書評 2007-12-00The Eastern Buddhist, volume 38, numbers 1 & 2 Richard K. PayneとTaigen Dan Leighton共編の論文集(Routledge出版)の内容を紹介し、評価した。編集者共著の序文と11人の著者が担当した各章の内容を要約し、批評した。5頁[237頁~242頁]
7 道綽の回心に関する一考察―同朋の発見によって開かれた仏道―口頭発表 2008-06-00真宗連合学会第55回大会 Ⅱの④と同様の内容を発表した。[20分]
8 Doctrinal Authority and Innovation: Kaneko Daiei’s Transformation from Heretic to Hero口頭発表 2008-09-0012th International Conference of the European Association for Japanese Studies 昭和初期において、金子大栄の思想が問題視される発端となった著作の内容を紹介することを通して、教学的権威と進展の関係について考察した。金子が大谷大学での教授職と大谷派の僧籍を辞する経緯をたどり、『浄土の観念』の内容とその著について『中外日報』において展開された議論とを考察することによって、金子が後に教学的権威者となり得た要因の一つは、金子が聖教の言葉の絶対的権威を認めたことであったと論じた。[20分]
9 Innovation in the face of Doctrinal Authority: Kaneko Daiei’s Transformation from Heretic to Hero口頭発表 2009-04-00The Eastern Buddhist Society Public Symposium 金子大栄の生涯と思想を考察することによって、教学的権威に対する教学的進展を可能にする要素について考察した。昭和初期において、金子と当時の大谷派の教学的権威との衝突、そして、戦後における金子の復帰を、野々村直太郎の完全追放と比較することを通して、教学的進展の前提に、聖教の言葉の権威を認める態度が必要であると論じた。[25分]
10 A Double Take on History: The Degeneration of Buddhism and the Historicity of Salvation in the Kyōgyōshinshō口頭発表 2009-06-0014th Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 『教行信証』における親鸞の歴史観を紹介することによって、その二重性を指摘し、親鸞がどのように仏教の衰退を説く末法の教説を受け止めたかということを明らかにした。「総序」「教巻」「行巻」を考察することによって、親鸞が釈尊の出世に出発する本願実現の歴史を描いていることを示した上で、親鸞が、阿弥陀如来を釈尊の背景に据えることによって、末法の教説を本願開顕の契機として、その歴史の中に位置付けたことを論じた。[20分]
11 『教行信証』における親鸞の歴史観口頭発表 2009-09-00日本印度学仏教学会第60回学術大会 『教行信証』の「総序」と「化身土巻」の論述を対比させることによって、親鸞の思想における二重の歴史観の意義について考察した。一方では、親鸞が本願実現の歴史を強調するが、同時に、仏教の衰退を説く書物から引用している。この歴史の捉え方を、「悲喜の歴史観」と特徴付け、親鸞が末法を悲歎すべき事実として捉えたのみならず、本願による念仏の必要性を明確にする契機とも捉えたと論じた。[20分]
12 Shin Buddhism: Historical, Textual, and Interpretive Studiesの書評書評 2010-06-00H-Net Reviews Richard K. Payneの編集による論文集の内容を紹介し、批評した。浄土真宗について様々な角度から論考を展開している17編の論文の内容を要約し、考察した。[3000語]
13 生きる力を求めて―中村久子の世界―(Give Me the Power to Live: The World of Nakamura Hisako)翻訳 2011-04-00東本願寺出版部 若くして障害を負った中村久子の生涯と言葉を紹介する本を英訳した。中村が様々な出遇いを通して念仏の教えを聞く不可欠な機縁として障害を受け止めるようになった経緯を英語と日本語の両国語で叙述している本の英文を担当した。[207頁]
14 The Right Track for Preaching and Listening to the Dharma: A Consider- ation of Shinran’s Quotation of the Anleji in His Comment on the “True Disciple of the Buddha”口頭発表 2011-08-0015th Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 『教行信証』「信巻」真仏弟子釈における『安楽集』の引用文に注目し、その引用に際して親鸞が様々な工夫を施していることの意図について考察した。親鸞はこの引用において『安楽集』に散在している文章を「乃至」という語で繋ぎ、一連の文章として述べているということに注意することによって、引文の最初の部分に全体の主題が述べられていることを指摘し、親鸞はこの引用を通して真宗における聞思の姿勢とその実践の結果を表していると論じた。[20分]
15 Medicinal Metaphors in a Soteriology of Transformation: Shinran’s View of the Power of the Nenbutsu口頭発表 2011-08-0012th International Conference of the European Association for Japanese Studies 「宗教と癒やし」という部会のテーマを受けて、親鸞の『教行信証』における医療関連の譬喩を整理し紹介することによって、親鸞が念仏に見据える「転悪成徳」の用きがそのような譬喩によって表されていると論じた。鎌倉期において多くの仏者が呪術的力によって身体の病を治そうとしていた一方、親鸞がその救済論を表現する際、医療の譬喩を用いて念仏によってもたらされる精神的変革を説明しているということを指摘した。[25分]
16 The Ultimate Consummation of Mahayana Buddhism: From Birth in the Pure Land to the Path to Complete Nirvana翻訳 2011-12-00The Eastern Buddhist, volume 42, number 2 延塚知道の「大乗の至極―往生浄土から大般涅槃道へ―」という論文を英訳した。21頁[83頁~102頁]
17 The Problem of Merit Transference and the Kyōgyōshinshō翻訳 2011-12-00The Eastern Buddhist, volume 42, number 2 長谷正當の「『教行信証』と回向の問題」という論文を英訳した。11頁[103頁~113頁]
18 「如実修行相応」としての大行―鈴木大拙訳『教行信証』「行巻」管見―講演 2011-12-00親鸞仏教センター「英訳『教行信証』研究会」 鈴木大拙が英訳『教行信証』において「行」という文字をどのような言葉で翻訳されているかということを整理し、「信巻」に引用される『浄土論註』の讃嘆門釈における「如実修行相応」の英訳と照らし合わせることによって鈴木の独自な行理解の特質を示した。鈴木が捉える行は、「living」という訳語に示されているように現実に深く根ざした生活であったと論じたが、その理解と親鸞が提示した大行の一致不一致について更に考察が必要であるということも指摘した。[75分]
19 鈴木大拙訳『教行信証』「行巻」管見―「如実修行相応」の英訳を手掛かりに―講演録 2012-06-00『現代と親鸞』第24号(親鸞仏教センター) 上記Ⅲ-⑱を収録。36頁[(48)頁~(83)頁]
20 安田理深の僧伽論と同朋会運動の願い単著 2012-06-00『教化研究』第151号(真宗大谷派教学研究所) 短いエッセイにおいて安田理深の僧伽論と同朋会運動の関わりについて論じた。安田が僧伽の形成において重視した三帰依ということが、同朋会運動の帰敬式実施促進を裏付けている一方、安田自身は教団内の改革運動を厳しく批判している。本エッセイにおいてその批判の理由を探り、安田が見た真の共同体は人為的組織改編ではなく、法の用きのみによって実現されるから、批判を加えたと論じた。4頁[178頁~181頁]
21 The Advent of a Savior on Earth: Soga Ryōjin’s Discovery of a New Beginning for Amida Buddha口頭発表 2012-08-0011th Annual Conference of the European Association for the Study of Religions 「始まりと終わり」という大会のテーマに応答し、『大無量寿経』において法蔵菩薩が永遠の「兆載永劫」をかけて修行を続けていると言われることに着目した曽我量深が、その独自な法蔵菩薩論によって近代の阿弥陀仏の実在に対する疑惑を克服しようとしたと論じた。曽我が法蔵菩薩の物語を解釈することによって、当時において実証主義を重んじた知識人層が疑問視していた阿弥陀如来の新たな始まりを見出し、近代の念仏者の信心の主体として生き返らせたと論じた。[25分]
22 Liberation through the NEMBUTSU翻訳 2012-10-00『念仏の救い』(真宗大谷派宗務所出版部) 池田勇諦著の『念仏の救い』の三ヶ国語(日本語・英語・ポルトガル語)版における英語の部分の翻訳を担当した。59頁[1頁~58頁]
23 A Window on the Kyōgyōshinshō: Recent Discussions of the Tathāgata’s Two Types of Merit Transference in the Ōtani-ha講演 2013-02-00Institute of Buddhist Studies 2013 Winter Symposium 「伝統と自覚」というシンポジウムのテーマを受けて、親鸞が『教行信証』の論述の中軸に据えている二種回向の思想が具体的に真宗の求道においていかなる意味を持っているのかということを明確に示そうとした。近年、大谷派において展開されている親鸞の還相回向の捉え方についての議論を紹介することを通して、往相回向が信仰的自覚を可能にする如来の用きであり、還相回向がその自覚を促す伝統の教説であるとみることができると論じた。[60分]
24 A Translation of "Ōtani University’s Founding Spirit” by Sasaki Gesshō共訳 2013-03-31『真宗総合研究所研究紀要』第30号 佐々木月樵の「大谷大学樹立の精神」を、ロバート・ローズと井上尚実と共に翻訳した。
25 A Transformative Expression: The Role of the Name of Amituo Buddha in Daochuo’s Soteriology口頭発表 2013-06-0016th Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 道綽が念仏を呪文として理解したということを主張する英文の論文に対して批判をした。『安楽集』において道綽が語る「呪」が身体的病気の回復など仏果と無関係な結果のみをもたらすということを指摘し、その書物における念仏が、称える者に智慧をもたらすことによって成仏という目的に資するものとして語られていると論じ、道綽が念仏において呪文と次元を異にする用きを見ていたということを立証した。[30分]
26 The Role of the Doctrine of Mofa in Daochuo’s Thought口頭発表 2013-06-0023rd World Congress of Philosophy 道綽の思想における末法の教説の役割が従来、考えられてきたほど重要ではないということを論じた。『安楽集』における末法への言及を紹介した上で、道綽が聖道門の修行が時代の制約と関係なく、存在の法則(「法爾」)によって成じ難いと論じていることを指摘することによって、道綽が、浄土教が軽視されている時代においてその教えへと誘引するために末法の教説を傍証として取り入れたと論じた。[20分]
27 Dharmākara as the Subject, Not Object of Faith: The Reinterpretation of Amida’s Causal Phase in Modern Shin Thought口頭発表 2013-10-00International Symposium “Faith in Buddhism” 曽我量深の法蔵菩薩論において、通常の「信」の概念と異なって、法蔵菩薩が信の対象としてではなく、その主体として捉えられていることは、親鸞の信の捉え方への回帰と同時に、西洋の宗教と哲学の概念が近代日本の思想界へ流入したことへの応答でもあったということを論じた。曽我は法蔵菩薩を、西洋哲学用語の翻訳語である「主体」として捉えることによって、真宗の信を、疑問視されていた阿弥陀如来の客観的実在と別範疇に置くことができた。[25分]
28 The Incorporation and Development of Tanluan’s Thought on the Nianfo in Daochuo’s Anleji口頭発表 2014-08-0017th Congress of the International Association of Buddhist Studies 『安楽集』第二大門第三において道綽が曇鸞の論述に依拠して展開されている十一番の問答について考察することによって、道綽がどのように曇鸞の念仏思想を受容し展開したのかということを明らかにした。曇鸞の原文と『安楽集』の記述を比べることによって道綽が名号の上に救済の用きを見据え、その名号が智慧をもたらし、仏果へ進ませる能力を有していると論じた。それを通して当時、行われていた念仏批判へ応答しているということを論証した。[20分]
29 Shifting the Image of the Founder in the Ōtani-ha’s Doctrinal Studies: From the Shinran of the Tannishō to the Shinran of the Kyōgyōshinshō口頭発表 2014-08-0013th International Conference of the European Association for Japanese Studies 20世紀初頭から21世紀初頭までの間に、大谷派の教学において親鸞のイメージが、『歎異抄』に描かれている親鸞から、『教行信証』を著した親鸞へと移り変わったと論じた。明治末期・大正期に強い影響力をもった暁烏敏と近角常観の『歎異抄』解釈に見られる親鸞像を紹介した上で、20世紀を通して学界における親鸞像の変遷を経て、現代の教学において親鸞が主として坂東本『教行信証』の著者として捉えられるようになっているということを紹介した。[25分]
30 The Role of the Ālayavijñāna in Soga Ryōjin’s Reinterpretation of Dharmākara Bodhisattva口頭発表 2015-06-00Symposium: On Cultivating Spirituality: The Significance of Modern Shin Buddhist Thought in the History of Religions (大谷大学) 曽我量深の法蔵菩薩論について発表した。「如来表現の範疇としての三心観」における曽我の主張(「法蔵菩薩は阿頼耶識也」)について考察を加え、特にそのように論じた曽我の問題意識を明確にしようとした。[25分]
31 The Subject, Not Object, of Faith: Soga Ryōjin’s Reinterpretation of the Role of Dharmākara Bodhisattva in Shin Soteriology口頭発表 2015-08-0017th Conference of the International Association for Shin Buddhist Studies 曽我量深の初期から後期にかけての法蔵菩薩論を紹介し、それが近代日本に新しく構築された「主体」の概念とどのように関わったかを考察した。[25分]
32 阿修羅の琴と大行―親鸞と大拙の理解をめぐって―講演録 2016-03-00『現代と親鸞』第32号 英訳『教行信証』研究会において、鈴木大拙が親鸞の『教行信証』の英訳に際して、大行を独自に「Great Practice」として英訳したことについて考察した講演を収録した。鈴木の訳は、一面で親鸞が「行信」という語で指し示した念仏の信の内実を的確に言い表しているが、一面では、「Great Living」という語を使うことによって、親鸞が諸仏称名として大行を位置付けた意義が不明瞭になると論じた。[338頁~301頁]
33 Daochuo’s Creative Quotation Practices口頭発表 2016-05-00Symposium: The Buddha's Words and Their Interpretations (大谷大学) 『安楽集』において、道綽は経典を引用するに際して、多くの場合、原文に忠実に引くのではなく、独自な解釈を加え、言葉を変更して仏の言葉を引いている。本発表において、『安楽集』第一大門第四における『観仏三昧海経』の引用文を事例に、その独創的な引用法を紹介し、道綽が『無量寿経』と『観無量寿経』の意図に基づいて、『観仏三昧海経』の文章を練り直し、新たな意味を付与していると論じた。これを受けて、道綽が、『涅槃経』に釈尊の遺言として伝えられている「四依」の中に、「義に依りて語に依らざれ」という戒めと共に、「了義経に依りて、不了義経に依らざれ」という戒めを背景に、経典の文句を自由に書き変えたと論じた。[25分]
34 Faith and Inochi as Infinite Life翻訳 2016-06-00『The Eastern Buddhist』第45巻第1・2号 長谷正當の『浄土とは何か―親鸞の思索と土における超越―』から一章(「無量寿としてのいのちと信」)を英訳し、英文による訳者の序文をつけた。[275頁~297頁]
35 本願の仏教の基礎構築―「正信偈」道綽讃に聞く―講演録 2016-12-00『信道』二〇一五年度(真宗大谷派名古屋別院) 親鸞の「正信偈」において道綽が讃えられている箇所について考察することによって、親鸞がいかに道綽の教学的貢献を捉えたかを明らかにした。18頁[214頁~231頁]
36 Past Karma and Radical Responsibility in the Thought of Soga Ryōjin口頭発表 2017-03-00American Philosophical Association, Central Division Meeting 『歎異抄聴聞』を中心に、曽我量深の宿業論について発表した。曽我が宿業を運命論と区別し、それに対する自覚において、全世界との感応を見るとともに、全世界に対する責任を負うということを論じているということを紹介した。曽我の宿業論は、浄土教における倫理の捉え方に大切な示唆をもつと同時に、欧米において展開されている仏教倫理学にも大きく貢献できると論じた。[30分]
37 国際真宗学会参加報告学会参加報告 2017-03-00『親鸞教学』第108号 国際真宗学会の第17回大会への参加について報告した。
38 Soga Ryōjin’s Understanding of the Returning Aspect of Merit Transference口頭発表 2017-07-0018th Conference of the International Association for Shin Buddhist Studies 曾我量深師の還相回向論について発表した。近年、寺川俊昭氏や長谷正當氏をはじめとして、親鸞の思想における還相回向の捉え方が議論の争点となっているが、両氏は曾我量深師の還相回向論に言及し、対立している見解の根拠にしている。それを受けて、本論において、両氏の立ち場を紹介し、曽我師の中期の論考における両氏の論拠を紹介した上で、曽我師自身は還相回向を両氏が提示しない、自他分別を超えた自然の用きとして捉えたと論じた。[25分]
39 Soga Ryōjin’s Tannishō chōki口頭発表 2017-08-002nd Workshop on Tannishō Commentarial Materials (Otani University, Kyoto) 大谷大学の真宗総合研究所、龍谷大学の仏教文化研究センター、カリフォルニア大学バークレー校の東アジア研究所の共同研究プロジェクトの一部として開催された『歎異抄』注釈の翻訳研究ワークショップで、曾我量深師の『歎異抄聴記』の内容を紹介し、その意義について考察した。[30分]
40 Inverting the Flow of Time: Soga Ryōjin’s Grasp of Historicity and Potentiality in the Single Thought Moment of Faith口頭発表 2017-09-0014th International Conference of the European Association for Japanese Studies 曾我量深師の時間論について発表した。曾我師は、唯識の教学に基づいて、常識的な時間の流れ(過去から現在、そして未来へと進む方向)を逆にする独自な時間論を展開している。本発表において、曽我師の初期の論考から中期の論考に見られる時間論を確かめ、それがいかに曽我師の救済論に組み込まれているのかについて考察することを通して、曽我師が現在の信の一念において過去と未来の意義を変革する目覚めを見据えたと論証した。[25分]
41 『安楽集』第十二大門における『十往生経』の引用の意図について口頭発表 2017-10-27大谷学会 秋季研究発表会(大谷大学) 『安楽集』の最終章において、道綽が様々な行業を説く『十往生経』を引用した理由について考察した。一見して、この引用は、称名念仏の重要性を説いた道綽の立場に相応しくないように見えるが、道綽がその引用に元久されている種々の行業よりも、「無縁を観ず」という表現を重要視し、行者自身の能力への省察を促していると論じた。[30分]
42 Oneness and Separation in Japanese Buddhist Sensibility:
Suzuki Daisetsu’s Presentation of the Myōkōnin
口頭発表 2017-12-08Zen and Sufism in the Modern West(グラスゴー大学主催のシンポジウム) 禅とスフィズムが西洋に伝播されていった過程を考察するシンポジウムにて、鈴木大拙がいかに妙好人を紹介したかということについて発表した。鈴木の妙好人に関する和文著作と英文著作を比較することによって、西洋に発信する際に鈴木が西洋思想に合わせようと種々に語り方を工夫した一方、英文と和文の著作において、妙好人について一貫した中軸を曲げずに伝えたと論じた。[30分]
以上42点

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