教育研究業績の一覧

大艸 啓
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 各種勉強会・輪読会の実施 2013-04-00
~2016-08-00
大谷大学総合研究室において、「古代史料輪読会」(隔週)、「仏教文化研究会(大学院自主勉強会)」(毎週)、「日中文化往来研究会」(毎月)などの勉強会・輪読会を主催あるいは共催した。
2 個別発表とワークシートの実施 2013-09-00 ~ 1回生向けの演習授業において、次年度以降のゼミ演習の肩慣らしのために、受講生全員に個別発表を課すとともに、他者の発表に対する意見をワークシートに記入させた。ワークシートは毎回採点したうえで全員に返却し、独創的思考や文章表現の向上化、視野の多角化を図った。
3 フィールドワークの実施 2018-00-00 京都探究コースの開設にともなう関連授業において、学外へのフィールドワークを適宜実施した。
2018年度前期は鞍馬口方面(出雲路橋・上御霊神社など)、二条城方面(神泉苑・二条城・堀川など)、後期は御池方面(長州藩邸跡・本能寺・親鸞遷化地・御所八幡宮など)、京都御所へ赴き、その史跡の歴史や建造物の構造、周辺の景観などを実見しながら解説した。
4 京都の史跡紹介と事前調査 2018-00-00 ~ 京都探究コースの開設にともない、関連授業で活用するため、京都の史跡などを事前に調査した。授業時には、撮影画像を投影しながら、実見しなければ分からない点などを解説し、フィールドワークの重要性を可視的かつ体感的に学習できるよう工夫した。また、Googleのマップ・アース・ストリートビューなども適宜交え、土地勘のない学生にも理解しやすく講義するようにつとめた。
5 大谷大学内の散策 2018-00-00 尋源橋石柱や「知進守退」石碑など、学内に残された大学史の痕跡に関するクイズを出題し、グループに分かれた受講生に、ウォークラリー形式で学内を散策させた。これにより、本学の歩みや建学理念などを学ぶとともに、フィールドワークで見どころを発見する力を養う機会を提供した。
6 グループによるガイドブック作成 2018-00-00 ~ 京都探究コース関連授業において、グループワーク形式でガイドブックを作成させた。受講生が5~6人のグループに分かれ、テーマ・調査対象や方針を決め、フィールドワークをグループもしくは各自で実施したうえで、ガイドブックを編集・作成し、最終的にプレゼンするという流れである。アクティブラーニングの実践として、主体性・積極性を促す効果的な方法であると考える。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 「個別報告の手引」及び工具書等の一覧 2013-09-00 ~ 1回生向けの演習授業での個別発表のために、発表レジュメの見本と調べ方の手順を詳細に示した教材を作成した。また。日本史を研究する上で不可欠となる工具書(国語辞典・漢和辞典・日本史辞典・各種年表・便覧など)や史料の探し方・集め方に便利な索引・史料集などの一覧を作成し、学生の研究の便に資した。
2 ガイドブック見本『大谷大学周辺の歴史案内』の作成 2018-00-00 京都探究コースの開設にともなう関連授業において、受講生に京都に関するガイドブックの作成を課す授業を担当した。その見本として、『大谷大学周辺の歴史案内』というガイドブックを独自に作成し、受講生に配布した。
見本の内容は、古代~近世の出雲郷と近代の小山地域を取り上げ、今残されている過去の痕跡にも触れながら、京都の歴史の一端を紹介した。
3 ワークシート「足を使って大学史を学ぶ」 2018-00-00 上記A-1-5で、グループごとに課したクイズ形式のワークシート。学内に残る大学史の痕跡について10問出題した。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 第4回「学生のためのガクモン講座」での講演 2013-12-00 ~ 大谷大学総合研究室任期制助教主催の第4回ガクモン講座「学問は「面白い」か?!」において、歴史学分野の代表として「自分だけのプラモデル」という題目で講演を行った。歴史学の基礎である史料の収集・読解・整理という作業を、プラモデル作りに喩えて、学問することの面白味を学生に分かりやすく教示した。
2 教育研究報告書『響流』Vol.1~2の発行 2014-03-00
~2015-03-00
大谷大学任期制助教の総合研究室での教育研究の成果を『響流』としてまとめ、各種勉強会やガクモン講座などの活動内容を報告した(Vol.1は共編・共著、Vol.2は共編)。
3 東山高校での模擬授業 2018-00-00 産経新聞高校内進学相談会の高校2年生向けの模擬授業。史学担当として出講し、「京都の歴史と岡崎周辺地域」という題目で、パワーポイントに整理した画像を多用し、講義を行った。
B 職務実績
1 花園大学歴史博物館非常勤研究員 2008-04-00 花園大学歴史博物館における企画展「春日局ゆかりの寺 麟祥院展」の研究・企画展示と図録編集・図版解説執筆(D研究活動Ⅰ-1に同じ)、及び常設展での研究・企画展示。
2 大谷大学真宗総合研究所研究補助員 2009-04-00 ~ 親鸞聖人七百五十回御遠忌記念特別指定研究班、及び親鸞関係文献目録資料室において、「親鸞像の再構築」に関する研究会の開催、御遠忌記念論集の企画・編集、過去50年間の親鸞関係文献目録の作成などの業務に従事。
3 同朋大学仏教文化研究所での史料展示 2017-07-00 同朋大学仏教文化研究所における2017年度前期史料展示「お経のかたち―来て見てさわって仏教文化―」において、展示に関わる企画・研究・運営と図録編集・図版解説の執筆(D研究活動Ⅲ-1―16に同じ)などを行った。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 2006-12-00~0000-00-00 続日本紀研究会
2 2008-09-00~0000-00-00 大阪歴史学会
3 2008-12-00~0000-00-00 古代学協会
4 2010-11-00~0000-00-00 正倉院文書研究会
5 2011-12-00~0000-00-00 仏教史学会
6 2012-02-00~0000-00-00 真宗連合学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 『春日局ゆかりの寺 麟祥院展』共編著 2009-03-00花園大学歴史博物館 花園大学歴史博物館における2008年度春期企画展「春日局ゆかりの寺 麟祥院展」の展示図録及びその解説。妙心寺の塔頭である麟祥院は、徳川幕府第三代将軍家光の乳母である春日局の菩提寺でもあり、彼女にゆかりのある品々やその他多くの貴重な文化財を所蔵する。本図録では、近世絵画を中心に、悉皆調査によって確認された新出資料を含めて多数紹介した。
本人担当:作品番号19・28~32・34~37の解説
6頁(61頁~66頁)
共編者:福島恒徳、青江智洋、志水一行、共著者:青江智洋、志水一行
2 『奈良県祭り・行事調査報告書 奈良県の祭り・行事』共著 2009-03-00奈良県教育委員会 奈良県教育委員会が、奈良県内における民俗文化財の現況を把握するため、専門知識を有する学識経験者からなる調査委員会を組織した。この組織の調査員として、各祭り・行事の実施期日・組織・由来伝承・行事内容等を実地調査し、その成果を報告した。
本人担当:第三章の祭り・行事調査報告の(二)①の宇陀市菟田野区宇太・宇太水分神社の秋祭り、及び同章の(二十九)③の橿原市今井町・称念寺の報恩講
9頁(43頁~48頁、309頁~311頁)
編者:奈良県教育委員会
共著者:浦西勉、青江智洋、池田淳、今木義法、岩坂七雄、上田喜江、江藤弥生、往西美沙、荻野祐子、柿本雅美、勝部月子、鎌田久美子、岸田智史、岸田葉子、桑原英文、郡才三、迫田繁樹、角南聡一郎、樽井由紀、中上武二、長家理行、日浦義文、福井正浩、藤本愛、松田智弘、吉村旭輝
3 奈良時代の官人社会と仏教単著 2014-10-00法蔵館 Ⅱ学術論文の4を修正・加筆し、法蔵館の日本仏教史研究叢書として出版した。
243頁
以上3点
Ⅱ学術論文
1 『日本後紀』大同元年三月辛巳条の「璽并剣樻」に関する一考察単著 2010-09-00『歴史の広場』13号 平安時代初期に成立したレガリア渡御儀の本義について、初見史料である『日本後紀』大同元年三月辛巳条の「璽并剣樻」という記載が何を示すものかという問題を切り口に検討した。そして、行政的皇権の象徴たる大刀契がこれに当たり、この宝器の掌握を表象する意味が付与された儀礼であると結論付けた。
17頁(32頁~48頁)
2 写経生と仏教単著 2010-12-00『大谷大学大学院研究紀要』27号 東大寺に所在した写経所に出仕する官人(写経生)たちに焦点を当て、彼らが営んだ私的な仏事や信仰が国家仏教の影響によるものであることを指摘した。さらに写経生たちの社会的存在形態にも留意し、彼らによる仏教的営為が在地社会へ強い影響を与えたであろうことを明らかにし、仏教の浸透過程における彼らの重要性を呈示した。
29頁(75頁~103頁)
3 天平宝字四年の随求壇供単著 2012-03-00『佛敎史學研究』54巻2号 随求壇供とは、天平宝字4年(760)10月に行われたことが正倉院文書から判明する仏事供養であるが、これまでほとんど注目されてこなかった事業である。しかし、「随求壇所」という組織の性格や事業内容を詳しく検討すると、この事業は、王権・国家にとって極めて重要な施策であることが分かり、律令国家による仏教行政の諸相や当該期の政治・社会の情勢を知る上で、重要な研究素材になるであろうと指摘した。
30頁(1頁~30頁)
4 奈良時代の官人社会と仏教単著 2012-09-00学位(博士)請求論文(大谷大学) 2012年9月に大谷大学へ提出した学位請求論文。正倉院文書の活用により、古代仏教の国家から社会への影響過程を具体化することを試みた。奈良時代の写経所を中心とした官人社会に焦点を当て、僧尼との交流や仏教儀礼への奉仕など、写経所官人の仏教との関わり方を検討し、彼らが私的仏事を行い得る経緯として、官人社会が有意義な環境であったことを明確にした。
136頁
5 奈良時代浄土信仰論の再検討単著 2015-01-30『真宗研究』59輯 Ⅲ口頭発表・その他の10の内容を成文化した。
26頁(229~254頁)
6 平城京社会における寺院と住民単著 2015-03-18『大谷大学史学論究』20号 Ⅲ口頭発表・その他の5の内容を成文化した。
22頁(1~22頁)
7 三経義疏の書写記録と撰述伝承単著 2017-08-00『ヒストリア』第263号 学会発表のⅢ-1―14の内容を成文化した。
25頁(26~50頁)
以上7点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 平安期における「践祚」と「即位」について口頭発表 2008-11-00第28回花園大学史学会大会(於:花園大学) 古代天皇の皇位継承儀礼として、レガリア渡御を中心とした儀礼と、大極殿で行われる儀礼がある。それぞれが「践祚」・「即位」と区別して呼ばれるようになるには、儀礼自体が持つ意義の変化があり、その背景には天皇の権威化などの政治史的な展開過程が読み取れることを検討・報告した。質疑応答では、譲位儀礼との関係を重視すべきとの意見や、古墳上での儀礼との関係に関する質問などを受けた。
発表時間 40分
2 平安期における「践祚」と「即位」について口頭発表 2008-11-00大谷大学日本史の会11月例会(於:大谷大学) レガリア渡御を中心とする「践祚」と呼ばれる儀礼と、大極殿で行われる「即位」と呼ばれる儀礼について、それぞれが「践祚」「即位」と区別して呼ばれるようになる展開過程と、その歴史的背景を検証・報告した。質疑応答では、天皇の権威化に関する質問や、平安貴族の日記を丁寧に活用・分析する必要性、さらに、行論上での「践祚」「即位」の煩雑な概念操作は避けるべきなどの指摘を受けた。
発表時間 100分
3 春日局ゆかりの寺 麟祥院展

図録 2009-03-00花園大学歴史博物館 花園大学歴史博物館2008年度春期企画展「春日局ゆかりの寺 麟祥院展」の展示図録及び解説。妙心寺の塔頭である麟祥院は、徳川幕府第三代将軍家光の乳母である春日局の菩提寺でもあり、彼女にゆかりのある品々やその他多くの貴重な文化財を所蔵する。本図録では、近世絵画を中心に、悉皆調査で確認された新出資料を含めて多数紹介した。
本人担当:作品番号19・28~32・34~37の解説
6頁(61頁~66頁)
共著者:青江智洋、志水一行
4 奈良県の祭り・行事(奈良県祭り・行事調査報告書)調査報告書 2009-03-00奈良県教育委員会 奈良県教育委員会が、奈良県内における民俗文化財の現況を把握するため、専門知識を有する学識経験者からなる調査委員会を組織した。この組織の調査員として、各祭り・行事の実施期日・組織・由来伝承・行事内容等を実地調査し、その成果を報告した。
本人担当:第三章の(二)①、及び同章の(二十九)③
9頁(43頁~48頁、309頁~311頁)
編者:奈良県教育委員会
共著者:浦西勉、青江智洋、池田淳、(ほか22名)
5 天平宝字四年の随求壇供口頭発表 2010-09-00佛敎史學會9月例会(於:佛教大学) Ⅱ.学術論文の3の内容を口頭で報告した。
発表時間 120分
6 最近読んだ本 草野顕之著『親鸞の伝記―『御伝鈔』の世界―紹介 2011-11-00『歴史の広場』14号 親鸞の750回御遠忌を記念して刊行された本書は、『御伝鈔』によって親鸞の生涯を辿りながらも、『御伝鈔』に傾倒した従来の研究の問題点を指摘し、これまで疎外されてきた伝記・伝承の重要性を浮き彫りにしている。このような新しい研究方法の可能性が呈示されている点に、今後の親鸞伝研究に資するところが大きいであろうことを評論した。
5頁(63頁~67頁)
7 平城京社会における寺院と住民口頭発表 2013-07-00大谷大学日本史の会大会(於:大谷大学) 平城京内の多くの寺院の役割は、国家仏教的な側面だけでは説明できない。官営寺院をはじめとする多くの大小寺院には、周辺住民が参詣したり写経生としての出仕を依頼したりすることもあった。また、奈良時代後期には国家が都の寺々での実情を問題視していた。これらのことから、平城京寺院の多くは、王権・国家や貴族層のためだけのものではなく、一般住民たちにとっても身近な存在であったことを指摘した。
発表時間 40分
8 最近読んだ本 上場顕雄著『教如上人―その生涯と事績―』紹介 2013-07-00『歴史の広場』16号 東本願寺樹立の精神を語る必読の書として、教如四〇〇回忌に際して出版された本書を紹介した。教如の生涯・事績や本願寺の東西分派について、政治情勢だけでなく、彼の使命感や宗教的情熱、多くの門徒の存在とその願いにまで言及している点に、本書の特徴があると評した。
3頁(46~48頁)
9 平城京社会における寺院と住民 2013-07-00大谷大学日本史の会大会(於:大谷大学) 平城京内の多くの寺院には、周辺住民が参詣したり写経生としての出仕を依頼したりすることがあり、寺々への参集を国家が問題視する場合もあったことが窺える。これらのことから、平城京寺院の多くは、王権・国家や貴族層のためだけのものではなく、一般住民たちにとっても身近な存在であったことを指摘した。
発表時間 40分
10 正倉院文書に見える「供奉礼仏」について口頭発表 2013-10-00第32回正倉院文書研究会(於:大阪市立大学文化交流センター) 正倉院文書中の写経所帳簿に見える「供奉礼仏」という業務内容の実態について検討し、写経所官人の多くが仏教儀礼に関わった事実とその意義を論じた。多くの写経所官人は、国家的仏教信仰の影響をより受けやすい位置におり、在地社会における法会のあり方が中央の影響によるものである可能性を呈示した。
発表時間 50分
11 造東大寺司における官人社会―「阿弥陀悔過知識交名」に見る―口頭発表 2013-11-002013年度佛敎史學會学術大会(於:龍谷大学) 造東大寺司における官人社会の構造を総体的に把握し、その特質や意義を明らかにすることを目的として、正倉院文書中に現存する「阿弥陀悔過知識交名」の分析を行った。そして、造東大寺司を媒介とする官人社会は、仏教受容の問題をはじめ、国家と社会との相関関係における文化交流の促進という面で、極めて重要な意義を担っていたことを指摘した。
発表時間 40分
12 奈良時代の寺院と都市社会口頭発表 2013-11-00第33回花園大学史学会大会(於:花園大学) 現在の人々が奈良時代の平城京寺院に対して懐く印象は、王権や貴族のためのもので、豪華絢爛なイメージである場合が多い。しかし、一般の京住民たちがこれを敷居の高いものとして仰ぎ見ていたわけではなく、個人的な祈りを捧げに参詣する場として、人々に心の拠り所にもなっていたこと、その背景には様々な都市問題の噴出があり、これによる信仰的要求の高まりが想定できることなどを指摘した。
発表時間 40分
13 奈良時代浄土信仰論の再検討口頭発表 2014-06-00真宗連合学会第61回大会(於:仁愛大学) 奈良時代の浄土信仰に関する研究の問題点を指摘したうえで、正倉院文書の活用方法を提示し、新たな研究の方向性と可能性を指摘した。正倉院文書から窺える浄土教典籍の伝来・流布状況や個別写経の事例などは、当時の教学・信仰の内実を探るうえで極めて重要である。このため、これらを総括的に検討することが、日本浄土教史における奈良時代の位置づけを明確にする方法として有効であると主張した。
14 正倉院の知られざる至宝―正倉院文書に見る都の暮らし―公開講座 2014-06-00大谷大学生涯学習講座(紫明講座、於:大谷大学) 第1回:正倉院宝物と正倉院文書(6月23日)
 Ⅰ.正倉院の概要/Ⅱ.正倉院のなかの文字史料/Ⅲ.正倉院文書/Ⅳ.正倉院文書からわかること
第2回:下級役人たちの日々―仕事と生活―(6月30日)
 Ⅰ.造東大寺司写経所の組織と運営/Ⅱ.写経所での労働/Ⅲ.写経生たちの生きざま
第3回:正倉院文書から見た仏教の普及(7月7日)
 Ⅰ.これまでの奈良時代仏教史像/Ⅱ.仏教行政と下級役人たち/Ⅲ.写経生たちの私的な仏事/Ⅳ.平城京寺院と周辺住民
15 正倉院文書から見た浄土信仰口頭発表 2015-03-00大谷大学日本史の会3月例会(於:大谷大学) 正倉院文書に見える浄土教典籍のうち、一切経ではない個別写経の事例を抽出し、そこから窺える使用目的や発願者、そしてその背景を考察した。県犬養三千代・光明子・孝謙という三代にわたる女性によって継承された浄土信仰が存在し、それは血統意識が強く反映した信仰であり、後世の浄土信仰とは一線を画するべきものであることを論じた。
発表時間 120分

16 三経義疏の展開口頭発表 2016-03-00続日本紀研究会3月例会(於:アウィーナ大阪) 聖徳太子の事績伝承のうち、三経義疏撰述伝承がいつ頃まで遡りうるのか、また天平期における法隆寺や僧行信による太子顕彰の情勢と如何に関係するのかを追究した。手がかりとして、正倉院文書に見える三経義疏(主に法華義疏)の書写記録を丹念に検討した。結論として、撰述伝承は行信によって創作されたのではなく、7世紀末~8世紀初まで遡る可能性があることなどを指摘した。
発表時間 150分
17 書評 山本幸男『奈良朝仏教史攷』書評 2016-03-00『仏教史学研究』第58巻第2号 本書は、日本古代仏教の歴史的実像を多角的視野から明らかにしたものである。本評では、その内容を紹介するとともに、その特徴として、正倉院文書からしか分からない事実と仏教学的成果を合わせ、充実した仏教史像を描いていること、また、信仰史的側面の検討方法に課題があることなどを評論した。
10頁(26~35頁)
18 お経のかたち―来て見てさわって仏教文化―図録 2017-07-00同朋大学仏教文化研究所 同朋大学仏教文化研究所2017年度前期史料展示「お経のかたち―来て見てさわって仏教文化―」の展示図録。お経が日本に伝来して以降、その書誌学的形態がどのような変遷をたどったのか、また、その伝統的側面が真宗仏事で拝読される経本や声明本などにどのように根付いて残されているのかを展観し、その展示品について解説した。
本人担当:作品番号1~18の解説、及び用語解説
6頁(1頁~6頁)
19 最近読んだ本 佛教史学会編『仏教史研究ハンドブック』紹介 2018-03-00大谷大学日本史の会 本書は、仏教史をこころざす初学者に向けて、インド・アジア諸国・中国・朝鮮・日本など幅広い地域の仏教の歩みを網羅的に概観し、かつ主要テーマごとの最新の研究状況と重要な論点・課題点をまとめた研究入門書である。歴史学だけでなく、仏教学をはじめ他の分野においても利便性のある書として紹介した。
20 明治初期の吉野川分水計画と東本願寺―関係史料の紹介―口頭発表 2019-03-00大谷大学日本史の会3月例会 京都市下京区に所在する長覚寺(真宗大谷派)が所蔵する史料のうち、吉野川分水計画に関する文書13点と絵図面4点がある。これらは、明治初期において上記の計画に東本願寺関係者が関与していたことが窺え、興味深い内容を含むものとして史料紹介を行った。近世の治水や河川普請の事例についてや商人の動向、また当該期の東本願寺の動向などについて、多くの教示を得た。とくに、動乱期の東本願寺内部の動きや各方面への対処のあり方について、これまで全く知られていないであろう様々な問題を浮き彫りにできる可能性があることも、本報告によって知ることができた。
発表時間:120分
以上20点

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