教育研究業績の一覧

西村 美紀
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 シェットランド教育委員会におけるFuture Teaching and Learning プロジェクト 2003-10-00
~2004-03-00
スコットランド教育省・シェットランド教育委員会のプロジェクトにおいて、コーディネーターとして、ビデオ会議、電子ホワイトボード、ウェブサイトなどを利用し、高等学校における数学、歴史、外国語の授業を海外(日本、南アフリカ、ドイツ)の高等学校のクラスとともに教育、学習する方法を開発、発展させた。2003年10月-2004年3月
2 「教育課程論」 2007-04-00
~2013-09-00
「教育課程論」(種智院大学・奈良女子大学非常勤)の授業において、資料・レジュメを作成し、学生に配布・携帯させている。日本の教育課程のみでなく、海外の教育課程・教育実践について実際に観察してきた内容を反映させ、紹介した。また、当該授業について学んだことを毎回感想として学生に書いてもらい、フィードバックしている。2007年4月から2013年9月まで。

3 幼児教育・保育課程論 2008-10-00 ~ カリキュラムの原理に関する理論と類型について、視聴覚教材(事例のDVD)を利用し、そのカリキュラム類型の課題について、グループディスカッションを通して理解を深めている。また、発達過程、学年ごとの月案や週案の作成(個別の指導計画とクラスごとの指導計画)へ向けた段階的な課題を用意し、個人またはグループごとに話し合いをしながら記入させ、添削をし、返却している。
また毎回、ミニッツを記入させ、質問については全体に共有し、次週に回答するようにしている。
4 教育方法論(視聴覚教育) 2013-10-00 ~ 自由遊び、生活活動、行事活動、課題活動、プロジェクト活動の場面を描いた事例を取りあげ、4名程度の小グループで話し合う「協同学習」の手法によって検討し、幼児教育の方法、環境構成、配慮事項について考えるようにしている。授業中は記入シートに記入し、それをクラス全体でまとめたのち、返却し、各自でレポート作成を通して確認するようにしている。
また毎回、ミニッツを記入させ、質問については全体に共有し、次週に回答するようにしている。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 Learning School 用 研究方法論についての教材 2004-09-00 Learning School の参加者(17歳から20歳、多国籍グループ)が、学校において研究を行う際に必要な研究方法についての教材を作成し、それを利用して指導した。
2 教科書・テキスト制作への参加 2013-02-20 『保育・教職実践演習ー保育者に求められる保育実践力ー』(小原敏郎、義永睦子、神蔵幸子共編、建帛社)において「Ⅲ 実践・演習編 事例4子どもの思いの理解と保育者の願い」を担当し、演習事例を提示し、解説を付した。
3 教科書・テキスト制作への参加 2013-02-20 『教育原理ー保育の基盤を確かなものにするために』(戸江茂博編、あいり出版)において、「第4章 教育の内容と方法 1.教育の内容と教育課程の基礎」(77-88頁)を担当した。
4 教科書・テキスト制作への参加 2013-03-00 『実践を創造する幼児教育の方法』(豊田和子編、みらい)において、「第6章 異文化理解教育の方法・技術」(123−131頁)を担当した。
5 教科書・テキスト作成への参加 2013-03-21 『保育内容総論ー保育所・幼稚園の保育内容の総合的理解と実践の探求』
6 教科書・テキスト制作への参加 2014-07-16 『子どものいまとみらいを考える 教育課程・保育家庭論』(田中亨胤、三宅茂夫編、みらい)において、「第10章幼稚園における指導計画作成の実際」を担当した。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 シェットランドの小学校における総合学習「Japan Study」担当 2001-11-00
~2004-03-00
英国シェットランド教育委員会の要請で、小学校高学年における総合学習「Japan Study」の客員教員として計3つの学校に週1回3週間で特別体験授業を行い児童の研究活動を指導した。2001年11月・2004年2-3月
2 Learning School アカデミックサポート

2004-09-00
~2006-08-00
上記2に関連して、2004年度(9月始まり年度)には2週間の集中講座として、17歳から20歳の高校生や大学生を対象にした研究方法論を指導した。2005年度(9月始まり年度)には、プロジェクト参加者のリーダーである23歳のイギリス人4名に対して、研究方法論とプロジェクト参加生徒たちへの指導方法を講義、ディスカッションした。2004年9月-2006年8月
3 奈良女子大学 海外教育実習 2005-04-00
~2005-09-00
奈良女子大学教育文化情報学講座学生(希望者)対象に、英国の小学校における教育実習を企画、調整、指導(引率)した。2005年4月および9月
B 職務実績
1 短期大学部幼児教育保育科 学科主任 0000-00-00 幼児教育保育科の学科主任として、学科会議の開催、学科での諸問題の解決、次年度のカリキュラム作成等の学科運営や、新教育学部幼児教育コースの計画や申請準備などに取り組んでいる
2 奈良女子大学と英国レスター大学 大学間協定調整 2005-09-00
~2006-07-00
2004年からスタートした、大学研究者との共同研究を基盤として、大学間協定締結へのレスター大学側教員・国際課担当者等との連絡調整をおこなった。(2006年7月締結)2005年9月-2006年7月
3 教育学部教育学科幼児教育コース主任 2022-04-01
~2023-03-31
コースごとに主任を置くこととなり、幼児教育コースの主任として、コース会議、カリキュラムなど、幼児教育コースの運営にあたった。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1998-06-00~0000-00-00 日本教育学会会員
2 1998-06-00~0000-00-00 関西教育学会会員
3 2004-06-00~0000-00-00 異文化間教育学会会員
4 2007-00-00~0000-00-00 日本デューイ学会会員
5 2008-00-00~0000-00-00 奈良市立小中学校通学区域検討委員会委員奈良市立小学校および中学校において、大型住宅地建設や高齢化などによって人口が大幅に増減した場合、通学区域を検討するため置かれている委員会において、教育学の立場から委員をつとめている。
6 2009-00-00~0000-00-00 日本保育学会会員
7 2009-08-23~2009-08-29 京都FD開発推進センター2009年度夏季海外視察参加文部科学省「戦略的大学連携支援事業」により、コンソーシアム京都が取り組む「地域内大学連携によるFDの包括研究と共通プログラム開発・組織的運用システムの確立」プロジェクトとして解説された京都FD開発推進センターの取り組みの一つとして、2009年度に行われた海外視察に参加し、オーストラリア(シドニーとメルボルン)にて、キーパッド社、ウェスタンシドニー大学、シドニー大学、メルボルン大学高等教育研究センターを訪問した。
8 2011-06-00~2014-05-00 全国保育士養成協議会 専門委員本学が会員である指定保育士養成施設の団体、一般社団法人全国保育士養成協議会において、保育士養成に関する調査研究を行う専門委員会に委員(近畿ブロック(京滋奈)代表)として参加。「指定保育士養成施設教員の実態に関する調査」および「保育者の専門性についての調査」の二つの研究に参加し、報告書作成、全国セミナーや近畿ブロックの研修会等で報告・発表などの業務を行った。
9 2011-06-00~2014-05-00 「保育士養成研究」査読委員全国保育士養成協議会が出版していた研究紀要「保育士養成研究」の査読を担当した。
10 2012-04-00~2013-03-00 FDフォーラム企画検討ワーキンググループ京都FDが毎年おこなっているFDフォーラムの企画検討WGとして、2013年2月23日、24日に行われたFDフォーラムの企画運営に携わった。とくに、23日(土)シンポジウム①の司会および24日(日)第7分科会の企画運営司会を担当した。
11 2018-04-00~0000-00-00 京都市保育園連盟 キャリアアップ講座講師 保育士の処遇改善にむけての国の取り組みをうけて、同連盟が企画運営する講座の講師として、幼児教育分野、乳児保育分野を担当。
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 Self-evaluation in the Global Classroom共編著 2003-09-02Routledge, London, UK 国際高等学校提携、GlobalClassroom Partnershipの提携学校における生徒の声を利用した学校自己評価プロジェクトThe Learning Schoolの活動について多角的に描写している。Student Researchersの日々の活動と異文化経験、彼らの利用している研究方法論、研究内容、提携学校やその他の教師、教育学者等のコメント、研究結果の抜粋等を最初の3年間の活動から解説している。本人の担当した箇所では、Learning Schoolの生徒たちが各国の教育と学習を理解する際に利用した研究方法論についてとその研究結果の一部である。共編著者:John MacBeath, Stewart Hay, Gregor Sutherland, Miki Nishimura
[総ページ数 256頁]
[本人担当 
Chapter 3 Tools for schools(pp.27-35)
Chapter 10 Subjects, Subjects, Subjects (pp.98-109)
Chapter 12 Who do you learn most from? (pp.116-124)]
2 教育の根源―人間形成の原理を問う―共著 2010-10-30晃洋書房 第三章「教育と異文化―「文化」観転換による異文化理解教育の可能性―」において、広義の「教育」を「文化化」として捉える視点から文化の間に生きる子どもたちの生の在り様を考察し、それが集団文化そのものの変容過程と相似することを確認した。また文化を固定的本質的概念としてではなく、動的概念としてデューイの経験論の立場から再解釈することで、二次的文化化や文化変容の過程が成長や発展につながるためには、その環境要因である多様な力関係等のコントロールを含んだ知性的探究が必要であることを述べた。
編著者:川村覚昭、
共著者:田中久美子、西村美紀、矢野のり子、山内清郎、谷口奈青理、大野僚、脇中洋、高山芳治、望月謙二、井上摩紀、関口敏美、細谷僚一。
[総ページ数256頁]
[本人担当35ー49頁 第3章 教育と異文化ー「文化」観転換による異文化理解教育の可能性ー]             
3 実践を創造する幼児教育の方法共著 2013-03-00みらい 幼稚園教諭養成および幼稚園教諭むけテキストとして編集された本書において、人間形成における文化の役割や異文化接触、そして異文化理解の教育学的意義について論じ、外国籍の子どもたちを含むクラスにおける幼児教育の方法理論として、アコモデーションとアンチ・バイアスカリキュラムの視点から具体的に解説している。 
編著者:豊田和子
共著者:岡林恭子、影浦紀子、北川剛司、北島信子、杉山直子、田口鉄久、西村美紀、渡邉眞依子。
[総ページ数 183頁]
[本人担当 123-131頁 第6章 異文化理解教育の方法・技術]  
4 子どものいまとみらいを考える 教育課程・保育課程論共著 2014-07-16みらい 教育課程・指導計画の制度や幼稚園教育要領における位置付けについて解説したのち、典型的な幼稚園における子どもの生活について述べている。また預かり保育が増えている現状を踏まえ、教育課程にかかる教育時間外の教育活動(早朝保育や午後の預かり保育)での配慮事項について解説した。また、幼児教育の形態の多様性、長期と短期の指導計画を作成する際の留意事項、PDCAサイクルによる保育の質向上のプロセスについて論じた。
編者:田中亨胤、三宅茂夫。
共著者:朝比奈洋子、井原忠郷、大岩みちの、柏まり、加藤智、小林みどり、斎藤智子、佐藤和順、柴田智世、鈴木恒一、多田琴子、田中卓也、丁子かおる、西村美紀、福山多江子、矢野正、和田真由美。
[総ページ数 287頁]
[本人担当 124—131頁 第10章幼稚園における指導計画作成の実際]

5 教育課程・保育課程論共著 2016-02-00中央法規出版 「第3講 教育課程・保育課程の編成、児童福祉施設の計画」のうち、幼稚園・保育所・認定こども園の課程編成についてを担当した。ここでは、主に幼稚園や保育所・幼保連携型認定こども園における教育課程・保育課程について、それぞれの制度的な枠組みについて整理し、解説した。
また、コラムとして昨今ニーズとともに利用者が増えている預かり保育について記載した。
編者:千葉武夫、那須信樹
共著者:石井章仁、井上孝之、碓氷ゆかり、遠藤純子、大森弘子、小櫃智子、オムリ慶子、柏まり、小山麻子、千葉武夫、那須信樹、西村美紀、野中千都、波田埜英治、古橋紗人子、安氏洋子、山口宗兼、吉岡眞知子、和田明人

[総頁数 217頁][本人担当 26-31頁、36頁]
6 教育・保育カリキュラム論共著 2019-02-00中央法規出版 「第5講 幼稚園の教育課程の編成の基本原理と方法」を担当した。その中で、法令や幼稚園教育要領におけるカリキュラム構造について解説し、カリキュラム・マネジメントの意義と保育の質向上へ向けた改善を実現する組織のあり方について論じた。
編者:千葉武夫、那須信樹
共著者:碓氷ゆかり、小櫃智子、小山麻子、千葉武夫、寺地亜衣子、徳永聖子、那須信樹、西村美紀、野中千都、波田埜英治、堀科、矢野景子、山口宗兼、山下文一、吉岡眞知子、和田明人

[総頁数 230頁][本人担当 50~60頁]
以上6点
Ⅱ学術論文
1 W.H.キルパトリックにおける民主主義の教育と興味中心の教育単著 2000-02-00人間形成と文化:奈良女子大学教育文化情報学講座年報/奈良女子大学文学部人間行動科学科教育文化情報学講座 第3号 W.H.キルパトリックの興味中心の教育を理解する際に、生き方の理想としての「民主主義」の概念を導入することによって、彼の興味論が社会化原理か個性化原理かではなく、社会と個人を結びつけるための教育方法論としての探求であったことを解明した。
15頁(p.169-p.184)
2 W.H.キルパトリックの教材観―興味論の展開その(1)―単著 2000-06-00関西教育学会紀要第24号 W.H.キルパトリックの教育理論には教材論がないと言われ続けたが、彼の「教材」観そのものが、学習の援助となる素材と理解されるのであり、教材の意味を否定したのではなく、教材を学習者の学習過程から切り離して固定することに疑問を投げかけていることを彼の興味論の展開から探究した。
下記、その他1関西教育学会発表(1999)の内容に基づく。
5頁(p.76-p.80)
3 Understanding the self in a year-long intercultural educational project: a case study of Sophie in the Learning School単著 2005-03-00奈良女子大学文学部研究教育年報 創刊号(第1号) Learning Schoolプロジェクトに参加したスウェーデン人の高校生をケースとし、1年間の経験と彼女の自己概念の発達について、構築主義的研究方法論によって分析した。異文化接触によって、彼女が重要としていた「HOME」の概念の変化を契機として、自己の再発見の過程を明らかにした。
15頁(p.123-p.137)
4 特別活動と教科学習の関連性構築に関する一考察 ――スコットランドにおける知性的探究の事例から――単著 2005-03-00人間形成と文化:奈良女子大学教育文化情報学講座年報/奈良女子大学文学部人間行動科学科教育文化情報学講座 第6号 特別活動と各教科・科目の関連性のあり方について、デューイの経験の概念を参考とし考察した。その際、スコットランドにおける事例を分析し、デューイのいう「一つの経験」として「単一の質」をもった学習過程の構築について検討を試みた。
12頁(p.37-p.48)
5 Intercultural Experience and Self-Identity: a case study of an international pupil researcher単著 2005-03-00人間形成と文化:奈良女子大学教育文化情報学講座年報/奈良女子大学文学部人間行動科学科教育文化情報学講座 第6号 Learning School プロジェクトに参加した日本人男子学生について、活動当初に収集したデータ分析とともに、帰国後収集したデータとともに、彼の経験理解の深化と自己アイデンティティの発展の過程をケーススタディーとして探究した。
下記 その他2のシンポジウム(2005)の内容に基づく。
20頁(p.85-p.104)

6 特別活動における<生活=学習>プロセスの再検討――W.H.キルパトリック「プロジェクト・メソッド」の教育理論を通して――単著 2008-06-00大谷大学教職支援センター研究紀要第3号 学習者と環境の不可分の関係性の中で、集団の中で「目的」「計画」「実行」「反省」という4つのプロセスを学習者自身が主体的に行うとする教育方法「プロジェクト・メソッド」は、学習者に自らの生活と学習が結びついていることを自覚させることを求めていた。このような学習の方法は、児童の主体的学習を中心概念に持つ特別活動が学習活動として成立する条件を示唆している。
[頁数 17頁(199−215頁)]
7 イングランドの小学校における幼児教育課程と学習評価単著 2009-03-00大谷大学短期大学部幼児教育保育科研究紀要第10号 イングランドの小学校には、Foundationコースがあり、3歳児・4歳児がこのクラスで幼児教育を受けている。このコースにおいてもナショナル・カリキュラムによって、教育課程が規定されており、学習評価についてもカテゴリーと段階をあわせると117の評価基準を持つ。このような細分化された評価基準によって、カリキュラムは過密になり、教師の子ども理解が要素論的理解に偏りがちであることを、平成20年10月に行った現地調査から明らかにしている。なおこの現地調査は、科学研究費補助金(若手研究B)に拠っている。
[ 頁数 10頁(23−33頁)]
8 教員の資質形成過程に関する一研究―異文化における教育実習の理論と課程―単著 2010-03-00人間形成と文化:奈良女子大学教育文化情報学講座年報/奈良女子大学文学部人間行動科学科教育文化情報学講座 第7号 奈良女子大学大学院生の参加したスコットランドにおける教育実習を事例とし、インターカルチュラル・コンピテンスの形成過程について論じた。文化的背景に気付きにくい環境から飛び出し、自身がまさに異文化であると感じられる環境で「意味」を形成していくプロセスは、文化へのスタンスの深まりとともに、自身の子ども観や教育観といった価値観の深まりへとつながる契機となることを明らかにした。
[ 頁数 11頁(221-231頁)]
9 「プロジェクト・メソッド」の幼児教育への展開ー遊びを通した指導に着目してー単著 2017-03-00大谷大学教職支援センター研究紀要第6号 本論では、遊びの原理について矢野智司や山田敏の「生成としての遊び」論から展開し、「遊びを通した指導」に内在する課題を提示した。そして、この課題に対応する方法論の一つとしてプロジェクト活動を取り上げ、W.H.キルパトリックの「プロジェクトメソッド」(1918)から、その原理と方法について述べた。また、プロジェクト・メソッドにおける教材論の捉え方から、幼児教育において「遊び」と「指導」、体験的学びを系統的学びへ結びつける手だてについて論じた。[頁未定]
10 プロジェクト保育の理論と方法単著 2018-03-10大谷大学短期大学部幼児教育保育科研究紀要第19号 本論ではまず、プロジェクト保育の思想的源流の一つであるW.H.キルパトリックの「プロジェクト・メソッド」において論じられている活動主体である子ども自身の「目的」について論じ、子ども自身が主導して進める活動の意義について触れた。その上で、プロジェクト・アプローチ(レッジョ・エミリア市)において重視されている「子どもの理論」の重要性を、この子ども主導という観点で解釈し、乳幼児教育における「遊び」と基盤を同じくすることを示した。さらに、乳児期における前プロジェクト活動とでもいうべき実践事例を取り上げ、保育者が子ども同士をイメージの共有でつなげていくことで、子ども主導の活動を展開していく姿を紹介し、プロジェクト保育の展開方法について述べた。
11 プロジェクト保育における教材観単著 2021-03-18大谷大学乳幼児教育学会研究紀要 子どもたちがアクティブにテーマにそって活動する多様な種類の保育活動の中で、保育者が活動の展開をあらかじめ決めてしまい、そこに向けて子どもたちを導くのではなく、子供達自身が主導する保育は、ややもすると活動主義、体験主義に陥ってしまい、成長に結びつくものにならないケースも報告される。それを避け、保育の質向上を目指すために、キルパトリックの教材に関する諸概念を整理することで、子ども理解と活動の予想の両面を丁寧に連続的に行っていくことの重要性について論じた。
[総頁数93ページ]
[本人担当43-48ページ]
以上11点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 W.H.キルパトリックの教材観―興味論の展開その(1)―個人研究発表 1999-11-07関西教育学会 第51回大阪市立大学大会 W.H.キルパトリックの教育理論には教材論」がないという批判がなされる。確かに,学習者の興味を中心として学習のプロセスをとらえ,そこには学問体系から構成したような教材論は見られない。しかし,彼は教材を学習を援助するもの,環境そのものととらえたのである。本発表ではキルパトリック興味論の展開としての教材観について述べた。(発表時間20分,質疑10分)
2 Intercultural experience and self-identity: a case study of an international pupil researcherシンポジウム中での提言 2005-01-04International Congress for School Effectiveness and Improvement
バルセロナ大会
修士論文において研究した個人ケースの1人である日本人の参加者について、参加者の海外における活動中のデータから分析したものを第一段階、帰国後1年半後に行った1時間あまりのインタビューから得たデータを分析したものを第二段階として、この生徒の成長を追った。ここでは、いかに彼の中で「言語」(日本語と英語)が彼の世界観とアイデンティティによって重要な位置を占めているのかについて解明した。(シンポジウム全体時間75分(発表時間60分,質疑15分)担当発表時間12分)
3 教員養成における異文化体験―奈良女子大学海外教育実習参加者の体験から-個人研究発表 2006-06-04異文化間教育学会 第27回関西大学大会

奈良女子大学において行った海外教育実習に参加した教員志望学生の経験を事例として、海外経験と教員の資質向上について論じた。(発表時間20分,質疑10分)
4 イングランドにおける多文化教育―― レスター市の小学校における実践から ――研究ノート 2007-03-15種智院大学研究紀要第9号 イングランド・レスター市の公立小学校において行う調査研究に関する研究ノートであり、90%を超える子どもたちがマイノリティのイスラム系,教師のほぼ100%がマジョリティの白人(イングランド人ないしヨーロッパ系)である環境で,イングランド政府のNational Curriculumに則った教育がおこなわれているメイフラワー小学校において,児童、教師,保護者がどのようにそれぞれの文化的アイデンティティ・文化的価値観を培っていくのかについて,来年度調査研究を計画している。調査の目的,方法等について述べている。
65-73頁
5 The DIAL Project: Dialogue, Innovation, Achievement, Learning
Sharing, Developing and Spreading Good Practice (Report of second stage of research, May-August 2006)
国際共同研究報告書 2007-06-00国際共同研究DIALプロジェクト 2004年から続いている共同研究において,日本と英国の幼稚園・小学校における学習・コミュニケーションのあり方について比較研究を行ってきた。本報告書は,2006年5月から8月に大和郡山市教育委員会およびレスター市教育委員会の協力で行われた調査研究に基づいて,日本の幼小においては,家庭でのインフォーマルなコミュニケーションを集団の中で通じるフォーマルなものとしていく過程が観察されたのに対し,イギリスにおいては,個人主義的発想によって,フォーマルなコミュニケーションの学習が十分になされていないことが見られた。総頁数23頁
6 J.スチュワードの文化進化論――J.デューイの文化成長論との対比において――個人研究発表 2007-10-20日本デューイ学会第51回研究大会 文化人類学の立場から、文化の進化について、「多系進化」という視点を提出したスチュワードの文化変化観について、その影響するものとされるものという二元論的限界を示し、デューイの成長論にみられる一元的文化観から文化間関係および文化変化の新しい理解の可能性について発表した。
(発表時間20分,質疑10分)
7 ジョン・デューイの文化成長論―歴史・生・文化の構造的解明を通して―口頭発表 2009-10-03日本デューイ学会第53回研究大会 多文化主義論(リベラル・マルティカルチュラリズムおよびクリティカル・マルティカルチュラリズム)にたいして、デューイの経験論、成長論から「文化」理解の捉えなおしを試みた。その中では、「文化」をめぐる問題解決において、いかにそれを担う人々や共同体が成長したのか、そのプロセスそのものを文化実践として捉える視点が、クリティカル・マルティカルチュラリズムの取り組む戦略的文化本質主義を契機とした文化の問い直しに示唆的であることを論じた。
[ 発表時間20分、質疑10分]
8 オーストラリア視察報告 ウェスタンシドニー大学 2009-12-00『2009年度夏季海外視察報告書』京都FD開発推進センター 2009年8月23日~29日に行われたオーストラリア(シドニー・メルボルン)視察において訪れたウェスタンシドニー大学での授業参観と授業担当者へのインタビューを報告したもの。キーパッド社のレスポンスシステムを利用したサイエンスの授業事例を通して、レスポンス・システムの可能性と課題、テクノロジーの利用は目的ではなく、あくまで手段であり、利用するテクノロジーの特徴をよく知り、手段として適切であるのかを検証しながら利用すべきであることをまとめた。
[55-60頁]
9 イングランドの幼児教育における探究力形成に関する一研究口頭発表 2010-02-27日本デューイ学会関西地区例会 イングランド、リバプール市の小学校の幼児教育課程におけるフィールド調査より、幼児の探究力形成の可能性について考察した。観察およびインタビューでは教師からの発案によるトピック学習と、子どもたち自身の興味関心から始まる活動が見られたが、教師自身も後者の活動における学びの可能性を感じていた。またEduCareとして子どもたち一人ひとりの生活を中心とした教育と福祉の融合が不可欠とされているが、この教師が子どもの生活に目を向けることによって、子ども理解の深まり、上記のような子どもの興味関心から始まる活動の展開がより豊かなものとなる可能性があることについて論じた。
[ 発表時間60分 質疑30分]
10 イングランドの多文化教育ー小学校における文化的ヒドゥンカリキュラムー科学研究費補助金研究結果報告書 2010-06-00科学研究費補助金若手研究(B)2008−2009年度課題番号20730537 本研究においては、イングランドの多文化状況における小学校内におかれている幼児教育課程に焦点を当て、要素論的子ども理解や評価に基づいた教師主導の学習活動が中心となった教育課程を観察した。このような教育課程において、多文化状況であるがゆえに、教師は人間的諸能力(人間関係やコミュニケーション能力)の形成に重点をおいていた。教師主導の学習活動による形式陶冶にこそ、潜在的な文化的同化機能が強まる可能性があることを解明した。
11 「指定保育士養成施設教員の実態に関する調査」報告書Ⅰ―調査結果の概要―共著 2011-09-00保育士養成資料集第54号 全国保育士養成協議会専門委員会課題研究報告書 本研究は、全国保育士養成協議会専門委員会の課題研究として取り組まれている保育者養成校教員の実態について、指定保育士養成施設および当該施設に勤務する教員を対象にアンケート調査を行い、分析・考察を行っている。本研究の成果は平成23年9月に富山において行われた本協議会セミナーの「専門委員会報告」において報告された。担当箇所:第1章第2節
12 「指定保育士養成施設教員の実態に関する調査」報告書Ⅱ-調査結果からの展開―共著 2012-09-00保育士養成資料集第56号 全国保育士養成協議会専門委員会課題研究報告書 本研究は、全国保育士養成協議会専門委員会の課題研究として取り組まれている保育者養成校教員の実態について継続研究を行ったものであり、本研究としては完結編である。本研究の成果は平成24年9月に京都において行われた本協議会セミナーの「専門委員会報告」において報告された。担当箇所:第3章第2節
13 教育原理―保育の基盤を確かなものにするために—分担執筆 2013-02-20あいり出版 保育者養成課程のテキストとして編集されたシリーズ「新しい時代の保育者養成」における教育原理分野であることを意識した上で、教育の内容と方法、とくに教育課程の原理としての陶冶やモデル論(村井実)、経験主義カリキュラムと系統主義カリキュラム、領域と教科の違いについて解説している。 
[総ページ数 191頁]
[本人担当 77頁〜88頁 「第4章 教育の内容と方法 1教育の内容と教育課程の基礎」]


         
14 保育・教職実践演習—保育者に求められる保育実践力—分担執筆 2013-02-20建帛社 保育者(幼稚園教諭および保育士)養成課程における保育・教職実践演習のテキストとして編集された本書は、演習形式の授業において利用されることを意識した素材とその演習課題および解説を中心に構成されている。そのなかで、遊び場面の事例から、子どもの思いを理解した保育者の願いと環境構成のありかたを問うた演習課題を用意し、視点を挙げた上で、解説を付した。   
[総ページ数 117頁]
[本人担当 101頁-104頁「Ⅲ.実践・演習編 事例4 子どもの思いの理解と保育者の願い]
15 保育内容総論—保育所・幼稚園の保育内容の総合的理解と実践の探求—分担執筆 2013-03-21あいり出版 保育者養成課程用テキストとして編集された本書において、保育所保育における計画および実践の理論として、生活と成長を援助する視点からそれぞれ「養護」と「教育」に関わる理論を展開し、その上で保育の計画と実践として、保育課程と指導計画の関係性、長期から短期の各指導計画の関連性について解説している。 
[総ページ数 109頁]
[本人担当 37頁〜43頁 第2章 保育所保育における保育内容3.保育所における保育計画と実践のための理論]  
16 教育課程・保育課程論分担執筆 2016-02-00中央法規出版 幼稚園、保育所、幼保連携型認定こども園における、教育課程、保育課程、全体的な計画と長期と短期の指導計画について、編成の基本と法令的位置づけについて述べている。とくに、指導計画やその他の計画との連続性や一貫性、評価・改善についての基本的構造と、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領、保育所保育指針の「総則」について解説した。
[総ページ数 240頁]
[本人担当 26-31頁および36頁 第3講教育課程・保育課程の編成、児童福祉施設の計画(児童福祉施設の計画について以外を担当)]

17 Create Links between practice and theory: students' learning as interns in a pre-service education course in Early Year Education and Careポスター発表 2019-09-06OMEP Asia Pacific Regional Conference 2019 in Kyoto OMEPアジア太平洋地域研究大会(2019年9月5−7日)において、教育学部教育学科幼児教育コースにおける保育者養成についてポスター発表を行った。特に、本コースでは1回生からの保育現場での学びと教室での理論的学びを学生が融合、関連付けながら実現している姿について発表した。まだ、完成年度前であるので、現場で活動しているのと同時期の授業科目との知識や理解の関連づけについて述べている。

共同発表者:冨岡量秀、川北典子、渡邉大介
本人担当:ポスター作成及び当日責任時間内(9月6日)の質疑応答
18 『小学校教育用語辞典』共著 2021-05-01ミネルヴァ書房 小学校教諭を目指す学生を対象とした用語集であり、「興味・関心」(p.2)、「『学校と社会』」(pp.10-11)、「実験学校」(p.11)、「オーエン」(p.14)、「デューイ」(p.15)の5項目を担当した。各項目について、初学者がわかりやすく概念を掴み、より深く学ぶための入り口となることを目指して解説した。
編集代表者:細尾萌子、柏木智子
編集委員:山内清郎、武井哲郎他 計19名
共著者:関口敏美、西村美紀、他多数
[総頁数 365頁]
[本人担当 上記の通り]
19 保育の友 2024年4月号共著 2024-04-01全国社会福祉協議会 全国社会福祉協議会の月刊誌「保育の友」にて、毎月連載「私たちの指導計画」4歳児について、年間指導計画および4月の指導計画を共同作成した。
総頁数:90頁
執筆担当箇所:78-81頁。
       個人担当箇所は抽出不可(役割:指導講師)
 
以上19点

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