教育研究業績の一覧

西本 祐攝
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 リアクションペーパー(授業の感想・疑問)の活用 2006-04-00 ~ 授業の最後に感想・疑問を書いて提出してもらい、次回の授業時に、コメントをしている。前回授業を振り返り、学生同士で感想・疑問を共有することで、学びを深める一助としている。
2 発表レジュメの作成指導と発表指導 2008-04-00 ~ 演習における発表レジュメの作成方法を示した資料を作成し配布。発表担当学生すべてに授業以外の時間を活用してレジュメ作成の方法を個別に指導している。
3 グループワークを中心とした授業の実施 2009-04-00 ~ グループでの対話と発表を軸とした学習を行っている。各授業テーマについて、質問形式の「考察のヒント」を示した作業シート、発表レジュメ見本を配付。一方的に仏教の視点からの考えを教授するのではなく、事前に学生の関心と意見を掘り起こし、他の学生の意見に触れる機会を持つことで、授業テーマについて思索することができるよう工夫している。
4 海外研修の引率(インド) 2010-08-25
~2010-09-01
短期大学部仏教科開講科目の「ブッダを歩く(インドフィールドワーク)」を担当し、事前授業と現地研修(8日間)を実施した。
5 フィールドワークの実施 2011-09-00
~2014-09-00
短期大学部仏教科の必修授業「親鸞を歩く」での実施。事前授業とフィールドワークの引率を担当した。
6 授業動画の作成と活用 2020-04-01
~2020-07-31
遠隔授業期間(新型コロナへの対応)に、受講者の学習に資するよう、PowerPointを活用した授業動画を作成し、youtubeの限定公開機能により授業動画を配信した。
7 遠隔授業の授業資料(配付用)作成 2020-04-01
~2020-07-31
遠隔授業における受講者の負担軽減を目的として、授業の要点を簡潔に示した授業資料を作成し、受講者に配付した。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 授業補助教材の作成 2006-04-00 ~ 授業内容に関連する経典や論書の言葉、その現代語訳と解説文集、グループワーク用の作業シートなどを補助教材として作成し配付している。
2 漢文読解のテキスト作成 2009-09-00
~2013-01-00
短期仏教科開講科目「人間とこころ演習Ⅰ」において、漢文読解法を学ぶ資料を作成配布し、テキストとして用いた〔A4:12枚〕。
3 テキスト『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』の作成 2014-03-31 大谷大学の建学の精神を学習するテキスト。大谷大学の「建学の精神」をもっとも具体的に表現したのが、初代学長清沢満之の「真宗大学開校の辞」と第三代学長佐々木月樵の「大谷大学樹立の精神」である。前者は真宗大谷派が東京に「大学」を開校した際に語られた言葉であり、後者は1918年に発令された「大学令」に基づく大学として京都への移転を遂げた大谷大学が新しい学制のもとでいかに存立するのかを確認したものである。テキストは学生・教職員全体に対する自校教育資料として新たに開発したものである。全体の編集および8-9頁の「真宗大学開校の辞」ルビ・脚注と28頁の清沢満之略歴の執筆を担当した。(総頁31)
4 パワーポイント教材「清沢満之とは」の作成 2017-05-00 清沢満之の足跡と人物像を学ぶパワーポイント教材を作成。本学共通科目「人間学Ⅱ」の授業で活用した。西田幾多郎、夏目漱石、司馬遼太郎などの清沢への関心を紹介する内容や、これらの人びとに清沢の思想が与えた影響についても触れることができる教材。
5 テキスト『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』改訂版の編集 2018-02-28 『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』の改訂版を編集。4学部化と大谷大学の教育を表現するメッセージBe Real~寄りそう知性~についての解説文と年表の編集。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 コンソーシアム京都主催の第19回FDフォーラムでの発表 2014-02-22 ~ 「教育活動に果たす理想的な環境とは」をテーマとする分科会で、「ともに育ちあう場の創造」と題し、本学短期大学部仏教科研究室の教育活動を紹介する発表を行った。『第19回 FDフォーラム報告集』(大学コンソーシアム京都、2014年6月)に要旨掲載(230~233頁)。
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 卒業研究指導と『仏教研究紀要』編集刊行 2007-04-01
~2011-03-31
短期大学部仏教科の卒業研究の提出に向け、特に提出前の期間には短期仏教科一般研究室を休日にも開室し、作成をサポートした。また、口頭試問後、卒業研究の要旨(提出者全員分)および全文(数編)を掲載して発行する、『仏教研究紀要』の原稿作成の機会を活用し、研究テーマについての学生のさらなる学びをサポートした。(2007年度~2010年度)
2 仏教科一般研究室での教育活動 2007-04-01
~2011-03-31
短期大学部仏教科助教として仏教科一般研究室に開室時間から常駐し、短期仏教科学生の学習面のサポートとともに、進学相談他、学生生活における種々の相談に応じ、恒常的にその学習支援を行った。(2007年度~2010年度)
3 大谷高校総合学習の時間(EDU )講師 2013-02-16 仏教説話を読み解き、物語の伝えようとする内容について生徒同士の対話を中心に、考察・発表するグループワークを行った。グループワークの後、「尊さとは何か」と題する講義を行った。
4 京都明徳高校の道徳教育「特別講義」 2013-02-18 大谷大学が教育の軸に据える「人間学」の視点から、「なぜいのちは大切なのか」と題する講義を行った。
5 京都明徳高校の道徳教育「特別講義」 2014-02-12 大谷大学が教育の軸に据える「人間学」の視点から、「自分らしく生きるとは?」と題する講義を行った。
6 京都明徳高校の道徳教育「特別講義」 2014-02-24 大谷大学が教育の軸に据える「人間学」の視点から、「自分らしく生きるとは?」と題する講義を行った。
7 飯田女子高等学校(総合的学習の時間)模擬授業 2014-10-18 「願いに生きる―仏教の課題―」と題する模擬授業を行った。最澄の生涯とその生涯をかけた志願を学び、かつ、私たちがどのような願いに生きるのか、考察する時間を設ける授業を行った。
8 出張講義(札幌大谷高校) 2015-07-22 「親鸞エッセイコンテスト」(大谷大学・真宗大谷派学校連合会共催)の事業の一環として出張講義を行った。
9 出張講義(北海道大谷室蘭高校) 2015-07-23 「親鸞エッセイコンテスト」(大谷大学・真宗大谷派学校連合会共催)の事業の一環として出張講義を行った。
10 出張講義(稚内大谷高校) 2015-07-24 「親鸞エッセイコンテスト」(大谷大学・真宗大谷派学校連合会共催)の事業の一環として出張講義を行った。
11 伊那西高等学校PTA大学見学会模擬講義 2017-06-30 「親鸞と浄土真宗」と題する模擬講義を行った。親鸞の絵像、生涯、足跡を紹介した。また、「浄土真宗」という言葉の意味を親鸞思想に確かめ、それが私たちの生き方に関わる教えの言葉であることを講義した。
12 高大連携事業京都翔英高校「特別講座」 2019-09-07 大谷大学が教育の軸に据える人間学の視点から「自分を生きる――This is me.――」と題し、グループワークと講義を内容とする授業を行った。
13 小論文対策講座 2021-07-11 オープンキャンパス内で実施された小論文対策講座の講師を勤めた。40分の講義。
14 K-GURS チェーンレクチャーのコーディネーター 2022-04-01
~2022-07-31
京都・宗教系大学院連合(K-GURS)チェーンレクチャー「比較宗教特殊講義」のコーディネーターを務めた。
15 高大連携 伊那西高校 選択講座 2022-04-21 高大連携推進室の事業で、伊那西高校(長野県)の選択講座で、大学での学び、小論文対策講座を実施した。50分 2コマ。
B 職務実績
1 『我が信念 清沢満之のことば』(大谷大学)編集補助 2001-04-01
~2002-03-31
大谷大学大学院文学研究科博士課程第1学年に在籍時の真宗総合研究所清沢満之研究班研究補助員としての職務。
大谷大学の開学100年を記念して、大谷大学から発行した『我が信念―清沢満之のことば―』の編集補助。
本文の編集(字体、清濁、送り仮名等)、ルビ付け、脚注作成を担当した。作成した原案を毎回の検討会で研究員の先生方に提示し、確認いただくかたちで編集をすすめた。2001年10月13日に本学開学記念式典にあわせて刊行。
2 『清沢満之全集』全九巻(岩波書店)編集刊行補助 2002-04-01
~2004-03-31
真宗総合研究所 清沢満之研究班 研究補助員として編集補助業務を担当した。
大谷大学大学院文学研究科博士課程第1学年時から第3学年に在籍時の真宗総合研究所清沢満之研究班研究補助員としての職務
3 『臘扇記注釈』(法藏館)編集・刊行 2005-04-01
~2008-03-31
真宗総合研究所 大学史研究 嘱託研究員として編集実務を担当。詳細は「D研究活動Ⅰ著作1」参照。
4 『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』(大谷大学)編集・刊行 2011-04-01
~2014-03-31
「A教育業績2の3」参照。
真宗総合研究所特定研究「建学の精神」推進教育研究の研究員として活動。(2012年4月からは庶務担当)
5 大谷保育協会新人研修講師 2011-10-03 大谷保育協会が主催する新人研修会の講師を務めた。
6 夏季八十講 2013-08-28
~2019-09-01
大谷大学同窓会夏季八十講における講演を下記の通り担当した。宮﨑支部(2013年8月28日)。大分支部(2013年8月29日)。長崎支部(2013年8月30日)。秋田支部(2014年8月25日)。山形支部(2014年8月26日)。千葉支部(2014年9月7日)。信濃支部(2014年9月8日)。丹但分支部(2015年8月25日)。島根支部(2015年9月8日)。高岡支部(2017年8月7日)。郡上支部(2018年8月27日)。岡山支部(2019年8月26日)。茨城支部(2019年8月29日)。湖西支部(2019年9月1日)。鹿児島支部(2022年8月)。熊本支部(2022年8月)。湖西支部(2023年9月9日)。大垣支部(2023年9月19日)。
7 大谷大学生涯学習講座 紫明講座 「はじめて学ぶ親鸞」 2013-10-11
~2013-10-25
2013年度大谷大学生涯学習講座で、親鸞、及び真宗学の初学者を対象とする講義を担当した。(全3回)
8 大学コンソーシアム京都 教育事業企画検討委員会委員 2014-04-01
~2018-03-31
公益財団法人大学コンソーシアム京都の教育事業企画検討の委員。大学コンソーシアム京都の中長期的な教育事業を検討し提言する委員会の委員を務めた。提言の他、全開講科目の精査、PBL科目「世界遺産が学びのフィールド」等のプラザ推奨科目の設定、新規申請科目の採択審査など。
9 真宗総合研究所清沢満之研究研究員(庶務) 2014-04-01
~2017-03-31
真宗総合研究所清沢満之研究の研究員(庶務)を務めた。清沢満之の思想研究と『清沢満之全集』別巻の刊行を目的とする研究班。
10 近鉄文化サロン・大谷大学 共催・連携講座「はじめて学ぶ親鸞」 2015-08-22
~2015-09-26
近鉄文化サロン・大谷大学共催・連携講座で、親鸞、及び真宗学の初学者を対象とする講義を担当した。(全3回)
11 大谷大学生涯学習講座 開放セミナー シリーズ『教行信証』を読む⑤「証巻」を読む 2016-05-18
~2016-07-20
2016年度大谷大学生涯学習講座で、親鸞の『教行信証』「証巻」を読む講義を担当した。(全5回)
12 人権センター相談員 2017-04-01
~2020-03-31
人権センターの相談員として、人権相談や全学学習会・教職員対象の学習会の企画運営等に携わった。
13 『清沢満之全集』別巻Ⅰ・Ⅱ(岩波書店)編集・刊行 2018-04-01
~2021-03-31
『清沢満之全集』別巻Ⅰ・Ⅱ(岩波書店)を刊行。
2018年度~2020年度は『清沢満之全集』別巻の刊行と満之思想の研究を目的とする研究活動を行い、岩波書店から2020年3月27日に別巻Ⅰを、2021年3月26日に別巻Ⅱを刊行した。研究員:一楽真、大艸啓、加来雄之、西尾浩二、福島栄寿、藤原正寿、西本祐攝、嘱託研究員:名畑直日児、川口淳、浦井聡、藤田正勝、研究補助員:藤井了興、澤﨑瑞英
大谷大学真宗総合研究所清沢満之研究の研究代表者を務めた。
14 大谷大学生涯学習講座 開放セミナー シリーズ親鸞の和讃を読む⑤「高僧和讃」を読む―龍樹讃・天親讃― 2019-11-14
~2020-02-12
2019年度大谷大学生涯学習講座で、親鸞の和讃である「高僧和讃」の龍樹讃と天親讃を読む講義を担当した。(全5回)
15 大谷大学 真宗総合研究所 清沢満之研究 研究代表者 2021-04-01 ~ 大谷大学真宗総合研究所 清沢満之研究の研究代表者を務めている。
西方寺蔵清沢満之自筆文献のリスト整備、研究を行っている。研究員:一楽真、西尾浩二、福島栄寿、名畑直日児、西本祐攝
16 大谷大学大谷学会庶務委員 2021-04-01
~2022-03-31
大谷大学の大谷学会の庶務委員。学会活動の全般についての業務を担当した。
17 学長補佐 2022-04-01 ~ 学長補佐として、高大連携推進室副室長を務めている。
18 京都・宗教系大学院連合(K-GURS)評議員 2022-04-01 ~ 京都・宗教系大学院連合(K-GURS)評議員
2023年度からは研究員長
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1997-04-01~0000-00-00 大谷大学真宗学会
2 2002-07-00~0000-00-00 日本印度学仏教学会
3 2002-09-00~0000-00-00 日本宗教学会
4 2002-12-00~0000-00-00 真宗連合学会
5 2003-07-00~0000-00-00 真宗教学学会
6 2007-05-00~0000-00-00 日本仏教学会
7 2015-06-00~0000-00-00 国際真宗学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 臘扇記注釈 共編 2008-06-06法蔵館 本書は清沢満之の日記である「臘扇記」の本文、脚注、補注、付録、解説、索引からなる。その編集・注釈を担当した。本文の編集、及び脚注、補注(用語解説・人物解説・英文和訳・清沢満之訳出『エピクテタス語録』英文)、付録(清沢満之略年譜・碧南地方地図・臘扇記清沢満之近親系図・大谷派事務革新全国委員及び有志者撮影写真と名簿)作成の為の文献・資料収集を行い、脚注(約1500項目)・補注(「用語解説」の調査・資料収集と内容検討、「人物解説」「英文和訳」「清沢満之訳出『エピクテタス語録』英文」の執筆)作成を担当した。
総頁数260頁(執筆担当:脚注全頁、補注)
大谷大学真宗総合研究所編 共編:織田顕祐(研究班チーフ)、加来雄之、西本祐攝
以上1点
Ⅱ学術論文
1 「現在安住」についての一考察 単著 2003-06-30『真宗教学研究』第24号(真宗教学学会) 親鸞思想についての清沢満之の了解を『在床懺悔録』『他力門哲学骸骨試稿』に尋ね、清沢が精神主義の主要と語る「現在安住」が親鸞の現生正定聚に思想的背景を持つことを明らかにした。また、現在安住における「現在」の内実を時間的側面と宗教的信念に獲得される信仰的実存としての現実存在の二つの側面から考察した。この考察を通して乗托妙用の自己の獲得こそが現在安住の内実であり、時間的側面の現在の意義はその自己の獲得に基づいて明瞭な意味を与えられることを究明した。総頁数16頁(41頁~56頁)
2 清沢満之の「現在安住」 単著 2003-12-01『大谷大学大学院研究紀要』 第20号 清沢満之が『他力門哲学骸骨試稿』において「絶対無限・相対無限・無限他力・他力の救済」との独創的な表現を用い、「無限」の内実を、本願の行信の獲得によって現生に正定聚に住し必ず滅度に至らしめる力動的なはたらきとして了解することを究明した。清沢が『精神界』にこれらの表現を用い語る現在安住は、親鸞の現生正定聚に思想的背景を持つこと、また、「独立者・独尊子」という表現に看取されるように、獲信による人間の独立という視座において了解すべきであることを明らかにした。総頁数34頁(63頁~96頁)
3 清沢満之における『歎異抄』の受容とその背景 単著 2006-01-30『真宗研究』第50輯(真宗連合学会) 清沢満之の『歎異抄』からの抜書に注目し、清沢における『歎異抄』のもつ意義の実証的研究を行った。清沢が抜書で問題とする「善悪」という課題は学究的関心ではなく、究竟の標準を求める実存的関心に根差す思索であり、清沢が究竟の標準を唯信に見出し、その宗教的地平を拓く聖教として『歎異抄』の文に注目することを明らかにした。清沢がこれらの思索を通して、従来、異義批判の書と了解されていた『歎異抄』を、安心第一の書として選びとることを明瞭にした。清沢の『歎異抄』披閲が、明治23年刊行『真宗宝典』によることを明らかにした(明治23年7月「聖教抜萃」に限定)。総頁数16頁(1頁~16頁)
4 現在の信念における無限大悲の実現―清沢満之における「現在安住」の時間的側面に関する考察― 単著 2006-03-10『親鸞教学』第87号(大谷大学真宗学会) 清沢満之における「現在安住」の時間的側面の意義を曾我量深の精神主義批判と清沢の応答を通して考察した。曾我の批判の核心は、精神主義の形而上的根拠である「無限の慈悲」が過去現在未来にいかなる意義を有するのかという点にある。この批判に対し、清沢は精神主義の主要を「現在安住」と語り、過去現在未来を一貫する人間流転の相を現在の自身に集約し自覚する獲信の一念に、自身を限り無く大悲する「無限大悲」の如来を感知する点に論を集約して応答することを明らかにした。総頁数19頁(37頁~55頁)
5 近代親鸞教学における現生正定聚論―清沢満之における現在安住の背景と内実― 単著 2007-03-16大谷大学(博士論文 甲第50号) 清沢満之の現在安住の思想的背景と内実を、清沢の建峯期・骸骨期の『歎異抄』了解、石水期の親鸞思想の究明、臘扇期の「四阿含」『エピクテタス語録』読誦、浜風期の論稿と、各当該期の日記・書簡を照応し究明した。清沢の現在安住の思想は、親鸞の現生正定聚の思想を自らの身をもって生き、その豊かな内容を掘り起こした、近代親鸞教学における現生正定聚論というべき内実を有することを明らかにした。
総頁数117頁(1頁50字×20行)
6 石水期・清沢満之における「現生正定聚論」の究明(上)―清沢満之における「現在安住」の思想的背景― 単著 2008-03-21『親鸞教学』第91号(大谷大学真宗学会) 清沢満之の石水期における日記「病床日誌」「病床左録」「保養雑記」の記述から、当時の課題が宗教的信念に生きる生存の具体的内実を問う点にあることを明らかにした。また、『在床懺悔録』では、『宗教哲学骸骨』に提起した独自の有限無限観によって親鸞の現生正定聚の思想を了解し、その内容を「有限箇存の観念」(有限者は箇々に独立して存在しているという迷妄)を脱し、「有機組織」「主伴互具」の関係性を回復し生きる者となることと了解していることを明らかにした。総頁数21頁(37頁~57頁)
7 石水期・清沢満之における「現生正定聚論」の究明(下)―清沢満之における「現在安住」の思想的背景― 単著 2010-03-18『親鸞教学』第95号(大谷大学真宗学会) 清沢満之の『他力門哲学骸骨試稿』における現生正定聚論を究明した。清沢は衆生を摂化救済する無限の力用を推究し、獲信者に開示される主伴互具の関係を『浄土論』の三種荘厳の浄土に重ねて了解する。それは浄土を未来に期せられる実体的世界ではなく、我々の現実の生存に深く関わる獲信に開示される世界として了解し、現生正定聚を当来の世に浄土を期する生ではなく、無上涅槃界としての浄土を処世の帰依処とする生の内実として了解する試みであることを明確にした。総頁数23頁(17頁~39頁)
8 清沢満之と「宗教」 単著 2015-03-31『真宗総合研究所紀要』第32号(大谷大学真宗総合研究所) 清沢満之が「真宗大学開校の辞」に「宗教学校」と述べる際の「宗教」、そして「本願他力の宗義」の内容を、「開校の辞」に至るまでの満之の『宗教哲学骸骨』『在床懺悔録』『他力門哲学骸骨試稿』「臘扇記」「精神主義」等を踏まえ、尋ねた。総頁数23頁(71頁~93頁)
9 『歎異抄』と清沢満之(一)
―諸問題と研究の方向性―
単著 2016-03-15『親鸞教学』第105号(大谷大学真宗学会) 満之と『歎異抄』との関係についての錯綜した議論を問い直し、満之が『歎異抄』に何を学んだのかを実証的にあきらかにする論稿。満之は『歎異抄』の再発見者と評されるが、その評価に対する批判的研究がある。その批判が持つ意義をあきらかにした上で、本来何をもって満之は『歎異抄』の再発見者とされてきたのかを明瞭にした。また、満之と『歎異抄』の関係を実証的にあきらかにする上で不可欠な点を「研究の方向性」として明示した。総頁数19頁(16頁~34頁)
10 大谷大学編『清沢満之全集』編纂の背景と課題 単著 2016-06-01『現代と親鸞』第33号(親鸞仏教センター) 2002年から2003年にかけて出版された、大谷大学編『清沢満之全集』(岩波書店)の編纂背景と残された課題について報告。本『全集』刊行後、清沢満之研究は盛んに行われているように見受けられるが、『全集』の特質を活かした研究は残念ながら行われているといいがたい現状にある。『全集』の特質を紹介し、未発見の清沢の論稿についても情報提供を行い、広く清沢研究に資する資料の共有を行った。総頁数23頁(271頁~293頁)
11 親鸞と清沢満之 単著 2016-11-08『清沢満之と近代日本』(法藏館) 清沢満之が親鸞の教えに何を学んだのか。この問題を『歎異抄』と満之、『教行信証』と満之という点から考察した論稿。共編者:山本伸裕・碧海寿広、共著者:山本伸裕、末木文美士、氣多雅子、西本祐攝、春近敬、星野精二、長谷川徹、福島栄寿、ジェフ・シュローダー、安冨信哉、碧海寿広 総頁数23頁(61頁~83頁)
12 清沢満之の平等観に学ぶ 単著 2018-01-30『真宗研究』第62輯(真宗連合学会) 真宗連合学会第64回学術大会での研究発表を論文にしたもの。清沢満之の平等観の思想的背景と内実をあきらかにした。現存する差別に対して、如来の本願をよりどころとする「依止の転換」に平等融和の地平を開く礎があると満之が確かめることを明らかにした。総頁数23頁(81頁~103頁)
13 大谷大学編『清沢満之全集』未収録の新出清沢満之著述群について 共著 2018-03-31真宗総合研究所研究紀要第35号(大谷大学真宗総合研究所) 大谷大学編『清沢満之全集』(全九巻、岩波書店、2002年~2003年)の編纂過程を踏まえ『全集』の特質を確認し、『全集』に収録されていない新出清沢満之著述について論じた報告。執筆者、藤原正寿、西本祐攝。長徳寺予備調査に関する記述以外の頁を執筆担当。総頁数24頁(17頁~40頁)
14 「聞」の仏弟子―清沢満之における「四阿含」等読誦に学ぶ― 単著 2020-02-24『親鸞教学』第112号(大谷大学真宗学会) 清沢満之は「四阿含」を仏教の真趣が説かれた聖教と呼ぶ。しかし満之がなぜ「四阿含」を読誦したのかということについて、明確な根拠を示した研究は皆無である。本論では、満之の日記の記述に基づき、それが如来としての釈尊の教説(如来如実言)を聞思するという姿勢のもとに行われたものであり、仏弟子として生きる課題のもとに選び取られたことであったことを論じた。また「四阿含」の教説に仏教に一貫する根本課題を聞き取ることをあきらかにした。総頁数23頁(1頁~23頁)
15 「他力門哲学骸骨試稿」に学ぶ――研究の方向性―― 単著 2020-12-01『現代と親鸞』第43号(親鸞仏教センター) 清沢満之の思索録「他力門哲学骸骨試稿」に何を学ぶのかということと、読み解く上で不可欠な視点を、「他力門哲学骸骨試稿」に至るまでの清沢の思想の展開と、当時の清沢の日記、書簡等の記述に基づいて尋ねた。「Ⅲ 口頭発表・その他 32 口頭発表」の講演に加筆修正して原稿化たもの。総頁数46頁(32頁~77頁)
16 New Perspectives on Kiyozawa Manshi and the Tannishō 単著 2022-04-30Adding Flesh to Bones: Kiyozawa Manshi's Seishinshugi in Modern Japanese Buddhist Thought (Pure Land Buddhist Studie)(University of Hawai'i Press / Honolulu) 2015年6月に開催されたCultivating Spiritualityの出版(2013年、本学真宗総合研究所国際仏教研究班によって、清沢満之・曽我量深・金子大榮・安田理深の代表的著作を英訳し出版)記念シンポジウムでの発表に加筆修正して原稿化したもの。
清沢満之と『歎異抄』の関係について、従来明らかにされていなかった1、清沢が読んだテキスト、2、近世における『歎異抄』了解との相違、3、清沢自身が留意する文言等の点から考察し、清沢における『歎異抄』の再発見の本来の意義を明らかにした。
共編者:Mark L. Blum, Michael Conwey 共著者:Mark L. Blum、岩田真美、三浦節夫、末木文美士、西本祐攝、山本伸裕、福島栄寿、Michihiro Ama、杉本耕一、Michau AuerbacK、Michael Conwey、Robert F. Rhodes、長谷正當、James C. Dobbins、Melissa Anne-Marie Curley、Paul B. Watt、加来雄之 総頁数20頁(112頁~131頁)
17 乗托妙用の自己 ――落在と自在―― 単著 2023-12-15『親鸞教学』第118号(大谷大学真宗学会) 清沢満之における「自己とは他なし 絶対無限の妙用に乗托して 任運に法爾に此境遇に落在せるもの即是なり」(「臘扇記」)の内実を明らかにする論稿。この言葉の背景にある真宗教学についての満之の思索、さらには『エピクテトス語録』に示されるエピクトタスの思想そのものを踏まえつつその思想に何を満之が学び取っていくのかを、満之の「臘扇記」における思索を一つひとつ確認しながら論述した。2022年度真宗学会大会の講演「Ⅲ 口頭発表・その他 32 口頭発表」に加筆修正して原稿化たもの。総頁数41頁(47頁-87頁)
以上17点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 『清沢満之「哲学骸骨」集』所載 『宗教哲学骸骨』解題単著 2001-03-20大谷大学真宗総合研究所 編集・発行 清沢(徳永)満之著『宗教哲学骸骨』の解題執筆を担当した。『宗教哲学骸骨』の書誌情報を紹介した。また、当時の清沢を取り巻く状況や『宗教哲学骸骨』の構成を通して、『宗教哲学骸骨』が著者満之自身の「ミニマム・ポシブル」という厳しい実験に象徴される「宗教心」に基づいての論理的思索がなされた書であることを確認した。 総頁数3頁(197頁~199頁)
2 現在安住―清沢満之研究―口頭発表 2001-05-29大谷大学真宗学会例会(於:大谷大学) 清沢満之の宗教的信念確立の時期について、従来の研究では二つの時期が指摘されている。これらは対立した見解ではなく、宗教的信念の歩みにおいて了解すべきであるとの視座に立ち、清沢自身の「回想の文」によりながら、信念確立の歴程を、『臘扇記』を中心に考察した。その考察を通して、『歎異抄』を根本とする「予の三部経」の身読に、「乗托妙用の自己」の自覚という宗教的信念を生み出す、信念の展開があることを明らかにした。発表時間=15分発表要旨=『2001(平成13)年度 真宗学会例会活動報告』(大谷大学真宗学会例会) 総頁数13頁(70頁~82頁)
3 信念の能動性―未来に対する奮励主義―口頭発表 2002-07-09大谷大学真宗学会例会(於:大谷大学) 清沢満之の精神主義は「極端な消極主義」であるとの批判が屡々なされる。しかし、清沢が『臘扇記』に「乗托妙用の自己」の文に続き「我人は寧ろ只管絶対無限の吾人に賦与せるものを楽まんかな」と述べること。また、「精神主義と三世」において精神主義を「未来の事に対する奮励主義」等と語ることに注目し、清沢が語る宗教的信念の能動的側面を明瞭にした。この信念の能動性のもと真宗大学初代学監就任、『精神界』発刊等の事業が果されていくことを明らかにした。発表時間=15分発表要旨=『2002(平成14)年度 真宗学会例会活動報告』(大谷大学真宗学会例会) 総頁数13頁(28頁~40頁)
4 「現在安住」についての一考察口頭発表 2002-07-14真宗教学学会大会(於:大谷大学) 清沢満之における「現在安住」の、「現在」の内実には、二つの意味内容が指摘できる。一つは時間的な意味での「現在」。もう一つは、宗教的信念に獲得される信仰的実存としての「現在(現実存在)」である。この二つの意味での「現在」の考察を通して、獲信における「乗托妙用の自己」の獲得、すなわち自己への明確な信知こそが「現在安住」の内実であることを究明した。時間的側面の現在は、乗托妙用の自己の獲得によって明瞭な意味を持つことを究明した。発表時間=15分『真宗教学研究』第24号(真宗教学学会)に論文掲載 総頁数16頁(41頁~56頁)
5 現生正定聚―清沢満之の現在安住を通して―口頭発表 2003-07-11真宗教学学会大会(於:大谷大学) 親鸞が「別序」冒頭に「獲得信楽」と記す信心獲得の内実を『浄土文類聚鈔』においては「獲一心仏因」と如来因位の獲得を意味するものとして語ることに注目した。親鸞が信心を修道の前提としてではなく、課題的に問い獲得すべきものと了解すること、また、信心が「涅槃の真因」であることを阿弥陀如来の本願力回向において了解することに言及した。「信巻」標挙の文を通して、獲信が単に仏果の因を獲得することではなく、正定聚之機という如来因位の自身の獲得に他ならないことを明瞭にした。発表時間=15分発表要旨=『真宗教学研究』第25号(真宗教学学会) 総頁数2頁(179頁~180頁)
6 清沢満之の「現在安住」に関する一考察口頭発表 2003-09-04日本宗教学会第六十二回学術大会(於:天理大学) 清沢満之が『他力門哲学骸骨試稿』に「絶対無限・相対無限・無限他力・他力の救済」と独創的に表現する無限了解が『浄土論註』の二種法身説、『大乗起信論』の真如縁起(凝然真如・随縁真如)に思想的背景を持つものに他ならないことを明らかにした。また、清沢が無限の内実を、現生に正定聚に住することによって必ず滅度に至るという必然的関係を実現する力動的はたらきとして了解していることを究明した。発表時間=15分発表要旨=『宗教研究』第77巻第4輯(日本宗教学会) 総頁数2頁(335頁~336頁)
7 独立者の誕生―清沢満之の現在安住の実現するもの―口頭発表 2003-10-14大谷大学真宗学会例会(於:大谷大学) 清沢満之の現在安住は宗教的信念の幸恵という点が注目される。しかし、清沢が宗教的信念確立の転機となった思索を記す『臘扇記』、また同時期に記された論稿「仏教の効果は消極的なるか」、絶筆「我は此の如く如来を信す」等によりながら、現在安住の内実が「独立者・独尊子」と語られる宗教的信念獲得による人間の独立という課題と不可分であることを明らかにした。発表時間=15分発表要旨=『2003(平成15)年度 真宗学会例会活動報告』(大谷大学真宗学会) 総頁数14頁(48頁~61頁)
8 清沢満之の「現在安住」に関する一考察単著 2004-03-30『宗教研究』第77巻第4輯(日本宗教学会) 日本宗教学会第六十二回学術大会の発表要旨。 総頁数2頁(335頁~336頁)
9 現生正定聚―「証巻」所引、妙声・主・眷属(大義門)・清浄功徳成就の文を通して―口頭発表 2004-07-12真宗教学学会大会(於:大谷大学) 親鸞が「証巻」に引用する『浄土論註』 妙声・主・眷属(大義門)・清浄功徳成就の文の引用次第に注目した。これらの文は本願の名号に帰す願生者が正定聚に住し(妙声)、願生の内実として穢土における衆生教化の志願に生き(主)、他者との平等大乗一味なる関係の実現(眷屬・大義門)を浄土の功徳として示す文であり、それらの浄土の功徳が実は願生者に無上涅槃の境界が開示されること(清浄)を説示するものであることを明かす引用次第であることを明瞭にした。発表時間=15分発表要旨=『真宗教学研究』第26号(真宗教学学会) 総頁数3頁(171頁~173頁)
10 清沢満之における『歎異抄』の受容とその背景口頭発表 2005-06-03真宗連合学会(於:龍谷大学) 清沢満之の「大学第四年度ノート「善悪」」「聖教抜萃」等における『歎異抄』からの抜書に注目し清沢における『歎異抄』のもつ意義の実証的研究を行った。清沢の抜書における課題は学究的関心ではなく、究竟の標準を求める実存的関心に根ざすものであり、清沢が究竟の標準を唯信に見出し、その宗教的地平を拓く聖教として『歎異抄』に注目することを明らかにした。清沢がこの思索を通して、従来、異義批判の書と了解された『歎異抄』を安心第一の書として選びとることを明らかにした。発表時間=15分『真宗研究』第50輯(真宗連合学会)に論文掲載。 総頁数16頁(1頁~16頁)
11 清沢満之における現在安住について―その時間的側面に関する考察―口頭発表 2005-07-29日本印度学仏教学会学術大会(於:四天王寺国際仏教大学) 清沢満之が「精神主義と三世」で、人間の苦悩の実際を過去への回想と未来への追想という時間軸において了解し、獲信の一念に感得される無限大悲の如来を畢竟依として現在の安住を語ることを明らかにした。清沢の現在安住は刹那主義を主張するものではなく、獲信の一念に過去を回想、未来を追想するあり方から脱却し、過去の事蹟を獲信の縁と了知し、未来に対しては救済の大事の完了という意義を開示するものであることを明らかにした。発表時間=15分発表要旨=『印度学仏教学研究』第54巻第2号(日本印度学仏教学会) 総頁数4頁(256頁~259頁)
12 清沢満之における現在安住―曾我量深の精神主義批判を通して―口頭発表 2005-10-19大谷大学真宗学会例会(於:大谷大学) 「弥陀及び名号の観念」を端緒として展開する曾我量深の精神主義批判の核心が、精神主義の語る「無限の慈悲」は「過去現在未来」にどのような意義を有するのか、という点にあることを明瞭にした。この批判に対し清沢が「精神主義と三世」で精神主義の主要を現在安住と語り、「処世の立脚地」という畢竟依の喪失と獲得の一点に問題を集約し応答することを究明した。この批判と応答を契機とし、清沢が精神主義における過去・未来の意義を明瞭にしたことを明らかにした。発表時間=15分発表要旨=『2005(平成17)年度 真宗学会例会活動報告』(大谷大学真宗学会例会) 総頁数6頁(38頁~43頁)
13 清沢満之における現在安住について――その時間的側面に関する考察――単著 2006-03-20『印度学仏教学研究』第54巻第2号(日本印度学仏教学会) 日本印度学仏教学会第56回学術大会の発表内容を原稿にしたもの。総頁数4頁(256頁~259頁)
14 『大法輪 特集 親鸞小事典』単著 2010-11-01『大法輪』平成22年11月号(大法輪閣) 親鸞思想を知る上での「教えのキーワード」について執筆。「浄土真宗」「称名」「如来よりたまわりたる信心」「現生正定聚」「悪人正機」「弟子一人ももたず」「自然法爾」の項を担当。
15 「四阿含」と清沢満之口頭発表 2010-11-24大谷大学真宗学会例会
(於:大谷大学)
清沢満之が「仏教の真趣を伺う書」と言い、「予の三部経」の一と呼ぶ「四阿含」と満之の関係を尋ねた発表。「病床雑誌〔第一号〕」「病床雑誌 第弐号」「病床雑誌 第参号」「徒然雑誌第一号」における清沢自身の思索と「四阿含」からの書写経文とを照応し、清沢の「四阿含」読誦の意図が「仏、法、僧」の三宝とは何かを問う視座にあること、また、仏弟子として生きることの証左を宗教的信念の獲得と宗教的信念に生きる人生のあゆみに見出していることを究明した。
発表時間=60分
16 真宗大学東京移転開校の背景口頭発表 2012-05-17真宗総合研究所特定研究建学の精神教育推進研究の研究会(於:大谷大学) 大谷大学の「建学の精神」を全学的に学ぶための教育を推進する研究班の研究会での発表。1901年の東京移転開校に至る背景を学制の変遷、国立大学との関係、清沢満之等の宗門改革運動などを踏まえて尋ねた。この成果は『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』に反映されている。発表時間=60分
17 真宗大学東京移転開校の願い口頭発表 2012-06-21真宗総合研究所特定研究建学の精神教育推進研究の研究会(於:大谷大学) 大谷大学の「建学の精神」を全学的に学ぶための教育を推進する研究班の研究会での発表。1901年の東京移転開校に込められた願いを清沢満之の真宗大学構想、宗門改革運動時の論説、真宗大学のカリキュラム及び教員構成などを踏まえて尋ねた。この成果は『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』に反映されている。発表時間=60分
18 清沢満之と「宗教」口頭発表 2012-07-18真宗総合研究所特定研究建学の精神教育推進研究の研究会(於:大谷大学) 大谷大学の初代学監である清沢満之が「〔真宗大学開校の辞〕」で述べる「宗教学校」とは何かを尋ねることを目的とする発表。清沢が「宗教」を何を背景とし、私たちにどのような意義を有することとして語るのかを尋ねた。『真宗総合研究所研究紀要』第32号に同名の題で論文化して収録。この成果は『大谷大学で学ぶ―建学の精神―』に反映されている。発表時間=60分
19 『浄土真宗の基礎知識』単著 2012-12-10大法輪閣 『大法輪』平成22年11月号掲載の原稿を再録。
20 大谷大学編『清沢満之全集』(岩波書店)編纂の背景と課題口頭発表 2015-03-16親鸞仏教センター主催第1回清沢満之研究交流会(於:求道会館) 大谷大学編『清沢満之全集』(岩波書店)全九巻の編纂過程と『全集』の特質について報告。従来の『全集』(特に法藏館版『全集』)は、編集者により原文が改められていること。大谷大学編『全集』は原本に忠実な翻刻が行われたこと。従来の『全集』には、収録されていない文献を九十九点収めていること、等を報告。清沢研究の諸課題が、大谷大学編『全集』をもとに、全て検証しなおされなければならないことと、刊行後の清沢研究の現状は、その検証が十分にはなされていないことを指摘。発表時間=20分
21 The Incorporation of the Tannishō in Kiyozawa Manshi’s Thought口頭発表 2015-06-27Cultivating Spirituality出版記念シンポジウム(於:大谷大学) 2013年、本学真宗総合研究所国際仏教研究班によって、清沢満之・曽我量深・金子大榮・安田理深の代表的著作を英訳し出版されたCultivating Spiritualityの出版記念シンポジウムでの発表。清沢満之は『歎異抄』の再発見者と称されるが、清沢自身が『歎異抄』をどのような課題のもとに受容したのかを、清沢が読んだテキスト、近世における『歎異抄』了解との相違、清沢自身が留意する文言等の点から考察し、清沢における『歎異抄』の再発見の意義を明らかにした。発表時間=20分
22 Companions on the Way in the Tathagata’s Light: The Incorporation of the Tannishō in Kiyozawa Manshi’s Thought
口頭発表 2015-08-08国際真宗学会第17回学術大会(於:Institute of Buddhist Studies) 清沢は自らの信仰形成に影響を与えた書として『歎異抄』を重視する。このことが近代以降の親鸞思想の了解に大きな影響を及ぼしたことから、清沢は「『歎異抄』の再発見者」と評価される。しかし、彼に『歎異抄』の解説書はなく、この書に何を学んだのかは多くの不明な点がある。新発見の資料を参照し、清沢が『歎異抄』から何を学びとるのかを究明した。さらに、清沢における信仰主体としての自己の内実と、清沢が「如来光明中の同朋」という言葉で示す、信仰に開かれる自己と他者との関係について究明した。発表時間=20分
23 自己とは何ぞや
―清沢満之という人―
単著 2015-11-01『おやまごぼう』第377号(2015年11月号、真宗大谷派金沢別院) 清沢満之の日記を読むことの意義と、その日記「臘扇記」に記される「自己とは何そや 是人世の根本的問題なり」ということばが、どのような背景のもとに記されるのかについて述べた。「人と世を学ぶ」の欄(1800字)
24 自己とは何ぞや
―清沢満之という人―
単著 2016-01-01『おやまごぼう』第379号(2016年1月、真宗大谷派金沢別院) 「自己とは何ぞや」という問いに、清沢満之が応答した内容は、浄土真宗の教えにもとづいて本来的自己を回復する内容を持つものであることを述べた。「人と世を学ぶ」の欄(1800字)
25 落在せる者
―本願に乗托する生―
講演 2016-03-13東本願寺日曜講演(於:しんらん交流館) 清沢満之が日記「臘扇記」に「落在せる者」と記す内実を、『宗教哲学骸骨』『在床懺悔録』『他力門哲学骸骨試稿』『病床雑誌』『徒然雑誌』『臘扇記』における清沢の思索にもとづいて明らかにした。講演時間=80分
26 清沢満之の平等観に学ぶ口頭発表 2017-06-10真宗連合学会第64回大会(於:龍谷大学) 清沢満之の平等観の背景と内実をあきらかにする発表。発表時間=20分
27 《座談会》現代において「教学」はいかにして可能か座談会 2017-08-04真宗大谷派教学研究所(於:渉成園) 真宗大谷派教学研究所主催の座談会。参加メンバーは碧海寿広、中村玲太、名和達宣、本明義樹、西本祐攝。(時間180分)
28 『大法輪特集《浄土経典》入門》』単著 2017-09-08『大法輪』平成27年10月号 【第一部 浄土経典それぞれの解説】「教行信証」の執筆を担当。 総頁数4頁(80~83頁)
29 『大法輪特集《浄土経典》入門》』単著 2017-09-08『大法輪』平成27年10月号 【第三部 浄土経典の受容と展開】「正信偈で読み解く七高僧」の執筆を担当。 総頁数7頁(110~116頁)
30 すでにして悲願います単著 2017-11-10名古屋御坊616号 名古屋御坊新聞誌上における『歎異抄』の解説文「コトナルコトヲナゲキ」の欄に第17章の解説文を担当執筆。「辺地の往生」についての親鸞の了解を踏まえ論じた。(800字)
31 既にして悲願有す講演 2017-12-10名古屋別院信道講座(於:真宗大谷派名古屋別院) 名古屋別院の信道講座での講義。『歎異抄』第十七章についての講義を行った。講義=90分
32 《座談》現代において「教学」はいかにして可能か座談 2017-12-28『教化研究』161号(真宗大谷派教学研究所) 真宗大谷派教学研究所主催の座談会。参加メンバーは碧海寿広、中村玲太、名和達宣、本明義樹、西本祐攝。(76頁~105頁)
33 「他力門哲学骸骨試稿」に学ぶ――研究の方向性――口頭発表 2018-06-15親鸞仏教センター清沢満之研究会(於:親鸞仏教センター) 清沢満之の思索録「他力門哲学骸骨試稿」に何を学ぶのかということと、読み解く上で不可欠な視点を、「他力門哲学骸骨試稿」に至るまでの清沢の思想の展開と、当時の清沢の日記、書簡等の記述に基づいて尋ねた。講義時間=90分
34 清沢満之における死生観――「保養雑記」第壱編を中心に――口頭発表 2018-09-08日本宗教学会第77回学術大会(於:大谷大学) 2018年3月、大谷大学図書館所蔵が確認された清沢満之「保養雑記」第壱編の自筆原稿に基づく発表。自筆原稿から確認される書誌情報と、満之の死生観の深まりを自筆原稿の推敲の跡をたどりながら尋ねた。発表時間=15分
35 『親鸞と清沢満之』合評会における書評書評 2018-10-08同朋大学仏教文化研究所(於:大谷大学) 伊東恵深著『親鸞と清沢満之』「第Ⅱ部 清沢満之論 「他力門哲学」における覚醒の様相と内実」についての書評。発表時間=25分
36 本願念仏の僧伽単著 2018-11-01『おやまごぼう』第413号(2018年11月号、真宗大谷派金沢別院) すべての仏教者に共通する帰依三宝の精神を、親鸞思想にたずね、特に念仏者の共同体である本願念仏の僧伽に帰依することの意義を、親鸞と関東の門侶との関係に確かめた。「人と世」の欄。(1800字)
37 本願念仏の僧伽―大谷派なる宗門単著 2018-11-28『おやまごぼう』第414号(2018年12月号、真宗大谷派金沢別院) 清沢満之が「大谷派なる宗門は、大谷派なる宗教的精神の存する所に在り」と述べることについて、本願念仏に帰す宗教的精神に生きる一人ひとりのところに宗門はあり、大谷派なる宗門は本願念仏の僧伽の現実態という意義を持つことを語る言葉であると述べた。「人と世」の欄。(1800字)
38 『歎異抄』と清沢満之 口頭発表 2018-12-12大谷大学真宗学会例会(於:大谷大学) 題目についての発表者のこれまでの研究を総論的に述べた。「『歎異抄』の再発見者清沢満之」とは、「蓮如が禁書にした『歎異抄』を満之が発掘し公開した」ということではなく、「親鸞の宗教的自覚の極致が語られた書として『歎異抄』を見出したことにある」ことを述べた。また、満之が『歎異抄』から抜書する文献に基づいて、満之が『歎異抄』の言葉に何を学び取ったのかを実証的にあきらかにする上で不可欠な点を指摘した。発表時間=70分。質疑=10分。
39 すでにして悲願います講演録 2019-03-31『信道』(2017年度 真宗大谷派名古屋別院) 「Ⅲ口頭発表・その他」30の名古屋別院での信道講座の講演録。 総頁数25頁(191頁~215頁)
40 『大法輪』特集「ブッダ・名僧 人生の大転換」単著 2019-07-08大法輪(2019年8月号) 特集「ブッダ・名僧 人生の大転換」の「親鸞」と「清沢満之」の項を執筆。 総頁数4頁(108頁~109頁)(128頁~129頁)
41 如来如実の言を信ずべし講演 2019-10-06東本願寺日曜講演(於:しんらん交流館) 親鸞の『教行信証』「行巻」「正信念仏偈」の一句の内容を尋ねた。講演時間=80分
42 『歎異抄』と近代日本単著 2021-01-31『仏教事典』(日本仏教学会編、丸善出版) 日本仏教学会編輯の『仏教事典』(丸善出版)第六章仏教の社会的実践コラム「『歎異抄』と清沢満之」を執筆。総頁数1頁(561頁)
43 清沢満之研究班の活動と成果
――『清沢満之全集』別巻編纂に関する調査報告――
共著 調査報告 2022-03-31『大谷大学真宗総合研究所研究紀要』第39号 『清沢満之全集』別巻編纂に際しての活動報告。別巻編纂の実務方針と経緯について報告した。共著者:大艸 啓  本人担当49~56頁
44 乗托妙用の自己の自覚
 ――落在と自在――
口頭発表 2022-10-25大谷大学真宗学会 清沢満之が「臘扇記」に記す、「乗托妙用の自己の自覚」について、満之自身の「落在」と「自在」という言葉から考察した発表。『臘扇記」の満之自身の思索は『エピクテタス語録』『蓮如上人御一代記聞書』『臨済録』等に導かれたものであるが、原典の文脈と思想内容を踏まえた上で、満之の抜書がどのような視点からなされたかを考察し、満之が「落在」と「自在」という言葉に託して語る思想を実証的に明らかにする発表。発表時間60分。
以上44点

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