教育研究業績の一覧

李 青
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1          個人指導の導入 2007-04-01 ~ 入試の多様化に伴い、個性豊かな学生が目立ってきた。中国文化ゼミに入ってくる学生の場合は学力の相違から学習に対するニーズまで実に多種多様である。そこで担当者は学生の学力と要望に合わせて、個別に学習指導をする時間を設けるようにし、一人一人に対応している。学生はレポートの書き方から、資料検索方法、中国語の読解力が短期間にレヴェルアップしている点から、この方法は現在非常に有効であると感じている。
2    学生の要望に耳を傾ける工夫 2007-11-25 ~ 普段は学生の授業に対する要望を最重要視している。特に、大講義では、毎回ペーパーを配り、授業内容について、学生の理解度をチェックし、授業に対する学生一人、一人の意見を聞く。学生達の質問などは必ず次回の授業の冒頭で回答をするようにしている。
ゼミや講義では、内容に合わせて、自ら関係映像資料を作成している。内容をより一層理解してもらうために、授業で映像資料を使用している。
3 iPadによる授業の試行錯誤 2012-04-00 ~  教育研究のために、2012年からiPadを購入した。すべての演習でiPadによる試行錯誤をしている。具体的に以下のことを行っている。授業の内容により、異なるプログラムを作成する。中国が開発されたアプリは、授業の内容に合わせ、特に活用することが多い。動画や写真を素早く見せるのに、便利である。語学の授業で中継している中国のテレビ番組の様子を見たり、言葉の勉強以外にも有用の知識が得られている。特にはじめて中国問題に触れる一回生の演習の授業で、パワーポイントに合わせながら、iPadの活躍は学生から好評を博している。
4 中国の食文化体験 2014-06-20  中国の食文化に親しんでもらうために、ゼミ生と水餃子を作った。自分たちで手作りした餃子を食べながら、中国の麺文化に対する理解を深めた。次年度もこのような実践を継続したい。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 松阪大学中文課文 1991-03-20 研究業績Ⅰ-1と同じ。
2 しなやかに中国語 1992-02-01 研究業績Ⅰ-2と同じ。
3 若い世代の中国語 1992-04-30 ~ 研究業績Ⅰ-3と同じ。
4 北京恋情 1993-02-01 研究業績Ⅰ-4と同じ。
5 パノラマ中国語-中国語中級テキスト- 1993-12-15 研究業績Ⅰ-5と同じ。
6 楽しい中国語会話-中級- 1997-04-01 研究業績Ⅰ-6と同じ。
7 楽しい中国語会話-中級-改訂版 2006-04-01 研究業績Ⅰ-7と同じ。
8 楽しい中国語会話-初級- 2006-04-01 研究業績Ⅰ-8と同じ。
9    本学の学生のレベルに合う教材作り 2007-11-25 ~ 語学の場合は長年の教育経験を生かし、本学の学生のレベルに合う教材を多数編纂し、出版した。現在、自分が担当する語学の授業では、これらの教材を教科書として使用している。
なお、ゼミでは内容によっては、参考資料やプリントを含めた独自のオリジナル教材を作り、学生達に配布し、ファイルを作らせている。定期的に話題になる本のリストを作り、学生に紹介し、学ぶ意欲を催す。
10 『身につく話せる中国語―京子とスニの留学生活』 2023-02-01 ~ このテキストは中国語初級を履修した学生を対象としている。本書は十二課よりなり、各課は簡体字と繁体字による本文会話・文法解釈・文化コラム・練習から構成され、単語はテキストの最後に索引としてまとめて付けてある。本教材は、基本的な文法事項、初級レベルの実用単語、話題豊富な文化コラム、実力アップ重視の練習問題で構成され、「読む・書く・聞く・話す」の能力がバランスよく身につくように工夫されている。中国語を楽しく勉強し、中国語能力検定試験の実力をつけることを目標に編集したものである。総頁数69頁、本人の担当部分 課文・練習計36頁、著作者:李青・清水由香里・髙井龍。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 中国の食文化理解の講習・実践教育活動 2015-06-23  担当教員の講義や学生による中国食文化の研究発表、調理体験の試行錯誤である。学生たちに研究テーマに即した内容について事前に調べてもらい、本学の留学生を招き、交流しながら、料理実習をした。それらを通して、学生自ら異文化体験(食文化)の意義を考え、異文化理解を深めた。
2 中国の麺文化-「春餅」を作ってみよう! 2017-05-30 ~  本ゼミでは中国の食文化における麺文化を研究の一環として取り上げている。本実習を実施する前に、担当者が学生の研究を踏まえた上で、学生たちと相談し、テーマを決め、調べた上で、レシピーを考えた。実践し、試食を通じて、中国の麺文化の奥深さを改めて実感した。今回の料理実習を通じて、今後の研究に役立ちたいと考えている。
3 中国の食文化に親しもう 2018-07-13  3、4回ゼミ生を一堂に集め、中国料理を楽しんだ。事前に4回生を3回生の教室に呼び、日々の学習や海外活動及び国際交流について、経験を紹介してもらった。料理は互いに助け合い、楽しく作りおいしくいただぃた。料理実習を通じて、先輩後輩の縦のつながりがよりいっそう強くなった。
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 第 39 回 全日本中国語スピーチコンテスト「第 1 回京都府大会」に参加する本学のチームの中国語発音指導
2021-08-23
~2021-10-22
本学から4人の学生が参加した。大会に参加するために、8月から10月まで週一回のペースで発音指導をしていた。スピーチコンテストの結果は1名が審査員特別賞を受賞し、3人は奨励賞を受賞した。
2 第 40回 全日本中国語スピーチコンテスト「第 1 回京都府大会」に参加する本学のチームの中国語発音指導 2022-08-20
~2022-10-28
6人の学生を組織してスピーチコンテストに応募した。発音を丁寧に指導していた。夏休みや放課後の練習指導回数は延べ20回である。6人の学生が出場し、良い成績を収めた。うち1人が審査員特別賞受賞する。
3 第 41回 全日本中国語スピーチコンテスト「第 3 回京都府大会」に参加する本学のチームの中国語発音指導 2023-10-01
~2023-10-22
第 41回 全日本中国語スピーチコンテスト「第 3 回京都府大会」に参加する本学のチームの中国語発音指導をした。一人一人に丁寧に対応し、第2位、第3位と優秀賞という素晴らしい成績を残した。
B 職務実績
1     京都産業大学附属高等学校模擬授業 2007-06-01  本授業は中国現代文学の大家・老舎の長編小説『正紅旗下』に現れた北京の春節の風景を教材にしたものである。老舎は作品の中では北京の春節の過ごし方、春節に関わる北京の風俗、習慣などをきめ細かく描写しており、高校生にも理解しやすい題材である。高校生たちは真剣に聴講し、盛んに質問をしていたことから、大変有効な授業だったと言える。
2        大谷大学生涯学習講座 2008-07-01  本講座は7月1日、8日、15日の三回連続で開講された。首都北京はオリンピック開催をきっかけに、近代的な大都会に突き進んでいる。オリンピックを迎え街の活性化が進む一方で、老北京(北京っ子)たちが住む胡同(フートン)の取り壊しも進んでいる。近代化の中に光もあれば、陰の部分もある。講座は一般大衆を視野に、「胡同の街並み」、「中国の季節行事」、「茶藝ー中国茶の魅力ー」について胡同に生活する北京の庶民の暮らしを紹介した。
3 国際文化学科主任 2009-04-01 ~  学科主任の職務に当たり、学科のすべての行事を無事に全うすることができた。 
4           学術交流 2010-03-10  1994年から本学は中国の学術交流校との提携に準備段階から関わった。本学の事務担当者と中日を往来し、学術交流項目に関する会談を重ねた。その結果、1995年8月8日、1997年6月13日、2007年5月8日、2007年10月2日、2010年3月10日に、本学は東北師範大学、首都師範大学、浙江財経学院、中央民族大学、佛光大学(台湾)との学術交流提携を調印することができた。すべての学術交流協定に立ち会い、通訳を務めるなどした。なお、当時の学長をはじめとする学術交流関係者の訪中に随行し、会談と講演の通訳も務めた。
5       私立光泉高等学校模擬授業 2010-10-07  本模擬授業のタイトルは『中国語の面白さ ― 中日漢字の比較を通じて』である。中日の漢字の共通点と相違点を中心に比較し、実践的に生徒に漢字を書かせ、漢字の面白さを体験させた。現代中国語の基本発音も取り入れ、授業は盛り上がった。
6 京都翔英高等学校/大谷大学 高大連携授業
担当授業「お茶を通じて知る国際文化」
2014-08-05  講義と実演を通じて、中国のお茶に関する一般的な知識を紹介し、ウーロン茶、プーアル茶、紅茶の味を受講生に試してもらった。上記の両面から中国のお茶のよさをしてもらった上、実践の過程においては、受講生とコミュニケーションをとることができ、良い交流もできた。
7            学術交流 2016-08-00
~2017-02-00
 新しい国際交流の協定校を開拓するために、2016年8月に台湾の淡江大学を訪問した。滞在中は中国語教育の現場や留学生たちの生活エリアを視察した。帰国後に報告書をまとめ、大学に新たな語学研修先として、提案した。
 この間、私を中心に双方の大学のパイプ役として、交渉に当たり、重要な会談の通訳を務めた。翌年の2月に本学と淡江大学の語学研究に関する協定を結んだ。
8 台湾との学術交流(3) 2017-02-21  淡江大學の関係者が本学を訪問時に、通訳として両大学の協定の実行について、意見を交わし、交流を深めた。
9 GSの語学学習支援
-オフィスアワーは全学の学生と共用する
2017-05-00
~2017-07-00
 前期のオフィスアワーの時間を月一回のペースでGSで実施した。時間中に学生の相談を受けたり、中国茶を飲みながら中国語会話を楽しく練習した。 
10 台湾との学術交流(1) 2017-06-13
~2017-06-15
 渡辺副学長をはじめとする本学の代表団の一員として、台湾の淡江大學を訪問した。滞在中通訳として、中国語語学研修の責任者として、前方の大学と交渉・会談し、学術交流した。
11 大学の第二外国語ー中国語を楽しもう! 2017-07-16 国際文化学科の模擬授業として、受講生のために「大学の第二外国語ー中国語を楽しもう!」の講座を開講した。大学の第二外国語で中国語を学ぶ楽しさ、楽しみ方などを紹介し、簡単な会話を練習してみた。
12 台湾との学術交流(2)
台湾語学研修引率
2017-08-05
~2017-08-10
 本学の16人の学生を引率し、台湾・淡江大學で中国語語学研修を実施した。滞在中淡江大學の関係者に協力し、学生たちの学習・生活の監督をした。なお、滞在中中国語センターを訪問し、両大学の今後の交流について意見を交わした。
13 中国茶縁結良友 2017-10-27 ~ GSの活動として、中国茶の茶会を開催した。本学の学生と留学生が多く集い、お茶を賞味しながら、学生同士で歓談した。リラックスした楽しい交流が深まった。
14 中国ー首都師範大学語学研修引率 2018-08-25
~2018-08-29
 学生13名を引率して、協定校の首都師範大学を訪れた。学生と友に現地の先生に生きた中国語を教えていただき、自由時間または日帰り旅行を通じて、生の中国に触れた有意義な短期語学研修を送ることができた。
15 中国カフェー茶縁良友 2018-11-09 『茶縁良友』を題に、教育支援課とともに企画した。参加者は本格的な中国茶を飲みながら、自らの留学経験を紹介したり、あるいは留学生と歓談したりした。在学生と留学生が合わせて、総勢34人参加してくれた。 
16 国際文化学科主任 2019-04-00
~2020-03-31
国際文化学科主任の職務に当たり、学科の日常業務を担った。
17 グローバルスグエア室長公務 2019-04-01
~2020-03-31
グローバルスグエアの室長として、学生たちを組織し、「中国を知ろう」というイベントを企画した。大勢の学生が参加した盛会であった。
18 国際文化学科副主任 2019-04-01
~2000-03-31
副主任として、主任の業務の一部を分担し、主任をサポートした。
19 国際交流 2019-10-30 ~  10月30日、協定校首都師範大学の関係者をグローバルスグエアを招き交流し、留学生を交えながら、歓談した。 
20 大学院運営委員 2023-04-01
~2024-03-31
 専攻内の責任者として入試業務の取りまとめや自己点検の書類作成などをした。
 新しい学域の開拓に専攻を代表して携わった。
21 大学院奨学金返還免除候補者専攻委員 2023-04-01
~2024-03-31
全学の奨学金応募者の書類審査と面接業務を担当した。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1993-04-01~0000-00-00 立命館日本文学会
2 1994-05-20~0000-00-00 日本中国学会
3 1994-05-20~0000-00-00 東方学会
4 1995-04-01~0000-00-00 社会文学会 関西地区評議員(2005年~2007年に至る)
5 1996-04-01~0000-00-00 文芸研究会
6 2001-10-20~0000-00-00 植民地文化研究会(2007年7月8日植民地文化学会に改名)
7 2007-04-01~0000-00-00 京田辺市国際交流協会
8 2021-10-24~2021-10-24 第 39 回 全日本中国語スピーチコンテスト「第 1 回京都府大会」審査委員会委員長
9 2022-10-30~2022-10-30 第40回全日本中国語スピーチコンテスト(京都府日本中国友好協会主催)審査員
10 2022-11-19~2022-11-19 第40回全日本中国語スピーチコンテスト(京都府日本中国友好協会主催)審査員
11 2022-11-19~2022-11-19 第36回全日本学生中国語弁論大会審査員
12 2023-10-22~2000-10-22 第41回全日本中国語スピーチコンテスト(京都府日本中国友好協会主催)審査員
13 2023-11-18~2023-11-18 第37回全日本学生中国語弁論大会審査員
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 松阪大学中文課本単著 1991-03-20松阪大学中国語教室(松阪市) この教材は、中国語の発音、基礎的文法、表現の必要事項がすべて学べるようになっている。この教材から中国語の世界に興味を持ち、さらには異文化の世界に眼を向けてもらいたいという事が著者の願いである。総頁数33頁。
2 しなやかに中国語共著 1992-02-01同学社(東京都) この教科書は大学で初めて中国語を学ぶ人たちを対象としている。中国に生活している人たちの言葉そのものを大切にし、その人たちの息吹が伝わるような教材を目標に編集した。本文の会話は最新の中国からの「直輸入」のものであるが、ほかに初級段階で学ぶべき文法項目はきちんと押さえてあるので、指導される先生方の最もやりやすい方法で、授業を進めることができると思う。
総頁数68頁、本人の担当部分:課文部分 計15頁。
著作者:山下輝彦・李 青・関根謙・新谷雅樹。
3 若い世代の中国語単著 1992-04-30晃洋書房(京都市) このテキストは、はじめて中国語を学ぶ大学生の皆さんのために編集したものである。すべての頁が書き込めるようになっている。特に発音、練習問題は、書き込むことで、一つ一つの中国語の特徴を学んでもらいたい。このテキストのすべての頁が、学生の手によって書き込まれた時に中国語初級が完成する。この作業から、読む、書く、聞く、話す、という基本事項が学べる。総頁数69頁。
4 北京恋情共著 1993-02-01同学社(東京) 若い男女の恋心を描きながら、会話が展開される。生きた中国語を無理なく修得できるようにという点を重視している。初級を終えた学生にとっては、学びやすい楽しい教材になっている。総頁数61頁、本人の担当部分 課文部分 計30頁。
著作者:山下輝彦・関根謙・新谷雅樹・李 青
5 パノラマ中国語 -中国語中級テキスト-共編著 1993-12-15朋友書店(京都) このテキストは中国語初級を履修した学生を対象としている。本書は十五課よりなり、各課は本文・会話・文法・練習から構成され、単語はテキストの最後に、課ごとにまとめて付けてある。本文では中国語の最新のさまざまな現象をとりあげ、現代中国の社会・文化を可能な限り広く紹介しながら、楽しく中国語を勉強し、中国語能力検定試験の実力をつけることを目標に編集したものである。総頁数69頁、本人の担当部分 課文・練習計30頁、著作者:李青・文楚雄・岡田英樹。
6 楽しい中国語会話 -中級-共著 1997-04-01晃洋書房(京都) この教科書は中国語の基礎を終えて、会話の力をつけるための中級教材である。本書の特徴はすべて日常生活に役立つ会話から構成した。練習問題は、中国語検定試験の方式を取り入れ、三、四級レベルの問題を各課に二題づつ設けた。
総頁数54頁、本人の担当部分 課文・練習 計24頁。
著作者:李青・文楚雄。

7 楽しい中国語会話―初級―共著 2006-04-01晃洋書房(京都) 初級は従来の中級に合わせて、シリーズ化した一冊である。日本の大学における第二外国語として無理なく一年間でクリアできるように作成した。全体は十二課からなっており、発音から始まり、基礎文法、日常会話という展開である。各課に現代中国事情も盛り込み、中国語の学習と同時に文化事情も学ぶことができる。総頁数72頁、本人担当部分 課文 計20頁。
著作者:李青 文楚雄 周宝玲。
8 楽しい中国語会話―中級― 改訂版共著 2006-04-01晃洋書房(京都) 本稿はこれまで出版したテキストに、修正・加筆したものである。日本の大学における第二外国語として週に一回開講している事情から、十二課という構成となっている。初級の学習を踏まえた上で、やや高度な文法や会話を習得することができる。ほかに、中国現代社会に関するまめ知識や文化事情も盛り込まれている。総頁数66頁、本人担当部分 課文部分 計20頁。
著作者:李青 文楚雄 周宝玲。
9 日中両国の視点から語る
植民地期満洲の宗教
共著 2007-09-25柏書房(東京) 本稿は「疑遅文学論」(『植民地期中国東北地域における宗教の総合的研究』2005・3)に基づき、加筆・修正した論考である。満洲国時代に活躍していた“芸文志派”メンバー疑遅に焦点を当てて、疑遅の短編代表作『花月集』と『風雪集』を中心に考察した。東北郷土文学の代表と評される疑遅は創作の着眼点を常に下層社会に置き、彼が主導した東北郷土文学はリアリズムの手法をもって、不遇の人々の喜怒哀楽を描いていた。作家の故郷の喪失や文字に隠された反抗などを透視した。総頁数525頁。本人担当部分 340頁~367頁。
編著者:木場明志 程舒偉。執筆分担者:呂元明、李青等。
10 「文革」を生きた一知識人の回想共訳 2010-02-25ウェッジ(東京) 新中国成立後、知識人階級の一家がたどった過酷な運命を元高校教師が克明につづった。新聞記者だった著者の父親は毛沢東の呼びかけに応じて新聞に発表した3編の文章によって「右派」と断罪され、逮捕、投獄された。以後、著者も「階級の敵」の「犬っころ」として、少年時代を送ることとなり、さらに辺鄙な山村まで下放され、あらゆる不公平を耐え抜いてきた。しかし、改革開放後に家族が手にしたのは父の名誉を回復する判決書一枚のみだった。家族史を通じて、文化大革命の本質を鋭く暴いた未刊行手記の全訳である。総頁数267頁。原著者:朱沢秉 共訳者:細井和彦・李青 本人担当部分 169頁~253頁。
11 偽満時期文学資料整理輿研究(計34冊)
 『偽満州国文学研究在日本』研究巻
その他 (執筆分担者) 2017-01-00北方文藝出版社  「満洲国」作家疑遅的文学考察
 本論文は疑遅が「満洲国」時代に創作した『花月集』と『風雪集』を手がかりして、疑遅文学の本質を論じた。
(総頁:240頁。本人担当 103頁-117頁)
以上11点
Ⅱ学術論文
1 日本人作家のみた中国 -『李香蘭 私の半生』 と『大地の子』から- 単著 1992-07-10『松阪大学紀要』第10号 本稿は、『李香蘭-私の半生』と『大地の子』を通じて、現代の日本人の中国観を考察することを目的としたものである。本稿は、まず明治、大正、昭和の各時代の日本と中国の関係を辿りながら、日本人の中国観をまとめた。そして昭和の戦争を描いた『李香蘭-私の半生』と戦争によってもたらされた後遺症-残留孤児の問題を描いた『大地の子』を連続させて分析した。12頁(P39~P50)。
2 日中比較文化試論 -二つの自然主義 単著 1992-09-23『松阪政経研究』第11巻第1号 本稿は、藤村の『破壊』と茅盾の『子夜』にあらわれた自然主義文学観を考察することで、西欧の自然主義文学の日中両国の受容の違いを明らかにしようとしたものである。以上の両作品の比較を通じて、日中両国の自然主義文学の受容とそこから生まれる文学伝統の特質の一側面を探ってみた。
10頁(P41~P50)。

3 日本人が描いた日中戦争-火野葦平の『麦と兵隊』を通じて-単著 1995-07-20『立命館文学』立命館人文学会540号 『麦と兵隊』(1938年8月改造社)は作家火野葦平が戦争中、中国の徐州会戦に日記という形で描いたルポタージュである。作品は当時の日本文壇で国策文学として利用された。作品に中国の民間人と兵士を処刑する生臭い場面、中国側の攻撃を受けて打撃を被り苦戦する「皇軍兵士」の様子、中日両軍交戦の生々しさが如実に描き出されている。強行軍する「皇軍兵士」が行く先々で出くわした抗日スローガン、強大な「皇軍」の攻撃を受けながら、必死に抵抗する中国兵の姿などが見られる。葦平が無意識にこれらの場面に筆を費やしたことに注目した。15頁(P206~216)。
4 「満州文学」の一側面 -梁山丁の『緑の谷』を通じて-単著 1995-09-30『大谷学報』大谷学会第75巻第2号 梁山丁の長編小説『緑の谷』(1943年7月吐風書房、長春)は「満州国」の統治下で発表された作品である。作品は上坎に住む地主林家と下坎に住む貧しい小作人を軸に展開されている。
人間の愛憎劇、貧しい人々の悲惨な境遇、非道横暴な悪人、農民たちの土地を脅かす南満州鉄道の存在、緑林の英雄……一九三〇年代の東北農村をリアルに描写している。
作品の至るところに東北大地の人情と風俗が巧みに織り込まれ、「東北郷土文学の代表作」と高い評価を受けている。また作品に隠された反満抗日の情緒も主題を明確されている。
11頁(P1~P11)。
5 “藝文志”派文学と“満洲文壇”単著 2000-09-30『文藝論叢』第55号 大谷大学文藝學会学会誌 本稿は「満洲国」時代に文学業績のもっとも多い、統治者の日本人とも親密な関係にあった“藝文志”派に焦点を当てている。中国大陸では淪陥期における文学や歴史に対する再評価の機運のなかで、“藝文志”派に関する多くの資料が見られるようになった。これらの新資料を駆使しながら、「満洲国」時代に“藝文志”派創作活動を追ってみた。彼らの内心世界から芸術世界まで、新たな認識が得られるようになった。11頁(P1~P10)。                                      
6 「満洲文壇」の一考察-“藝文志派”を中心に- 単著 2002-03-20『真宗綜合研究所研究紀要』第19号大谷大学真宗綜合研究所学 本稿では最新の研究成果に着目し、従来の研究を振り返りながら“藝文志派”の「満洲文壇」における位置づけ、及び日本文人や文学団体とのかかわりを探った。特に“藝文志派”と主要メンバーの古丁の文学を重点に分析した。
21頁(P46~P66)

7 疑遅の創作活動-『新民胡同』の批評を兼ねて単著 2002-09-30『文藝論叢』第59号 大谷大學文藝學会 本稿は「満洲国」時代の“藝文志”派作家疑遅が晩年に書いた『新民胡同』を中心に評論を展開した。新作の内容を踏まえた上で、疑遅の「満洲国」時代に書かれた作品をも考察し、疑遅文学の特徴を浮き彫りにした。7頁(P1~p7)。
8 在日漢語教學的教學法淺論共著 2002-12-30『国際言語文學』第6號(韓国)東國大学校國際言語文學會 本稿は日本における中国語教育について「語音」「語彙」「語法」などの角度から考察した。中国語教育が行なわれる際に生ずる規則や難点などをまとめた。10頁(P295~P304)共著者:兪咏梅
9 「満州国」の作家疑遅文学の一考察 ―『花月集』と『風雪集』を中心に―単著 2004-09-30『河内昭円教授退職記念中国文学論叢』朋友書店 「満州国」時代(東北淪陥期)の中国人作家疑遅の文学を短編小説集『花月集』と『風雪集』を通じて考察した。疑遅の小説は東北社会の不合理を描いたものが多い。彼の描いた“暗黒社会”、“小人物の悲運”、“下層社会の貧困”から、「満州国」の実態を一瞥することができる。郷土の“真実を描き”、“暗黒を暴露”することで、東北淪陥期の郷土文学の基礎を築き上げた。総頁数459頁中10頁(P366~P385)。
10 疑遅文学論単著 2005-03-20「植民地期中国東北地域における宗教の綜合的研究」平成13年~16年度科学研究費補助金 研究成果報告書(発行地:京都) 本稿は郷土文学の旗手とされる疑遅が前半生の主要作品を手がかりにして、疑遅文学の真髄を探ってみた。疑遅は『山丁花』をはじめ、東北下層社会の人々を描く作品が多く発表された。本論文は第四章で疑遅と東北淪陥期郷土文学の関係を重点的に四つの角度から詳細に述べた。総頁数154頁中14頁(p19~p32)。
11 “満洲国”の通俗文学―雑誌『麒麟』を例として― 単著 2007-02-16『立命館文学』第598号  雑誌『麒麟』は“満洲国”で広く読まれている大衆雑誌である。筆者は通俗文学という角度から雑誌の本質に迫る試みをした。『麒麟』に登場する執筆者の顔ぶれから『麒麟』に現れた通俗文学が多岐にわたることがよく分かる。言情小説が紙幅を多く占めるなかで、当時満洲文学で活躍していた女流作家や純文学で有名な“芸文志派”作家の登場が興味深い。この多様性のなかで雑誌は上から押しつけられた政治や時事問題を背負いながら、一貫した娯楽性を堅持する姿勢にこそ『麒麟』の存在価値があったのである。11頁(p817~p827)。
12 ある知識人の半世紀の歩み(壹)―「反右派運動」から「文化大革命」までの軌跡―共著 2007-03-16『文藝論叢』第68号 大谷大學文藝學会 本論はある知識人が自分の家族を中心に、50年代~80年代までの苦難に満ちた家族史を綴ったものである。本稿は執筆者が本論の主人公に提供してもらった資料及びインタービューした内容に基づいたものである。政治の嵐が吹き荒れた50年代に、反右派運動で著者の父が逮捕、投獄された。家族全員が連座されるなか、母親もやがて死に追いやられた。反革命と右派の子供、つまり著者は犬っころとされた。著者は反右派運動から自らも住み慣れた北京からとうとう追われる日までの辛い日々を刻銘に記した。27頁(p450~p477)。共同執筆者:細井和彦
13 ある知識人の半世紀の歩み(弐)
―「反右派運動」から「文化大革命」―
共著 2008-03-18『文藝論叢』第70号 大谷大学文藝學会  本論はある知識人が自分の家族を中心に、1950年代~80年代までの苦難に満ちた家族史を綴ったものである。本稿は執筆者が本論の主人公に提供してもらった資料及びインタービューした内容に基づいたものである。主人公の父は右派とされ、投獄された後、母も貧困と病気に悩まされ、この世を去る。主人公がやむを得ず北京を離れ、江西省の農村に下放される生活を叙述している。37頁(76頁~112頁)。共同執筆者:細井和彦
14 雑誌『麒麟』に見る女性作家群像 単著 2008-12-15『立命館文学』第608号  「満洲国」にある大衆雑誌『麒麟』に登場する女性作家たちに焦点を当て、彼女らの文学を考察した。娯楽性の強い本雑誌に掲載された女流作家の作品は雑誌の趣旨に合った女性の好きな軽快なテーマのものもあれば、女性の旧社会における不運を描いた良い作品もあった。「満洲国」後期に当局に利用され、時局作品も散見した。文学作品は善し悪しにかかわらず、「満洲国」文壇に女性作家の参与によって、新しい風をもたらし、女性読者に豊富な話題を提供した。13頁(p230~p242)。
15 ある「右派」家族の告白
―文革末期から名誉回復までの苦難の日々―
単著 2009-03-18『大谷大学研究年報』第61集 大谷學会 本論はある知識人が自分の家族を中心に、50年代~80年代までの苦難に満ちた家族史を綴ったものである。本稿は本論の主人公から提供したすべての資料を翻訳し、更にインタービューした内容に基づき、解題を加えたものである。主人公は下放先から師範学校に進学し、その後中学の教員になった。“右派”家族がいるため仕事の配属や移動などは、いずれも多難に満ちていた。父親の名誉回復のために、権力と壮絶な戦いを繰り広げた経緯を細かく記している。74頁(p1~p74)。
16 『同心結』と『雁南飛』にみる疑遅文学の特色単著 2010-03-15『立命館文学』615号 短編小説『雁南飛』と長編小説『同心結』はいずれも著者の実生活から生まれた異色作である。著者疑遅は幼少時代からロシア文化に親しみ、ロシア語に長けていた。本論のなかでは、両作品に現れたロシア文化現象に重点を置き、作家は「満洲国」時代に国策文学からかけ離れたロシア的な要素の強い文学作品を創作時の心象風景、作品の魅力を分析した。疑遅文学の特色を見いだす試みをした。14頁(p161~p174)。
17 『新京図書館月報』からみる「満洲国」時代の文化単著 2012-10-14『文藝論叢』大谷大學文藝學會 第79号  本論文は2009年に復刻された『新京図書館月報』(1937年8月~1944年1.2月)をテキストにしている。1937年~1943年の間に出された館報を中心に、そこに掲載された文学についての記事、館報に投稿した作者、図書館と「満洲国」の中国人文芸団体との関わり、図書館のヴィジョンはいかなるものなのかなどについて考察した。
 『新京図書館月報』から反映された中国人作家とその創作、『新京図書館月報』から見られる特徴について項目を分けて、分析した。10頁。(1頁~10頁。)
18 「新京図書館」のライブラリアンたちの記録(一)
―『新京図書館月報』を通じて―
単著 2013-03-14『文藝論叢』大谷大學文藝學會 第80号  本稿は2009年に復刻された『新京図書館月報』をテキストにしている。当時新京図書館で図書館員として活躍していた彼らが『新京図書館月報』に残した活字と館報に寄稿された文化人たちの短文を通じて、「ライブラリアンたちが書いた〈新京図書館〉」、「文学者たちと〈新京図書館月報〉の関わり」などの側面から植民地支配下の図書館の本質に迫ってみた。22頁。(267頁~288頁。)
19 『新京図書館月報』からみる日中文人の心象風景 単著 2014-03-31『真宗綜合研究所研究紀要』第31号大谷大学真宗綜合研究所学  本論は「満洲国」時代に南満洲鉄道の付属図書館の館報に一つ『新京図書館月報』をテキストとし、当時ライブラリアンたちが記録した日常を通じて、「満洲国」文壇の様子、活躍していた日中文人たちに焦点を当てながら、「満洲国」の実態に文学の視覚から迫り、中日文人の心象風景の解明を試みた。17頁。(219頁~235頁。)
20 『轍印深深』ーある満洲国軍の日記に現れた恋文単著 2015-10-14『文藝論叢』 大谷大學文藝学会 第85号  『轍印深深』はある満洲国軍官の日記である。本論の日記は1944年の分を散逸したほかは、1938年1月1日から1945年12月31日までであり、日記の著者の心象風景、人生の歩みがきめ細かく記録されている。本論では日記に現れた大量な恋文を分析の対象にしたのである。当時のエリート階級の若者たちの恋愛観、結婚観は如何なるものなのか、彼らを取り巻く社会環境、家庭環境はどのようなものなのか、30年代から40年代までの婚姻風習を含め、総合的に検証した。
(1~20頁)
21 『満洲国』文学における疑遅の位置単著 2018-00-00『植民地文化研究』2018年17号 
植民地文化学会
疑遅は「満洲国」時代に文壇でもっとも活躍していた作家人である。疑遅の創作は「満洲国」時代に集中し、東北郷土文学を開拓した。本論文では、疑遅の「満洲国」時代の各時期に書いた文学作品を丹念に分析し、郷土文学の神髄の有り様を解明した。「満洲国」文学における疑遅の位置づけを行った。総頁数239頁中13頁(P84~P96)。
22 軍旅作家楊慈燈の短編小説からみる満洲国軍の実態単著 2020-03-14大谷大学文藝学会 本稿は楊慈燈の代表作の一つである『老総短篇集』を手がかりにして、この短編で「満洲国軍」の描写と「満洲国」という言語環境下での文学的特徴を考察したものである。
楊が特定の環境下で表現しようとした思考の過程を透視し、戦争や植民などの問題の分析をへて、楊の作品が指し示す精神世界を明らかにし、作品に秘められた寓意を解剖する。 作品を通じて現代の植民地文学研究の新視点につなげる試みをした。
23 『泰東日報』からみた大連マスコミの一側面単著 2020-10-14大谷大学文藝学会第95号 本論文は日本植民地経営下に置かれた大連で唯一に存在していた『泰東日報』をテキストにして、分析を試みた。初代社長をはじめ、初期の中国人ジャーナリストの活躍を通じて、植民地大連マスコミの一側面を垣間見ることができた。
24 慈燈文学の一考察ー1942年『大同報』掲載作品を中心にー 単著 2021-10-14『文藝論叢』第97号 大谷大学文藝学会 本論文は1942年『大同報』(満洲国の機関誌1932~1943年)に掲載された楊慈燈の軍旅小説を中心に、彼の作風変化における原因を検証した。
1942年は作者が退役した年である。作品の特徴はまず、これまでの軍旅生活で体験したことをより冷静に推敲を重ねた佳作を『大同報』に多く寄せた。二番目に軍旅生活以外に庶民にも目を向ける作品が多く見られた。三番目に楊慈燈の創作はより論理的になり、雑文と評論がもっとも多く掲載された。
 1942年は楊慈燈文学の誕生からちょうど10年の節目の年である。筆者は軍旅生活とともに歩んできた著者が『大同報』に掲載された小説と評論などを分析し、楊慈燈の軍旅小説の内容の豊富さを再確認することができた。 23頁(81~104)
25 「満洲国」軍旅作家・楊慈燈ー短篇小説の原風景 単著 2022-02-20植民地文化学会 本論文は日中の「満洲国文学」研究の成果を基礎として、近年公開された軍旅作家楊慈燈の作品およびその関連資料を糸口にして、植民地統治下という言語環境下におかれた作家が表現した「満洲国」、「満洲国軍」の本質に検討と分析を加えようとするものである。楊慈燈作品および関連資料に対して詳細な整理をおこない、楊が特定の環境下で表現しようとした思考の過程を透視し、戦争の洗礼を受けた「満洲国」軍人の心象風景、人民大衆を塗炭の苦しみに落ち入れた乱世の実態、楊の作品が指し示す精神世界を明らかにし、作品に秘められた寓意を解剖する。(総頁数232中13頁。(P89~101頁)『植民地文化研究』21。
以上25点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 現代中国生活事情講演 1987-12-18松阪大学第二十四回学術研究会 主催 改革開放後に中国社会は大きな変化が生じた。講演者は改革開放後に回復された大学受験制度をはじめ、中国の高等教育のシステム及び北京を中心とする大学生生活の現状について講演した。講演時間60分。
2 日本-中国-外国を理解することの難しさ講演 1988-08-05松阪市中央公民館主催 講演者は日本についての感想から、文化の違いを比べた。日本滞在期間の実体験を通じて、相互理解の難しさを感じながら、中国人の心と日本人の心の実像に迫ろうとした。講演時間60分。
3 現代中国の家庭生活とお年寄りの姿講演 1988-10-07松阪市中央公民館主催 中国家庭の特徴や社会福祉及び老人問題などを踏まえて、中国現代社会を語った。講演時間60分。
4 世界大串連-中国出国潮紀実文献解題 1989-03-20『松阪大学紀要』第6号 改革開放後に多くの中国の若者が先進国へ知識を求め、留学のブームを巻き起こした。日本においても多数の中国人留学生が大学で学んでいるが、彼らの心情、信念がいかなるものかという観点から、『世界大串連』(胡平、張勝友著)の一部分を翻訳し、中国における留学の現状とともに留学を志す彼らの動機の一端を考えた。14頁(P65~P78)。
5 中国超短篇小説の思想と芸術(董静茹著)単訳 1991-06-10『松阪大学紀要』第9号 ここ十年来、中国当代文学の文壇において超短篇小説はすでに1つの独立した文学ジャンルとなった。作者は文学評論の角度からこの新しい事物の規律を総括し、その思想と芸術の特徴を分析している。8頁(P23~P30)。
6 巴金『家』の序について文献解題 1991-06-10『松阪大学紀要』第9号 巴金『家』の各版本と各翻訳文に書かれた「序」を訳出して、日中両国の文学と社会のあり方の相違、近代に直面した日中両国の社会性質の違いを考えてみたものである。15頁(P69~P83)。
7 梁山丁の歩み・上 (李素秀 著)単訳 1996-03-16『文芸論叢』連載大谷大学文芸学会
第46号1996年3月
梁山丁(1914.12-1997.7)の足取りに沿って、波乱万丈の一生を年表という形でまとめた。主にかれの文学者としての業績に着眼し、総括した。上では梁山丁が66歳までの軌跡を記した。この間、彼の創作の黄金期である「満洲国」時代に発表した文学作品を丁寧に纏められた。
12頁(P58~P69)。
8 梁山丁の創作活動を通じてみる「滿洲文壇」口頭発表 1996-05-11第41回国際東方学会東方学会 “満州国”を生きる作家梁山丁の生き様を辿りながら、主要作品『緑の谷』の創作をめぐる出来事を追ってみた。“満州国”時代に中国人作家が置かれた立場、創作環境及び作家の心象風景の解明を試みた。発表時間30分。
9 『鉄の檻』から『北へ帰る』までの小松の創作傾向 (李春燕 著)単訳 1996-06-30『近代日本と「偽満州国」』日本社会文学会編 不二出版 東北倫陥期の作家小松の書いた短編小説『鉄の檻』から長編小説『北へ帰る』までの創作過程を通じて、作品の高い芸術性及び反満抗日の情緒を分析し、論考を訳出したものである。総頁数461頁中10頁(P408~P417)。
10 梁山丁の歩み・中(李素秀 著)単訳 1997-03-18『文藝論叢』48号 梁山丁(1914.12-1997.7)の足取りに沿って、波乱万丈の一生を年表という形でまとめた。主にかれの文学者としての業績に着眼し、総括した。中では梁山丁が66歳から72歳までの軌跡を記した。この間、すでに中国は共産社会となり、幾度の政治運動に翻弄され、文化大革命が終息するまで、梁山丁は牢獄で22年もの歳月を費やした。総頁数63頁中17頁(P47~P63)。
11 梁山丁の歩み・下(李素秀 著)単訳 1997-09-30『文藝論叢』49号 梁山丁(1914.12-1997.7)の足取りに沿って、波乱万丈の一生を年表という形でまとめた。主にかれの文学者としての業績に着眼し、総括した。下では梁山丁が72歳から83歳までの晩年の活動を記した。名誉回復後に梁山丁は再び文筆活動を再開した。「満洲国」時代に活躍した文人の作品の再評価及び復刊などに精力的にこなし、彼の努力で多くの「満洲国」時代の文学作品を復刊し、再評価された。総頁数92頁中20頁(P73~P92)。
12 『台湾人的覚醒興悲哀』紀行文 1997-10-20『台湾文学』文学台湾雑誌社24冬季号 日本支配下の台湾の遺跡や当時の文人の訪問を通じて、日本の侵略と国民党と蒋介石の統治を経験した台湾人の悲哀と目覚めをまとめた。総頁数313頁中3頁(P16~P18)。
13 東北料理は素朴で栄養満点の長寿食エッセイ 2002-06-16『週刊朝日百科』朝日新聞社 東北料理は素朴な素材からさまざまな栄養価の高い料理が演出できることについて綴ったエッセイである。総頁数32頁中1頁(P20~P21)。
14 「東方のモスクワ」と呼ばれた街エッセイ 2002-06-16『週刊朝日百科』朝日新聞社 哈爾濱は「東方のモスクワ」と呼ばれている。本稿では哈爾濱の歴史を振りかえりながら哈爾濱の今日の変貌ぶりを追った。総頁数33頁中1頁(P22-P23)。
15 東北淪陥期文学研究の現状口頭発表 2002-08-30植民地時期中国東北地区宗教研究会上記研究会、東北師範大学合同主催 1980年代から淪陥期文学の研究が本格的に始まった。以来、中国の学術界において、どのような軌跡を辿ってきたかを、具体的な作品を手がかりにして、分析した。淪陥期文学の研究は20年間の間に大きな成果を上げていることを検証した。発表時間40分。
16 東北淪陥期文学の一側面―― 疑遅が描いた“満州国”を中心に口頭発表 2005-10-18大谷大学大谷学会2005年秋期大会
大谷大学 大谷学会
「満洲国」時代の作家疑遅の前半生を軸に、時代背景と共に、彼の主な作品を紹介しながら、疑遅文学の特色、郷土的な性格を分析した。中国人作家における「満洲国」時代の文学状況の一側面を垣間見ることができた。発表時間60分。
17 オリンピックを控えた北京の光と翳り口頭発表 2007-07-03大谷大学文藝学会公開講演会  2006年度筆者は1年間北京に滞在した。その間に見聞したことを関連資料に基づき、北京の教育事情を以下のテーマについて、話した。①幼児教育②高等教育(大学教育)。大学教育の中で学校生活を通じて、彼らの喜怒哀楽、将来に対する考え方などを目の当たりにして、中国の現代若者像を伝えた。発表時間60分。
18 疑遅文学からみるロシア文学の影響口頭発表 2009-03-20「満洲国」文学研究会第16回定例研究会  本発表では「満洲国」時代にロシア文学に慣れ親しんでいた作家疑遅を取り上げた。疑遅が「満洲国」時代に発表したロシア人を題材にした文学作品を軸に、疑遅文学のロシア文学からの影響と作品に現れた心象風景を検証した。発表時間60分。
19 上海万博から見る中国の今講演 2010-10-23立命館大学立命館孔子学院中国理解講座 2008年の北京オリンピックに続いて、2010年に上海万博が開催された。世界第二の経済大国に躍進した中国はまさに世界の注目の的になっていた。8月に自ら万博会場を訪れ、現地調査を通して見た中国の今、そして上海を中心に報告した。講演時間は60分。
20 中国における“文革”研究の現状
―2011年中国「文学史学術検討会」の研究成果を中心に
口頭発表 2013-06-22現代中国研究会  本研究発表は首都師範大学歴史学院中国近現代社会文化史研究センターが2011年に開催された「文革史学術検討会」に発表された論文をテクストにして、文化大革命に関する最新研究成果を発表した。本発表は政治、文学・歴史、家庭・恋愛観・婚姻観・審美などの角度から、文革研究史の流れ及び研究の特色を分析した。中国国内に四大研究グループがあり、80年代から現在までの各グループの研究経緯を通じて、今後の研究を展望した。
21 ある「満洲国」軍官の日記『轍印深深』単著 資料紹介 2014-10-00『文藝論叢』第83号 大谷大學文藝學會  本資料紹介は満洲国時代に警察官を務めていた施明儒の日記(全四巻)についてである。日記は1938年1月1日から1945年12月31日にわたり、自らの私生活および仕事にかかわる身辺に起こった細々した出来事について、丹念に記録されている。筆者は巻ごとに主な内容をピックアップし、分析した。日記の内容は反満抗日的な要素が強いほか、当時の社会における種々相にも触れ、研究価値の高い資料である。
22 「満洲国」軍官の日記『轍印深深』に触れて会員近況 2015-12-00植民地文化学会会報 第15号  本稿は会員の近況報告である。
「満洲国」軍官の日記『轍印深深』に触れて、筆者は資料に基づき、研究成果として、「ある「満洲国」軍官の日記『轍印深深』」(大谷大學『文藝論叢』第83号2014年)と「『轍印深深』ーある満洲国軍官の日記に現れた恋文についてー」(大谷大學『文藝論叢』第85号2015年)を掲載した。
 今後は日記をさらに読みこなし、軍旅生活を通じて、「満洲国」国軍の実態に迫ってみたいと考えている。
(11~12頁)
23 東北師範大学日本研究叢書からみる日本問題の最新研究ー『偽満歴史文化と現代中日関係(上・下)』を中心にー資料紹介 2016-03-00『文藝論叢』 大谷大學文藝学会 86号  本稿は東北師範大学日本研究所が主体となる最新研究に注目し、研究者たちの著書を中心に紹介したものである。上記の研究は12名の研究者から組織され、2006年から近代日本の多方面的分析を研究目的としてスタートし、2015年1月までに、11冊の研究書を上梓した。研究内容は日本文化と文学、近代日本と経営、日本の歴史と政治などをはじめ、多領域に亘る。
『偽満歴史文化と現代中日関係(上・下)』は研究に参加したすべての研究者の論文集として纏められたものである。新しい資料の公開と発掘により、研究者に研究の良い材料を提供し、本研究は史料を最重要視した優れた研究成果だと言えよう。(72~78頁)
24 “満洲国文学”に関する新資料解読―『偽満時期文学作品叢書』全10冊を中心に―単著・解題 2016-10-14『文藝論叢』第87号 大谷大学文藝学会 (2016年8月14日)  本論は中国吉林図書館が整理・復刻した満洲国時代の10冊の本をテキストとして、それぞれの内容について紹介・解題したものである。新資料として、岡田英樹訳編した『血の報復』についても紹介と解説した。
 (総頁:88頁 本人担当:62頁―77頁)
25 植民地言語環境下における「満洲国文学」― 軍旅作家楊慈燈を手がかりにして口頭発表 2017-01-13第15回文学と美学国際学術シンポジウム
 文学研究の当代新視域
 本発表は近年発掘された軍旅作家楊慈燈の作品をテキストにして、彼が小説を通じて満洲国軍がどのように描かれていたか、作家の精神世界が如何なるものなのかを探ろうと試みた。
26 中国語教育における「華語」の受容
-中台の語彙差異を中心に考える
口頭発表 2017-07-11大谷大学文藝学会  中国語教育現場でどのような新語を取り入れているのか、台湾の中国語を比較対象として、具体的な解釈と比較をした。
27 東アジアの植民主義と文學口頭発表 2017-09-17東アジアの植民主義と文學研究会  9月17-18日に東京で開催された「東アジアの植民主義と文學」の国際学会で 「軍旅作家楊慈燈の短編小説からみる満洲国の実態」と題して、発表した。満洲国軍に従軍しながら作家活動していた作家楊慈燈の短編小説を手がかりにして、彼が描かれた満洲国の実態について検証・分析した。
28 探析植民語境下楊慈燈的軍旅小説口頭発表 2018-09-22第五回中国近現代社会文化史国際シンポジウム  本発表は、日中の「満洲国文学」研究の成果を基礎として、近年公開された軍旅作家楊慈燈(1915-1995年)の作品およびその関連資料を糸口にして、植民地統治下という言語環境下におかれた作家が表現した「満洲国」、「満洲国軍」の本質に検討と分析を加えようとするものである。楊慈燈作品および関連資料に対して詳細な整理をおこない、楊が特定の環境下で表現しようとした思考の過程を透視し、戦争や植民などの問題の分析をへて、楊の作品が指し示す精神世界を明らかにし、作品に秘められた寓意を解剖する。現代の植民地文学研究の新視点につなげた。
29 “満洲国文学”新資料解読-『偽満時期文學作品叢書』第一輯文献解題 2018-12-00『中国東北文化研究の広場』第4号 
「満洲国」文学研究会
 本解題は2015年に内部発行した『偽満時期文學作品叢書』第一輯の詳しい内容を紹介し、各分冊の著者及び作品について、解説を加えたものである。総頁数151頁中10頁(P81~P90)。
30 研究調査(シンガポール) 2019-09-12 9月9日~12日に「シンガポール華人社会の実態について―プラナカンの世界を中心に」というテーマでシンガポールを訪れ、ババハウス(プラナカンの跡地・現在開放中・要予約)とプラナカン住宅地など、中国移民たちがシンガポールに持ち込んだ文化を中心に考察した。
31 研究調査(インドネシア) 2019-12-26 12月25日~30日に「インドネシア華人社会の実態について」というテーマでインドネシアを現地調査をした。ジャカルタのチャイナタウンで華僑にインタビュー調査し、Global社会の中で、インドネシアの華僑の活躍に直で触れた。このほかに華人たちの生活様式を理解するために中国寺院及び華人が経営している市場を視察し、調査をした。なお、宗教的な信仰から、仏教の寺院の他、キリスト教、イスラム教、ヒンディー教の寺院を訪ね、インドネシアの華僑を含めた国民の暮らしの一面に触れることができた。
32 中華人民共和国の学校教育における朝鮮映画受容 口頭発表 2021-01-00第7回「文化としての社会主義」研究会(主催 科研基盤(B)「文化としての社会主義」)  1970年代の中国は朝鮮映画を輸入・上映する最盛期であった。発表者は自らの体験を踏まえつつ、同時代の研究資料と関連データを参考に、朝鮮映画が中国社会に与えた影響を分析した。朝鮮映画の特質及び中国人の受容の有り様を試みた。
33 研究会 「文化としての社会主義」コメンテーター 2021-02-27第6回研究会「文化としての社会主義」  コメンテーターとして、論文『朝鮮労働党七回大会以後の共和国小説における否定的な人物の形像化とその意味:「朝鮮文学」祝典賞受賞小説中心に』(著者:洪潤実)について論文に関する独自の資料を使いながら、論評した。発表者と参加者と意見を交わし、朝鮮現代小説の有り様に対する理解を深めた。
34 研究調査(研究資料B計画執行) 2021-05-00  2月4日に、研究資料Bの計画に則り、神戸華僑歴史博物館、南京中華街を資料調査とフィールドワークしてきた。今回は二回目の調査であり、神戸華僑歴史博物館を中心に行った。博物館にある資料について、撮影することが許可されており、時間をかけて、研究教育に必要なものを多数撮影した。南京中華街でニュー華僑の方々にインタービューをした。ニュー華僑からは来日の動機、現在日本社会との関わりなどを聞いた。なお、南京町とやや離れた関帝廟も見学でき、華僑の宗教活動を垣間見ることができた。
35 研究調査(研究資料B計画執行) 2021-09-23  9月23日に、研究資料Bの計画に則り、孫文記念館、南京中華街を資料調査とフィールドワークしてきた。近代華人研究には、孫文先生の足跡の調査が必要不可欠なものであり、当時の写真や関連資料は孫文記念館に多く取りそろっており、記念館を通じて孫文研究の研究成果も調べられることが分かった。今後、孫文記念館を通じて、もう少し詳しい資料調査をしたい。南京中華街で老華僑とニュー華僑の方々にインタービューをした。老華僑から南京町の歴史と自分たちの歩みを中心に語ってもらった。ニュー華僑からは日本に来る動機、現在日本社会との関わりなどを聞いた。
36 2021年度 生涯学習講座単著 2021-10-29大谷大学  10月29日、11月5日、12日 3回に渡って「改革開放後に現れた新華僑・華人の社会」というテーマで講義をおこなった。
 1980 年代初頭から中国は本格的に改革開放政策を実施し、その後中国社会はダイナミックに発展し続けている。国策留学から日本を含めた欧米各国への自費留学がブームとなり、多くの若者が学歴と新天地での生活を求めて、海外に赴くようになった。本講座ではこうした大きなうねりを背景として、日本に現れた新華僑・華人の動向にスポットライトを当て、日本社会における彼らの生き様や自己認識、異文化下で生まれた華人文学の有り様、ライフスタイル及び言語事情を複眼的な視点から、考察したものである。
37 研究調査(研究調査B計画執行 長崎) 2023-01-21 「華僑の歴史原点を探るー長崎を中心に」という研究テーマで2023年1月21日~23日の日程で研究調査してきた。華人の原点となる中国系寺院や中華街などの遺跡の調査とインタビューを行った。長崎の対外交流史に欠かさないオランダに関連遺跡も時間の許す範囲内で調査した。日本の近代における和華蘭の交流史に対する理解を深めることができた。調査した内容は教育と研究に役立ている。 
38 研究調査(研究調査B計画執行 横浜) 2023-03-13 「横浜華人社会に関する実地調査」という研究テーマで3月13日~15日の日程で研究調査してきた。本調査は横浜中華街の歴史を調査しつつ、現場で働いている中国系の方々にインタビューを行った。横浜の対外交流史に欠かさない開港に関連する資料館や施設も時間の許す範囲内で調査した。日本の近代から現在まで中華街の変遷及び近年の変化に対する理解を深めることができた。調査した内容を教育と研究を図りたいと思う。
以上38点

前のページに戻る