教育研究業績の一覧

東舘 紹見
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 史蹟見学の実施(短期大学部文化学科文化コース 担当ゼミ) [継続実施] 2003-11-15
~2009-02-05
短期大学部文化学科文化コースゼミ(日本歴史専攻)の学生を対象として、年に数回、京都周辺の主たる史蹟の見学を実施した。(2003年度~2008年度の間、毎年継続)
2 史蹟見学の実施(文学部歴史学科 担当ゼミ) [継続実施] 2004-05-22 ~ 文学部ゼミ所属学生(2~4回生)を対象として、年1~2回、近畿各地の史蹟の見学を実施している。(2004年度以降、毎年継続)
3 史蹟見学・研修を目的としたゼミ合宿の実施(文学部歴史学科 担当ゼミ) [継続実施] 2004-09-07 ~ 文学部ゼミ所属学生(2~4回生)を対象として、夏期休暇中、国内の主たる史蹟および展示・研究施設の見学を兼ね、合宿研修を実施している。(2004年度以降、毎年継続)
4 卒業論文作成に向けた合宿の実施(文学部歴史学科 担当ゼミ) [継続実施] 2004-12-11 ~ 文学部ゼミ所属4回生を対象として、卒業論文作成に際しての中間報告と研究の推進を目的とした合宿を実施している。(2004年度以降、毎年継続)
5 「卒業研究要旨文集」の作成(短期大学部文化学科文化コース 担当ゼミ)  [継続実施] 2005-03-18
~2009-03-18
短期大学部文化学科文化コースゼミ(日本史)において、各自の学びのまとめとし併せて後学の指針とする目的で、①卒業研究(10,000字以内)の梗概(2,000字程度。主要史料・参考文献一覧を付す)、②「二年間歴史を学んで」と題する文章(2,000字程度)、及び③史蹟見学等の写真・成果 等を掲載した文集を作成した。(2004~2008年度の間、卒業年次担当年度〈隔年〉毎に毎回作成)
2 作成した教科書、教材、参考書
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 真宗大谷派学校連合会宗教科担当者研究会での講演、解説 2010-10-08 ~ 同会の第37回研究会に出講し、親鸞の生涯について、近年の歴史研究の成果を踏まえつつ、中学校・高等学校宗教科において如何なる点に留意し学ぶべきかについて述べた。また、10月7日~9日の3日間にわたり、茨城栃木両県で行なわれた同研究会の親鸞関係の史跡踏査に同行し、各見学地で解説を行なった。(於茨城県笠間市 西念寺〈講演〉。他、茨城栃木両県所在の親鸞関係史跡寺院)(講演時間1時間30分、他現地解説) 
2 真宗大谷派学校連合会宗教科担当者研究会での講演 2011-10-08 ~ 同会の第38回研究会に出講し、東北地方太平洋沖地震・津波を通じて、生徒・学生とどのような点を共有し学んでゆくべきかについて、自らの体験を踏まえつつ見解を述べた。(於名古屋市中村区 名鉄グランドホテル)(講演時間1時間30分)
3 真宗大谷派学校連合会岩尾昭和学園教職員宗教教育研修会での講演 2011-10-27 ~ 同学園の全教職員を対象とする研修会に出講し、親鸞の生涯について、近年の歴史研究の成果を踏まえつつ、要点、留意点等を述べた。(於大分県日田市 岩尾昭和学園 昭和学園高等学校)(講演時間2時間)
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 高大連携事業への参加[継続実施] 2011-10-03
~2015-09-07
2011年度以降、大谷高等学校(京都)との高大連携事業の一環として、総合学習(高校1年生対象)に出講し、東北地方太平洋沖地震・津波から学ぶべきことは何か、という点について授業を行なった。(2011年10月3日、2012年9月3日、2013年9月9日、2014年9月29日、2015年9月7日)(講演時間各50分)
2 学術交流協定校への出講 2013-02-21 ~ 2月21日より3月7日の間、大谷大学の学術交流協定校であるエトヴェシュ・ロラーンド大学(ハンガリー国・ブダペスト)からの招聘による2012年度集中講義のため出講し、日本仏教史に関する講義を行ない、関係の教員・研究者と交流した。(講義タイトル:The “History of Japanese Buddhism” as a Precondition for the Formation of “Kamakura Buddhism”:The Conflict Between ‘Self-Attachment’ and ‘No Self’ in Buddhist History)
3 学術交流協定校での特別講義の実施
2013-03-01 ~ 集中講義のため出講した、大谷大学の学術交流協定校エトヴェシュ・ロラーンド大学(ハンガリー国・ブダペスト)において、The Tōhoku Earthquake and Tsunami : Imagination, Life, and Encountersと題し、東北地方太平洋沖地震・津波の状況と、そこから学ぶべきことは何かという点について、自らの体験を踏まえ、特別講義を行なった。(同大学人文学部日本学科主催)(講演時間 1時間)
4 高大連携事業への参加 2014-01-11 ~ 大谷高等学校(京都)との高大連携事業の一環として、総合学習(高校3年生歴史系授業履修者対象)(2クラス)に出講し、「「歴史」とは何か?「学ぶ」とは何か?」と題する授業を行なった。(講演時間各50分)
5 高大連携事業への参加[継続実施] 2017-02-20
~2018-02-19
2016~2017年度、京都明徳高等学校との高大連携事業の一環として、道徳教育特別講義(2017年度より、道徳特別講座に名称変更)(高校1年生対象)に出講し、東北地方太平洋沖地震・津波から学ぶべきことは何か、という点について授業を行なった。(2017年2月20日、2018年2月19日)(講演時間 高校1年生を2班に分け、各50分)
B 職務実績
1 大谷大学 特別研修員 1994-04-00
~1996-03-00
2 大谷大学 文学部・短期大学部 非常勤講師 1996-04-00
~1998-03-00
3 大谷大学 短期大学部 非常勤講師 1998-04-00
~2000-03-00
4 大谷大学 文学部 講師 2000-04-00
~2005-03-00
5 大谷大学 真宗総合研究所 指定研究「真宗学事研究」 研究員 2000-04-00
~2002-03-00
6 大谷大学 近代化百周年記念事業推進委員会 委員 2000-04-00
~2002-03-00
7 大谷大学 真宗大谷派教師課程委員会 委員 2000-04-00
~2005-03-00
8 大谷大学 学生部 委員 2000-04-00
~2006-03-00
9 大谷大学 博物館課程委員会 委員 2000-04-00
~2008-03-00
10 大谷大学 人権教育推進委員会 委員 2001-04-00
~2003-03-00
11 大谷大学 真宗総合研究所 指定研究「真宗学事史研究」 研究員 2002-04-00
~2004-03-00
12 大谷大学 人権センター センター員 2003-04-00
~2005-03-00
13 大谷大学 短期大学部 講師(所属変更) 2004-04-00
~2008-03-00
14 大谷大学 真宗総合研究所 指定研究「大学史研究」 研究員 2004-04-00
~2008-03-00
15 大谷大学 図書館司書課程委員会 委員 2005-04-00 ~
16 大谷大学 人権センター 人権問題学習テキスト「大谷大学における人権問題学習の課題」改訂委員会 委員 2005-04-00
~2007-03-00
17 大谷大学 真宗総合研究所 御遠忌記念特別指定研究「親鸞蔵の再構築」 研究員 2006-04-00
~2012-03-00
18 大谷大学 学寮長 2007-04-00
~2009-03-00
19 大谷大学 短期大学部 准教授 2008-04-00
~2009-03-00
20 大谷大学真宗総合研究所 指定研究「真宗本廟(東本願寺)造営史研究」 研究員 2008-04-00
~2012-03-00
21 大谷大学 大谷学会 委員 2009-04-00
~2017-03-00
22 大谷大学 文学部 准教授(所属変更) 2009-04-00
~2014-03-00
23 花園大学 文学部 非常勤講師 2010-04-00
~2011-03-00
「日本仏教史」(Ⅰ・Ⅱ)
24 大谷大学 教職課程委員会 委員 2010-04-00 ~
25 大谷大学 学生支援部 きょうのことば 編集委員会 委員 2010-04-00
~2015-03-00
26 大谷大学 文学部歴史学科 主任 2012-04-00
~2013-03-00
27 花園大学 文学部 非常勤講師 2012-04-00
~2016-03-00
日本仏教史(Ⅰ・Ⅱ)
28 大谷学会 庶務委員 2013-04-00
~2017-03-00
29 大谷大学 文学部 教授 2014-04-00 ~
30 大谷大学 真宗総合研究所 指定研究「教如上人研究」 研究員 2015-04-00
~2017-03-00
31 大谷大学 文学部歴史学科 主任 2016-04-00
~2017-03-00
32 大谷大学 真宗総合研究所 特定研究「新しい時代における寺院のあり方研究」 研究員(チーフ) 2017-04-00
~2020-03-00
33 大谷大学 図書館長 2018-04-00
~2020-03-00
34 大谷大学 文学部歴史学科 主任 2020-04-00
~2021-03-00
35 大谷大学 文学部歴史学科 主任 2022-04-00
~2023-03-00
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1990-04-00~0000-00-00 佛教史学会 会員
2 1994-04-00~0000-00-00 日本史研究会 会員
3 1994-06-00~0000-00-00 真宗連合学会 会員
4 1995-04-00~0000-00-00 日本佛教学会 会員
5 1995-07-00~0000-00-00 日本宗教学会 会員
6 1996-10-00~2012-11-00 佛教史学会 委員
7 2005-04-01~2008-03-31 財団法人大学コンソーシアム京都 京都学術共同研究機構共同研究(財団委託)「京都門前町総合調査プロジェクト」共同研究者(他の共同研究者:佐々木令信、河村能夫、頼富本宏、西村卓、宗田好史、舟橋和夫、岡村喜史、李フーピンク、渡邊秀一、東舘紹見、劉建、杉本理、堅田理、村上忠喜、村上泰教) 当初より共同研究者として参加。殊に2006年11月26日に大谷大学を会場として行われたシンポジウム「京都の門前町を考える」(基調講演:頼富本宏、パネリスト:河村能夫、近松誉、後藤典生、加藤眞吾、コーディネーター:宗田好史)には企画・準備段階より関わり、当日は総合司会を担当した。
8 2005-06-00~2017-06-00 真宗大谷派 部落差別問題等に関する教学委員会 委員
9 2006-07-00~0000-00-00 真宗教学学会 会員
10 2006-10-00~2008-10-00 佛教史学会 委員長
11 2008-05-00~2011-05-00 真宗大谷派視聴覚伝道委員会制作委員  親鸞750回御遠忌を記念して制作された真宗大谷派制作、及び同派提供の視聴覚伝道作品について、内容検討、考証、台本作成等の業務に関し、監修・実務に携わった。(アニメーション作品『親鸞への道/八太のともだち』真宗大谷派制作、2011年、テレビ番組『親鸞の道』MBS企画制作、真宗大谷派提供、MBS、BS-TBS放映、2010年~2011年)
12 2008-07-00~0000-00-00 真宗教学学会 委員
13 2009-06-00~2011-05-00 大学コンソーシアム京都 京都高等教育研究センター 京都学研究会 研究員
14 2009-07-00~2011-05-00 真宗教団連合「親鸞展」実務委員  親鸞聖人七百五十回御遠忌と真宗教団連合四十周年を記念し、2011年3月17日より同年5月29日にわたって行なわれた、京都市美術館・真宗教団連合・朝日新聞社主催の「親鸞展―生涯とゆかりの名宝―」開催に際し、実務委員として、展示の計画、図録の編集・執筆、展示品の集荷等の実務に当たった。
15 2010-04-00~0000-00-00 真宗大谷派 宗宝宗史蹟保存会 委員
16 2010-04-00~0000-00-00 真宗大谷派 宗務審議会 別院に関する委員会 委員
17 2012-06-00~0000-00-00 真宗連合学会 理事
18 2015-11-00~0000-00-00 佛教史学会 評議員
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 『蓮如・人と教え―『蓮如上人御一代記聞書』に学ぶ-』共著 2000-02-25真宗大谷派宗務所出版部 1998年に五百回遠忌を迎えた蓮如の生涯と思想について、その言行録である『蓮如上人御一代記聞書』の内容を中心に敷衍・解説を加えた書。担当執筆部分では、蓮如に最も近い存在であった家族について、①苦難をともにしながらも、互いに阿弥陀如来から賜わった信心を確かめる同行として歩み続けた点、②殊に子女たちにおいては、その信心は「身を捨てる」「無我」という具体的な行動として聞き取られていた点、等を『聞書』の内容に依拠しつつ述べた。 (総頁数:317頁、本人執筆部分:第三章「蓮如をめぐる人びと」第一節「家族」〈177~188頁〉 ※編者:大谷大学真宗総合研究所、分担執筆:寺川俊昭、草野顕之、小野蓮明、安冨信哉、神戸和麿、江上浄信、延塚知道、安藤文雄、加来雄之、木越康、一楽真、臼井元成、樋口章信、藤嶽明信、藤原正己、泉恵機、大桑斉、名畑崇、東舘紹見)
2 『浄土の聖者 空也』 (日本の名僧 第5巻)共著 2005-01-01吉川弘文館 シリーズ『日本の名僧』(全15巻)の一冊で、平安京や諸国で様々な階層の人々に阿弥陀仏の名を称えることを勧めた空也について、執筆者が種々の角度より考察・紹介した書。担当執筆部分では、空也の平安京での活動について、これが既成の仏教勢力や貴族層の賛同・助力をも得て行われたことを指摘し、中世社会の形成期における多様な人々が集い得る場としての法会の重要性を、具体例に即して説いた。(総頁数:225頁、本人執筆部分:「三 天暦造像と応和の大般若経供養会―社会・国家の変化と、交流・呼応の場としての講会の創始―」〈50~85頁〉 ※編著:伊藤唯真、分担執筆:杉本苑子、石上善應、石丸晶子、伊藤唯真、東舘紹見、名畑崇、今堀太逸、大森恵子、上別府茂) 
3 『『親鸞聖人伝絵』考察』 単著 2022-07-05東本願寺出版 2022年度真宗大谷派安居次講講本。親鸞の生涯をその曽孫である覚如が叙述した『親鸞聖人伝絵』は、親鸞の思想と生涯を知り得る基本的な聖教・文献として重視されつつも、同時に、親鸞の権威化、本願寺中心主義を推し進める意図の下に記されたものとされることも多かった。本書においては、そうした従来の理解に対し、覚信尼と門弟等以後の廟堂護持の意義を確認しつつ、覚如がそうした意図を継承し、親鸞によって開顕された他力回向の仏道を自信教人信しようとする意図のもと、『伝絵』を述作したことを考察した。(総頁数:190頁。開講の辞等:10頁、本文:148頁、資料篇<伝絵古写本三本対照>:32頁)
以上3点
Ⅱ学術論文
1 平安初期における法華講会の展開単著 1992-12-00大谷大学大学院研究紀要 第9号 平安中期に法華講会が隆盛を迎える前史として、八世紀末から九世紀後半にかけての平安初期における法華講会の展開過程を考察。当該期の法華講会は、従来主として亡者追善を目的とするものとされてきたが、本稿では、①法華講会の、各宗教学の正当性を論義する場としての性格に注目、②それが八世紀末の始修時以来のものであること、③就中、法華経の成仏説をめぐる解釈の相違が、論題として一貫して重視されていること、④さらに九世紀半ば以降、追善法会として貴族社会に受容されるに伴い、成仏説を貴族層に公表する場としての性格が新たに付加されたことを指摘した。(総頁数:27頁。該当頁:171~197頁)
2 勧学会の性格に関する一考察単著 1994-01-00真宗研究 第38輯  勧学会は従来、律令制衰退に伴い体制から疎外された文人貴族たちの浄土教への傾倒を示す事例として、現世的価値観を否定する浄土教の「発展史」上重視されてきた。これに対し、本稿では、体制の移行期に際し、新たな時代社会のあり方を表現する必要にせまられた文人貴族と、貴族社会との関係の緊密化によりその表現領域への関心を強めていた僧侶の、双方の現実的課題に対する学的交流の場としての性格を指摘した。また、法会の形態については、法華講会の形態を基本とし、これに釈教の詩作と弥陀念仏という参加者の当時の課題に応じた内容を加えたものとした。(総頁数:23頁。該当頁:12~34頁)
3 平安中期天台宗教団における講会開催の意義単著 1995-07-00宗教社会史研究会会報 第3号 平安時代中期、天台宗によって平安京周辺の寺院で行われた講会と呼ばれる法会について検討した。従来、これらの法会については、民衆救済の実践行、あるいは貴族社会との関係の密接化を意図した結縁会等、多様な評価が与えられてきた。本稿では、それら諸講会について、天台宗の一乗成仏説が、あらゆる階層の結縁・救済が可能な、教学的正当性を持つものであることを、社会各層に積極的に公表するという共通の意図をもって行われ、以後の天台宗による平安京周辺での多様な講会の先駆をなした動きと位置づけた。(総頁数:7頁。該当頁:1~7頁)
4 院政期大元帥法の相承について単著 1996-03-00宗教研究 第69巻第4輯(通巻第307号) 中世寺院の編成原理の一つである法流の存在に注目し、平安初期以来、国家的修法として重視された大元帥法とこれを相承する法琳寺における、十一世紀半ばから十二世紀初頭までの動向について検討。①相承における法流の対立・抗争は他に比して発生が早い点②寺院内での抗争→複数法流の対立→院権力の関与と、徐々に高次化しつつ展開する点、③相承決定に関し師による認定が聖教の伝授等に勝る点、等の諸点を明らかにし、これらが修法を自らに有為に編成・機能しようとする法流・院権力の意図の表出であるとした。(総頁数:3頁。該当頁:224~226頁)
5 平安時代における法華一乗思想の史的展開単著 1999-11-011999年度 課程博士学位授与申請論文 1999年11月に大谷大学に提出した課程博士学位授与申請論文。平安初期から中期にかけて、国家の体制が律令体制から権門体制へと徐々に移行し、時代社会と仏教界双方が緊密な関係を形成しつつ変化を遂げてゆく中、法華経に基づく一乗思想が注目されてゆく経緯とその歴史的意義について、時代社会と仏教を繋ぐ役割を果たした講会における動向を中心に、種々の角度より検討・通観した。内容構成は以下の通りである(章名のみ)。「はじめに」「第一章 平安初期における法華一乗思想の展開」「第二章 平安初期における法華一乗思想の展開と天台宗」「第三章 藤原道長と法華一乗思想」「おわりに」(総頁数:309頁<本文:180頁、註記:109頁、附表:20頁>)(審査要旨=『大谷学報』第80巻第2号に掲載)
6 平安中期平安京における講会開催とその意義―応和三年の二つの経供養会を中心に―単著 2001-03-31佛教史学研究 第43巻第2号 応和三年(963年)に時を同じくして行われた二つの講会、空也主催の大般若経供養会と内裏での良源主唱の法華経供養会=「応和の宗論」は、従来、民衆救済の実践行と貴族社会向けの教学論義という、相対立する法会とされてきた。しかし本稿では、両供養会ともに、天台宗の教学が、あらゆる階層の結縁・救済が可能な内容を持つものであることを、社会に広く公表するという共通の目的で行われ、密接な関連性を持つ法会であるとした。(総頁数:36頁。該当頁:33~68頁)
7 平安時代古記録の研究共著 2007-03-31大谷大学真宗総合研究所研究紀要 第24号 大谷大学博物館所蔵の『春記』(国の重要文化財)に関して行なわれた、2005年度大谷大学真宗総合研究所一般研究「平安時代古記録の研究」(代表:佐々木令信)の研究成果報告。分担執筆部分では、同書の僚巻と見做される各地の諸本との関係や、紙背の『顕密立教差別記』の内容・特色等について詳細な検討・報告を行なった。また紙背『顕密立教差別記』について、龍谷大学所蔵の同名異本との対校を含む全面的な校訂を行ない、校本を作成した。(総頁数:70頁 本人執筆部分及び該当頁:「はじめに」〈1~2頁〉、「第三章 大谷大学博物館所蔵『春記』紙背『顕密立教差別記』について」〈17~25頁〉、「おわりに」〈26頁〉、「付録:大谷大学博物館所蔵『春記』紙背『顕密立教差別記』校本」〈27~70頁〉 分担執筆:佐々木令信、頼富本宏、赤尾栄慶、杉本理、堅田理)
8 古代中世移行期における法華一乗思想の展開とその歴史的意義単著 2007-06-30真宗教学研究 第28号 天台宗が教学の根本に位置づける『法華経』には、あらゆる衆生の平等な成仏を説く法華一乗思想が述べられる。親鸞はこの思想から強い影響を受けつつも、同経を直接的には一度も引用することなく、「誓願一仏乗」という自らの思想を展開した。本稿では、親鸞の思想が生み出される歴史的前提として、平安期における法華一乗思想の展開とその歴史的意義を検討し、これがあらゆる人々を「平等」に位置づけつつ、当時の封建的支配を正当化し、その下に民衆を巧妙に服従せしめる思想として機能したこと、親鸞の思想の登場が支配思想としての一乗思想とその下での一切の宗教的行為との訣別を意味するものであったことを指摘した。(総頁数:21頁。該当頁:42~62頁)
9 円仁の入唐求法と法会の始修―九世紀天台宗における法会催行とその歴史的意義―単著 2008-03-18大谷大学史学論究 第14号 日本天台宗において「三聖」の一人として尊崇される慈覚大師円仁の事績について検討した。従来、円仁については、10年余りに及ぶ唐での求法巡礼の成果を日本に伝えた存在として評価されてきたが、本稿では、それらの営為が、当時の日本における世俗社会との関係の緊密化という緊要の課題に応答すべくなされたものであることを、彼が見聞した唐の法会と日本に導入したそれとの異同を検討することなどによって指摘した。また併せて、当該時期にかかる事績がなされたことの歴史的意義について、入唐前後の円仁の置かれた位置の検討を通じて考察した。(総頁数:39頁。該当頁:28~66頁)
10 近世本願寺寺内町と学寮単著 2008-07-00京都学術共同研究機構 紀要 京都門前町総合調査プロジェクト 最終報告 2005年度より08年度まで行われた、財団法人大学コンソーシアム京都における京都学術共同研究機構の共同研究(財団委託)「京都門前町総合調査プロジェクト」(プロジェクトリーダー代理:杉本理)の成果として報告したもの。近世における東西本願寺の寺内町は、京都に見られる門前町の諸形態の中でも、境内地を中心として独特な展開を遂げてきた存在である。本稿では、この寺内町の中での学寮の位置と歴史的役割について、東本願寺(及びその学寮たる東坊・御長屋・高倉学寮)の事例を中心に報告した。(総頁数:10頁。該当頁:21~30頁)
11 平安時代古記録と寺院聖教共著 2009-03-31大谷大学真宗総合研究所研究紀要 第26号 大谷大学博物館所蔵の『春記』(国の重要文化財)に関して行われた、2007年度大谷大学真宗総合研究所一般研究「平安時代古記録の研究」(代表:東舘紹見)の研究成果報告。研究代表として、研究全般の統括・遂行、研究成果報告の作成等に当たった。(総頁数:14頁。該当頁:1~14頁 共同執筆者:頼富本宏、赤尾栄慶、宮﨑健二、杉本理、堅田理)
12 親鸞における聖徳太子観―六角堂参籠時を中心に―単著 2010-01-30真宗研究 第54輯 親鸞と、彼を弾圧した顕密仏教の聖徳太子観の質的な差異について、特に親鸞の比叡山出山から六角堂参籠時に焦点を絞り考察した。親鸞在世時の聖徳太子およびその本地観音菩薩への一般的な信仰は、現実における支配を正当化し、そこに人々を取り込む思想として展開したものであったが、親鸞におけるそれは、人間に機の自覚の深まりを促し真の一乗に帰せしめる阿弥陀仏のはたらき、換言すれば、人間の我執による仏教利用を照射する存在としてとらえられていたことを指摘した。(総頁数:20頁。該当頁:210頁~229頁)
13 親鸞と一乗の系譜―出家・修学修行から六角堂参籠まで―単著 2011-10-07大谷大学真宗総合研究所編『親鸞像の再構築』〈親鸞聖人七百五十回御遠忌記念論集 下巻〉筑摩書房 自らを語ることの少ない親鸞の事績の中でも、特に世系、比叡山での修学修行、六角堂参籠までの時期に注目し、彼の生涯中におけるこの時期の彼の事績の意味を考察した。親鸞が、国家・社会のあるべき姿を文章で表現する文人貴族の出自であること、彼が学んだ比叡山延暦寺が、あらゆる人々が平等に仏となる道を歩むことができるとする一乗思想を根幹に置く存在であることを指摘し、これらが、一乗の真の成就を求めて求道を続けた親鸞の生涯に大きな影響を与えていることを指摘した。(総頁数:29頁。該当頁:35頁~63頁)
14 地域社会と寺院の抱える問題点の研究―課題と分析視覚―共著 2018-03-31大谷大学真宗総合研究所研究紀要 第35号 2017年度より発足した大谷大学真宗総合研究所における特定研究「新しい時代における寺院のあり方研究」について、その問題関心・分析視角、及びアプローチの方法・対象等について述べた論考。研究班の構成員による共著であり、全体は3章及び序と小括とで構成される。東舘は、第3章「今後の調査地区および調査活動について」及び「小括」を担当・執筆した。(総頁数:21頁。該当頁:1~21頁。本人執筆頁:14~21頁。分担執筆:木越康、山下憲昭、徳田剛、藤枝真、藤元雅文)
15 日本仏教における「旃陀羅」の表現とその意味 単著 2019-06-30教化研究 第164号 真宗大谷派における部落差別問題等に関する教学委員会委員としての報告。日本および日本仏教の歴史における「旃陀羅」の語の用いられ方とその意味について検討した。この語が、仏教伝来以後早い時期から用いられていること、特定の人々を貶め差別する語として用いられ続けていることを指摘すると同時に、この語が人間の普遍的な罪の問題に関わる語、概念としても用いられている場合があること、この語に対し、普遍的な救済実現の立場から強い関心を抱き続けた仏教者が存在することを確認した。(総頁数:16頁。該当頁:60~75頁)
16 過疎地域と寺院のあり方に関する総合的研究―揖斐川町春日地区における真宗寺院を中心として―共著 2021-03-31大谷大学真宗総合研究所研究紀要 第38号 2017年度に発足した大谷大学真宗総合研究所における特定研究「新しい時代における寺院のあり方研究」の成果報告。全体の概要と成果、今後の方向性について述べた「序」及び「結章」を担当・執筆した。調査・研究で明らかになった地域と寺院をめぐる厳しい現状と、その中での地道かつ熱心な取り組みの継続の事実を確認しつつ、その背景にある宗教観、世界観、生命観等への注目の必要性を指摘した。 (総頁数:28頁。該当頁:1~28頁。本人執筆頁:1~5頁、26~27頁。分担執筆:木越康、山下憲昭、本林靖久)
以上16点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 叡山仏教における講会の展開―十世紀後半~十一世紀初頭における―口頭発表 1990-05-00仏教史学会例会 於大谷大学 修士論文「叡山仏教の研究」の成果のうち、特に十世紀後半以後の諸講会の動向について詳述。天台宗による講会を通じた教学整備とその社会への公表が、十世紀後半以後、特に顕著な動きとなることに注目し、具体的な画期をなす法会として「応和の宗論」の重要性を指摘した。また、以後の諸講会が、天台宗独自の教相判釈である五時八教や、当時注目されつつあった弥陀念仏等、法華経の一乗成仏説に基づく多様な教学内容の具体的表現である点をも指摘した。(発表時間 1時間30分)
2 鳥羽僧正範俊と大元帥法口頭発表 1992-01-00仏教史学会例会 於大谷大学 院政初期の真言僧である範俊の、院権力と密接に関わりつつ、複数の権門寺院に横断する活動を通じて、当時の法流のあり方および院権力との関わりを考察。範俊の師からの付法相承は既に白河天皇の意に基づくものであり、以後範俊は白河の意を体しつつ、自らの属する小野曼茶羅寺の法流の聖教・法宝具を鳥羽法蔵に集積、また「国家の大法」として法琳寺系の法流が独自性主張の根拠としていた大元帥法を、自らの法流に包括する等の活動を行った。これらは、当時の法流展開の具体相を示す事例であるとともに、院権力にとって密教聖教・修法が如何に重要なものとみなされていたかを示すものでもある。(発表時間 1時間30分)
3 勧学会の性格に関する一考察口頭発表 1993-05-27真宗連合学会 第40回大会 於東京都中央区 西本願寺築地別院 学術論文「勧学会の性格に関する一考察」(『真宗研究』第38輯、1994年1月)の内容についての口頭発表。(発表時間 30分)
4 勧学会について口頭発表 1994-09-00宗教社会史研究会例会 於京都市左京区 京都府婦人センター 国家体制移行期における文人貴族と僧侶双方の学的交流の場としての勧学会の性格をさらに詳細に検討するため、特に①文人貴族である勧学会の在俗者側の結衆が遺した漢詩文・詩序等の全作品を網羅しつつ、各結衆における釈教詩・詩序の占める割合および位置づけについて検討を行なうとともに、②従来、勧学会が発展したものと位置づけられてきた二十五三昧会との比較検討にも力点をおいた発表を行なった。(発表時間 1時間30分)
5 空也の活動の歴史的意義について―大般若教供養会を中心といて―口頭発表 1994-12-16大谷大学特別研修員 研究発表会 於大谷大学 聖の先駆的存在形態であり、大乗菩薩道の精神に基づく衆生救済の実践行として評価されてきた空也の活動について、彼の代表的な活動である鴨川岸での大般若経供養会を取り上げ、再検討を試みた。まず、同供養会が、当時の天台宗による一乗成仏説の積極的な主張という一連の動きの中で、国家・貴族層・既成仏教の積極的な承認・援助の下に挙行されたものであることを指摘し、その開催を、中世社会の中核都市として繁華を遂げつつあった平安京において、支配層からの新たな「救済」のあり方を提示する思想への要求に応じつつ、天台宗が自己の権門としての思想的独自性を主張しようとした動きと位置づけた。(発表時間 40分)
6 空也の活動の歴史的意義について―大般若教供養会を中心として―口頭発表要旨 1995-03-00大谷学報 第74巻第4号 口頭発表「空也の活動の歴史的意義について-大般若経供養会を中心として-」(大谷大学特別研修員研究発表会、1994年12月16日、於大谷大学)の内容要旨。(80~81頁)
7 院政期大元帥法の相承について口頭発表 1995-09-00日本宗教学会 第54回学術大会 於沖縄国際大学 中世寺院の編成原理の一つである法流の存在に注目し、平安初期以来、国家的修法として重視された大元帥法とこれを相承する法琳寺における、十一世紀半ばから十二世紀初頭までの動向について検討。①相承における法流の対立・抗争は他に比して発生が早い点②寺院内での抗争→複数法流の対立→院権力の関与と、徐々に高次化しつつ展開する点、③相承決定に関し師による認定が聖教の伝授等に勝る点、等の諸点を明らかにし、これらが修法を自らに有為に編成・機能しようとする法流・院権力の意図の表出であるとした。(発表時間 20分)
8 藤原道長の仏教理解―講会とのかかわりを中心として―口頭発表 1995-12-00大谷大学特別研修員 研究発表会 於大谷大学 現世案穏・後世善処の二世安楽を願う平安貴族の信仰形態を示す典型とされてきた藤原道長と仏教との関わりについて、再検討を試みたもの。彼の創始した独自の講会である法華三十講が、仏教教学および世俗の諸学を法華経の一乗思想を中心に理解・編成しようとしたものであったこと、出家後に行った法成寺の造営が、一乗思想に基づき社会各層の「平等」な結縁と救済を具体的に表現しようとしたものであったことを指摘し、彼が自らの執政期の全般にわたって法華経の一乗思想に強い関心を持ち、これを自らの施政のあり方の思想的根拠として用いようとしていたことを明らかにした。(発表時間 40分)
9 藤原道長の仏教理解―講会とのかかわりを中心として―口頭発表要旨 1996-03-00大谷学報 第75巻第4号 口頭発表「藤原道長の仏教理解-講会とのかかわりと中心として-」(大谷大学特別研修員研究発表会、1995年12月、於大谷大学)の内容要旨。(82~83頁)
10 平安時代・大津の仏教史公開講座 1997-05-00大津市歴史博物館 土曜講座 <企画展「大津の仏像」関連講座> 於大津市歴史博物館 延暦寺・園城寺等の大寺院の所在地であるとともに、平安京に隣接し、「上下貴賎」が行きかう交通の要地でもある平安時代の大津の、仏教史上での位置づけを試みた。殊に延暦寺に行われた講会における教学の整備が、横川での迎講や釈迦講、関寺の再興と弥勒仏再建さらには霊牛の化現説の流布等によって、社会各層の結縁と助成によって具体的に社会に公表されてゆく様子を跡づけ、当該期の大津の仏教のあり方が、平安京・諸大寺の仏教に対し影響を与え得るものであった点を指摘した。(講演時間 1時間30分)
11 藤原道長と仏教―「一乗」への傾斜―口頭発表 1997-06-00仏教史学会例会 於大谷大学 まず藤原道長の仏教への姿勢を、単に個別貴族の信仰の表出としてではなく、院政期における院による権門寺院の統合の先駆ともいうべき、明確な政治的意図に発するものとしてとらえるべきことを述べた。さらに、彼の仏教に対する積極的姿勢が、各宗各寺院の権門としての自立化と独自性の主張という動向を踏まえつつ、それらの中で天台宗の主張する法華経の一乗思想に注目し、これを自らの施政に有効に用いてゆこうとする、強い教学的関心に発するものであったことを述べ、従来指摘されてきた制度的側面における仏教界の統制という意図に止まらないものであったことを述べた。(発表時間 1時間30分)
12 柏原祐泉・薗田香融・平山令三監修 『真宗人名辞典』項目執筆 1999-07-00法蔵館 真宗発展に関わった人物とその事績について収載した同辞典の項目のうち、聖徳太子・円仁・源信・教信等、真宗成立前史における人物、慈円・貞慶・聖覚・証空・蓮生等、親鸞と同時代の人物、信昭・経覚・尋尊・厳助等、真宗との関係が深い他宗派の人物を中心に、計51項目を担当・執筆した。
13 親鸞修行の地 比叡山を訪ねて講演 2000-05-20京都光華女子大学真宗文化研究所 第9回 聖蹟巡拝 於滋賀県大津市 比叡山延暦寺 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:比叡山延暦寺内 東塔 根本中堂、大講堂、戒壇院、国宝殿、横川 横川中堂、恵心堂)(所要時間 5時間30分)
14 平安京における講会開催とその意義―平安中期天台宗の動向を中心に―口頭発表 2000-10-21佛教史学会 第51回学術大会 於龍谷大学 学術論文「平安中期平安京における講会開催とその意義―応和三年の二つの経供養会を中心に―」(『佛教史学研究』第43巻第2号、2001年3月31日)の内容についての口頭発表。(発表時間 30分)
15 平安初期~中期における一乗思想の展開口頭発表 2000-11-20延暦寺文書復元研究会 報告会 於京都市上京区 機関紙会館 日本史研究会会議室 平安初~中期における天台宗による法華一乗思想の研鑽とその公開の諸相について、①著述の成立とその特徴、②講会の開催状況とその特徴、③貴族・民衆等社会各層における受容のあり方とその特徴 の3点から総合的に考察。これらの動向が、当時の寺院組織の整備や社会各層との関係の緊密化等と関連して、教学思想・対社会活動の両面にわたって、権門寺院としての勢力拡張と正当性獲得に有効に機能している事実を指摘した。(発表時間 1時間30分)
16 『集古十種』原稿類―未整理資料の中から―単著 2001-09-00書香(大谷大学図書館・博物館報)第17号 本学図書館所蔵の未整理資料『集古十種原稿類』について、書誌情報・分類等を紹介しつつ、その性格・特色を検討。当該資料が、松平定信によって編纂・版行された一大徴古図録集である『集古十種』(現存版木=国の重要文化財に指定)の原稿である可能性が極めて高いことを、具体的な事実を列挙し指摘した。また当該期の文化的事業としての『集古十種』編纂・版行の重要性をも指摘し、当該資料の価値の高さについて論じた。(総頁数:3頁。該当頁:23~25頁)
17 平安京の寺院と人々 第1回「講会に集う人々」 第2回「洛東の寺と貴族政権」講演 2001-12-00高槻市立芥川公民館 歴史文化講座 於高槻市立芥川公民館 近年の平安京研究・仏教史研究の成果を踏まえ、平安期の平安京とそこに住む人々の生活の状況全般、ならびに人々の信仰の有り様を平易に紹介し、寺社権門、貴族・武士等の支配層、民衆それぞれにおける仏教との関わりについて例示、当該期の仏教の果たした歴史的意義について見解を提示した。(講演時間 各1時間30分)
18 京都市内の親鸞関係の聖蹟を訪ねて講演 2002-05-25京都光華女子大学真宗文化研究所 第11回 聖蹟巡拝 於京都市中京区、同東山区 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:中京区 六角堂、東山区 青蓮院、崇泰院、大谷祖廟)(所要時間 5時間30分)
19 『往生要集』とその時代講演 2002-05-282002年度、2003年度 京都光華女子大学真宗文化研究所 聖典輪読会 於京都光華女子大学 同大学真宗文化研究所主催の2箇年度全12回にわたる聖典輪読会(一般公開)における講演。①源信の『往生要集』の内容を詳細に紹介し、同書に見られる念仏が、(1)天台止観に基づく「観心」の行法の一としての念仏、(2)具体的な観法としての色相観、(3)邪見・極重悪人のための「一心称念」のいずれをも含むものであったことを述べた。また、②同書が執筆された時代における国家・社会・仏教界の状況や、③同書を重視した法然とその弟子親鸞における理解についても言及し、上述の特色が、以後、(1)顕密仏教諸宗が主張した階層的な機根観、(2)専修念仏の人々が主張した平等的な機根観のいずれにも展開する可能性をはらむものであったことを指摘した。(2002年5月28日~2004年1月26日〈隔月開催〉講演時間 各1時間30分)
20 念仏伝灯の地 大原を訪ねて講演 2003-05-31京都光華女子大学真宗文化研究所 第12回 聖蹟巡拝 於京都市左京区大原 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:京都市左京区大原 三千院、来迎院、勝林院、寂光院)(所要時間 5時間30分)
21 「国風文化」発達の歴史的意義―かな文学・仏教文学の発達を中心に―口頭発表 2003-07-26大谷大学日本史の会大会 於大谷大学 平安中期以後に急速な展開を見た「国風文化」については、従来、衰退しつつある「古代的存在」である貴族や既成仏教が放った最後の光彩であるとの評価が一般的であった。報告では、近年の政治史・社会経済史の分野における研究の進展を踏まえ、国風文化を、新たに社会全体の動きを把握し、「中世的存在」として転成しようとする貴族・既成仏教による、「文章経国思想」の変質と表現領域の広がりを示す積極的な動向であると位置づけた。(発表時間 40分)
22 平安貴族と仏教Ⅰ―『高野雑筆集』―講演 2003-10-04大谷大学博物館開館プレセミナー 於大谷大学 本学博物館所蔵の空海著『高野雑筆集』(平安後期写。国の重要文化財)について、その書誌学・国語学・仏教思想研究における特色・貴重性について紹介した。また本品が、①著者空海の交友関係や社会活動、②平安後期以後の真言宗史、就中、勧修寺流の法流及びこれと密接に関わると思われる中世の高山寺における法流の形成等、種々の歴史的事実についても多くの知見を得られるものである点を併せて指摘した。(講演時間 1時間30分)
23 釈教歌発達の歴史的意義口頭発表 2003-10-222003年度 大谷学会 秋季研究発表会 於大谷大学 平安中期以後に発達する仏教的内容の歌詠、すなわち釈教歌については、従来、貴族層の個人的内面的信仰の表出として評価されてきた。本報告では、当該期の歌詠を、支配層である貴族による、政治や社会のあるべき姿を表現し社会に認知させてゆこうとする「文章経国思想」の「国風的展開」と見て、釈教の歌詠の盛行についても、かかる立場から、貴族層や既成仏教の僧侶による、仏教思想への参入の動きとして、具体的事例に基づき考察を加えた。(発表時間 30分)
24 親鸞修行の地 比叡山を訪ねて講演 2004-05-29京都光華女子大学真宗文化研究所 第13回 聖蹟巡拝 於滋賀県大津市 比叡山延暦寺 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:比叡山延暦寺内 横川中堂、恵心堂、根本中堂、大講堂、戒壇院、国宝殿)(所要時間 5時間30分)
25 親鸞誕生の地 日野と洛南の仏教史跡を訪ねて講演 2005-05-28京都光華女子大学真宗文化研究所 第14回 聖蹟巡拝 於京都市伏見区、京都府宇治市 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:京都市伏見区 日野誕生院、法界寺、宇治市 黄檗山萬福寺、黄檗山法蔵院、平等院)(所要時間 5時間30分)
26 釈教歌発達の歴史的意義―序説「国風文化」考察の手がかりとして―口頭発表要旨 2005-06-00大谷学報 第83巻第3・4合併号 口頭発表「釈教歌発達の歴史的意義」(2003年度 大谷学会 秋季研究発表会、2003年10月22日、於大谷大学)の内容要旨。(総頁数:5頁。該当頁:52~56頁)
27 能因・伊勢と高槻―平安歌人の姿― 第1回「能因法師と古曽部」 第2回「伊勢伝説と伊勢寺」講演 2005-09-00高槻市立真上公民館 歴史文化講座 於高槻市立真上公民館 高槻は、摂津と京の中間に位置し、上層貴族の牧や多くの寺院が所在する要地である。講演では、同地に居住伝承がある二人の平安歌人の史実・伝承を検証・考察した。特に居住がほぼ確実と見られる能因は、従来、「隠棲」歌人とされてきたが、居住以後も、摂関家との結びつきが強く、各地を巡遊して歌枕を詠み込んだ和歌を多く残す。講演ではこの活動を、地方の動向を踏まえこれを文学に表現しようとするものと見、かかる活動に好適な居住地として同地が選ばれたとした。(講演時間 各1時間30分)
28 最近読んだ本・佐々木令信『荘厳の京都学』新刊紹介 2005-11-30歴史の広場-大谷大学日本史の会会誌- 第8号 佐々木令信氏の近著について、それぞれの論考・文藻の内容を、古代社会における祈雨・仏教受容の問題を一貫してうかがおうとするものと見て紹介し、併せて各論考に通底する仏教史・文化史についての学問的関心・視点についても論及した。(総頁数:5頁。該当頁:53~57頁)
29 親鸞と真宗本廟の草創、そして本願寺の成立講演 2006-02-16大谷大学紫明講座(2005年度冬季)「真宗本廟(東本願寺)造営の軌跡-造営と4度に及ぶ再建をめぐる仏教史-」 於大谷大学 全3回の連続講座のうち、第1回目を担当。親鸞と門弟との関係から入滅後の廟堂の創立、更にはこれが本願寺第3代覚如によって寺院化され、以後、両堂形式が整うまでの経緯を歴史的背景を押さえつつたどり、これが一貫して親鸞の教法を聞信する門弟の志願によって護持され、門弟共有の帰依所として大きな意義を有してきたことを述べた。(講演時間 1時間30分)
30 親鸞の詩ごころ―高僧和讃・源信僧都―単著 2006-03-00月刊同朋(真宗大谷派宗務所発行)第58巻第3号~第5号 平安時代中期、人々に弥陀念仏を勧めた源信は、浄土教史上重要な人物であるばかりでなく、彼を七高僧の一人と位置づけた親鸞の思想・仏教史観を知る上でも看過できない人物である。本稿では、彼の念仏鼓吹を、時代社会及び彼が属する天台宗・延暦寺の要求への応答としつつも、そこに明確にうかがわれる悪機の自覚と如来の大行としての専修念仏への帰依、更には同信の朋との具体的な活動を、当該時代社会の中での仏教弘通の志願の顕現と見た。(2006年3月号~5月号に連載。各号とも 総頁数:3頁。該当頁:46~48頁)
31 京都市内の親鸞関係の聖蹟を訪ねて講演 2006-05-27京都光華女子大学真宗文化研究所 第15回 聖蹟巡拝 於京都市中京区、同東山区 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:中京区 六角堂、東山区 青蓮院、崇泰院、大谷祖廟)(所要時間 5時間30分)
32 平安時代における一乗思想の展開とその歴史的意義口頭発表 2006-07-09真宗大谷派教学学会 第13回大会 於大谷大学 親鸞は自らの一乗への領解を明示するに際し、修学中最も影響を受けた天台宗の所依経『法華経』の文言を一度も引用しない。その意味を当時の法華一乗思想の社会的機能の面から考察した。当時の顕密仏教は、法華一乗思想により人々の“平等な救済”を説き多様なあり方を認めつつ、同時に機の優劣を説き畢竟じて人々への過酷な負担の強制を正当化していた。親鸞の徹底した機の自覚に立つ一乗理解は、かかる機能を持つ仏教・一乗理解との訣別を意味していた。(発表時間 30分)
33 平安時代における法華一乗思想の展開とその歴史的意義―論義会・講会における展開を中心に―口頭発表 2006-08-28日本宗教史懇話会サマーセミナー(第2期第7回) 於香川県坂出市 坂出簡易保険保養センター 平安時代は土地の私有化が進展し、人々が多様な活動を始める中世社会の形成期に相当する。本報告では当該期における法華一乗思想の史的展開を概観し、この思想が人々の多様な活動を包摂し得る支配イデオロギーとして中世を通じて支配層に重視されることを述べた。また黒田俊雄が提唱した「顕密体制」の語義についても検討し、「日本的密教」の下位に位置づけられた、法華一乗思想に代表される「擬似論理主義」たる当時の顕教の歴史的意義を指摘した。(発表時間 1時間30分)
34 遺弟の念力-真宗本廟(東本願寺)をめぐる仏教史- 第1回「親鸞の入滅と廟堂の成立」 第2回「廟堂から本願寺へ」講演 2006-10-16大谷大学紫明講座(2006年度後期) 於大谷大学 全4回の連続講座のうち第1回(10月16日)、第2回目(10月23日)を担当。「遺弟の念力」というテーマに沿い、親鸞及びその門弟たち(遺弟)による信念の合力(念力)の軌跡としての、初期真宗教団における廟堂・本願寺の意義について述べた。特に第1回の講演では、平安時代中期から鎌倉時代初期にかけて、各宗の門流・寺院において、先師の行業・思想を追慕・讃仰し、一門が結集する紐帯として廟堂が創立・重視されてゆく経緯について指摘した。(講演時間 各1時間30分)
35 藤原道長とその時代 第1回「道長の前半生と貴族社会」、第2回「道長の後半生と仏教」
講演 2007-02-16高槻市立城内公民館 歴史講座 於高槻市立城内公民館 平安時代の代表的な人物である藤原道長について、彼の生きた時代や平安京の様子を紹介しつつ、その人物像・事績について諸史料に基づき平易に解説した(2/16)。また、その仏教への関心について、単なる個人的な信仰の表出に止まらず、新たな社会体制へと変化しつつある時代の趨勢を捉えた、為政者としての関心によるものであったことを指摘した(2/23)。(講演時間 各1時間30分)
36 比叡山延暦寺の教えとあゆみ―宗祖親鸞聖人が出遇った一乗の教えと仏教界の姿―講演 2007-05-21平成19年度 真宗教団連合滋賀県支部研修会 於滋賀県守山市 ライズヴィル都賀山 最澄によって開創された比叡山延暦寺の教えと歩みについて、天台宗が根本に置く法華一乗の教えとその歴史的意義を紹介し、親鸞がその思想から如何なる影響を受けて自らの思想を展開させていったのかについて、諸史料に基づいて述べた。(講演時間 1時間)
37 念仏伝灯の地 大原を訪ねて講演 2007-05-26京都光華女子大学真宗文化研究所 第16回 聖蹟巡拝 於京都市左京区大原 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:京都市左京区大原 三千院、来迎院、勝林院、寂光院)(所要時間 5時間30分)
38 京都御所―その歴史と現在(いま)― 第1回「平安遷都と内裏の成立」 第2回「中世都市平安京と「里内裏」」 第3回「近世公家文化の中心としての「京都御所」」講演 2007-06-25旭屋カルチャースクエア 産経学園 公開講座 於奈良県生駒市 旭屋カルチャースクエア イオン奈良登美ヶ丘 京都を中心とする貴族文化・公家文化の中心的存在である内裏・京都御所の規模や構造及びそこでの種々の儀式等の変遷とそれらの歴史的意義について、豊富な視聴覚教材・諸史料に基づき平易に解説。それらの規模・内容が、古代・中世・近世・近代という各時代の国家・社会の体制を常に如実に反映して、自在にその姿を変えてきたものであることを指摘し、「日本文化」における京都御所の意義についても言及した。(2007年6月25日、7月23日、8月27日開催。講演時間 各1時間30分)
39 親鸞の帰洛と終焉講演 2007-07-14財団法人大学コンソーシアム京都・京都市主催講座「法然・親鸞が生んだ京の歴史文化」 於キャンパスプラザ京都 法然入滅と東山への廟堂建立の経緯を受け、親鸞入滅後の廟堂創立に至る動向を、当該期における廟堂への注目という時代状況の中で捉えようとした。また、親鸞の廟堂が門弟の共有となり、更に寺院化する経緯についても言及し、これらの動きが、①すべての人々に開かれた専修念仏の教えを具体的に確かめる場への志向性、②現実の社会との対峙の中ですべての人々に開かれた専修念仏を相続する場への志向性という2つの要素が影響し合う中で展開したものであるとした。(講演時間 1時間30分)
40 宗祖親鸞聖人と比叡山―一乗の教えと仏教界の姿―講演 2007-08-25真宗佛光寺派滋賀南教区 平成19年度研修会 於滋賀県栗東市 栗東市ウィングプラザ 親鸞が修行した当時の比叡山延暦寺の規模や教学の内容について、親鸞の生涯を通じての歩みと関連づけつつ諸史料に基づき紹介し、親鸞の「誓願一仏乗」という思想が生み出される歴史的必然性について述べた。(講演時間 1時間30分)
41 承元(建永)の法難と、住蓮・安楽の処刑をめぐって講演 2007-09-14真宗平和の会 第5回全国研修会 於滋賀県近江八幡市 滋賀厚生年金休暇センター 法然門下に対する弾圧である「承元(建永)の法難」の歴史的意義についての講演。①その歴史的前提としての中世顕密仏教における教学と仏教界の姿、及び当時の国家体制である権門体制のあり方と、②法然とその門下の教学と行動、それぞれの特徴を述べ、両者の異質性を指摘した。また併せて従来の研究史における問題性をも指摘し、この弾圧が明確に思想的対立によるものであることを確認した。(講演時間 2時間)
42 平安時代にみる「たかつき」講演 2008-03-10高槻市立真上公民館 歴史講座 於高槻市立真上公民館 平安時代の諸史料から確認される高槻の様子とその特徴について、1.人々が活発に往き来する地、高槻 2.荘園・牧と人々の生活=農民の成長と、有力権門との関係の形成 3.高槻の山岳寺院 の3章構成で、主要な史料を提示しつつ平易に解説を加えた。(講演時間2時間)
43 親鸞修行の地 比叡山を訪ねて講演 2008-05-31京都光華女子大学真宗文化研究所 第17回 聖蹟巡拝 於滋賀県大津市 比叡山延暦寺 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:東塔 根本中堂、大講堂、戒壇院、国宝殿、浄土院、西塔 釈迦堂、常行三昧堂、法華堂)(所要時間 5時間30分)
44 平安時代における「顕」と「密」―黒田俊雄氏とそれ以後の学説の展開をめぐって―口頭発表 2008-07-26大谷大学 日本史の会 2008年度大会 於大谷大学 黒田俊雄氏が提唱した「顕密体制論」における顕・密の捉え方の特徴、及び同説提示以後の学界における継承のされ方とその問題点を指摘した。また中世顕密体制において、密教中心に全宗教が統合されることの意味について、①密教が(それ自体の事相面での機能も含めて)、あらゆる価値観とそれに基づくあらゆる動向を包摂する世界観を提示し得る思想であったためとし、②顕教は、かかる世界観の下での個別的状況・動向を位置づける役割を果たしたとして、その中でも、あらゆる動向を包括的に位置づけることを可能とする思想として、法華一乗思想が早い時期から重視されている、との見方を示した。(発表時間 40分)
45 『法華経』受容としての観音信仰とその形態口頭発表 2008-09-15日本宗教学会 第67回学術大会 於筑波大学 同学術大会におけるパネル「平安~鎌倉期における宗教心の転換―法華・太子・観音信仰―」での発表。わが国における観音信仰が、10世紀初頭の法華経に対する信仰と不可分のものとして展開して以後、法華一乗思想への為政者と仏教界双方の関心に基づき、救済的な色彩を濃厚に帯びて登場することを指摘。これが当該期の時代社会の動向に合致するものとして受容されたこと、及びこの経緯を受けて10世紀末頃より観音の化現としての聖徳太子への信仰が展開することを述べた。(発表時間 20分)
46 親鸞伝研究の歩み口頭発表 2008-09-18大谷大学真宗総合研究所 大谷大学親鸞聖人750回御遠忌記念特別指定研究 第17回研究会 於大谷大学 同研究班における「史的な親鸞像の再検討」に関する研究会において、歴史的な親鸞像の展開とその問題点について概観し研究の方向性を探った。主な内容は以下の通り。1.親鸞伝に関する史料、2.「浄土真宗」の祖師としての“伝統的親鸞伝”の形成、3.近代実証史学の導入と伝への再検討、視点の深化(明治末~大正~昭和初期)、4.戦後における親鸞伝研究(発表時間1時間30分)
47 重要文化財『春記』と紙背聖教―博物館秋季企画展 仏教の歴史とアジアの文化―単著 2009-03-18書香(大谷大学図書館・博物館報)第26号 表題の大谷大学博物館2008年度秋季企画展(2008年9月9日~27日)の開催報告。展観の内容を振り返り、本学所蔵『春記』の史料的価値を確認した。また、会期中の2008年9月13日に行なわれたシンポジウム(当日司会を担当。パネリスト:羽田聡、宇都宮啓吾、頼富本宏)における基調講演の内容及び討論の内容を略記し、異なる分野間の交流による研究の成果が公開された意義を述べた。(総頁数:2頁。該当頁:19~20頁)
48 廟堂(御影堂)の創設と大谷本願寺口頭発表 2009-03-19大谷大学真宗総合研究所 指定研究「真宗本廟(東本願寺)造営史研究」 第10回公開研究会 於大谷大学 同研究班において編纂を進めている『真宗本廟(東本願寺)造営史』の執筆担当分について、以下の通りの報告を行なった。はじめに、1.親鸞の遷化と墓地の点定、2.廟堂(御影堂)の創立、3.覚信尼による廟地寄進、4.唯善事件、5.覚如による継職と寺院化への動き、6.両堂形式、おわりに(発表時間1時間30分)
49 『法華経』受容としての観音信仰とその形態口頭発表要旨 2009-03-30宗教研究 第82巻第4輯(通巻第359号) 口頭発表「『法華経』受容としての観音信仰とその形態」(日本宗教学会 第67回学術大会、2008年9月15日、於筑波大学)の内容要旨。(総頁数:2頁。該当頁:123~124頁)
50 親鸞における聖徳太子観口頭発表 2009-06-05真宗連合学会 第56回大会 於龍谷大学 学術論文「親鸞における聖徳太子観―六角堂参籠時を中心に―」(『真宗研究』第54輯、2010年1月)の内容についての口頭発表。(発表時間 40分)
51 宗祖親鸞聖人のご生涯と一乗の教え講演筆録 2009-06-25リーラー「遊」Vol.6(文理閣) 真宗高田派正泉寺開創五百年記念シンポジウム「浄土真宗の五百年」(2008年10月26日 於三重県桑名市・正泉寺 司会・コメンテーター:安藤弥、他のパネリスト:金龍静、北島恒陽)における基調講演の筆録。親鸞の思想形成に重要な位置を占めた、比叡山における法華一乗思想修学の意味について、論者の研究の成果を踏まえ見解を述べた。親鸞における法華一乗思想は、「誓願一仏乗」の語に象徴される彼の思想の中核が形成される前提として重要な意義を持つこと、また親鸞のかかる思想が、流罪とこれを契機とした関東の人々との出遇いを通じ内実を伴うものとなり得たことを指摘した。(総頁数:17頁。該当頁:8~24頁)
52 大谷大学のあゆみ講演 2009-06-25全国大学史資料協議会 西日本部会 2009年度 第1回研究会 於大谷大学 寛文5年(1665年)から現代に至る大谷大学のあゆみについて、時期区分を提示しつつ、「人間」を深く探求する大谷大学の学風がどのようにして形成されたについて述べた。(講演時間 40分)
53 親鸞誕生の地 日野と平等院を訪ねて講演 2009-06-27京都光華女子大学真宗文化研究所第18回聖蹟巡拝 於京都市伏見区、京都府宇治市 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:日野誕生院、法界寺、宇治平等院)(所要時間 5時間30分)
54 親鸞の比叡山出山及び承元(建永)の法難をめぐって講演 2009-08-31真宗平和の会第7回全国研修会 於京都市下京区 大谷婦人会館 講演「承元(建永)の法難と、住蓮・安楽の処刑をめぐって」の続講。承元(建永)の法難が行なわれた理由について、当時の比叡山における教学理解と、法然・親鸞におけるそれを比較検討し、その質的な違いについて考察した。(講演時間 2時間)
55 親鸞を歩く―京都市内の史跡をたずねて―「生涯と歩み:第1回」 「同:第2回」 「フィールドワーク実地解説〈資料添付〉」講演 2009-09-122009年度 大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座 親鸞を歩く―京都市内の史跡をたずねて― 於大谷大学、京都市内各史跡 2009年9月5日より10月3日にわたって行なわれた、大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座での講演。全4回の講座のうち、第2回~第4回において、親鸞の生涯と歩みについて史料に基づいて概観するとともに、京都市内の関連する史跡を訪ね、資料を配布し実地解説を行なった。(講演時間〈第2、3回〉各1時間30分)
56 源信の時代と社会 第1回「仏教と社会の新たな関係の形成」 第2回「源信の人となりと 二十五三昧会」講演 2009-10-28大谷大学 生涯学習講座 大乗仏教の歩み-親鸞の眼を通して-7「濁世末代の教え―源信―」 於大谷大学 大谷大学が、親鸞の七百五十回御遠忌を迎えるに当たり行なった連続講座「大乗仏教の歩み―親鸞の眼を通して―」の第7講座「濁世末代の教え―源信―」(全6回)の第1回(10月28日)、第2回(11月4日)を担当。源信の生きた平安時代中期に至るまでの天台宗の歩みと、当時の時代状況を確認しつつ、機の自覚の深まりを通して、あらゆる人々に通じる念仏の教えを説いた源信登場の意義について述べた。(講演時間 各1時間30分)
57 源信講演 2009-10-31平成21年度(第14回)光華セミナー「ブッダから浄土真宗へ」 於キャンパスプラザ京都 京都光華女子大学による、ブッダから親鸞に至る浄土信仰の流れをたどる連続講座(全6回)の第4回を担当。日本天台宗の歩みと、源信在世時の時代状況を確認しつつ、彼の思想形成の階梯とその内容・意義を述べた。人々が活発に活動を始めた中世前期において、種々の社会問題もまた顕在化し、仏教が支配イデオロギーとして注目されてゆく状況を述べ、そのような中で、徹底して機の自覚を重視しつつ念仏の教えを説いた源信の思想的立場を確認した。(講演時間 3時間)
58 歴史講座の基礎知識―古文書の読み方 第1回「古文書のかたち」 第2回「『摂津名所図会』―「富田」を読もう」講演 2010-01-18高槻市立富田公民館 歴史講座 於高槻市立富田公民館 全2回の講座。第1回(1月18日)では、高槻に関係する古文書を中心に、文書の様式や頻出語句について平易に解説し、様式理解の上での内容読解の面白さを紹介した。第2回(1月25日)では、くずし字判読の実例として、江戸期版行の著名な『摂津名所図会』の高槻市富田に関連する箇所を取り上げ、同地に所在する普門寺、本照寺、教行寺等著名な史跡やそこに見られる文化的事象を紹介しつつ、解説・読解を行なった。(講演時間 各2時間)
59 京都市内の親鸞関係の聖蹟を訪ねて講演 2010-05-22京都光華女子大学真宗文化研究所 第19回 聖蹟巡拝 於京都市中京区、同東山区 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:中京区 六角堂、東山区 青蓮院、崇泰院、大谷祖廟)(所要時間 5時間30分)
60 親鸞を歩く―親鸞修行の地・比叡山延暦寺をたずねて―講演 2010-09-182010年度 大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座 於大谷大学、比叡山延暦寺 2010年9月4日より9月25日にわたって行なわれた、大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座での講演。全4回の講座のうち、第3回において、親鸞が修行した地・比叡山延暦寺について史料に基づいて概観し、第4回においては、実際に比叡山を訪ね、資料を配布し実地解説を行なった。(講演時間〈第3回〉1時間30分)
61 大切な出遇い講演 2010-11-09学校法人高松学園報恩講 於長野県伊那市 伊那西高等学校、同飯田市 飯田女子短期大学、飯田女子高等学校 同学園3校の宗教行事(報恩講)に出講し、法然と親鸞の出遇いに言及しつつ、人間における出遇いの意義について述べた(11月9日、伊那西高等学校、11月10日、飯田女子短期大学、飯田女子高等学校)(講演時間各1時間)
62 宗祖親鸞聖人に遇う「親鸞展」共著 2010-12-01真宗 第1281号(2010年12月)、第1283号(2011年2月)、第1285号(2011年4月) 京都市美術館・真宗教団連合・朝日新聞社主催「親鸞展―生涯とゆかりの名宝―」開催に際し、真宗大谷派、及び同派所属寺院所蔵の重要な法宝物を紹介する7回連続の記事のうち、第3回(『一念多念文意』)、5回(『皇太子聖徳奉讃』)、7回(「覚信尼絵像」)を担当。特に、いずれの法宝物も、親鸞の生き方と思想、それを継承した人々の実像を目の当たりにする内容を持つものである点を強調した。(他の執筆者:平野寿則、安藤弥)(各号とも 総頁数:1頁。該当頁:33頁)
63 「本願寺聖人伝絵」を読み解く―宗祖親鸞聖人750回御遠忌 次代に受け継がれる教えの心―監修 2011-01-26一個人№130「保存版特集 仏陀の言葉」 同記事の監修者として、記事原案の作成・編集等、成稿までの過程に関与した。親鸞の伝記である『本願寺聖人伝絵』(康永本)(真宗大谷派所蔵)の内容と特徴について平易に解説し、その内容が、親鸞によって開顕された浄土真宗の教えを後代に伝えようとする志願に貫かれているものであることを述べた。(総頁数:2頁。該当頁:96~97頁)
64 近世東本願寺の歴史講演 2011-10-012011年度 大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座「宗教都市―京都―」 於大谷大学 宗教都市京都の歴史・空間構造・特色を理解しつつ、特に東西本願寺の寺内町を取り上げ、歴史・景観・文化・住人・街づくりに対する理解を深める連続講座(全15回)の第5回講座。東本願寺の成立と寺域・寺内町の整備の状況、及び4度にわたる焼失と再建の歴史について、画像を交えてたどり、東本願寺の独立及び再建という事業自体が、寺内町の特色の形成に大きく影響していることを述べた。(講演時間 1時間30分)
65 近世東本願寺の学寮講演 2011-10-082011年度 大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座「宗教都市―京都―」 於大谷大学 宗教都市京都に対する理解を深める連続講座(全15回)の第6回講座。近世における各宗派の学場の性格について概観した後、東本願寺学寮の成立と展開について、画像を交えつつ、平易に紹介した。一貫して寺内町に置かれ続けた東本願寺の学寮が、多くの聴衆が集まり、彼らと地域の人々が交流する場、教学面でのセンターと言い得る独自の役割を果たしたことを述べた。(講演時間 1時間30分)
66 東北地方太平洋沖地震・津波に あって ―人の弱さ、出遇い・つながりの大切さ―講演 2011-10-27学校法人岩尾昭和学園 校父母祭法要 於大分県日田市 昭和学園高等学校 同学園の宗教行事(校父母祭法要)に出講し、東北地方太平洋沖地震・津波とそれ以後の経験から学ぶべきことについて、自らの体験を踏まえた講演を行なった。(講演時間1時間)
67 新日本風土記―仏像の京都―解説 2011-11-18NHK京都放送局制作、NHK BSプレミアム放映番組 同番組に出演し、東北地方太平洋沖地震・津波に関して、過去に京都で制作され被災地と京都を結んだ仏像の役割について解説した。また制作への協力・助言を行なった。
68 津波の「歴史」と、「今」を生きる私単著 2011-11-30歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌― 第14号 東北地方太平洋沖地震・津波以後の歴史学・文化財関係者の史料保存の努力や、過去の津波被害の実態及びこれに関する史料、伝承等を紹介しつつ、あらゆるものを瞬時に奪い去る、自然災害をはじめとする過酷な状況を、歴史学が如何に受け止めるべきかについて述べた。(総頁数:4頁。該当頁:1~4頁)
69 生と死を生きる―大震災一周忌―単著 2012-03-08仏教タイムス 第2479号 東北地方太平洋沖地震・津波の発生から1年を経た時点での被災地の深刻な状況と、被災地における種々の状況・活動等を振り返り、今回の地震・津波を通じて銘記しなければならないことについて述べた。(第1面)
70 親鸞修行の地 比叡山を訪ねて講演 2012-05-12京都光華女子大学真宗文化研究所 第21回 聖蹟巡拝 於滋賀県大津市 比叡山延暦寺 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:東塔 根本中堂、大講堂、戒壇院、国宝殿、浄土院、西塔 釈迦堂、常行三昧堂、法華堂)(所要時間 5時間30分)
71 いのちと光に出遇う―3・11から今日までの想い―講演 2012-05-18真宗大谷派 岡崎教区主催公開講演会 於愛知県豊田市 真宗大谷派三河別院擧母支院、同県岡崎市 真宗大谷派三河別院 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(5月18日、擧母支院、5月19日、三河別院)(講演時間各1時間40分)
72 “ともに生き ともに育ちあう”―東北地方太平洋沖地震・津波を通して―講演 2012-05-26真宗大谷派保育協会東京支部研修会 於東京都練馬区 真宗大谷派東本願寺真宗会館 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動について、大谷派保育協会の理念である“ともに生きともに育ちあう”という視点から、自らの体験を踏まえた講演を行なった。(講演時間 2時間)
73 いのちと光に出遇う講演 2012-06-02真宗大谷派 大阪教区 第39回同朋大会 於大阪市中央区 真宗大谷派難波別院 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(講演時間1時間10分)
74 東北地方太平洋沖地震・津波に あって―3・11から今日までの想い―講演 2012-06-30真宗大谷派 名古屋教区 名古屋真宗学院研修会 於京都市下京区 大谷婦人会館 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(講演時間 1時間30分)
75 東北地方太平洋沖地震・津波に あって―想定・いのち・出遇い―講演 2012-07-04大谷大学 2012年度 第1回 “人権問題を共に考えよう”全学学習会 於大谷大学 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、人権という視点を据え、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、講演を行なった。(他の講演者:木ノ下秀俊)(講演時間 40分)
76 想定・いのち・出遇い―東日本大震災から1年半―単著 2012-09-06中外日報 第27753号 東北地方太平洋沖地震・津波の発生から1年半を経た被災地の現状、原発再稼動に象徴される風化の状況の中で、被災地における種々の状況・活動等を振り返り、今回の地震・津波を通じて明らかになったこと、忘れてはならないこと等について述べた。(第5面「論・談」欄)
77 大谷大学と東本願寺講演 2012-09-21セカンドライフ協会講座 於大谷大学 東本願寺の歴史について、特に近世における再建史を中心に述べ、これと大谷大学の前身にあたる東本願寺の学寮の歴史との関係を指摘した。また近代以後現在までの大谷大学の歴史についても概略を述べた。(講演時間 1時間30分)
78 親鸞の生涯に聴く―教えとの出遇い―講演筆録 2012-10-15真宗大谷派学校連合会会報(真宗大谷派学校連合会編集・発行)2010年度版 真宗大谷派学校連合会宗教科担当者第37回研究会での講演(A 教育業績 3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等の欄に記入)の筆録。(総頁数:27頁。該当頁:29~55頁)
79 大谷大学博物館2012年度特別展「親鸞-真宗開顕-」記念「坂東本『教行信証』フォーラムコーディネート 2012-10-20大谷大学博物館特別展記念フォーラム 於大谷大学 親鸞七百五十回御遠忌を記念した大谷大学博物館の特別展「親鸞」に出陳された親鸞真筆『教行信証』(坂東本)に関する研究フォーラムの実施に際し、企画の段階よりコーディネーターとして参画し、当日は全体の司会・進行を務めた。(報告者:赤尾栄慶、宇都宮啓吾、三木彰円)
80 いのちと光に出遇う講演 2012-10-22真宗大谷派 長浜教区主催人生講座「東日本大震災から私が問われていること」 於滋賀県長浜市 真宗大谷派長浜別院大通寺 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(講演時間 1時間10分)
81 いのちと光に出遇う―3・11から今日までの想い―口頭発表 2012-12-12大谷大学 真宗学会 2012年度12月例会 於大谷大学 東北地方太平洋沖地震・津波及びそれ以後の体験と、その種々の局面で感じられた親鸞の思想、言葉との関わりを中心に、地震・津波及び以後の体験から何を確かめ学ぶべきかについて報告を行なった。(発表時間 1時間15分)
82 東北地方太平洋沖地震・津波にあって―想定・いのち・出遇い―講演筆録 2013-03-00大谷大学人権センター 人権センター叢書 vol. 12 大谷大学 2012年度 第1回 “人権問題を共に考えよう”全学学習会(2012年7月4日、於大谷大学)における講演の筆録。(総頁数:24頁。該当頁:9~32頁)
83 いのちと光に出遇う―3・11から今日までの想い―講演 2013-03-17真宗大谷派 高岡教区 高岡仏教青年塾「仏青いのちの日」 於富山県南砺市 真宗大谷派井波別院瑞泉寺 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(講演時間 2時間)
84 エトヴェシュ・ロラーンド大学(ハンガリー)日本学科を訪問して 口頭発表 2013-03-30大谷大学日本史の会2012年度3月例会 於大谷大学 同年2月21日から3月6日の間、集中講義出講の為に赴いた本学の学術交流協定校エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)での講義内容、及び同大学日本学科の現状等について報告を行なった。主な報告内容は以下の通り。Ⅰ.ハンガリーの歴史におけるELTEの歩み、Ⅱ.ELTE及び日本学科の現状、Ⅲ.ハンガリー及びELTEにおける日本仏教への関心、Ⅳ.集中講義の内容と感想等 (発表時間 1時間30分)
85 いのちと光に出遇う―3・11から今日までの想い―講演 2013-04-20真宗大谷派 岐阜教区主催仏教公開講座 於岐阜市 真宗大谷派岐阜別院 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(講演時間 1時間30分)
86 エトヴェシュ・ロラーンド大学(ハンガリー)日本学科を訪問して口頭発表要旨 2013-07-20歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌― 第16号 口頭発表「エトヴェシュ・ロラーンド大学(ハンガリー)日本学科を訪問して」(大谷大学日本史の会2012年度3月例会、2013年3月30日、於大谷大学)の内容要旨(総頁数:2頁。該当頁:56~57頁)
87 「御霊会」とは何か? ―平安京における信仰の多様性―講演 2013-09-142013年度 大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成コース 於大谷大学、京都市内各史跡
4回にわたり、平安中期の平安京で盛行した御霊会の実態と歴史的意義について述べた。各回の日時及びテーマは以下の通り。第1回(9月14日)御霊会のはじまり、第2回(9月28日)祇園御霊会、第3回(10月5日)北野天満宮の創建、第4回(10月19日)フィールドワーク(神泉苑、平安京創生館、北野天満宮宝物館)(講演時間〈第1~3回〉各1時間30分)
88 今こそ、いのちと光に出遇う―3・11から今日までの想い―講演 2013-09-26同朋大学仏教学科・連続公開講座「親鸞と現代」第Ⅲ期 於名古屋市中村区 同朋大学 東北地方太平洋沖地震・津波と以後の種々の活動における自らの体験を踏まえ、地震・津波の経験から何を学ぶべきかについて、浄土真宗の宗祖である親鸞の言葉を引用しつつ講演を行なった。(講演時間 1時間15分)
89 教如上人の足跡を訪ねて講演 2013-10-26京都光華女子大学真宗文化研究所 第22回 聖蹟巡拝 於滋賀県長浜市 同大学真宗文化研究所の主催による聖蹟巡拝研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:真宗大谷派長浜別院大通寺、長浜城歴史博物館)(所要時間 8時間)
90 千年前の貴族のつぶやき―『御堂関白記』を読む―講演 2014-03-06高槻市立南大冠公民館 歴史講座 於高槻市立南大冠公民館 平安時代の代表的な貴族藤原道長が遺した古記録(自筆本が現存)であり、2013年にユネスコの「世界記録遺産」にも登録された『御堂関白記』について、その成立背景、特徴等を平易に紹介するとともに、主要な記事についても解説を加えつつ読解・紹介した。(講演時間 2時間)
91 震災・原発事故から問われるもの―講演講演筆録 2014-04-01第39回大阪教区同朋大会記録誌 いのち輝け! 今、いのちがあなたを生きている 震災・原発事故から問われるもの(真宗大谷派大阪教務所) 真宗大谷派 大阪教区 第39回同朋大会(2012年6月2日、於大阪市中央区・真宗大谷派難波別院)における「いのちと光に出遇う」と題する講演の筆録。(総頁数:34頁。該当頁:11~44頁)
92 親鸞誕生の地 日野と平等院を訪ねて講演 2014-10-25京都光華女子大学真宗文化研究所第23回聖蹟巡拝 於京都市伏見区、京都府宇治市 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:日野誕生院、法界寺、宇治平等院、黄檗山萬福寺)(所要時間 7時間)
93 東本願寺学寮について講演 2015-05-182015年度 大学コンソーシアム京都 京カレッジ 京都力養成講座「宗教都市京都と門前町」 於大谷大学 大学コンソーシアム京都による京カレッジ・京都力養成講座「宗教都市京都と門前町」全4回のうち、第2回目の講演。東本願寺の門前町における学寮の歴史と、その果たした独特な役割について、他の宗派における学事施設との比較検討やそれらとの交流の様子、門前町での多様な活動、所化(学生)たちの日常等に注目しつつ平易に紹介した。(講演時間 1時間30分)
94 もっと知りたい! 東本願寺共著 2015-10-01同朋(東本願寺出版編、真宗大谷派宗務所発行)第67巻第10号(第774号)、第68巻第3号(第779号)、第68巻第5号(第781号) 従前の『同朋』誌上の連載を読み、“東本願寺の歴史をもっと詳しく知りたい”と思った読者を念頭に、境内の建物等を切り口に歴史知識を盛り込んだ連載記事を分担執筆。阿弥陀堂、御影堂門の御修復完了などの動きも踏まえつつ、「真宗本廟」の歴史的、今日的意義が伝わる内容を目指した。(執筆担当分:2015年10月号「第4回 御影堂門」、2016年3月号「第9回 大寝殿」、同年5月号「第11回 涉成園」。各号とも 総頁数:2頁。該当頁:38~39頁)(監修:平野寿則、他の執筆者:安藤弥、川端泰幸、平野寿則)

95 京都市内の親鸞関係の聖蹟を訪ねて講演 2015-10-24京都光華女子大学真宗文化研究所第24回聖蹟巡拝 於京都市中京区、同東山区 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:中京区 六角堂、東山区 青蓮院、崇泰院、大谷祖廟)(所要時間 7時間)
96 出山の親鸞聖人講演 2016-02-18真宗尾張同学会主催 名古屋教区・名古屋別院 宗祖親鸞聖人750回御遠忌記念講演 於名古屋市中区 真宗大谷派名古屋別院
これまでの研究において十分注目されてこなかった親鸞の出自や比叡山での修学の持つ意味について、近年の日本中世史、仏教史研究の動向を踏まえ、再検討を加えた。(講演時間 1時間30分)
97 藤原道長と仏教―その信仰と施政―講演 2016-04-152016年度 アスニー京都 セミナー講座 於京都市中京区 京都市生涯学習総合センター(京都アスニー) 京都市生涯学習総合センター、公益財団法人京都市生涯学習振興財団の主催によるセミナー講座。娘三人を天皇の中宮として摂関政治の最盛期を現出させ、最期は自ら建立した法成寺の阿弥陀如来に導かれて生涯を終えた藤原道長の仏教信仰と施政との関係について、従来の研究史を再検討しつつ、画像等も交えて平易に解説した。(講演時間 2時間)

98 出山の親鸞聖人講演 2016-08-28東本願寺 日曜講演 於京都市下京区 真宗大谷派 しんらん交流館 親鸞の生涯において、29歳時の六角堂参籠と法然との値遇を促す重要な事績であるにもかかわらず、これまでの諸見解においてあまり注目されてこなかった傾向が強い親鸞の出自や比叡山での修学の持つ意味について述べ、併せて六角堂での救世観音菩薩からの夢告の意味についても述べた。(講演時間 1時間20分)
99 念仏伝灯の地 大原を訪ねて講演 2016-11-12京都光華女子大学真宗文化研究所第25回聖蹟巡拝 於京都市左京区大原 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:京都市左京区大原 寂光院、平徳子墓所(建礼門院大原西陵)、阿波内侍等墓所伝承地、来迎院、勝林院、三千院)(所要時間 7時間)
100 出山の親鸞聖人 講演筆録 2017-02-01ともしび(真宗大谷派教学研究所編、真宗大谷派宗務所発行)第772号 東本願寺 日曜講演(2016年8月28日、於京都市下京区 しんらん交流館)における講演の筆録。(総頁数:9頁。該当頁:1~9頁)
101 佛教史学会編『仏教史研究ハンドブック』項目分担執筆項目執筆 2017-02-25法蔵館 同学会の60周年記念事業として、インド・アジア諸地域・中国・朝鮮半島・日本等の各地域・時代を通観する初学者向けのハンドブックとして編纂された同書において、主として日本古代の仏教とその周辺を知り得る事象として注目される「聖の原像と展開」について、担当・執筆した。(総頁数:2頁。該当頁:196~197頁)

102 親鸞聖人と京都―前半生を中心に―単著 2017-08-00創造する市民((公財)京都市生涯学習振興財団・京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)発行)第109号 京都市生涯学習総合センターの依頼による執筆。親鸞の生涯、および教えとの出遇いにおいて、出生の地京都がどのような意味を持っていたかについて記した。文人貴族の家に生をうけたことや、比叡山で一乗思想に出遇ったこと、六角堂で観音の願いについて思いをこらしたこと等は、親鸞自身は語らないものの、法然との出遇いを通じて阿弥陀仏の本願に出遇ってゆく上において、いずれも重要な契機となったと考えられることを、関連する史蹟の紹介を行いつつ述べた。(総頁数:8頁。該当頁:11~18頁)
103 親鸞聖人の御生涯に聞く講演 2017-09-25真宗大谷派名古屋教区教化センター 教化研修「聖典研修」 於名古屋市中区 真宗大谷派名古屋教務所議事堂 センター主催の研修における連続講演。近年の日本中世史研究、仏教史研究等の成果を踏まえ、親鸞聖人の生涯を見ていく視点、注目点等について、史料を挙げつつ詳細に講じた。(第1回「「親鸞聖人の御生涯に聞く」とは」2017年9月25日、第2回「親鸞聖人が生きた時代」同年11月6日、第3回「誕生と出家」2018年1月22日、第4回「比叡山での修学・求道」同年3月5日、第5回「六角堂への参籠」同年4月23日、第6回「吉水入室」同年5月21日)(講演時間 各2時間)
104 親鸞修行の地 比叡山を訪ねて講演 2017-10-21京都光華女子大学真宗文化研究所 第26回 聖蹟巡拝 於滋賀県大津市 比叡山延暦寺 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。特に本年度は、比叡山延暦寺を構成する三塔の主要な聖蹟を歴訪することを通じ、比叡山での親鸞の置かれた状況について詳細に理解することを目指した。(巡拝先:東塔 根本中堂、大講堂、戒壇院、国宝殿、浄土院、西塔 釈迦堂、常行三昧堂、法華堂、横川 横川中堂、恵心堂、元三大師堂)(所要時間 8時間)
105 親鸞聖人と京都講演 2017-12-012017年度 アスニー京都 セミナー講座 於京都市中京区 京都市生涯学習総合センター(京都アスニー) 京都市生涯学習総合センター、公益財団法人京都市生涯学習振興財団の主催によるセミナー講座。親鸞自身は多くを語らないものの、人として生を受け、多くの大切な出遇いを通じて生涯の要となる阿弥陀仏の願いとの出遇いをなした親鸞と京都との関係について、当時の時代社会への理解を踏まえ講じた。同センター刊行物への執筆内容(前掲102)に基づき、関連する史蹟や史料の画像等も交え、前半生を中心に平易に解説した。(講演時間 2時間)
106 親鸞聖人の御生涯に聞く講演筆録 2017-12-25センタージャーナル(真宗大谷派名古屋教区教化センター発行)第103号、第104号、第105号、第106号、第107号、第108号 名古屋教区教化センター主催の教化研修「聖典研修」「親鸞聖人の御生涯に聞く」の講演筆録(第103号=2017年12月25日発行「「親鸞聖人の御生涯に聞く」とは」、第104号=2018年3月25日発行「親鸞聖人が生きた時代」、第105号=2018年6月25日「誕生と出家」、第106号=2018年9月25日「比叡山での修学・求道」、第107号=2018年12月25日「六角堂への参籠」、第108号=2019年3月25日発行。各号とも 総頁数:2頁。該当頁:2~3頁)
107 生死の苦海・功徳の宝海―東日本大震災から問われる私たちの姿―講演 2018-05-25京都光華女子大学・京都光華女子大学短期大学部 2018年度 第1回宗教講座―豊かな人間性を目指して― 於京都市右京区 京都光華女子大学・京都光華女子大学部短期大学部 光風館(講堂) 同大学の宗教講座(大学1年生対象)での講演。東日本大震災という私たちが経験した大きな出来事を振り返り、この「逆縁」を通して私たちが知らされた大切なことを確かめつつ、仏に出遇うということ=照らされ破られることの大切さについて述べた。(講演時間 1時間15分)
108 親鸞聖人の御生涯に聞く―宗祖の後半生―講演 2018-09-25真宗大谷派名古屋教区教化センター 教化研修「聖典研修」 於名古屋市中区 真宗大谷派名古屋教務所議事堂 名古屋教区教化センター主催の研修における連続講演。近年の日本中世史研究、仏教史研究等の成果を踏まえ、親鸞聖人の生涯を見ていく視点、注目点等について、前年度の講座に引き続き、史料を挙げつつ後半生を中心に詳細に講じた。(第1回「念仏に関する二つの主張」2018年9月10日、第2回「承元の法難・御流罪」同年11月12日、第3回「越後での生活、佐貫での三部経千部読誦」2019年1月21日、第4回「関東での生活(第1回)」同年3月4日)、第5回「関東での生活(第2回)」同年4月22日)、第6回「帰洛と執筆活動」(同年5月27日)(講演時間 各2時間)
109 親鸞誕生の地 日野と平等院を訪ねて講演 2018-10-20京都光華女子大学真宗文化研究所第27回聖蹟巡拝 於京都市伏見区、京都府宇治市 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:宇治平等院、黄檗山萬福寺、法界寺、日野誕生院)(所要時間 7時間)
110 私を開く歴史との出遇い―親鸞七百五十回遠忌を通して―単著 2018-12-26歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌― 第21号 近代の御遠忌における親鸞の位置づけを確かめ、2011年に迎えた親鸞七百五十回遠忌に際し、歴史研究において再検討すべき課題について述べた。近年の研究を通して明らかになった、親鸞の生涯における世系や比叡山仏教との深い結びつきについて確認し、それらが彼の思想や歩みに与えた重大な影響を再認識すべきこと、そのことを踏まえて親鸞の思想と行動の意味を再評価すべきことを述べた。(該当頁:1~3頁)
111 生死の苦海・功徳の宝海―東日本大震災から問われる私たちの姿―講演筆録 2019-03-10真実心(京都光華女子大学・京都光華女子大学短期大学部発行)第40集 京都光華女子大学・京都光華女子大学短期大学部 2018年度 第1回宗教講座―豊かな人間性を目指して―(2018年5月25日、於京都市右京区 京都光華女子大学・京都光華女子大学部短期大学部 光風館(講堂))における同名の講演の筆録(該当頁:5~49頁)
112 円光寺文庫と香山院龍温師のこと―学寮関係の蔵書をめぐって―単著 2019-03-15書香(大谷大学図書館・博物館報)第36号 大谷大学図書館・博物館の館報の巻頭言として、幕末の激動期に東本願寺の学寮講師となり、外学研究に尽瘁して近代的な学の構築や教団の改革に向け舵を切った香山院龍温の事績について、近年の学事史研究の成果を踏まえて紹介するとともに、その手沢本を収めた文庫である本学架蔵の円光寺文庫の内容・特色についても解説を加え、先哲の事績・業績に間近に触れ得る場としての図書館の意義について述べた。(該当頁:2~3頁)
113 親鸞聖人の御生涯に聞く(宗祖の後半生)講演筆録 2019-03-25センタージャーナル(真宗大谷派名古屋教区教化センター発行)第108号、第109号、第110号、第111号 名古屋教区教化センター主催の教化研修「聖典研修」「親鸞聖人の御生涯に聞く―宗祖の後半生―」の講演筆録(第108号=2019年3月25日発行「念仏に関する二つの主張」、第109号=同年6月25日発行「法難・御流罪」、「越後での生活」、第110号=同年9月25日発行「関東での生活①」、「関東での生活②」、第111号=同年12月25日発行「帰洛と執筆活動」。各号とも 総頁数:2頁、2回分掲載の場合は4頁。該当頁:第108号:6~7頁、第109号~110号:2~3頁、6~7頁、第111号:2~3頁)
114 大谷大学旧本館 尋源館単著 2019-04-01教育旅行 第755号 公益財団法人日本修学旅行協会が刊行する同誌の巻頭連載「日本の教育文化遺産を訪ねる」の第136回記事(4月号掲載)として執筆。1913年(大正2)に、高倉大学寮と真宗大学が統合される形で京都市北区小山の現在地に建設された大谷大学の旧本館としての役割を担った尋源館について、建設の経緯や建築上の特色(ルネサンス式の内容、セセッション様式の採用、日本近代西洋建築史、学校建築史上の位置づけ)、建学の精神や大学の歩みとの関わり等について紹介した。(該当頁:2~3頁)
115 CORE KYOTO
阿弥陀仏―浄土へ誘う 来迎の祈り―
Amida Buddha: Prayers for Guidance to the Pure Land
解説 2019-05-16NHK/NHK WORLD JAPAN制作・放映 同テレビ番組の制作・放映に際し、京都における阿弥陀仏への信仰を伝える寺院として著名な真如堂、永観堂禅林寺等を学生4名とともに訪ね、今に伝えられる仏像彫刻や堂宇、儀礼、信仰の特徴について紹介しつつ、京都における阿弥陀信仰の歴史的意義、またこれに接することの意味について平易に解説を加えた(放送時間8:30/14:30/21:30/翌2:30より各回30分。再放送2020年10月8日)(出演時間:10分)。
116 京都市内の親鸞関係の聖蹟を訪ねて講演 2019-10-19京都光華女子大学真宗文化研究所第28回聖蹟巡拝 於京都市中京区、同東山区 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画の改訂と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。(巡拝先:中京区 六角堂、東山区 青蓮院、同植髪堂、<崇泰院>、知恩院、安養寺、<長楽寺>、大谷祖廟)(所要時間 7時間)
117 九条兼実と法然上人・親鸞聖人単著 2020-05-10名古屋御坊((宗)真宗大谷派名古屋別院発行)第646号(5月号)、第647号(6月号) 真宗大谷派名古屋別院の月刊誌『名古屋御坊』の巻頭、浄土真宗の教えにであう頁「輪転のうちにあり乍(なが)ら」の第76回、第77回分への執筆。第1回「政治家としての九条兼実」、第2回「浄土の教えに帰した九条兼実」とそれぞれサブタイトルを付し、為政者として苦悩の現実社会の只中を生きつつ専修念仏に深く帰依した関白九条兼実の生涯と、彼の法然との出遇いの意味について、当時の時代社会の状況等を踏まえつつ述べた。また併せて、こうした九条兼実の生涯に対し親鸞が強い関心を抱いていることについても指摘した。(総頁数:各号1頁。該当頁:各号第1面)
118 にっぽん!歴史鑑定 念仏に生きた苦悩の僧・親鸞監修・解説 2020-11-23㈱BS-TBS制作・放映 同テレビ番組の制作・放映に際し、全体の監修に当たるとともに、番組に出演し、平安時代末期から鎌倉時代の初めにかけての困難な時代状況の中で、専修念仏の教えに出遇い、あらゆる人々とともに歩み続けた親鸞の生涯とその教え・思想の内容について、史実に基づきつつ平易に解説を加えた。(出演時間:50分)
119 日本佛教学会編『仏教事典』項目分担執筆項目執筆 2021-01-00丸善出版 日本佛教学会編集の中項目事典『仏教事典』において、第2章 仏教の歩み 3.日本 の「平安時代の仏教」の項目を担当・執筆した。日本の平安時代が、社会や国家のあり方が古代から中世に向けて大きく展開する時期であり、寺院の勢力の拡大、世俗社会との関係の緊密化が進む時期であることを踏まえ、かかる状況のもとでの密教、浄土教、天台本覚思想等の発達や、貴族から民衆にいたる社会各層における仏教受容の諸相とその意味について概観した。(総頁数:4頁。本人執筆頁:136~139頁)
120 最近読んだ本・五島邦治監修『近世の即位礼―東山天皇即位式模型でみる京職人の技術―』新刊紹介 2021-01-31歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌― 第23号 五島邦治氏監修の同書について、その内容を紹介するとともに、同書が天皇の代替わり儀礼が行われつつある状況の中で制作された近世の即位式に関する復元模型の内容・特長をよく伝えるものであり、即位関連の儀礼の歴史的変遷とその意味、また、かかる儀礼等を担うことを通じて形成されてきた京都の伝統的な技術と連繋関係の意義等を知る上で有益な内容を持つものであることを指摘した。(総頁数:7頁。該当頁:42~48頁)
121 名畑崇先生を偲んで単著 2021-01-31歴史の広場―大谷大学日本史の会会誌― 第23号 大谷大学名誉教授、大谷大学日本史の会初代会長である名畑崇氏の逝去を受け、その経歴・業績の内容等を概観・紹介し、追悼の意を表した。(総頁数:3頁。該当頁:49~51頁)
122 親鸞聖人における聖徳太子讃仰の意味講演 2021-01-31東本願寺 日曜講演 於京都市下京区 真宗大谷派 しんらん交流館 為政者・在俗者として日本古代社会の構築と仏教弘通につとめた人物と伝承・讃仰されてきた聖徳太子の生涯とそこに見られる特徴について確認した上で、親鸞における生涯にわたっての聖徳太子讃仰とその意味について、当時の顕密仏教の聖徳太子観や浄土教において伝灯されてきた「二種回向」の仏道、さらには親鸞の生涯における諸事績との関わりに注目しつつ考察、講述した。(講演時間 1時間20分)
123 3・11から10年 被災地の光と影 「仏教の視点から」 いのちと光に出遇う場単著 2021-03-01同朋(真宗大谷派宗務所発行)№839号(第73巻第3号) 真宗大谷派の月刊誌『同朋』で毎年3月に特集される「被災地の光と影」の「3・11から10年」に際しての執筆。東日本大震災発生直後から現在に至るまで、救援・支援活動に携わりまたそれを受ける立場でもあった体験を通して、真宗・仏教の教えに自他が照らされることによってこそ、「支援する側」「支援される側」をこえた共なる歩みが始まるということを、親鸞の生き方・言葉に参照しつつ述べた。(該当頁:20~21頁)
124 浄土真宗の聖徳太子―千四百回忌に際して―口頭発表 2021-03-29真宗大谷派教学研究所「親鸞聖人行実」研究班 於京都市下京区 真宗大谷派 しんらん交流館 真宗大谷派教学研究所の「親鸞聖人行実」研究班の依頼による研究報告。聖徳太子が、早くより「日本の国家としての基礎を作った人物」であり、且つ「仏教を重視した人物」、更には上記の二つの人物像からの展開として、「在俗者」のまま人々と共に仏道を歩もうとした存在として、早い時期から「観音の化身」として尊崇されるに至っていること、またかかる経緯により、仏教が世俗的な勢力を持つようになるに従い、世俗社会における仏教の存在意義を主張する面で重視されていく様相を確認した。更に以上の点を踏まえ、親鸞による聖徳太子への視点は、上述の状況の下、「仮」・「偽」なるあり方を呈する仏教・世俗社会のあり方をも包み人々を阿弥陀如来の回向の仏道に入らしめる、二種回向のはたらきが現われたものとしている点、日本という具体的な場における仏教展開の真義を象徴する存在としている点において一貫していることを指摘した。(発表時間 2時間)
125 『はじめて読む 浄土真宗の聖徳太子』監修 2021-04-01東本願寺出版(真宗大谷派宗務所出版部)
聖徳太子千四百回忌に際し、真宗大谷派より出版された聖徳太子に関する入門書である同書の監修の任に当たり、必要に応じ、真宗大谷派教学研究所所属の執筆担当者と協議の上、加筆・修正にも従事した。 目次:はじめに―さまざまな聖徳太子像 一、聖徳太子の生涯(上)―仏縁と争乱のなかで 二、聖徳太子の生涯(下)―仏教がひろまる国へ 三、親鸞聖人と聖徳太子との出遇い 四、親鸞聖人の聖徳太子和讃 五、真宗寺院の聖徳太子像 おわりに―和国の教主聖徳皇 略年表 ※編者:真宗大谷派教学研究所(総頁数:95頁、該当頁:1~95頁)
126 聖徳太子千四百回忌記念企画 浄土真宗の聖徳太子―千四百回忌に際して― 単著 2021-06-01真宗(真宗大谷派宗務所発行)第1407号(2021年6月号) 聖徳太子千四百回忌に際し、真宗大谷派の機関誌『真宗』に、聖徳太子像の展開、および親鸞における聖徳太子讃仰の姿勢、浄土真宗における聖徳太子の展開、それぞれについて詳述し、現代社会また現代の浄土真宗において聖徳太子をどのように位置づけるべきかについて述べた。 目次:一、聖徳太子は時代ごとにどのように語られてきたのか 二、宗祖親鸞聖人は聖徳太子とどのように出遇われたのか 三、真宗寺院における太子像の歴史的経緯と意義 四、真宗教学における太子 五、現代に『十七条憲法』をいかに読むか (該当頁:30~35頁)
127 念仏伝灯の地 大原を訪ねて 講演 2021-10-11京都光華女子大学真宗文化研究所第29回聖蹟巡拝 於京都市左京区大原 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の解説(本年度はインターネット配信による受講形式が採用された)に当たった。(巡拝先:京都市左京区大原 来迎院、勝林院、三千院)(所要時間 3時間)
128 京都における聖徳太子と親鸞聖人との出遇い講演 2021-11-262021年度 アスニー京都 セミナー講座 於京都市中京区 京都市生涯学習総合センター(京都アスニー) 京都市生涯学習総合センター、公益財団法人京都市生涯学習振興財団主催のセミナー講座。2021年に千四百回忌を迎えた聖徳太子と京都との関わりについて、広隆寺、六角堂を中心に述べ、こうした歴史の上に親鸞と聖徳太子との関係がどのように形成されたかについて述べた。①これらの寺院において、観音への信仰の展開と深く関わる形で聖徳太子が信仰されていく経緯を確認しつつ、②親鸞における太子讃仰は、そうした流れの影響を受けながらも、それらとは一線を画するものであった点を指摘した。(講演時間 2時間)
129 東日本大震災から問われたこと 口頭発表 2021-12-23真宗大谷派教学研究所「震災と原発」研究班 於京都市下京区 真宗大谷派 しんらん交流館 真宗大谷派教学研究所「震災と原発」研究班の依頼による報告。東日本大震災から10年を経た現在、これまでの世界観、歴史観、宗教観、そしてそれらを包括する「人間観」が根底から問われている事実がある。大学において同じ志を持つ人たちと共に歴史を学び、また仏教・浄土真宗の教えに依って立つ寺院の住職として門信徒や地域の人たちと関わっている自身における、震災と真宗の教えから問われていること、今後重視していくべきと考えられることについて視点・論点を提示した。(発表時間 2時間)
130 親鸞修行の地 比叡山を訪ねて講演 2022-11-06京都光華女子大学真宗文化研究所 第30回 聖蹟巡拝 於滋賀県大津市 比叡山延暦寺 同大学真宗文化研究所の主催による親鸞関係聖蹟を巡拝する研修の開催に際し、事前計画と学習資料の作成、当日の引率・解説に当たった。特に本年度は、親鸞を育んだ一乗思想の先達、聖徳太子と最澄の遠忌の翌年に当たる年でもあるため、太子・最澄と親鸞とのつながりを学び得る巡拝となるよう配慮した。(巡拝先:東塔 根本中堂、大講堂、戒壇院、国宝殿、浄土院、西塔 釈迦堂、常行堂、法華堂、椿堂 横川 横川中堂、恵心堂)(所要時間 8時間)
131 東日本大震災から問われたこと―私の想い―講演筆録 2023-03-11教化研究 第169号 真宗大谷派教学研究所「震災と原発」研究班の依頼による報告(2021年12月23日、於京都市下京区 しんらん交流館)の筆録。(総頁数:29頁。該当頁:72~100頁)
132 出山の親鸞聖人講演筆録 2023-06-25名古屋教学(真宗尾張同学会編、同会発行)第19号(「宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年」慶讃法要記念号) 真宗尾張同学会主催 名古屋教区・名古屋別院 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念講演(2016年2月18日、於名古屋市中区 真宗大谷派名古屋別院)における講演の筆録。(総頁数:35頁。該当頁:10~44頁)
以上132点

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