教育研究業績の一覧

谷口 奈青理
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 個人研究室での指導 1999-04-00 ~ 個人研究室において学生の学習相談、学習指導、生活相談等に応じている。特に臨床心理学演習Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの発表準備段階や卒業論文作成に関しては個人指導が重要となる。文献の貸し出しも含め、これらの指導を個人研究室において行っている。
2 メールによる卒業論文指導 1999-12-00 ~ 卒業論文提出直前は年末年始にあたり、個人研究室で直接の指導ができないため、学生に論文をメールに添付させ、添削や指導をメールで返信している。
3 冬期休暇中の卒業論文指導 1999-12-00 ~ 卒業論文提出時期は冬期休暇直後であるため、休暇中に出校して研究室をオープンにし、卒業論文の指導に当たっている。
4 教育実習参観・指導 2001-04-00 ~ 指導学生の教育実習に際して、実習校に赴いて教育実習を参観し、実習校の先生とともに実習生の指導を行っている。
5 高等学校での模擬授業・出張講義 2002-00-00 ~ 2002年より、各地の高等学校で行われる模擬授業において、高校生を対象に心理学を紹介する授業を多数担当している。多くの高校生は心理学に興味を持っているが、必ずしも正しいイメージを持っているとは限らない。彼らのもつ心理学イメージと、大学で実際に学ぶ心理学の異同について、具体的な実験や事例を引きながら紹介している。
6 オープンキャンパスおよび学びフォーラムでのミニ講義 2002-00-00 ~ 2002年より本学開催のオープンキャンパスおよび大学コンソーシアム京都主催の学びフォーラムにおいて、心理学のミニ講義を担当している。高校生が心理学に興味を持てるように、身近な現象を心理学的に解説している。
7 教育実習事前指導・事後指導 2009-04-00 ~ 教育実習に参加する実習年度の学生に対し、児童・生徒との関わり方について、事前指導を行っている。ボランティアではない教育実習生として配慮すべきこと、児童・生徒・保護者・指導教員との適切な関わり方等について注意を喚起している。また実習終了後には事後指導も行っている。
8 高大連携教育 2010-02-00 ~ 本学の高大連携に関わる活動として、各地の高等学校において、大学の講義を紹介する授業を担当している。また小論文問題の指導講座も行っており、課題文の読み方・小論文の書き方についての講義を担当すると同時に、生徒の書いた小論文に対する添削指導も行っている。
9 教員採用試験直前講習指導 2012-04-00 ~ 教員採用試験を受験する学生に対し、本学教育・心理学科で開いている教員採用試験直前講習講座にて学生の指導を行っている。各教育委員会の試験実施要項並びに出題傾向に合わせて、個人面接・集団面接および集団討論の模擬面接等を行い、学生個人ごとに課題を指摘し修正するよう指導している。
10 大谷大学人間教育プログラム 2013-07-00 ~ 高大連携の一環である大谷大学人間教育プログラムの講師を務めた。
2013年度大谷高校
2014年度伊那西高校
2017年度伊那西高校
11 2013年度文化研修「インドの宗教と文化(インド仏教遺跡)研修」引率 2013-08-31
~2013-09-13
本学の海外研修プログラムである文化研修「インドの宗教と文化(インド仏教遺跡研修)」に引率者として参加した。2週間、学生とともにインド・ネパールの仏教遺跡で研修し、仏教の聖地で勤行や感話を行った。また日本とインドの違いや、インド国内の都会と地方の格差などを目の当たりにし、非常に意義深い研修であった。
12 ICT教育に関する演習 2015-00-00 ~ タブレットやスマートフォンを利用したICT教育に関して、小学校での活用について教育・心理学演習Ⅱにおいて学生とともに実践的に研究・考察している。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 カウンセリング辞典 1999-12-00 1,619項目を含むカウンセリングについての中辞典。筆者は描画法テストである「動的家族描画法」、喪失肢の存在を錯覚する「幻影肢」、両化的感情「アンビヴァレンス」および論理療法の創始者「エリス、A.」についての項目の解説を担当した。[総頁数692頁]
本人担当:「アンビヴァレンス」p.22「エリス」p.67~p.68「幻影肢」p.178「動的家族画」p.460
編:氏原寛、小川捷之、近藤邦夫、鑪幹八郎、東山紘久
2 はじめての心理学 2000-03-00 心理カウンセラーによって書かれた、生きて様々な出来事を体験をしている「主体の存在そのもの」を基本におき、主観的な体験を心理学的に理解することを目標とする初学者向けの心理学の教科書である。この中の認知と記憶を扱った「私は誰か-解離の病」について、記憶が人格を作っているという視点から、記憶と人格の病“解離性同一性障害(多重人格)”を例に解説し、また目撃者の証言を例に記憶の不確かさについて解説している。[総頁数:360頁]
本人担当:「第4章 私は誰か--解離の病 【認知と記憶】」p.89~p.110
編:氏原寛、松島恭子、千原雅代、分担執筆:鎌田穣、安福純子、谷口奈青理、三船直子、坂田浩之、篠田美紀、久保恵、康智善、鈴木千枝子、越智友子
3 心理臨床大事典 2004-04-00 『心理臨床大事典』は、広く臨床心理学や精神医学の基礎理論、心理療法、心理査定、精神分析などを網羅し、実践的に解説した、わが国初の大事典である。初版1992年11月[総頁数1480頁]
本人担当:第5部「精神医学」の「問題行動」のうちの「自傷(self-mutilation)」p.872~p.873、「付録」の「主な心理臨床家」のうちの「エリス(Ellis,A)」p.1246~p.1247
氏原寛、小川捷之、東山紘久、村瀬孝雄、山中康裕編
4 心理学実習 基礎編 2006-12-00 臨床心理系の学生にも実験心理系の学生にも学んでほしい13の心理学実験と15の心理テストを精選して、簡潔にまとめた、心理学の基礎実習用のテキストである。[総頁数154頁]
本人担当:「第Ⅳ部 投影法の心理テストを体験してみよう!」の「5.HTP」および「6.風景構成法」p.132~p.140
編:高石浩一、谷口高士、分担執筆:伊藤俊樹、稲塚葉子、進藤貴子、駿地眞由美、香川克、三浦正樹、遠藤由美、菊池聡、高橋雅延、齊籐智、梅田聡、久米禎子、大島剛、竹内健児、石谷真一、谷口奈青理、馬場天信
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 大谷幼稚園開放セミナー講師 1999-00-00 ~ 1999年より、大谷幼稚園で開かれている在園児の保護者や未就園児の保護者等を対象とした開放セミナーの講師を務めている。講演終了後には個別相談に応じ、教育相談を実践している。
2008年6月21日「どうしてウチの子だけ・・・」9月27日「子どものフシギ」12月10日「期間限定! だっこのススメ」2009年3月5日「子育て相談室 少しお話しませんか?」
2009年7月10日「みらいのこの子 この子の未来」9月8日「甘えてきてもいいんだよ」
2012年2月29日「ついつい怒っていませんか?」3月14日「お母さんだからできる子育て長期計画!」
2013年1月15日「子育てをちょっと振り返ってみませんか?」2月12日「『子どものために』と考えていませんか?」
2013年11月22日「『ほめる』と『しかる』」
2014年1月31日「『できるかな?』、その前に」
2015年9月5日「幼稚園時代だからできること」
2016年6月28日「イライラは誰のせい?」
2017年3月1日「“ほめる”が育てる-子どもを褒めて、認めてあげる。そんな子育てしてみませんか?」
2017年9月15日「幼稚園時代にしかできない大事なこと」
2018年3月17日「こころのエネルギー、満タンお願いします」
2018年9月14日「大谷幼稚園で育む幼児力」
2 学会講演(京都体育学会) 2003-03-01 第132回京都体育学会において「いまどきの若者」の心理というテーマで特別講演を行った。わからないと言われる「いまどきの若者」は、実は傷つくことを恐れ、日頃接する他者からの評価を非常に気にしている。この背景には彼らの自己評価の低さ、自己肯定感や自信のなさがある。学生の多くは教員に、個人として関心をもってほしいと強く感じているということ指摘した。
3 児童福祉施設実習教育連絡協議会特別研修会における講演 2006-02-03 社会福祉を学ぶ大学生の施設実習に際して、送り出す側の大学と受け入れる側の施設の担当者が、充実した実習教育のために開催する児童福祉施設実習教育連絡協議会の特別研修会において、「多様化する学生の実習教育支援について」というテーマで講演を行った。また、施設および教育機関での取組についての報告に対し助言を行った。
4 京都市立中学校の生徒会リーダー講習会における講演 2006-08-11 京都市立S中学校が夏期休暇中に行った、生徒会執行部および学級委員が参加する宿泊型のリーダー講習会において「豊かな人間関係を築くために」というテーマで講演を行った。昨今、生徒たちは傷つけることを恐れてともすれば人間関係から一歩引きがちであるが、リーダーというのは積極的に人間関係を作っていく「役割」なのであるとし、そのための行動について、具体的な場面を挙げて生徒間でグループ・ディスカッションを行った。
5 障害学生支援担当者会議における講演 2007-07-20 財団法人大学コンソーシアム京都が開催する「障害のある学生支援に関する担当者会議」の2006年度第1回において、各大学で障害のある学生の支援を担当している事務職員等を対象に「発達障害への適切な対応~アスペルガー型障害を例に~」というテーマで講演を行った。これは昨今、大学への進学が増加している発達障害がうかがわれる学生が大学内で出会う困難について、その特徴と支援のあり方についての講演である。

6 本山京都教務所研修会「青少幼年研修会」におけるカウンセリングに関する講演 2010-05-17 東本願寺京都教務所の研修会にて「カウンセリングの基本理論と実践に向けて」という講演を行った。対話の大切さから、話を聞くことに関するカウンセリングの基本理論と、それを実践するときに考慮すべきことについて講演した。
7 宇治市生涯学習センター思春期講座における講演 2012-09-28 ~ 宇治市生涯学習センター主催の思春期講座において、保護者等を対象に、思春期の心身の発達プロセスと、保護者としてそれにどうかかわっていくかについて、心理学の観点から講演を行った。講演終了後には個別相談に応じ、教育相談を実践している。
2012年9月28日「子どもの自立との問題」第1講「思春期の子どもが自立するために~身体イメージと心の癒し~」
2015年12月11日「変化する子ども社会~つながりを求める子どもたち~」第1講「思春期の子どもの変化」
8 任期制助教研修会における講師 2014-06-12 ~ 本学の任期制助教を対象に、主に発達障害等要配慮学生に対する対応について講演した。発達障害をもった学生の入学は近年、増加傾向にある。彼らの独特の認知の特徴について解説し、それを理解することで、より伝わりやすいアプローチの工夫や授業での対応を考えることができることを強調した。
9 教員免許更新講習講師 2014-08-09 ~ 教員免許更新講習において、「子どものこころに寄り添う」及び選択必修科目「子どもと保護者の理解と支援―教育相談で求められること-」というテーマで講師を務めている。
2014年8月9日長野県伊那市
2015年6月14日大分県日田市
2015年8月9日長野県飯田市
2016年6月4日高知県安芸市
2016年6月11日宮崎県日向市
2017年5月14日高知県四万十市
2017年6月3日大分県日田市
2017年6月25日石川県小松市
2018年6月16日京都府福知山市
2018年6月30日石川県小松市
2018年8月7日長野県伊那市
2019年5月18日大分県日田市
2019年5月26日宮崎県日向市
2021年7月17日 本学会場
2021年8月5日 本学会場
10 京都市立芸術大学FD研修会等における講師 2014-11-25 ~ 京都市立芸術大学教授会にて開催されたFD研修会において、講演を行った。
2014年11月25日音楽学部「大学における学生支援と学生相談」という講題で、当音楽学部における学生指導の特徴と当該学部に求められる学生支援と学生相談について講演した。
2017年1月5日美術学部「現代学生の特徴とコミュニケーション」という講題で、「自信がなく、傷つきやすく、プライドが高い」という現代学生に対応するコミュニケーションのあり方について講演した。
2018年6月28日美術学部教授会
2018年7月17日音楽学部教育後援会
2019年7月31日ハラスメント研修
11 2015年度大谷大学「教職員を対象とする人権問題学習会」における講演 2015-10-14 2015年度大谷大学「教職員を対象とする人権問題学習会 発達障がい学生への適切な支援について・part2 ~学生対応相談のデモンストレーションをもとに~」において「大谷大学における発達障がい学生支援の問題」というテーマで講演し、また教員・職員それぞれの学生対応の実際について、コンサルテーションのデモンストレーションを行った。
12 寮監・残留寮生対象メンタルヘルス研修会の講師 2016-06-20 ~ 2016年6月20日 本学の学寮貫練学寮および自灯学寮の寮監ならびに残留寮生を対象としたメンタルヘルス研修会において、配慮を必要とする学生対応に関する講演を行った。
2017年6月22日
13 奈良県立教育研究所研修講座「家庭教育の支援」における講師 2016-08-03 ~ 2016年8月3日 幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教員を対象とする奈良県立教育研究所主催の研修講座「『家庭教育の支援』~保護者対応と通して~」において、研修の講師を担当した。幼稚園・小学校・特別支援学校の教員による実践報告に対して助言・コメントを行い、続けて講義及び演習を行った。
2017年8月3日 同上
14 宇治市生涯学習センター孫育て子育て講座における講演 2017-11-24
~2017-12-08
宇治市生涯学習センター主催の孫育て子育て講座「小学生の子どもたちを知るためのヒント~子どもの育ちに寄り添う~」において、祖父母・父母・発達支援関係者・教育関係者等を対象に、小学生の心身の発達プロセスと、保護者としてそれにどうかかわっていくかについて、心理学の観点から講演を行った。講演終了後には個別相談に応じ、教育相談を実践した。
2017年11月24日 1講「小学生ってどんな時期?」 12月1日 2講「小学生の育ちと学び」 12月8日 3講「人間関係の変化と成長」
15 名古屋教務所の保育同朋会議における講演 2018-02-15 名古屋教務所主催の保育同朋会議において、大谷派幼稚園の保護者を対象に「そだつ」というテーマで講演を行った。
子どもはそだつが、大人もそだつということ、子どもにはもって生まれたものもあり、子育てにおいてそれを意識すること、幼児と思春期以降では体験の意味が異なるので、「大人目線」での心配は的外れになる恐れがあることについて述べた。
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 生涯学習講座の講師を担当 2001-00-00
~2003-00-00
本学の行う生涯学習講座「紫明講座」において、心理学についての講座を2001年から2003年まで3年間連続して担当した。
2 大谷保育協会認定保育心理士資格取得講座の講師を担当 2001-00-00 ~ 保育現場において集団生活に適応することが難しい子どもや、こころや身体に障害をもっている子どもに対して、専門的知識と保育技術を持って関わる専門職である保育心理士を養成するために、これらの子どもの治療や保護者の指導に関する専門的な学習を行う保育心理士養成講座において、「臨床心理学」「セラピー概論」「セラピー各論」「保育心理演習」「事例研究」「発達心理学」の科目の講師を担当している。また各地で行われるフォローアップ研修の講師も担当している。
3 NHK文化センターの講師を担当 2001-10-00 大阪のNHK文化センターにおいて、心理学の講座の講師を担当した。
4 幼児教育研修講座等の講師を担当 2001-10-00
~2002-02-00
幼稚園・保育園の教諭・保育士を対象とした幼児教育研修講座、保育園主任会研修等において、4回にわたり、講師として、子どものこころ理解や保護者対応、カウンセリング・教育相談に関する研修会の講師を務めた。
5 近畿学生相談研究会で助言者を担当 2003-12-03 近畿学生相談研究会は、近畿地方の各大学で学生相談を担当している窓口職員や相談員を対象とした研究会である。その第36回特別例会において、主に学生課・教務課等の職員が参加した分科会「学生対応の基礎」において、助言者を担当した。
6 学内学生対応担当各課職員研修会等における講師 2004-09-00
~2008-08-00
多様化する学生への対応に関して、教務・学生支援・進路キャリア等の窓口対応担当各課の職員を対象に、対応上の困難をふまえて、学生対応の基礎および実践について、5回にわたり、研修会の講師を務めた。
2004年9月6日進路就職センター「『いまどきの学生』対応の基礎」
2005年3月16日学生課「学生相談・対応上の基礎知識」
2005年8月26日教務課「学生対応上の基礎知識」
2006年8月31日教務課「学生対応上の困難について」
2008年8月28日学生支援部三課合同「学生対応の基礎と実際」
7 京都市北区役所が開催した精神保健福祉に関する講演会の講師を担当 2006-11-07 京都市北区では区内の精神保健福祉に関わる関係機関や関係団体が集まって、精神障害者への支援の充実や区民の理解を深めるための「北区こころのキャンバスネットワーク」を設立した。その取組の一つである「北区こころのキャンバスネットワーク講演会」において、「ストレスとうまく付き合う生き方」というテーマで、昨今増加するうつ病との関連も含めて講演を行った。
8 大谷大学同窓会における講演 2007-09-08 ~ 大谷大学同窓会各支部において、講演を行った。現代に生きる人間の対人関係の問題や、悩み・病いをどうとらえるかについて、臨床心理学やカウンセリングの視点から述べていった。
2007年度東近江支部「依存について」
2009年度福井支部
2013年度佐賀支部「生きる力」
2014年度飛騨支部・富山支部「今、幸せについて考える」
2015年度静岡支部・茨城支部「人間は何を求めているのか」
2016年度札幌・岩見沢・夕張支部(3支部合同)「変わらないもの、変わるもの」
2017年度埼玉支部・栃木支部「生老病死を考える」
2018年度久留米支部「人が育つということ」
2019年度山梨支部「人が育つということ」
2022年度長崎支部「出会うということ」
9 京都教務所青少幼年研修会における講演 2010-05-17 本山京都教務所における青少幼年研修会において、対話の大切さを学ぶ研修会として「カウンセリングの基本理論と実践に向けて」というテーマで講演を行った。
10 大阪府仏教テレホン相談室研修会における講演 2013-07-04 大阪府仏教テレホン相談研修会において、「『相談』の背景」という講題で、声だけ・言葉だけを介して行われる「電話相談」の難しさ、その言葉の背景を推察し想像すること、悩み・苦しさの意味を考えることについて講演した。
11 平成29年度京都市保育士会大研修会における講演 2017-10-28 京都市保育士会主催の保育士会大研修会の第4分科会において講師を担当した。「子どもと保護者に寄り添う保育 ~発達が気になる子どもたちにどう関わるか」というテーマで、子どもの「発達」に対する気づきを保育にどう生かすか、また小学校以降の育ちも視野に入れた、子どもとその子どもを支える保護者に寄り添う保育とはどのようなものかについて講演を行った。
B 職務実績
1 大谷大学学生相談室相談員 1999-00-00 ~ 1999年より大谷大学学生相談室において、学生相談員として学生相談を担当している。
2 大谷大学人権相談員 1999-00-00 ~ 1999年より大谷大学人権相談員を務めている。
3 大谷大学真宗総合研究所FD研究班庶務 2001-04-00
~2003-03-00
2001年度および2002年度、大谷大学真宗総合研究所FD研究班において、庶務を担当した。
4 大谷大学学生相談室長 2014-04-01 ~ 2014年4月より大谷大学学生相談室において、学生相談室長を兼務している。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1989-00-00~0000-00-00 日本心理臨床学会
2 1989-00-00~0000-00-00 日本芸術療法学会
3 1991-00-00~0000-00-00 日本描画テスト・描画療法学会
4 2002-00-00~0000-00-00 日本学生相談学会
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 身体像とこころの癒し共著 1994-03-00岩崎学術出版社 心身症を自らのために自らの体を傷める病ととらえ、心身症患者においては身体がどのように体験されているのかということについて、臨床心理学的に考察した。その際、自己の身体がどの程度自らのものと感じられているのかに焦点を当て、心身症者においては身体は自己とも非一自己ともつかない、自他の境界領域にあるものと感じられているのではないか、との考察を得るに至った。[総頁数296頁][本人担当「心身症者における身体のあり方について」8頁(27頁~34頁)]
編:山中康裕・岡田康伸、分担執筆:三好暁光、名取琢自、伊原千晶、谷口奈青理、石谷みつる、橋本やよい、川嵜克哲、高月玲子、金山由美、進藤貴子、中川純子、杉本孝子、石谷真一、伊藤美奈子、福田昌子、棚瀬一代、市野直美、國吉知子、久保恵、大山泰宏、仁里文美、森岡理恵子、多田昌代、青木真理、伊藤俊樹、竹内健児、稲塚葉子、阿部一美、佐々木賢一、西村則昭、高森淳一、松浦隆志、松本由起子、片本恵利、土屋邦子
2 Dream Analysis of  the Autarctic Walk共著 1995-12-00Scientific Resultsfrom the Autarctic WalkEnvironmentalExpedition 1991-1993 AutarcticEnviron-mental ResearchExpedition 0rganiz‐ingCommittee 南極大陸をパトリオット・ヒルから南極点まで、無補給で、ヒトがソリを曳いて歩きながら、各種環境調査・実験をおこなう旅行が、1992年11月11日から1993年1月16日にかけて行われた。これは歩行隊のメンバ一が徒歩旅行中に見た夢の記録の分析である。極地におけるソリ曳きという極限の状況での夢には、食べ物、異性など共通したテーマもあったが、夢の内容は大きく異なっており、各人の志向性の違いが浮き彫りにされた。[総頁数260頁][本人担当:「4.Activity condition」の「Dream analysis of the Antarctic Walk」15頁(143頁~157頁)]
編:Yoshikawa,Harada,Ishimaru
分担執筆:Ishimaru et al., Yoshikawa et al., Yoshikawa, Ishimaru and Yoshikawa, Shinohara et al., Harada, Yoshikawa, Harada et al., Watanabe et al., Osada et al., Matsuki et al., Matsunaga et al., Taniguchi, Yoshikawa, Yoshikawa,
3 新版 児童精神医学の基礎共訳 1999-08-00金剛出版 本書はフィリップ・バーカー著 “Basic Child Psychiatry” 第6版の翻訳である(監訳山中康裕・岸本寛史)。“Basic Child Psychiatry” 第6版は、広範にわたる児童精神医学の対象領域についての専門的な解説書であるが、診断基準を、出版当時最新の国際疾病分類第10版(ICD-10)および精神疾患の診断・統計マニュアル第4版(DSM-Ⅳ)においているので、現在、教科書としても使用できるものとなっている。[総頁数402頁][本人担当:第16章「心身の関係と心身症」14頁(224頁~237頁)および文献386頁]
監訳:山中康裕、岸本寛史 訳:黒川嘉子、徳田裕志、小野国子、中野祐子、花島綾子、末吉理伊子、中村健一、安立奈歩、石原みちる、武藤誠、加美川誠、竹林奈奈、中塚晶博、宮田淳、桜井雅博、足立正道、谷口奈青理、後藤智子、大森亜紀子、田中慎一郎、野間俊一、前田正、前田利彦
4 はじめての心理学共著 2000-03-00創元社 心理カウンセラーによって書かれた、生きて様々な出来事を体験をしている「主体の存在そのもの」を基本におき、主観的な体験を心理学的に理解することを目標とする初学者向けの心理学の教科書である。この中の認知と記憶を扱った「私は誰か-解離の病」について、記憶が人格を作っているという視点から、記憶と人格の病“解離性同一性障害(多重人格)”を例に解説し、また目撃者の証言を例に記憶の不確かさについて解説している。[総頁数:360頁][本人担当:「第4章 私は誰か--解離の病 【認知と記憶】」22頁(89頁~110頁)]
編:氏原寛、松島恭子、千原雅代、分担執筆:鎌田穣、安福純子、谷口奈青理、三船直子、坂田浩之、篠田美紀、久保恵、康智善、鈴木千枝子、越智友子
5 心理学実習 基礎編共著 2006-12-00培風館 臨床心理系の学生にも実験心理系の学生にも学んでほしい13の心理学実験と15の心理テストを精選して、簡潔にまとめた、心理学の基礎実習用のテキストである。[総頁数154頁][本人担当:「第Ⅳ部 投影法の心理テストを体験してみよう!」の「5.HTP」および「6.風景構成法」9頁(132頁~140頁)]
編:高石浩一、谷口高士、分担執筆:伊藤俊樹、稲塚葉子、進藤貴子、駿地眞由美、香川克、三浦正樹、遠藤由美、菊池聡、高橋雅延、齊籐智、梅田聡、久米禎子、大島剛、竹内健児、石谷真一、谷口奈青理、馬場天信
6 心理臨床における個と集団共著 2007-03-00創元社 個としてのあそびにおいてひとりで思いのまま遊ぶとき、人は only one として、他でもない自分であることを楽しむが、集団としてのあそびとなると、一人一人は等しく one of them となり、あそびは必ずしも自分の思い通りにはならないが、個々の思いを超えて創生され、思いがけない展開がもたらされる。このとき、一人一人の内面でも自分では気ことを指摘した。[総頁数513頁][本人担当「あそびにおける個と集団」2頁(87頁~88頁)]
編:岡田康伸・河合俊雄・桑原知子、分担執筆:金山由美、杉原保史、濱野清志、坂田浩之、松本聡子、駿地真由美、石原宏、藤本麻起子、小橋正典、高木 綾、野口寿一、福田斎、梅村高太郎、西隆太朗、谷口奈青理、片本恵利、三好智子、今西徹、井上嘉孝、荒井真太郎、石谷真一、北川恵、杉野健二、髙森淳一、阿部一美、鳴岩伸生、安立奈歩、植田有美子、大山泰宏、亀口憲治、國吉知子、藤見幸雄、森茂起、浅田剛正、平松朋子、岡本直子、高石浩一、竹林奈奈、山本有恵、番匠明美、永田法子、青木真理、康智善、東城久夫、吉岡恒生、西嶋雅樹、牧剛史、久米禎子、古屋敬子、高嶋雄介、須藤春佳、伊藤美奈子、石原みちる、近森聡、徳田仁子、三上英子、千原雅代、伊原千晶、石金直美、古澤有峰、武藤百合、原田徹、坂崎浩久、多田昌代、山川裕樹、山森路子、中鹿彰、藤川浩、井上真、茂木洋、遠藤雅夫、橋本知子
7 「発達障害」と心理臨床共著 2009-03-00創元社 学生相談の場において発達障害をもつ学生と心理療法的に関わることについて考察した。発達障害の学生と出会って治療者が感じる関わりにくさ、「手がかり感のなさ」は、日々、彼らが外界や他者に対して感じているものではないかと推測した。そして彼らが固執的に興味を持つテーマを彼らとつながる「窓」として、心を傾けて話を聞くことがその育ちを支えると考察し、これを言葉によるプレイセラピーと考えた。[総頁数464頁][本人担当「大学における発達障害の心理療法的アプローチ」9頁(316頁〜324頁)]編:伊藤良子、角野善宏、大山泰宏、分担執筆:石谷真一、北川恵、千原雅代、田中健夫、高橋悟、村上嘉津子、竹中菜苗、西田麻衣子、林郷子、 高嶋雄介、田中史子、仲淳、坂田浩之、中井由佳子、畑中千紘、田中康裕、河野伸子、安立奈歩、千野美和子、井上真、 高石浩一、松河理子、黒川嘉子、淀直子、高橋優佳、守屋英子、近森聡、中村美津子、荒井真太郎、谷口奈青理、高石恭子、石原みちる、石金直美、小山智朗、伊原千晶、井上明美、笹倉尚子、松下姫歌、西隆太郎、辻河昌登、後藤智子、吉岡恒生
8 教育の根源 -人間形成の原理を問う-  共著 2010-10-00晃洋書房 子どもと大人の教育的関係を、現代の教育学と心理学の最新の理論を前提としながら、現代教育が直面している根本問題を取り上げ、教育が成立する根源を積極的に論述したものである。
[総頁数256頁][本人担当:「第六章 教育と心理」19頁(86頁〜104頁)]
編:川村覚昭 分担執筆:田中久美子、西村美紀、矢野のり子、山内清郎、谷口奈青理、大野僚、脇中洋、高山芳治、望月謙二、井上摩紀、関口敏美、細谷僚一
以上8点
Ⅱ学術論文
1 Anorexia Nervosa の女子中学生の事例単著 1992-03-00『京都大学教育学部心理教育相談室紀要』
臨床心理事例研究第18号
Anorexia Nervosa(思春期食思不振症)の女子中学生との心理療法過程についての事例報告論文である。本事例においては母子分離の問題が病理と大きく関わっており、面接状況も母子同席から始めた。その後、治療の展開に伴って、子どもが母と離れて一人で面接できるようになり、母と子を別々に同一治療者(筆者)が面接するようになったものである。[本人担当11頁(197頁~207頁)]
2 集団不適応という主訴で来談した女児とのプレイセラピー単著 1993-03-00『京都大学教育学部心理教育相談室紀要』
臨床心理事例研究第19号
幼椎園において、「みんなの前で同じことができない」「集団不適応である」といわれて相談室に来談した女児とのプレイセラピー(遊戯療法)の事例報告論文である。本事例は豊かな内的な力を持ちながら、小学校受験のプレッシャーなどからそれが十分に発揮できないでいたものと思われる。治療者とのプレイにより自分を表現する場を経験することを通して、安心して「自分」であることができるようになったものと思われた。[本人担当10頁(147頁~156頁)]
3 青年期女子における自己破壊傾向と母子関係について単著 1994-03-00『京都大学教育学部紀要』
第40号
自己の身体に攻撃が向けられる自己破壊的行為の意味を探るべく、青年期女子を対象に母子関係と関連づけて調査を行った。その結果、自傷行為への衝動を感じる者は、相手を攻撃したいという欲求を持つ者に比べて、重要な他者との間で幻想的で万能的な一体感を持っており、その幻想的一体感が破られた時、すなわち「裏切られた」「見捨てられた」と感じられた時に自傷衝動を感じやすいことが見いだされた。[総頁数317頁][本人担当12頁(277頁~288頁)]
4 離人感を強く訴える青年期男子との面接単著 1998-03-00『京都大学教育学部心理教育相談室紀要』
臨床心理事例研究第24号
「やる気が出ない」と訴える男子大学生との面接過程についての事例報告論文である。大学の講義には全く出席していないが、体育会系のクラブ活動には参加しており、スチューデント・アパシーのように見える学生であった。しかし「何もやる気が起きない」「感情がない」「頭が変な感じがする」等々の離人症状を強く訴え続け、アパシーより深いところで困難さを抱えているように感じられた。[本人担当11頁(76頁~86頁)]
5 新入生の大学への適応過程における大学祭の意味について単著 1998-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第4号 自分の所属する大学を肯定的に評価することは、大学への適応度を高める一つの要因である。筆者は新入生にとって大学祭が、大学をより肯定的に評価するきっかけになるのではないかと思いアンケート調査を行った。参加日数や参加形態により違いは見られたが、大学祭を通じて大学の今までと違う面を見た、他学生との接触の機会が増え人間関係が変化したなど、参加した学生の多くに大学イメージの変化が見られたことがわかった。[総頁数50頁][本人担当13頁(31頁~43頁)]
6 認知療法について単著 1999-03-00『京都大学教育学部附属臨床教育実践研究セン夕一紀要』
第2号
本論文においては認知療法について、「認知に注目する」という視点、すなわち認知の歪みの捉え方、認知の枠組みの変化などに注目して紹介している。さらに、認知療法が「初心者にもとりつきやすい」「誰にでも利用できる」治療法であるとされている点に関して、ブリーフ・サイコセラピーとの比較を通して、実際には「治療対象の選択二治療者の診断技術」に熟練が必要なのではないかとの問題を呈した。[本人担当13頁(72頁~84頁)]
7 ケース研究-Ⅱ 怒られることに耐えられない女子学生の事例単著 1999-03-00『京都大学カウンセリングセンターシンポジウム報告書』京都大学 学生相談の事例研究会において発表した、事例報告である。様々な行動化を示した女子大学生との面接過程を発表した。「怒られる」ことによって非常に心理的に脅かされるクライエントのあり方から、クライエントの自我の状態、他者との関係のとり方、自-他境界のあり方、行動化の意味などについて、フロアから指摘を受け検討がなされた。[総頁数140頁][本人担当34頁(78頁~111頁)]
8 テレビゲームと心理療法単著 2000-03-00『哲学論集』第46号
大谷大学哲学会
プレイセラピーの観点から、テレビゲームという「遊び」のもつ治療的な力について考察した。子どもが治療者にゲームの話をし続けるという治療経験から、テレビゲームは、内閉神経症者(山中、1978)に対して「窓」として働き得るが、そこには治療者の存在が必要であること、またこれは「話す」という遊びととらえることができる、との指摘を行った。[総頁数102頁][本人担当13頁(31頁〜43頁)]
9 青年期女性の母―娘関係と性行動の意味に関する一試論単著 2000-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第5号 青年期女性における性行動の意味について、事例を挙げ、母―娘関係のあり方から考察した。青年期発達においては、自立への志向と同時に、一時的に母親へ回帰したいという願望が強まるが、この最接近がいかない場合には、無意識的なレベルでの幻想的な一体感を求めるようになる。[総頁数64頁][本人担当12頁(45頁〜56頁)]
10 身体症状の心理的な意味について -プロセス指向心理学を手がかりに-単著 2001-07-00『大谷學報』第80巻第3号 心理相談の場面に持ち込まれる、クライエントの身体症状の心理学的な意味について考察した。先行研究を概観し、身体症状に目的論的にアプローチするミンデルのプロセス指向心理学の考えを紹介した。彼は身体症状をただ取り除かれるべきものとは捉えず、「プロセス」が身体症状というチャンネルを通して表現されたものと考える。さらにフロイト派の精神分析家マクドゥーガルの心身症理解との比較を行い、類似点と相違点に言及した。[総頁数88頁][本人担当15頁(1頁~15頁)]
11 思春期にある子どもたちの理解にむけて単著 2007-08-00『大谷大学教職支援センター研究紀要』創刊号 中学生高校生の多くは思春期の最中にある。彼らは何よりもまず身体の大きな変化を体験している。ある日突然始まり、いつどのように終わるのかもわからない身体の変化にさらされ、こころも当然揺れ動く。そのような状態で学校生活や日常生活を送らなければならない思春期のあり方を、完成予想図も完成時期の予告もない状態で、普通どおり営業しながら改装工事を行う百貨店にたとえ、教師がその混乱に一定の理解をもつことを求めた。[総頁数106頁][本人担当6頁(21頁~26頁)]
12 今日の学生対応における「教育相談」的視点の有効性単著 2008-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第6号 大学生の多様化が言われて久しい。今日では大学生の多くが「高校感覚」で大学に進学してきていることを例を挙げて指摘し、これに対して大学は高等学校等と比べてはるかに枠が緩いため、大学入学後、さまざまな場面で戸惑いや不適応を生じているとした。そしてそのような大学生に対応するためには、大学の教員も、中学校・高等学校等、中等教育でなされている「教育相談」的な視点を持つことが有効なのではないかと提案した。[総頁数82頁][本人担当12頁(63頁~74頁)]
13 幼稚園における教育相談について単著 2008-03-00『大谷大学教職支援センター研究紀要』第2号 現在の幼稚園で保護者の不安を受け止め、子ども理解を助け、ともに考えていく子育て支援としての教育相談が求められている。また子ども一人一人のこころを理解しようと努め、まるごと認めてその子の発達を促すという教育的な援助においても、発達支援としての教育相談の視点が必要とされる。その際、問題行動や発達障害への対応も含め、今現場で求められている教育相談に、臨床心理学的な視点が活かせるのではないかと提案した。[総頁数255頁][本人担当19頁(35頁~53頁)]
14 小学校における教育相談単著 2008-06-00『大谷大学教職支援センター研究紀要』第3号 小学校における教育相談では、教師にはその年齢段階における発達課題と子ども自身の発達の状態を見極めることが求められるが、さらにその子どもを取り巻く同級生の発達段階とのズレにも配慮する必要がある。学級を経営しなければならない教師は、その子ども一人だけを見続けることはできない。それは限界であるが同時に、学級という集団の中で子どもの成長発達を促し見守るというのは、教師にしかできない教育実践なのである。[総頁数403頁][本人担当19頁(147頁〜165頁)]
15 人生の後半における「遊び」の意味について単著 2009-03-00『大谷學報』第88巻第2号 大谷学会 人生の後半における「遊び」の意味について考察した。一般に遊びは子どものものであり、大人の遊びは気晴らしや娯楽と考えられている。しかし遊びの治癒力、臨床心理学的な意味を考えると、ユング心理学的な観点からは、「中年の危機」と呼ばれる人生の転回点において、それまでの生き方を補償する《非日常との出会い》として、遊びはきわめて重要な意味を持ちうると考えた。[総頁数202頁][本人担当18頁(22頁〜39頁)]
16 学生になることのむずかしさ単著 2010-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第7号 大学・短期大学に進学したものの大学での学びを始められない、「学生」になれない学生ついて、何が必要とされるのか考察した。大学において学生は様々な自主的・主体的な選択・決定を求められるが、そのような場面にとまどう学生も多い。学生相談は学生一人一人の個別的なあり方に添うかたちで自主的・主体的な学びへと誘導し、彼らが学生生活能力を伸ばせるよう援助していく必要がある。[総頁数71頁][本人担当12頁(18頁〜29頁)]
17 “自分がない”人たちに学生相談は何ができるのか、何かできるのか単著 2012-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第8号 「自分がない」学生、自我の発達が未熟な「幼い」学生について、そのあり方を生育歴と関連させて記述した。その上でそのような学生に対し、従来なされてきた「傾聴」という方法だけでは対応できないことを指摘して、学生相談おいてどのようなアプローチが可能なのかについて考察した。[総頁数84頁][本人担当13頁(13頁~25頁)]
18 生きづらさを抱える学生とともに単著 2014-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第9号 学生相談で出会う行動上の問題を抱える女子学生について、その変わらなさ/変われなさに着目し、背景にある母親との関係について考察した。また思春期青年期の発達課題の一つを「自己像の下方修正」として、彼女たちが理想通りではない自己を受け入れられるのを待つことの必要性を論じた。
[総頁数88頁][本人担当12頁(36~47頁)]
19 「生徒理解」に関する研究 教職実践演習における振り返りを通して単著 2015-03-00『人間形成論研究』第5号 教職課程科目「教職実践演習」において、受講学生37名を対象に「児童生徒理解と学級経営に関する事項」の到達目標に関して、教育実習での到達度について調査を行った。その結果、本学の教育実習生は生徒と近い親しい関係を築くことは得意だが、生徒の抱える課題の理解や、教師という指導的立場に立っての生徒との関わりには課題があること、また生徒理解の基礎となる発達的特徴についての理論的な理解がかなり低いことがわかった。[総頁数58頁][本人担当19頁(20頁~38頁)]
20 発達障害学生の「学べなさ」について
-アスペルガー障害を中心に-
単著 2016-03-00『大谷大学学生相談室研究紀要』第10号 発達障害の学生支援について考察した。発達障害は生得的であることから、幼児期・児童期には大学生同様あるいはそれ以上に強い特性を示す。自閉症スペクトラム障害の、いちど学習してしまうと経験から修正することが難しいという学習の困難さについて指摘した。そしてエリクソンの学童期の発達課題と関連して、小学校時代に「努力は報われる」ことと同時に「自分にはかなわないという限界」を体験しておくことの重要性について述べた。[総頁数69頁][本人担当13頁(16頁~28頁)]
21 思春期・青年期における子どもの発達的変化について
-からだと心、親子関係、自己像に注目して-
単著 2016-03-31『人間形成論研究』第6号 思春期に子どもが経験する変化について、「身体と心」「親子関係」「自己像」に注目して考察した。身体の大きな変化は当然、心にも影響を及ぼす。また性的な発達による自立衝動は親子関係に変化をもたらし、自立と依存の葛藤を生じる。さらに自我が発達して自分を客観的に診始めることから、幼児的万能感を脱却し、多くの子どもが自己像を下方修正する必要に迫られることを指摘した。[総頁数49頁][本人担当19頁(10頁~28頁)]
22 親子関係の始点単著 2016-12-00『大谷大学教職支援センター研究紀要』第5号 子どもの命を授かった時や授かるまでの思い、妊娠中や出産前後のできごとやそれに対する感じ方・考え方が、その後の親子関係にも影響を及ぼすと考え、親子関係の始点を子の妊娠時に設定した。そして妊娠が非常に強く望まれた例と、思いがけない妊娠であった例について考察し、教育相談の場面において、教師が親子関係の始点に思いを馳せ、共感的に理解することの必要性について論じた。[総頁数84頁[本人担当77頁~84頁]
23 大学生の適応について考える
-長期欠席調査からー
単著 2018-03-31大谷大学学生相談室研究紀要第11号 本学での長期欠席調査に基づいて、欠席学生の傾向について検討した結果、「特にこれといった特徴が見いだせない」ということが見出された。文部科学省は小・中・高等学校における不登校について、「どの児童生徒にも起こりうること」としているが、大学についても同様である可能性が示唆された。背景には中学・高校と大学のシステムの違いが想定された。さらに大学のもつ守りの力について考察した。
[総頁数74頁][本人担当15頁~26頁]
24 教育相談における保護者との関わり
-理解と支援のために-
単著 2019-01-31大谷大学教職支援センター研究紀要 第9号 教育相談において重要とされる保護者とのかかわりについて考察した。保護者支援のためにはまず保護者を理解する必要がある。しかし実際の保護者は年齢も経験も異なり、そのことから価値観や考え方も様々に異なっていて、「保護者」とひとくくりで語ることは難しい。保護者支援のためには一人一人の保護者のあり方を理解する必要があることについて述べたうえで、具体的な支援について考察した。[総頁数60頁][本人担当44頁~56頁]
25 中等教育における主体的学習を支える動機づけについて単著 2020-03-00大谷大学教職支援センター研究紀要第11号 自ら目標を設定し、学習を主体的に進め、成果につなげるために、教育心理学において重要とされている「主体的な学び」の三要素のうち、本稿では学習意欲について、特に中等教育における学習動機づけに注目して、発達的な観点から考察した。また学校不適応の要因ともなりうる勉強に対する無気力について、「勉強がわからない」ということの背景と、教師の対応に求められる「わからなさに応じた指導」について検討した。[総頁数 頁][本人担当 頁~ 頁]
26 教育相談で求められること:不登校から考える ―発達の見立てと児童生徒理解―単著 2020-03-00大谷大学教職支援センター研究紀要第12号 本稿では教育相談の意義と課題について概観し、不適応とその「問題」のとらえ方、また教育相談で求められるカウンセリングの基礎と実際について述べた。そして文部科学省の問題行動調査をふまえて不登校について考察し、中途退学といじめについても言及した。さらに児童生徒理解には発達段階の見立てが重要であることを指摘したうえで、それに必要な観察と想像のための視点について、校内連携や学外機関との協働も含めて検討した。[総頁数 頁][本人担当 頁~ 頁]
27 発達障害学生の「理解できなさ」について
―アスペルガー症候群を中心に―
単著 2021-03-00大谷大学学生相談室研究紀要
28 ADHD傾向の学生との面接について
心理療法的なアプローチの可能性を考える
単著 2023-03-31大谷大学学生相談室研究紀要
以上28点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 心身症者におけるHTPA一般発表 1991-09-00日本描画テスト・描画療法学会第1回大会 心身症患者28名を対象にHTPA描画テスト(家・木・人・動物を描く)を行い、健常者の描画と比較した結果、心身症患者の描画には「構成放棄」といわれる、各要素が関連なく描かれるものが有意に多かった。構成放棄は神経症レベルの患者では少なく、精神分裂病などより深い病理水準の患者に多く見られることから、一般に現実適応が良すぎると言われている心身症患者の、内面における病理の深さが感じられる結果となった。[本人担当1頁(35頁)][発表時間20分][日本描画テスト・描画療法学会第1回大会抄録集]
2 『子どもの心身症』(石川憲彦他著、岩崎学術出版社)書評 1992-04-00心理臨床家のための119冊、氏原寛・小川捷之・東山紘久・山中康裕編、創元社 心理臨床家に書籍を紹介する本書において筆者は、『子どもの心身症』(石川憲彦他著、岩崎学術出版社)の書評を担当した。4人の著者が小児科、精神科、臨床心理、と異なった立場から書いているため、まとまりに欠ける、という本書のあり方こそが、現在の子どもの心身症治療におけるチームワークのあり方を体現していると筆者はとらえ、そこに限界と同時に「チーム」全体として大きな力が発揮される可性も見いだした。[総頁数310頁][本人担当2頁(116頁~117頁)]
3 青年期女子摂食障害患者のKFD一般発表 1993-09-00日本描画テスト・描画療法学会第3回大会抄録集 青年期女子摂食障害患者29名に動的家族描画テストを行い、一般群と比較した。摂食箪害群の描画では全体的印象において「かださ」「動きのなさ」が目立ち、患者の家庭内での居場所のなさも感じられた。人物[象の大きさの印象評定では、自己像が小さく父親・母親像は大きく感じられ、父親像に関して従来言われてきた「影の薄さ」は見いだされなかった。また妹像を大きく描く傾向があり、女性性をめぐる同胞葛藤がうかがわれた。[本人担当1頁(36頁)][発表時間20分][日本描画テスト・描画療法学会第3回大会抄録集]
4 心身症者における自己・身体・対象イメージについてポスターセッション 1996-09-00日本心理臨床学会第15回大会 ほかならぬ自分自身の身体に症状を託すというかたちで病んでいる心身症者が自己の身体に対して持つ距離感を探ることを目的に、自己・身体・対象(父親・母親)イメージについて、SD法によって測定し、「親近性」「力量性」「統御性」の3因子を抽出した。健常者らとの比較検討の結果、心身症者において身体と自己は、自覚的には「遠い」ものと感じられているが、実際のあり方は非常に近いものであることが見いだされた。[本人担当2頁(368頁~369頁)][日本心理臨床学会第15回大会発表論文集]
5 青年期女子摂食障害患者との面接過程一般発表 1998-09-00日本心理臨床学会第17回大会発表論文集 摂食障害(過食・嘔吐)を主訴として相談に来た20代女性との心理療法面接過程についての事例研究である。仕事と父親、食事と母親の結びつきや、妹との葛藤など、家族との関係がクライエントの発症に大きく影響していると考えられる事例であるが、クライエントは目を外に向け、社会的関係のなかで自己イメージを確立しようと試みている。[本人担当2頁(314頁~315頁)][発表時間90分][日本心理臨床学会第17回大会発表論文集]
6 カウンセリング辞典辞典執筆 1999-12-00ミネルヴァ書房 1,619項目を含むカウンセリングについての中辞典。筆者は描画法テストである「動的家族描画法」、喪失肢の存在を錯覚する「幻影肢」、両化的感情「アンビヴァレンス」および論理療法の創始者「エリス、A.」についての項目の解説を担当した。[総頁数692頁][本人担当5頁(「アンビヴァレンス」22頁、「エリス」67頁~68頁、「幻影肢」178頁、「動的家族画」460頁)編:氏原寛、小川捷之、近藤邦夫、鑪幹八郎、東山紘久、村山正治、山中康裕
7 「いまどきの若者」の心理特別講演 2003-03-00第132回京都体育学会 「いまどきの若者」はわからないと言われる。彼らは無関係な人には傍若無人にふるまうが、実は傷つくことを恐れ、日頃接する他者からの評価を非常に気にしている。この背景には彼らの自己評価の低さ、自己肯定感や自信のなさがある。友人関係では仲間外れに敏感であらざるを得ず、また日常生活まで教師に評価され続けてきた歴史の影響が少なくない。学生の多くは教員に、個人として関心をもってほしいと強く感じている。発表時間60分[体育の科学]
8 心理臨床大事典事典執筆 2004-04-00培風館 『心理臨床大事典』は、広く臨床心理学や精神医学の基礎理論、心理療法、心理査定、精神分析などを網羅し、実践的に解説した、わが国初の大事典である。初版1992年11月[総頁数1480頁][本人担当:第5部「精神医学」の「問題行動」のうちの「自傷(self-mutilation)」2頁(872頁~873頁)、「付録」の「主な心理臨床家」のうちの「エリス(Ellis,A)2頁(1246頁~1247頁)]氏原寛、小川捷之、東山紘久、村瀬孝雄、山中康裕編
9 私立女子中学校におけるスクール・カウンセリング活動について
 -学校コンサルテーションの事例を中心に-
ポスターセッション 2004-09-00日本心理臨床学会第23回大会 私立女子中学校における4年間にわたる学校コンサルテーションを中心としたスクール・カウンセリング活動について報告した。公立学校とは異なる点に、私立学校はその学校へ進学することを意識して努力して受験するということがある。進学後に不適応となったときに問題にされることが多い点である。また生徒からの無意識的投影という臨床心理学的な視点を導入することで、教師の生徒理解が深まった事例を報告した。[本人担当1頁(256頁)][日本心理臨床学会第23回大会発表論文集]
10 『遊び』の臨床心理学的な意味について
-人生の後半に注目してー
一般発表 2005-10-00大谷学会 研究発表会 遊びにおいて人は内的世界を表現し、無意識的な世界とつながり、意味のある体験をすることができる。人生の前半は現実的日常的な価値観に基づいて自我を発展させることが求められるが、人生の後半ではその一面性を補償し、こころの全体性を実現するために、それまで生きられてこなかった半面、すなわち《非日常》と出会い、無意識の心的内容と出会うことも重要となってくる。それは遊びにおいて実現されることである。[発表時間40分][大谷学報第85巻第4号]
11 自傷行為のある学生の事例事例提供 2007-05-00日本学生相談学会第25回大会ワークショップ 日本学生相談学会ワークショップ「④若者の自傷と日本社会」において大河原昌夫講師は、リストカット、プチ整形、援助交際、薬物依存、過食嘔吐・摂食障害などの行為を「自傷」という共通要素でとらえ、病気・非病気の枠も取り払って、「自傷」という角度から眺めることを提案した。このワークショップに事例提供者として、自傷行為のある学生の事例を発表した。[発表時間90分]
12 学生相談室からの実習教育支援一般発表 2007-05-00日本学生相談学会第25回大会 昨今は社会福祉系の施設実習において、一見ごく普通の学生が起こす問題行動が指摘されている。学生の問題を理解しと対応するために、大学では意識や動機を掘り下げるとともに、傷つきに弱い学生には予めそのことを指摘し自覚を持たせ、起こりうる場面に備える予防的教育が重要である。また施設においては外見からはその問題性が発見できないため、目に頼らず、自身の内側の感覚に敏感になることが早期発見につながると指摘した。[発表時間30分][日本学生相談学会第5回大会発表論文集]
13 自殺未遂・自傷行為の見られた学生の事例事例提供 2012-05-19日本学生相談学会第30回大会ワークショップ 日本学生相談学会大30回大会のワークショップ「⑧学生相談における自殺・自傷―心理規制の理解と臨床的対応―」(安岡誉講師)において、自殺未遂・自傷行為の見られた学生のカウンセリング過程について事例を提供した。[発表時間90分]
14 教職課程科目「教育心理学(中・高)」において発達障害について伝えていく必要性について -特に高等学校に注目して―一般発表 2012-09-06大谷大学教育・心理学科学会研究発表会 昨今、発達障害をもつ児童生徒の増加が言われているが、中等科の教員養成課程においては、発達障害について特に重点的に学ぶ科目は置かれていない。この現状に対し、各校に在籍する発達障害をもつ生徒への適切な関わり方について、「教育心理学(中・高)」の中で教育していく必要性について論じた。[発表時間40分]
15 学生相談からの99のメッセージプラス1分担執筆 2013-01-00あいり出版 1987年から2010年まで学内広報誌『大谷大学広報』に掲載されていた、本学学生相談室のカウンセラーによるコラム記事をまとめたものである。[総頁数180頁][本人担当18頁]分担執筆:市来和政、宇佐晋一、神田敬子、菊岡千夏、久保聡史、酒井汀、佐賀枝夏文、佐々木玲仁、杉原保史、谷口奈青理、西澤伸太郎、藤田昭彦、山内正美、山本昌輝、譲西賢
16 動的学校画を応用した教育実習支援(1)―基礎的研究―口頭発表 2014-05-18日本学生相談学会第32回大会 教育実習に参加する大学4年生11名に対し、実習前と実習後の2回にわたり動的学校画を施行し、実習前後での描画の変化を調査した基礎的研究である。その結果、描かれた場面、児童および自身の描画に変化が見られ、動的学校画による調査の有効性が示された。[発表時間45分][日本学生相談学会第32回大会発表論文集]
以上16点

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