教育研究業績の一覧

井上 尚実
A 教育業績
教育実践上の主な業績 年月日概要
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
1 University of California, Santa Barbaraにおいて視聴覚ソフト・インターネットを利用した日本宗教史の講義を実施 2006-01-09
~2006-03-22
University of California, Santa Barbara (UCSB)における学部レベルの宗教学講義(Religious Studies 22)“Religious Narratives and Paintings of Japan”を1学期間(Winter Quarter)担当。「信貴山縁起絵巻「北野天神縁起絵巻」「善光寺縁起」「親鸞伝絵」「一遍聖絵」などの宗教美術・文学を紹介するにあたり、所蔵博物館・寺院などによるインターネット上の資料を有効に利用するため、Power Pointを利用して絵巻の内容を見ながら講義を聴けるように工夫した。
2 Eötvös Loránd University において視聴覚ソフト・インターネットを利用した仏教学集中講義(2週間)を実施 2012-02-27
~2012-03-09
Eötvös Loránd University (ELTE) において学部・大学院修士レベルの仏教学集中講義“Genealogy of Faith-oriented Buddhism: From Śākyamuni to Shinran”を担当。インターネット上の資料を有効に利用し、仏教関係の地図や美術資料を参照できるように毎回 Power Pointを利用して講義を行なった。
2 作成した教科書、教材、参考書
1 "Religious Narratives and Paintings of Japan" (University of California, Santa Barbaraにおける日本宗教史の講義のためのコース・リーダー[参照用論文集]) 2006-01-09
~2006-03-22
University of California, Santa Barbara (UCSB) Religious Studies 22:“Religious Narratives and Paintings of Japan”(Winter 2006) の授業に関連する寺社縁起・縁起絵巻などに関する英文で書かれた重要な論文28本を選定し、コース・リーダー(616頁)を作製。手に入りにくい学術雑誌に掲載された論文を一冊にまとめ、講義の予習・復習用の教材とした。
2 "Genealogy of Faith-oriented Buddhism: From Śākyamuni to Shinran"(Eötvös Loránd University における仏教学集中講義のためのコース・リーダー) 2012-02-24
~2012-03-09
Eötvös Loránd University (ELTE) における仏教学集中講義“Genealogy of Faith-oriented Buddhism: From Śākyamuni to Shinran”のために、参照すべき重要な英語の論文・資料23本を選定し、コース・リーダー(136頁)を作製。ハンガリーで手に入りにくい学術書や雑誌に掲載された論文等を一冊にまとめ、講義の予習・復習用の教材とした。
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等
1 大学コンソーシアム京都「2014年度第20回FDフォーラム」第6分科会コーディネート 2015-03-01 「第20回FDフォーラム」(会場:同志社大学)において、第6分科会「自校教育を通した"建学の精神"の具現化」のコーディネーターを務めた。『第20回FDフォーラム報告集』(大学コンソーシアム京都, 2015年6月)に簡単な報告を掲載した(pp.193-95)。
2 大学コンソーシアム京都「2015年度第21回FDフォーラム」第5分科会コーディネート 2016-03-06 ~ 「第21回FDフォーラム」(2016年3月5日-6日、会場:京都外国語大学)の企画検討委員として、第5分科会「大学における英語・日本語リメディアル教育」のコーディネーターを務めた。『第21回FDフォーラム報告集』(大学コンソーシアム京都, 2016年6月)に分科会報告を執筆(pp.171-72)。
4 その他教育活動上特記すべき事項
1 「ブッダを歩く」海外研修の引率(インド仏教遺跡フィールドワーク) 2012-08-22
~2012-08-29
短期仏教科の1週間のインド研修 "ブッダを歩く" に引率教員として参加し、学生と共に仏跡を巡った。(前正覚山、成道の地ブッダガヤ、初転法輪の地サールナート鹿野苑、王舎城耆闍崛山など)
2 「親鸞を歩く」(京都フィールドワーク) 2014-09-03
~2014-09-08
京都周辺の親鸞の旧跡を一緒に歩いて考える短期仏教科の集中講義科目“親鸞を歩く”を担当。誕生の地、日野の法界寺にはじまり、比叡山に登り、京都市内の真宗本廟、六角堂、岡崎別院、青蓮院、安養寺等を学生と一緒に徒歩で巡った。
3 「親鸞を歩く」(関東フィールドワーク) 2015-03-11
~2015-03-13
3回生ゼミの研修旅行で、関東の親鸞旧跡を学生と一緒に巡った。(高田専修寺、小島草庵跡、横曽根報恩寺、稲田西念寺、板敷山大覚寺、河和田報仏寺など)
B 職務実績
1 真宗総合研究所 (指定研究)国際仏教研究 研究員 2003-04-00 ~ 英米班の研究員として国際学会・シンポジウムにおいて大谷大学の真宗学・仏教学研究の成果を発信し、海外の仏教研究者との学術交流に従事してきた。(英米班庶務:2008年〜2011年、研究代表者:2012年〜)。
2 ジェームズ・C・ドビンズ教授による大学院特別セミナー 「宗教学的アプローチによる真宗研究」2009年-2011年(補佐) 2009-09-00
~2011-07-00
James C. Dobbins教授(Oberlin College)による3年間の大学院特別セミナー“Religious Studies Approaches to the Study of Shin Buddhism”において補佐を務めた。2010年9月の集中講義 “Classical Theories of Religion”(古典的宗教理論と近代真宗)、2011年5月の“Contemporary Issues in the Study of Religion”(宗教研究における現代的諸問題)では、それぞれ7回の講義と1回の公開講演の和訳を準備し、ディスカッションの通訳を務めた。
3 大谷大学開放セミナー「大乗仏教のあゆみ―親鸞の眼を通して―⑨和国の教主―聖徳太子―」(講師) 2010-06-07
~2010-07-07
「親鸞と聖徳太子(1)-夢告の導き―,(2)-護持養育―」の2回のセミナーで講師を務めた。
4 大谷大学・同窓会 全国縦断夏季八十講(講師) 2013-08-27
~2013-08-28
大谷大学と全国の同窓会支部により実施された講演会において統一テーマ「生きる力」について講演。8月27日北九州支部、28日四国支部。
5 大谷大学・同窓会 全国縦断夏季八十講(講師) 2014-08-02
~2014-08-04
大谷大学と全国の同窓会支部により実施された講演会において統一テーマ「今、幸せについて考える」について 「釈尊・親鸞による批判的視座から」講演。8月2日神奈川支部、3日山梨支部、4日東京支部。
6 伊那西高校との高大連携プログラム(出張授業担当) 2015-04-23
~2015-05-07
真宗大谷派関係学校である伊那西高校において,高大連携プログラムの一環として「やさしい英訳と現代語訳で読む『歎異抄』」の授業(45分4回)を実施した。
7 大谷大学・同窓会 全国縦断夏季八十講(講師) 2015-08-19
~2015-08-21
大谷大学と全国の同窓会支部により実施された講演会において統一テーマ「人間は何を求めているのか」について 「釈尊・親鸞による批判的視座から」講演。8月19日富山支部、20日小松支部、21日大聖寺支部。
8 K-GURS(京都宗教系大学院連合)チェーンレクチャー「宗教と苦難」で講義を担当 2016-05-20 「浄土教における苦難の受けとめ―飢饉・疫病と戦争・貧困―」というタイトルで90分2コマの授業を担当した。
9 大谷大学開放セミナー「シリーズ『教行信証』の思想(6)「真仏土巻」を読む」(講師) 2016-11-02
~2017-01-11
5回のセミナー(90分のパワーポイントを使った講義)で講師を務めた。各回のテーマは①『教行信証』における「真仏土巻」の位置と役割、②大乗としての浄土真宗、③涅槃と往生、④浄土のはたらき、⑤難思議往生。
10 大谷大学・同窓会 全国縦断夏季八十講(講師) 2017-08-25
~2017-08-26
大谷大学と全国の同窓会支部により実施された講演会において統一テーマ「"生老病死"を考える」について 90分の講演。8月25日山形支部、26日福島支部。
C 学会等及び社会における主な活動
所属期間及び主な活動の期間 学会等及び社会における主な活動
1 1993-07-00~0000-00-00 International Association of Shin Buddhist Studies (国際真宗学会)
2005-09-00〜Treasurer(会計担当評議員)
2 1999-04-01~0000-00-00 The Eastern Buddhist Society(東方仏教徒協会)1999〜2003 Secretary, editorial staff
事務局員兼編集員として英文仏教雑誌The Eastern Buddhistの編集実務(Vols. 32-35)およびセミナー・公開講演等の運営を担当
2008〜 Internal Adviser 内部顧問
3 2003-04-01~0000-00-00 真宗連合学会
4 2005-06-00~0000-00-00 European Association for Japanese Studies (ヨーロッパ日本研究協会)
5 2007-03-00~0000-00-00 American Academy of Religion (アメリカ宗教学会)
6 2008-08-00~0000-00-00 日本仏教学会
7 2009-07-00~0000-00-00 日本印度学仏教学会
8 2013-05-00~0000-00-00 International Association of Buddhist Studies(国際仏教学会)
D 研究活動
著書、学術論文等の名称単著、
共著の別
発行又は
発表の年月
発行所、発表雑誌等
又は
発表学会の名称
概要
Ⅰ著書
1 BUDDHAS AND KAMI IN JAPAN : Honji Suijaku as a Combinatory Paradigm共著 2003-00-00Routledge Courzon (Taylor & Francis Group) 「神仏習合」「本地垂迹」を、日本中世・近世の基本的な宗教パラダイムとして捉えた論文を集めた学術書。諏訪大社(上社)の例をとりあげ、神宮寺の成立から中世の繁栄をへて明治初年の神仏分離にいたるまで、制度・儀式・社殿の建築や配置などの変化を多面的に分析した論文“The Interaction between Buddhist and Shinto Traditions at Suwa Shrine”を執筆。廃仏毀釈で抹消されてしまった諏訪大社の神宮寺の歴史を残された史料にもとづいて明らかにし、この「信濃国一之宮」において仏教が果たしていた役割と神仏分離の影響について考察した。[総頁数371頁][本人担当26頁(287〜312頁)] 編集 Mark Teeuwen, Fabio Rambelli 分担執筆者 Irit Averbuch, Lucia Dolce, Allan Grapard, Sato Hiroo, Susan Blakeley Klein, Irene H. Lin, Iyanaga Nobumi, Fabio Rambelli, Bernhard Scheid, Inoue Takami, Mark Teeuwen.
2 『揺れ動く死と生 -宗教と合理性のはざまで-』共著 2009-03-00晃洋書房 2006年に行われた大谷大学とフランス国立高等研究院との合同シンポジウム「宗教と近代合理的精神ー日仏文化の比較を通して」についてまとめた研究書。シンポジウムでの発表[下記III-16]にもとづいて「地獄の喪失:宗教的宇宙観の衰退と日本の近代化」という論文を寄稿。近世にいたるまで日本人が共有していた仏教的宇宙観が19世紀に急速に衰退し、それに代わって明治初期から科学的・合理的世界観が浸透したパラダイム・シフトについて論じた。特に、須弥山説をもとにした仏教的な宇宙観の衰退は、浄土教にとって大きな衝撃となったことについて、近代教学の発展と結びつけて、その問題点を考察した。[総頁数251頁][本人担当第3章「日本における宗教的世界観の変容」21頁(130-150頁)](編著:ジャン・ボベロ、門脇健、分担執筆者:マイケル・パイ、木場明志、セブリーヌ・マティウ、藤枝真、村山保史、番場寛、ハルムート・ロータモント、井上尚実、木越康、ジャン=ポール・ヴィレーム、阿部利洋、田辺繁治、杉村靖彦)
3 FAITH IN BUDDHISM共編著 2016-05-00Institute For East Asian Studies, Eötvös Loránd University (Budapest Monographs in East Asian Studies 6) 2013年10月26日-27日の2日間ハンガリーのエトヴェシ・ロラーンド大学(ELTE)で開催された国際シンポジウム“Faith in Buddhism 仏教における信”の成果をまとめた英文学術書(ELTEのハマル・イムレ教授との共編著)。シンポジウムにおける発表[下記III-41]にもとづき、初期仏教のsotāpannaと親鸞が最晩年に強調した「現生正定聚」の共通性をそれぞれの文献と文脈の比較によって論じた論文 “The Genealogy of Other-Power Faith: From Śākyamuni to Shinran”を収める。[総頁数247頁][本人担当15頁, pp.119-33](分担執筆者:Kiyotaka Kimura, Akihiro Oda, Gergely Hidas, Erzsébet Tóth, Alexa Péter, Melinda Pap, Gábor Kósa, Imre Hamar, Takami Inoue, Robert F. Rhodes, Myōshin Fujitake, Michael Conway, Ágnes Birtalan, Melinda Papp, Mónika Kiss)
以上3点
Ⅱ学術論文
1 六角堂夢告再考単著 2005-12-00『親鸞教学』86号(大谷大学真宗学会) 親鸞29歳の回心と六角堂における夢告の関わりは非常に密接であるという観点から、従来の実証的歴史研究における夢告解釈を批判的に検討し、定説とされつつある「性欲説」の問題性を指摘し、より宗教的・仏教的な文脈における解釈の必要性を論じた。特に夢と三昧が浄土教の伝統において同じように重視されている点に着目して考察を展開。「夢記」を事実の記録のように扱い、そこから親鸞の伝記的事実を読み取ろうとする実証史学の恣意的な説明が「解釈」というに値しないことを論じた。[21頁, pp. 17-37]
2 Shin Buddhist Response to Modernity: Introduction単著 2006-12-00The Pure Land, New Series No.22
(International Association of Shin Buddhist Studies)
近代化に対して浄土真宗がどのように対処し、教団・教学の近代化を図ったかということをテーマとしたパネル[下記III-12]の序説として、蓮如以来の第二次世界大戦後にいたるまでの真宗の歴史を概観し、その特徴をまとめた。[7頁, pp. 63-69]
3 Shinshu Followers’ Resistance to the Meiji Government’s Suppression of Buddhism: the Case of the Matsumoto Domain単著 2006-12-00The Pure Land, New Series No.22
(International Association of Shin Buddhist Studies)
明治政府による神仏分離・廃仏毀釈に対して真宗門徒が有効な抵抗運動を組織した例として松本藩のケースを取り上げ、他の宗派とは異なる浄土真宗の伝統と組織の特徴について社会学的・民俗学的に考察した。下記 III-13 を論文化したもの。[7頁, pp. 71-77]
4 「ただ念仏」の原型—『スッタニパータ』「彼岸道品」に謳われる念仏と信心— 単著 2008-03-00『親鸞教学』91号(大谷大学真宗学会) 仏典の中で成立が最も古いとされるものの一つである『スッタニパータ』第五章パーラーヤナ・ヴァッガ(彼岸道品・波羅延経)について、その結語に説かれるピンギヤの念仏が中心テーマであるとする新しい解釈を提示する。これまでの西欧近代の文献学的方法にもとづく仏教研究の偏ったあり方を批判し、経典が伝えようとしている教えを経典の修辞的な特徴に留意して読み解くことの重要性を論じる。最古とみなされる経典の「仏陀のことば」の中に、すでに法然・親鸞の「ただ念仏」の教えの原型があったことを論証する。[22頁, pp. 15-36]
5 Transcending Dualism: Neither Monastic nor Secular as a Way Through the Troubled World: Introduction単著 2008-12-00The Pure Land, New Series No. 24(International Association of Shin Buddhist Studies) 第13回国際真宗学会(2007年、カルガリー大学)における大谷大学パネル[Makoto Ichiraku, Takeshi Kaku, Michael Conway, Yasushi Kigoshi]に基づく序説。親鸞が実践した「非僧非俗」の生き方は、混迷する世界のただ中に於いて二元的思考の枠組みを超え、真実に目覚めるための有効な仏道であることを論じた。初期経典『スッタニパータ』第184偈の「信によって暴流を渡る」というブッダの言葉に遡り、「信」による「非僧非俗」の仏道の意義を、浄土教の歴史の中に確認した。[8頁, pp. 125-32]
6 信の仏教の系譜:『スッタニパータ』「アーラーヴァカ経」と「ヴァンギーサ経」に描かれる「信」の原風景単著 2010-07-15『大谷学報』89-2(大谷大学大谷学会) 釈尊在世の時代に最も近いとみなされている経集『スッタニパータ』の中に、親鸞の「信の仏教」の原型が見出されることを、思想的・歴史的・社会的・地理的文脈を考慮し、隠喩の働きを重視した解釈によって論証した。日本印度学仏教学会大60回学術大会の特別部会「親鸞研究の可能性」における発表[下記III-24]の序論部分に加筆したもの。[45頁, pp.1-45]
7 Local Buddhism and Its Transformation in Nineteenth-Century Japan: Shinbutsu Bunri in Shinano Province (19世紀日本における地方仏教の変容:信濃における神仏分離)単著 2010-09-11University of California, Santa Barbara. Ph.D. Dissertation in Religious Studies. カリフォルニア大学サンタバーバラ校宗教学博士論文 UCSB Library Call Number: BL42.5.U5 S25 TAKI 2010 明治初年の維新政府による神仏分離・廃仏毀釈を経て、日本仏教は組織制度・儀式・教義など多くの面で根本的に変容したが、特に地方の仏教について信濃(伊那谷・諏訪大社・松本藩)に焦点をあてて、その具体的な変容を検証し、日本宗教史における重大な画期としての意味を考察した。[前文 x, 本文 239 pages]
8 「宗門白書」をめぐって
—石川舜台の課題—
単著 2012-06-30『教化研究』第151号
(真宗大谷派教学研究所)
1956年に発表された真宗大谷派の「宗門白書」に示されている世界的展望を持った教学の歴史的出発点として、明治中期に宗門近代化を指導した石川舜台(1842-1931)の生涯と事績に注目し、特にその思想家・教育家としての側面について論じた。[10頁, pp. 47-56]
9 普遍宗教としての浄土真宗
—無償の贈与を平等に分かち合う思想—
単著 2012-12-20『親鸞教学』第100号(大谷大学真宗学会) 2011年10月26日に開催された大谷大学真宗学会大会における同名の講演[下記 III-32]を成文し、加筆して注を付し論文としてまとめたもの。柄谷行人が『世界史の構造』のなかで提示した「普遍宗教」の定義すなわち「交換様式D」(贈与と返礼の高次元での回復)を、1) 初期仏教、2) 大乗浄土教、3) 浄土真宗の「二種回向」にあてはめて考察し、仏教・浄土真宗の普遍性がどこに見出されるべきかを論じた。[26頁, pp. 59-84]
10 現生正定聚と浄土の慈悲:「最後の親鸞」に学ぶ(一)単著 2015-03-20『親鸞教学』第104号(大谷大学真宗学会) 晩年の親鸞が遭遇した正嘉から文応の大飢饉に着目し、その歴史的社会的文脈を重視する思想解明を提示した吉本隆明(1924-2012)の『最後の親鸞』(1976)に学んだ論文。和語の聖教を中心として展開する宗祖晩年の思想の中に「現生正定聚」を位置づけた。還相回向を重視する「最後の親鸞」においては、娑婆を生きている念仏者の上に「浄土の慈悲」の自然な発露があるべきことが示唆されていると論ずる後編に続く。[27頁, pp.1-27]
11 Symbolic Meanings of Shinran's Dream at Rokkakudō
単著 2016-01-30The Pure Land, New Series No. 26(International Association of Shin Buddhist Studies) 1993年8月に大谷大学で開催された国際真宗学会第6回大会での発表 [下記 III-1]を論文化したもの。長年未出版であったが、この間、Bernard Faure, The Red Thread: Buddhist Approaches to Sexuality (Princeton Univ. Press, 1998), James C. Dobbins, Letters of the Nun Eshinni: Images of Pure Land Buddhism in Medieval Japan (Univ. of Hawaiʻi Press, 2004), Galen Amstutz, "Sexual Transgression in Shinran's Dream" (The Eastern Buddhist 43-1&2, 2012)等に言及されている。“実証”史学において今も影響力を持ち続ける赤松俊秀博士の「性欲説」による説明に異議を唱え、宗教的文脈を重視した解釈を提示した。[20頁, pp.73-92]
12 法の流れに入ること:現生正定聚の原型としてのソーターパンナ
単著 2016-01-30『真宗研究』(真宗連合学会研究紀要)第60輯 2015年6月の真宗連合学会第62回大会での発表[下記 III-52]に加筆した論文。「現生正定聚」の原型が初期仏教のソーターパンナ(sotāpanna, 漢訳では「須陀洹」・「預流」)であり、さらに、その思想的な源流は釈尊の教えの根本に遡る「法の流れに入ること」(dhammasotaṃ samāpanna)に見出されることを先行研究によって確かめた。さらに「ソーターパンナ」や「ダンマソータ」というパーリ仏教の術語における「ソータ」が、「流れ」と「耳」の両義をもち、それを用いた複合語はその両義性を活かした懸詞、巧みな比喩表現であることを論じた。その上で初期経典における「ソーターパンナ」の具体例について概観し、「法の流れに入った」というのは、釈尊の説法が「耳に入って」信が起こり、涅槃への道が啓示された状態であり、それは特に悪業煩悩に苦しむ人々の目覚めとして説かれていることを明らかにした。[22頁、pp. 85-106]
13 A True “Healing” in Amida’s Compassionate Light:
The Cure for Incurable Diseases in the
Nirvana Sutra and the Zenkōji Engi
単著 2016-03-31『真宗総合研究所研究紀要』33号(大谷大学真宗総合研究所)
  
2011年にエストニアのタリン大学で開催された第13回ヨーロッパ日本研究協会(EAJS)国際会議での発表[下記 III-31]に加筆した論文。日本における浄土教救済論の普及に重要な役割を果した物語として『涅槃経』に説かれる阿闍世王の難治の病の治癒譚と『善光寺縁起』に説かれる月蓋長者の愛娘“如是”姫の疫病治癒説話をとりあげ、「仏陀の慈悲の光明による不治の病の治癒」という共通するモチーフを分析し、他力による信心発起を説く譬えとしての意義を論じた。[14頁、pp. 27-40]
14 法の流れに入れる者
  ―現生正定聚の原型と妙好人―
単著 2016-10-16菊藤明道編『妙好人研究集成』法蔵館 上記学術論文12に加筆。妙好人こそが初期仏教以来の「法の流れに入れる者」の系譜に連なる存在であり、「ソーターパンナ=現生正定聚」の在り方を実現した念仏者の典型であることを論じた。[25頁、pp. 475-499]
以上14点
Ⅲ 口頭発表・その他
1 Symbolic Meanings of Shinran's Dream at Rokkakudo(六角堂夢告の象徴的意味)口頭発表 1993-08-00The 6th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 国際真宗学会第6回大会(於 大谷大学) 六角堂夢告についての基本的なテキストである「親鸞夢記」について、その作成と伝播の歴史的背景を考察し、このテキストを聖徳太子関係の親鸞の著作の中に位置づけ、修辞的特徴を手がかりに解釈を試みた。[20分]
2 A Journey from the Tomb to the Womb: the T-shaped Silk Painting from the Ma-wang-tui Tomb(墓から子宮への旅:長沙馬王堆古墳出土T字型帛画「非衣」の象徴的意味)単著 1994-03-00University of California, Santa Barbara. M.A. Thesis in Religious Studies. カリフォルニア大学サンタバーバラ校宗教学修士論文 UCSB Library Call Number: BL42.5.U5 S25 TAKI 1994
OCLC NO.81936512
カリフォルニア大学サンタバーバラ校宗教学科修士論文。仏教伝来に先立つ中国南部の楚の文化圏における道教的「再生 "rebirth"」のイメージをよく保存している長沙馬王堆古墳出土T字型帛画「非衣 fei-i 」について、考古学・文化人類学・記号学などの方法を用いて多面的に考察した。[前文 ix, 本文 112 pages, 図版 43]
3 The Splendorous Visions of Amitabha Buddha and his Western Pure Land: the bas-relief from Hsiang-t'ang shan(阿弥陀仏と西方浄土の荘厳:響堂山石窟レリーフ)口頭発表 1994-08-00The 1st Conference of the North American District of the International Association of Shin Buddhist Studies 国際真宗学会北米支部大会 (於 Institute of Buddhist Studies, Berkeley) 現存する最古の浄土変相図である響堂山石窟レリーフ(北斉時代)について、曇鸞の活動及び中国に於ける末法の到来(552年)との関係を中心に歴史的に考察した。[20分]
4 Shinshu Followers' Resistance to the Meiji Government's Suppression of Buddhism: the Case of the Matsumoto Domain(明治初年の廃仏毀釈に対する真宗門徒の抵抗:松本藩の場合)口頭発表 2001-08-00The 10th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 国際真宗学会第10回大会(於 大谷大学) 明治政府による神仏分離・廃仏毀釈に対して真宗門徒が有効な抵抗運動を組織した例として松本藩のケースを取り上げ、他の宗派とは異なる浄土真宗の伝統と組織の特徴について社会学的・民俗学的に考察した。[20分]
5 The Jodoshinshu Institution in the Modern Period
(近・現代の浄土真宗の制度)
口頭発表 2001-09-11Conference on Pure Land (Jodo Shinshu) Buddhism. Sponsored by Chikushi University and Loyola Marymount University 浄土真宗とキリスト教(カトリック)神学の対話の場として筑紫女学園大学とロヨラ・メリーマウント大学の共催で開かれた研究会において、真宗大谷派の制度・教学の近代化をテーマに、戦後の同朋会運動・宗憲の制定から1995年の宗議会における「不戦決議」、2000年の米国による未臨界核実験に対する抗議声明まで、その歴史的・教学的背景を論じた。[20 分]
6 Joseph Jarman, "Shin and Art of Improvisation." (ジョセフ・ジャーマン、「真宗とジャズ即興芸術」)企画・翻訳・通訳 2002-11-24東本願寺視聴覚ホール、大谷大学講堂、Parker House Roll フリー・ジャズ演奏家のジョセフ・ジャーマン(Association for the Advancement of Creative Musiciansの創立メンバー、Art Ensemble of Chicagoの木管奏者)は、1992年に得度した真宗の僧侶でもある。東本願寺の報恩講に来日した機会にThe Eastern Buddhist Society主催の講演会・演奏会を企画し、通訳と詩の和訳を行った。11月24日「ライブ・イン・浄土の真宗」 (小山彰太とデュオ、東本願寺視聴覚ホール)、25日“Shin and Art of Improvisation.”(講演とフルート/サックス演奏、大谷大学講堂)、(小山彰太とデュオ、Parker House Roll)、27日ジャズ即興演奏(関西在住の日本人プレーヤーと共演、Parker House Roll)。
7 ジョセフ・ジャーマン「ジャズと浄土真宗:音楽家・真宗僧侶としてニューヨークに生きて」(講演通訳)翻訳・通訳 2002-11-26高倉会館 親鸞聖人讃仰講演会におけるジョセフ・ジャーマン師の講演と演奏“Jazz and Jōdo Shinshū: Living in New York as a Musician and Shin Priest”の翻訳・通訳を務めた。軍隊での戦争体験、フリー・ジャズ運動の展開、シカゴでの真宗との出遭い、薫陶を受けた斉藤暁紅師の思い出などを語る講演を通訳。2000年にリリースされた Lifetime Vision for the Magnificent Human など、仏教の影響を受けた歌詞付きの曲について和訳を付した参考資料を作成した。
8 Passion and the Vow: Shinran’s Dream-samādhi at Rokkakudō and Gautama’s Temptation by Māra (煩悩と本願:親鸞の六角堂夢告と釈尊の降魔成道)口頭発表 2003-09-00The 11th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 国際真宗学会第11回大会(於 Graduate Theological Union, Berkeley)
回心の体験の象徴的表現として、親鸞の六角堂夢告と釈尊の降魔成道を比較し、その共通点と相異点を明らかにすることにより、仏教・浄土教における回心の特徴を論じた。[20分]
9 The Contribution of Buddhism to the Formation of Japan and its Culture: the Iron Pagoda at the Heart of the Suwa Shrine

口頭発表 2004-03-12International Conference on Contribution of Buddhism to the World Culture. (Jointly organized by K.J.Somaiya Centre for Buddhist Studies, Otani University, and Nav Nalanda Mahavihara) 「世界文化への仏教の貢献」をテーマにインドのムンバイにあるK. J. Somaiya Centre for Buddhist Studiesにおいて開催された国際学会での発表。「日本」という国家とその文化の形成期に仏教が重要な役割を果たしたことについて、信濃の国の諏訪大社を例に、仏教の教義・儀式・表象が政治・文化の歴史の中で常にその中心に位置していたことを論じた。[発表15分、質疑5分]
10 英語で学ぶ仏教 2nd series(浄土真宗篇)分担執筆 2005-03-00『大法輪』72巻3号(大法輪閣) 『歎異抄』の英訳をテキストに、見開き2頁の12回の連載で、各章のポイントとなる文章を英文表現の特徴を中心に解説(2006年2月まで)
11 Local Buddhism and its Transformation in Nineteenth Century Japan: Shinbutsu Bunri in Shinano Province口頭発表 2005-03-30The 19th World Congress of the International Association for the History of Religions (IAHR) 国際宗教学宗教史会議世界大会 (於 東京) 諏訪大社における神仏分離について、とくに神職の間に浸透していた平田国学との関係とイコノクラスム(聖像破壊)という点に注目して発表した。[15分]

12 The Modernization of Shinshū in Local Contexts: The Case of Matsumoto口頭発表 2005-09-02The 11th International Conference of the European Association for Japanese Studies, University of Vienna 第11回ヨーロッパ日本研究協会国際会議 ウィーン大学 Contexualizing the Pure Land Buddhist Tradition in Modern Japanと題した大谷大学パネル(Ugo Dessi, Elisabetta Porcu, Takami Inoue, Michael Conway, Shin'ya Yasutomi)において、日本近代の始まりに起こった文化大革命ともいうべき神仏分離について、信州松本藩の事例を中心に発表した。[20分]
13 Shinshū Followers' Resistance to the Meiji Government's Suppression of Buddhism: the Case of the Matsumoto Domain口頭発表 2005-09-10The 12th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 国際真宗学会第12回大会(於 武蔵野大学) 上記 口頭発表 III-12 と同じ構成のパネルの組織者として発表を行った [上記学術論文 II-3参照]。
14 Buddhism and Shinto in One Heart招待講演 2006-03-09Talk on Religions of Japan, Sponsored by Japanese Language Program, School of Modern Languages, Santa Barbara City College サンタバーバラ・シティ・カレッジの日本語プログラムの招きで、日本宗教の特性としての「神仏習合」についてパワーポイントで実例を紹介しながら講演。[発表50分、質疑15分]

15 内は深く 外は広く—ヨーロッパ日本学会・国際真宗学会参加報告および真宗研究の動向について—
口頭発表 2006-11-15大谷大学真宗学会例会 第11回ヨーロッパ日本研究協会国際会議(2005年8月31日〜9月3日 ウィーン大学)と第12回国際真宗学会(2005年9月9日〜9月11日 武蔵野大学)に参加した報告を中心に、国際的な真宗研究の動向について発表した。[80分]
16 地獄の喪失:宗教的宇宙観の衰退と日本の近代化口頭発表 2006-12-01大谷大学真宗総合研究所・フランス国立高等研究院合同シンポジウム「宗教と近代合理的精神――日仏文化の比較をとおして」(於 大谷大学) 日本の近代化について、近世にいたるまでの宗教的宇宙観の衰退と科学的・合理的世界観の急激な浸透というパラダイム・シフトの観点から論じた。特に、須弥山説をもとにした仏教的な宇宙観の衰退は、浄土教にとって大きな衝撃となったことについて、近代教学の発展と結びつけて、その問題点を考察した。[30分]
17 観ることから称えることへ—『文殊所説般若経』の一行三昧における「不取相貌繋心一佛專稱名字」の意義 —口頭発表 2007-06-08真宗連合学会第五十四回大会(於 大谷大学) 『教行信証』行巻に引用される善導『往生礼讃』の一行三昧をめぐる問答を手掛かりに、「観ることから称えることへ」という念仏「行」の転換がもつ宗教的な意義を考察。修行僧が自力で行じ、成就することの非常に困難な観想念仏(事観・理観)から、末法の凡夫が共に称える他力易行の称名念仏へという転換は、六世紀〜七世紀(北魏・北斉・隋・唐)の中国・十三世紀(鎌倉初期)の日本・二十一世紀の現代アメリカに至るまで、一貫して大きな意義を有していることを論じた。[15分]
18 The Visual Representation of Amitabha and his Western Pure Land: Recontextualization of the Bas-Relief from Xiangtangshan, Northern Qi Dynasty口頭発表 2007-06-22The Map and The World: Visions of the Buddhist Universe Conference
National Museum, Bangkok

古地図や須弥山図・浄土図など、地理的・空間的な仏教世界の表象についての学会で、最古の浄土変相図の一つである響堂山石窟レリーフ(北斉時代)について、曇鸞の活動及び中国に於ける末法の到来(552年)との関係を中心に発表した。[20分]
19 From Meditation to Recitation: the Significance of the “One-Practice Samådhi” in Early Pure Land Buddhism口頭発表 2007-08-00The 13th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies 第13回国際真宗学会大会(於 カルガリー大学) 初期中国浄土教における観想念仏から称名念仏への展開を、北斉期の石刻経に多用された『文殊般若』とそこに説かれる「一行三昧」の浄土教的解釈に基づいて考察した。[20分]
20 末法到来と空の象徴化
―響堂山石窟に刻まれた阿弥陀浄土図と『文殊般若』の相互関係
口頭発表 2007-10-23大谷学会 研究発表会 (於 大谷大学) 現存最古の阿弥陀浄土図の一つである響堂山石窟に刻まれた阿弥陀浄土の浮き彫りと同一の面に同時期に刻まれた『文殊般若』の一節の相互関係について、有相と無相の三昧という点に着目し、それらが彫られた6世紀後半の北斉の「末法到来」の時代・社会的背景に結びつけて考察した。[25分]
21 Shinbutsu bunri as a Radical Disembedding of Local Religions:
The Case of Ono Village in the Northern Ina Valley

口頭発表 2007-11-18American Academy of Religion, 2007 Annual Meeting in San Diego (アメリカ宗教学会 サンディエゴ) AAR のJapanese Religions Groupのパネル“New Ways of Thinking about Shinbutsu Bunri (Differentiation of Kami and Buddhist Deities and Practices) in Japan” (Takami Inoue, Heather Blair, Gaynor Sekimori, Dominick Scarangello, Lucia Dolce, Barbara Ambros)において、地方の民衆宗教の伝統を根こそぎにする政策としての神仏分離について、信州伊那谷北部の小野村のケースを日記資料等をもとに分析して発表した。[20分] なお、Gaynor Sekimoriによるパネル概要報告は以下を参照。SOAS Centre for the Study of Japanese Religions, CSJR Newsletter 16-17 (January, 2008), pp.33-5.
22 The Expulsion of "Vulgarity" from Religious Discourse: A Ban on Etoki and the Establishment of the Modern Pure Land Orthodoxy口頭発表 2008-09-23The 12th International Conference of the European Association for Japanese Studies, Lecce, Salento University (ヨーロッパ日本研究協会国際会議 イタリア、レッチェ、サレント大学) 真宗大谷派の近代教学確立の前段として、1877年に宗派が布告した「絵解きの禁止」について、訓詁的江戸宗学・「土着」した庶民の真宗から近代真宗教学における「浄土」の観念化への転換点として位置づけて論じた。[15分]
23 ゲイレン・アムシュタッツ「ウォールデン湖畔から眺め見た真宗:神話・心理学・歴史を通してアメリカ人に教えを開く」(和訳)
翻訳 2009-04-09The Eastern Buddhist Society Public Symposium
(於 大谷大学響流館)
EBS(東方仏教徒協会)公開シンポジウムにおけるGalen Amstutz教授の英語講演(原題“Shin Buddhism Seen From the Shore of Walden Pond:Opening the Dharma to Americans Through Myth, Psychology and History”)の全訳 [14頁、24,000字、会場で配布]。英語講演の改訂版は“Kiyozawa in Concord: A Historian Looks Again at Shin Buddhism in America”というタイトルでThe Eastern Buddhist 41-1 (2010), pp. 101-50に掲載。
24 アーラヴィ・ゴータマから親鸞へー信の仏教の系譜ー口頭発表 2009-09-08日本印度学仏教学会大60回学術大会(於 大谷大学) 『スッタニパータ』全編を結ぶ釈尊の言葉(第一一四六偈)に言及される「アーラヴィ・ゴータマ」という謎を含んだ名前を手掛かりに、初期仏教の歴史的・社会的・思想的背景を考察し、『スッタニパータ』第一章「アーラーヴァカ経」と第二章「ヴァンギーサ経」に「信の仏教」の祖型が見いだせることを論じた。[20分]
25 The Transformation of Japanese Buddhism during the 19th Century: Focusing on the Impact of the Meiji Restoration and the Persecution of Buddhism口頭発表 2010-05-05‘Identité nationale et Religion en France et au Japon,’ Colloque organisé par l’École Pratique des Hautes Étude (EPHE) Groupe Sociétés, Religions, Laïcités (GSRL), Paris 「宗教とナショナル・アイデンティティー」をテーマとしたフランス国立高等研究院・大谷大学真宗総合研究所合同シンポジウムにおける発表。近代的な国民国家を西欧に遅れて構築しようとした明治日本において、国家神道形成の第一段階としておこなわれた神仏分離政策についてナショナル・アイデンティティーの観点から論じた。[30分]

26 ジェームズ・C・ドビンズ 「恵信尼の世界:恵信尼の手紙を通して見た浄土教の諸相」(和訳)翻訳 2010-09-102010年度大谷大学大学院特別セミナー公開講演会 James C. Dobbins教授による大谷大学大学院特別セミナー公開講演“Eshinni's World: Images of Pure Land Buddhism Through the Letters of Eshinni” の全訳。[13,800字。参照用に会場で配布]
27 自我の「はからい」:釈尊と親鸞の回心に通底する根本問題講演 2010-11-21高倉会館日曜講演
(京都 高倉会館)
釈尊35才の菩提樹下における悟りと、親鸞29才の六角堂参籠・法然上人との出遇いを通した回心に通底する根本問題は、自我の「はからい」(kappa, kalpa)をいかにして超えるかという問題であったことを、パーリ経典(法句経 153, 154偈、ニグローダ・カッパ経など)と「恵信尼消息」第3通の伝えるところをもとにお話した。[80分]
28 ジェームズ・C・ドビンズ「親鸞の多面性―鈴木大拙と『イースタン・ブディスト』を通して―」(和訳)翻訳 2011-05-16The Eastern Buddhist Society 創立90周年・親鸞聖人750回御遠忌記念公開講演会 (於 大谷大学響流館) 2011年5月16日にEBS 創立90周年・親鸞聖人750回御遠忌を記念して大谷大学で開催されたJames C. Dobbins教授による英語公開講演の全訳(原題は The Many Faces of Shinran: Images from D. T. Suzuki and The Eastern Buddhist )。『親鸞教学』第99号 (2012年) 82頁〜113頁に掲載 [総頁数32頁]。
29 ジェームズ・C・ドビンズ「鈴木大拙と浄土教」(和訳)翻訳 2011-07-192011年度大谷大学大学院特別セミナー公開講演会 James C. Dobbins教授による大谷大学大学院特別セミナー公開講演“D. T. Suzuki and Pure Land Buddhism”全訳 [9頁、18,000字、参照用に会場で配布]
30 Ishikawa Shuntai's Envisioning of Shin Buddhism in Modern Japan口頭発表 2011-08-05The 15th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies (IASBS), Otani University, Kyoto 国際真宗学会第15回大会(大谷大学) Shin Responses to Modernityと題された大谷大学パネルでの発表。明治初期の大谷派において「世界の真宗」「開かれた真宗」を標榜し、宗門近代化を推進した最初の指導者である石川舜台(1842-1931)の普遍的ビジョンについて、1872(明治5)年の欧米視察に基づいた宗門教育近代化への取り組みを中心に論じた。[15分]
31 A True “Healing” in Amida’s Compassionate Light: The Cure for Incurable Diseases in the Nirvana Sutra and the Zenkōji Engi (阿弥陀仏の慈悲の光による真の癒し―『涅槃経』と『善光寺縁起』における不治の病の治癒)口頭発表 2011-08-25The 13th Triennial International Conference of the European Association for Japanese Studies (EAJS), Tallinn University, Estonia 第13回ヨーロッパ日本研究協会国際会議(エストニア、タリン大学) Healing Strategies in Japanese Religions(日本の諸宗教における癒しの戦略)を共通テーマとした宗教・思想部会において“Spiritual Healing in Japanese Pure Land Buddhism”と題された大谷大学パネルの中での発表。『教行信証』信巻に引用される『涅槃経』における仏の月愛三昧による阿闍世王の病の治癒と、『善光寺縁起』に説かれる月蓋長者の愛娘、如是姫の疫病治癒の物語を比較して、「信による不治の病の治癒」のモチーフについて論じた。上記 II-13の学術論文のもととなった学会発表。[20分]
32 普遍宗教としての浄土真宗—無償の贈与を平等に分かち合う思想口頭発表 2011-10-26大谷大学真宗学会大会
(於 大谷大学講堂)
学外から迎えた柄谷行人氏による「普遍宗教と哲学」と題された講演と共通のテーマで浄土真宗について論じた。(学術論文にして『親鸞教学』第100号に掲載[上記 II-9])
33 ウーゴ・デッスィー「日本宗教と包括主義」へのコメント口頭発表 2012-05-26京都・宗教系大学院連合 K-GURS 第11回「仏教と一神教」研究会(於 龍谷大学) K-GURSの「仏教と一神教」研究会において、ライプチヒ大学のウーゴ・デッスィー Ugo Dessì 博士の発表「日本宗教と包括主義」に対して仏教・真宗学の研究者として応答した。[10分]『京都・宗教論叢』第8号 に掲載。2頁(pp.32-33)
34 「旅」—仏教の視点から—口述要旨 2012-09-01月刊『同朋』2012年9月号 特集 “「旅」への誘い”のために、仏教的な視点からみた「旅」について「異なる世界の他者と出会い、対話を通して自己が破れる体験」として論じた。「わたしは、天界のきずなであろうとも、人間のきずなであろうとも、すべてのきずなから解き放たれている。多くの人々の利益のために、多くの人々の幸せのために、遍歴をなせ。一つの道を二人で行くな。」という『サンユッタ・ニカーヤ』の釈尊の言葉を引き、親鸞の「旅」の例も挙げて論じた。2頁(pp.16-17)
35 釈尊と法然・親鸞をつなぐもの講演 2012-09-16高倉会館日曜講演 釈尊と法然・親鸞の足跡を辿ると、その成道と回心が「山を出て、民衆の中へ」という方向性を持っていることに共通点があり、それは「下降することによる昇華」=トランス・デサンダンスtransdescendance 「逆超越」のあり方として受けとめられることを、夏休み中のインド仏跡フィールドワーク(“ブッダを歩く”)と比叡山登山(“親鸞を歩く”)の体験をもとにお話した。[80分] 成文化して東本願寺宗務所発行『ともしび』第723号(2013年1月)pp.1-9 に掲載。
36 ポール・グローナー「仏教の東流における渦と逆流:戒律と授戒を中心に」(抄訳)翻訳 2012-10-19Eastern Buddhist Society 公開講演会 
(於 大谷大学響流館)
Paul Groner 教授(University of Virginia)によるEBS公開講演“Whirlpools and Counter-currents in the Eastern Transmission of Buddhism: Precepts and Ordinations”の要旨和訳 [参考レジュメとして会場で配布]
37 ランベルト・シュミットハウゼン「アーラヤ識の起源に関するいくつかの見解」(参考抄訳)
翻訳 2012-11-23大谷大学真宗総合研究所国際仏教研究公開講演会 Lambert Schmithausen教授(emeritus, University of Hamburg)による国際仏教研究公開講演“Some Remarks on the Origin of Ālayavijñāna”の要旨和訳 [参考レジュメとして会場で配布]。(この公開講演会の報告は『大谷大学真宗総合研究所所報』No. 62 pp.33-34 に掲載)。
38 A Translation of "Ōtani University's Founding Spirit" by Sasaki Gesshō共同訳 2013-03-31『大谷大学真宗総合研究所研究紀要』第30号 大谷大学三代学長佐々木月樵の『大谷大学樹立の精神』の英訳。Michael Conway, Robert F. Rhodesとの共同訳。[総頁数 14頁 pp. 18-31]
39 The “Awakening” Open to All People: sotāpanna (“stream-entry”) and shōjōju (“company of the truly settled”)口頭発表 2013-06-02The 16th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies (IASBS), University of British Columbia, Vancouver, Canada 国際真宗学会第16回大会(カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学) カナダのブリティッシュ・コロンビア大学 Buddhism and Contemporary Society Programと国際真宗学会の共催で開かれたThe Pure Land in Buddhist Culturesというテーマの学会に、Original Features in Shinran’s Pure Land Thought: Focusing on His Elucidation of Faith and Realizationというタイトルで龍谷大学と大谷大学の合同パネルを組織し、親鸞の浄土思想の特徴である「他力の信」と「現生における真実証」について発表した。本論では後者「現生正定聚」について、すべての人に開かれた目覚めという点で、初期仏教におけるsotāpanna(預流)に対応することを論じた。[25分]
40 ゲルハルト・マルセル・マルティン「浄土教における信とキリスト教における信:改めて対話の焦点を合わせる試み」(抄訳)翻訳 2013-10-18Eastern Buddhist Society 公開講演会(大谷大学響流館) Gerhard Marcel Martin教授(マールブルグ大学名誉教授)によるEBS公開講演“Pure Land Faith—Christian Faith: Refocussing the Dialogue”の抄訳 [参考レジュメとして会場で配布]
41 The Genealogy of Other-Power Faith: From Śākyamuni to Shinran口頭発表 2013-10-27International Symposium "Faith in Buddhism" at Eötvös Loránd University 国際シンポジウム「仏教における信」(ハンガリー、エトヴェシ・ロラーンド大学) ELTEの東アジア研究所と大谷大学真宗総合研究所の共催で開催された国際シンポジウム「仏教における信」での発表。釈尊から親鸞へと続く「他力の信の系譜」を明らかにする試みとして、初期仏教のsotāpannaと親鸞が最晩年に特に強調した現生正定聚の共通性をそれぞれの文献と文脈の比較によって論じ、その系譜の要となる他力の信の在り方が、「法を聞く」ということによって実現することを示した。[発表20分、質疑5分]
42 現生正定聚の意義と背景講演 2013-12-01高倉会館日曜講演 現存する親鸞真筆テキストにみられる「無上覚」「等正覚」「弥勒に同じ」等の晩年に特徴的な言葉が使われるようになる時期を示し、1257年、85歳を境に宗祖は「現生正定聚」に関する教えを特に積極的に強調されるようになったことをお話した。その背景として考えられる「群萌の苦悩」には、当時の①政治的・社会的・人間的な苦悩と②自然災害による多くの人の死(正嘉の大飢饉)の二つがあることを指摘し、不安を抱えたまま希望が見出せない2011年3月11日福島原発事故以降の日本の情況に重なること、今こそ「現生正定聚」が大きな意義をもつときであることを論じた。[80分]
43 「住まい」—仏教の視点から—口述要旨 2014-02-01月刊『同朋』2014年2月号 特集 “「住まい」からの展望”のために、仏教的な視点からみた「住まい」について、出家(「家を出る」)という沙門の在り方にみられる「定住生活の否定」を糸口に考察した。『長阿含経』の「靜處、樹下塚間に在るを楽しむ。若しくは山窟に在り、あるいは露地および糞聚の間に在る」という言葉を紹介し、法然の吉水草庵、親鸞の稲田草庵などと比較して論じた。2頁(pp.18-19)
44 The Shin Buddhist Way of Entering the Stream of the Dharma講演 2014-03-09Shinshu Center of America Public Lecture on Shin Buddhism (Higashi Honganji Buddhist Temple, Los Angeles, California) ロサンジェルスの東本願寺別院における、北米真宗センター主催の公開講演。凡夫に開かれた目覚めの在り方として親鸞が重視した「入正定之聚」は、釈尊が多くの人びとに勧めた「法を聞く耳を持ち」「法の流れに入る」ことであり、それはまさにShin Buddhist Way of Entering the Stream of the Dharmaといえることを、大乗浄土教の伝承を確認しながら論じた。パワーポイントを使用して地図や図像も示しながら、ガンジス川の中流域からガンダーラ、中国、朝鮮半島を経て日本にいたる仏教の伝播の中に、Listening to the Dharma, Entering the Stream of the Dharmaを中心とする仏教の伝統があることを明らかにした。[講演80分、質疑10分]
45 Dharma-ear/Dharma-stream
  (法の耳/法の流れ)
講義 2014-03-10Shinshu Otani-ha North America MIssion District, Ministers' Retreat 真宗大谷派北米開教使研修会(Higashi Honganji Buddhist Temple, Los Angeles, California) 真宗大谷派北米開教区開教使研修における講義。[3/10-13の4日間に質疑応答を含めて90分の講義を7回] 浄土真宗の教えの要を英語圏において伝えるのに有効なdhamma-sota (Dharma-ear/Dharma-stream)という概念をテーマとした。パーリ経典、『無量寿経』、『教行信証』を含む親鸞の著作の英訳テキストを読みながら、すべての人に開かれ、現生において実現される目覚めの在り方としてのsotāpanna・現生正定聚について講義した。
46 『仏教的伝統と人間の生:親鸞思想研究への視座』安冨信哉博士古稀記念論集刊行会編 共編 2014-06-07安冨信哉博士古稀記念論集刊行会

法蔵館
マイケル・コンウェイと共同で安冨信哉博士(大谷大学名誉教授)の古稀を記念する学術論文集の刊行を計画し、企画から原稿依頼・編集・校正・編集後記執筆を担当。国内外から幅広い分野の優れた研究者による論文を集め、親鸞研究の新たな視座を開く論集を発刊した。[和文篇313頁、英文篇286頁; 編集後記 pp.307-09 (277-80)]
・和文篇執筆者:寺川俊昭、竹内整一、藤田正勝、安冨歩、東長靖、下田正弘、藤田宏達、平雅行、藤本淨彦、小川一乗、本多弘之、長谷正當、武田龍精、大桑斉、安冨信哉。
・英文篇執筆者:Mark L. Blum, Alfred Bloom, William S. Waldron, Paul B. Watt, James C. Dobbins, Michael Pye, Domingos Sousa, John Ross Carter, Galen Amstutz, Thomas P. Kasulis, Kenneth K. Tanaka, Dennis Hirota.
47 “Who or What was Āḷavi-Gotama? Names as Rhetorical Devices in the Buddha's Discourse on saddhā in the Sutta Nipāta.”口頭発表 2014-08-22The 17th Quadrennial Congress of the International Association of Buddhist Studies (IABS), University of Vienna, Austria. (第17回 国際仏教学会、ウィーン大学) 『スッタニパータ』全編を結ぶ釈尊の言葉(第1146 偈)に言及される「 Āḷavi-Gotama アーラヴィ・ゴータマ」という謎の名前について、それが 「saddhā 信」をテーマとする教えが説かれた地名 Āḷavī アーラヴィーに因み、「信の仏教」を想起させる修辞的な仕掛けとして機能する名前であることを『スッタニパータ』第一章「アーラヴァカ経」と第二章「ヴァンギーサ経」の文脈を中心に論じた。[発表時間25分、質疑応答5分]
48 The Revival of Shinran in Japanese Contemporary Thought – The Cases of Yoshimoto Takaaki, Karatani Kōjin, Imamura Hitoshi and Yasutomi Ayumu.口頭発表 2014-08-29The 14th Triennial International Conference of the European Association for Japanese Studies (EAJS), Ljubljana University, Slovenia 第14回ヨーロッパ日本研究協会国際会議(スロヴェニア、リュブリャナ大学) Images of Shinran in Twentieth Century Japan: Perspectives from Inside and Outside the Shin Denomination「20世紀日本における親鸞像:宗門内外の視座」と題された大谷大学パネルにおける発表。真宗(本願寺)の伝統の外に立つ視座を代表するものとして、現代思想家が捉えた親鸞像を取り上げ、吉本隆明・柄谷行人の2人を中心に論じた。[発表時間20分、質疑応答5分]
49 吉本隆明『最後の親鸞』に学ぶ講演 2014-10-26高倉会館日曜講演 2012年3月に87才で亡くなった吉本隆明の名著『最後の親鸞』を中心に、「戦後最大の思想家」と言われた吉本における親鸞思想の影響の大きさを確かめた。特に『歎異抄』第四章に説かれる「浄土の慈悲」の歴史的背景として正嘉から文応にかけて日本列島を襲った大飢饉の文脈を重視する吉本の優れた解釈を紹介し、彼の親鸞論が東日本大震災以後の日本社会において大きな意義を持ち続けることを論じた。[80分]
50 現生正定聚の源流と系譜口頭発表 2014-12-17大谷大学真宗学会例会 親鸞における「現生正定聚」の決定的な重要性とそれが説かれた文脈を再確認したうえで、「現生正定聚」の源流が釈尊の教えの根本に遡るものであり、「一切衆生の目覚め」を課題とした大乗菩薩道にその系譜を辿ることができることを論じた。[発表時間85分]
51 コーシャ・ガーボル「中国のマニ教宇宙図のアトラスについて」・「中国のマニ教宇宙図の"光輝の保持者"について」(和訳)翻訳 2015-03-31吉田豊・古川攝一 (編) 『中国江南マニ教絵画研究』(臨川書店)所収。 永らく日本に保存されていて近年発見された中国マニ教絵画九点のうちの一点「宇宙図」の中の重要な図像の新解釈を提示するKÓSA GÁBOR 博士 (ELTE) による学術論文2篇の全訳。「中国のマニ教宇宙図のアトラスについて」(pp.261-74, 原題“Atlas in the Chinese Manichaean ‘Cosmology Painting’”)、「中国のマニ教宇宙図の“光輝の保持者”について」(pp.292-302, 原題 “Splenditenens in the Chinese Manichaean ‘Cosmology Painting’”)
52 法の流れに入ること:現生正定聚の原型としてのソーターパンナ
口頭発表 2015-06-12真宗連合学会第62回大会(大谷大学) 上記 II-12の学術論文のもととなった学会発表。[発表時間20分、質疑5分]
53 Kiyozawa Manshi and the Ōtani Denomination口頭発表 2015-06-26On Cultivating Spirituality:
The Significance of Modern Shin Buddhist Thought in the History of Religions (Cultivating Spirituality出版記念シンポジウム、於 大谷大学)
真宗総合研究所「国際仏教研究」英米班を中心に進められた真宗近代教学翻訳研究の成果がCultivating Spirituality: A Modern Shin Buddhist Anthology, eds. Mark L. Blum and Robert F. Rhodes(SUNY Press, 2011)として出版されたのを記念するシンポジウムでの発表。明治30年代に清沢満之とその門下によって「精神主義」運動が興隆する歴史的な背景として、明治初年の大谷派において教学や教育の大革新を主導した闡彰院空覚と護法場の伝統に注目し、さらにその後を継いだ石川舜台による育英教校制度の確立、西洋哲学の積極的導入などについて、「精神主義」の基盤として論じた。[発表時間20分、質疑応答10分]
54 Individual and Communal Aspects of “Self” and “Subjectivity” in the Modern Shin Buddhist Thought of Ōtani-ha口頭発表 2015-08-08The 17th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies (IASBS), Institute of Buddhist Studies, Berkeley, California 国際真宗学会第17回大会(アメリカ、カリフォルニア州バークレー、仏教大学院) Subjectivity in Pure Land Buddhism を大会テーマにした学会での発表。清沢満之に始まる大谷派近代教学の伝統は「主体性」を重視し「自己とは何ぞや」という問いを大切にしたことが知られているが、そこには「 個」(individual)の側面だけでなく、「公共」(communal)の思想の萌芽も確かに認められることを、安冨信哉博士による近年の研究を参照して論じた。[発表20分]
55 "The Forty-Eight-Volume Biography of Hōnen" and "Hōnen's Dharma Words." A Modern Translation by Sasaki Tadashi (英訳)翻訳 2015-08-31『法然思想』Vol. 0 - Vol. 5 草愚社 親鸞思想の源流となる「後期法然」の画期的言説をテーマとする季刊雑誌『法然思想』のために、佐々木正による『四十八巻伝』と「法然法語」の現代語抄訳の英訳を担当(24回シリーズ)。第1回分[英文5頁、Vol.0, pp. 76-80]、第2回分[英文5頁、Vol.1, pp. 112-16]、第3回分[英文7頁、Vol.2, pp. i-vii]、第4回分[英文4頁、Vol.3, pp. i-iv]、第5回分[英文4頁、Vol.4, pp. i-iv]、第6回分[英文5頁、Vol.5, pp. i-v]。
56 The Buddha’s Words as Other Power: Focusing on the Idiomatic Expressive Phrase “saṃdarśayati samādāpayati samuttejayati saṃpraharṣayati
口頭発表 2016-05-26International Symposium, “The Buddha’s Words and Their Interpretations” 国際シンポジウム「仏陀の言葉とその解釈」(於 大谷大学) ELTEの東アジア研究所と大谷大学真宗総合研究所の共催で開催された「仏陀の言葉とその解釈」をテーマとする国際シンポジウムでの発表。ブッダの言葉が衆生を目覚めさせる力を「他力」として解釈する伝統について、初期経典から大乗の経・論に共通する特徴的な使役形動詞慣用句“(Pāli) sandassesi, samādapesi, samuttejesi, sampahaṁsesi; (Skt.) saṃdarśayati, samādāpayati, samuttejayati, saṃpraharṣayati”(教示し、励まし、鼓舞し、喜悦せしむ)という表現に注目して論じた。パーリ語聖典として『ウダーナ』5-3、4-3、8-5、『マハー・パリニッバーナ・スッタンタ』2-15、大乗の『八千頌般若経』、世親『釈軌論』の用例を取り上げ、親鸞に特徴的な、阿弥陀仏や本願を主語とする使役の助動詞「しむ」の用法もこの伝統を踏襲していることを指摘した。[発表時間25分、質疑応答5分]
57 励まし鼓舞する仏の声(上・下)単著 2016-06-01『南御堂』(真宗大谷派 難波別院)
 6月号・7月号
『南御堂』の6月号と7月号の2回、一面「現代と親鸞」の欄を担当。危機に直面した念仏者に積極的変容と自然な連帯を促す仏の励ましの声について、親鸞の受けとめとその現代的意義を論じた。(1700字×2)
58 他力としての仏陀のことば―その指標となる使役形動詞慣用句に注目して―
口頭発表 2016-06-28大谷大学 親鸞聖人御命日講話 上記III-56の国際シンポジウムにおいて英語で発表した内容をもとにした1時間の講話。現生正定聚、すなわち「仏陀の言葉を聞信し、励まされながら生きる念仏者のサンガ」に、釈尊から親鸞へと確かに継承された仏教理念の具体相があることをお話した。[60分]
59 親鸞はなぜ「往生」の「即得」性を重視したのか口頭発表 2016-09-04日本印度学仏教学会 第67回学術大会
 (於 東京大学)
「親鸞における往生の理解―「即得往生」を中心に」と題されたパネルにおける発表。親鸞思想がもつ普遍宗教としての意義を現代社会に明らかにするためには、現生(現世)に引きつけた「即得往生」の解釈が必要であるという趣旨で、1960年代後半に曽我量深が「往生と成仏」に関する一連の講話の中で提示した解釈の重要性を確認した。曽我の現生に引きつけた「往生」解釈は、念仏者における慈悲の発露、還相廻向の問題と密接に結びついた形で示されており、それは晩年の親鸞が浄土教理の枠組みを超えて「現生正定聚」を強調した文脈を的確に捉えている。[20分]
60 「念仏者は無碍の一道なり」単著 2016-11-10『名古屋御坊』
真宗大谷派名古屋別院
『名古屋御坊』11月号の「ミミノソコニトドマルトコロ」の欄に、歎異抄第7章に説かれる「無碍の一道」の積極的意義について、吉凶禍福に惑わされぬ生き方として真宗の「神祇不拝」の観点から論述した。(800字)
61 松長有慶「自然と宗教とのかかわり」へのコメント口頭発表 2017-01-28京都・宗教系大学院連合 K-GURS 2016年度公開シンポジウム(於 大谷大学) 「自然と宗教とのかかわり」をテーマにしたK-GURS公開シンポジウムにおける松長有慶博士の講演に対して浄土教の立場から応答した。日本の天台・真言・禅宗を中心に発展した草木成仏の思想においては「草木のいのち」「瓦礫のいのち」を含む「一切衆生」が修行僧の観想の中で対象的に捉えられる傾向があるのに対して、浄土教では「群萌」「蜎飛蠕動之類」「いし・かわら・つぶてのごとくなるわれら」という表現にみられるように、群れ集まる弱い〈いのち〉の実存と救済が、主体的課題となる違いがあることを指摘した。[15分]
62 浄土教における苦難の受けとめ―飢饉・疫病と戦争・貧困―講義概要 2017-03-15『京都・宗教論叢』11号
(京都・宗教系大学院連合 K-GURS)
2016年5月20日に同志社大学神学部で行われた「宗教と苦難」をテーマとするK-GURS 2016年度チェーン・レクチャーの講義概要。4頁(pp. 44-47)
63 Buddhist-Christian Roundtable Discussion対話録 2017-05-00The Eastern Buddhist, New Series, Vol.46, No.1 (The Eastern Buddhist Society) 2013年5月21日に東本願寺で行われた真宗大谷派とイギリス国教会レスター教区の代表者(Rev. Alan Race et al.)との円卓対話の記録。27頁(pp.5-31)
64 Why Should ‘Birth in the Pure Land’ Take Place in this Present Life?
Soga Ryōjin’s View of ‘Benefiting Others’
口頭発表 2017-07-02The 18th Biennial Conference of the International Association of Shin Buddhist Studies (IASBS), Musashino University, Tokyo 国際真宗学会第18回大会(武蔵野大学) 大谷大学真宗総合研究所国際仏教研究英米班が組織したパネル“‘Benefiting Others’in Modern Shin Buddhist Doctrinal Studies of Otani-ha”(大谷派の近代教学における「利他」)における発表。「往生」とは、現生における獲信に始まる「真に生きること・真の生活」(true living)であるという曽我量深の「拡大解釈」は、「浄土の慈悲」「度衆生心」が信心の行者の生活の上に現れ出るという真宗における「利他」の問題と密接に関わっていたことを、1967年の一連の講話「往生と成仏」を中心に確かめた。[発表時間20分、質疑応答5分]
65 北齐禅与净土: 从南响堂山第二窟看一行三昧的二种解释
(北斉の禅と浄土―南響堂山第二窟にみる一行三昧の二つの解釈)
口頭発表 2017-08-01少林寺与北朝佛教学术研讨会
(中国河南省鄭州市登封、嵩山少林寺)
河南省嵩山少林寺・清華大学道徳宗教研究院・北京大学仏教研究センター共催の「少林寺と北朝仏教シンポジウム」における論文発表。萌芽期の禅と浄土の伝統において、坐禅と称名念仏に共通の典拠として重視された『文殊般若経』の「一行三昧」を手掛かりとして、南響堂山の第二窟の刻経と極楽浄土の浮き彫りについて新たな視点を提示した。(発表時間12分:中国語訳15頁『少林寺与北朝佛教学术研讨会論文集』pp.323-337[中国仏教協会国際部の李賀敏氏による翻訳])
66 曇鸞の「劣夫跨驢のたとえ」に学ぶ
―還相もまた現在にあり―
講演 2017-08-20東本願寺日曜講演(しんらん交流館) 親鸞は『教行信証』行巻「他力釈」に曇鸞『浄土論註』の結論部(覈求其本釈)を引用して重視している。その末尾に出る「劣夫跨驢のたとえ」は、曇鸞が大切に考えた本願他力の譬喩であるにもかかわらず、従来、真宗の伝統においてあまり論じられていない。今回の講演では、親鸞晩年の『歎異抄』4章「浄土の慈悲」に関する考察においても曇鸞の「劣夫跨驢」が重要な示唆を与えているのではないかという視点から、この譬えの意味についてお話した。(90分)
67 「群萌」あるいは「蜎飛蠕動之類」
―平等で多様な〈弱きいのち〉の連帯へ―
口頭発表 2017-09-06日本仏教学会第87回学術大会(東北大学) 「人間とは何か ―人間定義の新次元へ―」をテーマとした学会における発表。「十方衆生」に呼びかける阿弥陀仏の大悲本願は、個人の意識や能力・資質に価値を置く近・現代の人間観を相対化し、その限界を超え出る道を示す重要な意義をもつことを論じた。仏教の基本概念としての「凡夫」「異生」(Skt. pṛthagjana, Pāli. puthujjana) 、「衆生」「有情」(Skt. sattva, Pāli. satta: bahujana)が集合的・社会的な存在として人間をとらえることを確かめた上で、「普くもろもろの衆生と共に」という願いに基づく大乗仏教の「回向」の概念に着目し、「互酬の高次元における回復」(交換様式D)を可能にする理念として「浄土の慈悲」を論じた。[発表時間20分、質疑応答10分]
以上67点

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