教育研究業績の一覧 野村 明宏
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A 教育業績 | ||||||
教育実践上の主な業績 | 年月日 | 概要 | ||||
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む) | ||||||
1 | 実習授業用ホームページ(HP)作成とe-learningの実施 | 2005-04-00
~2015-03-00 |
前任校の実習授業の「フィールド・プラクティカムⅠ(データ分析の基礎)」および「フィールド・プラクティカムⅡ(多変量解析の手法)」では、授業用に作成したHP(各15回分)を活用し、メディアルームで授業を行っている。受講生は予習復習にもweb教材を利用し、実習課題に取り組んでいる。またファイルサーバを管理し、各受講生にアカウントを与え、データ配布や課題提出等においてもサーバを活用している(Webメールも使用)。 | |||
2 | パワーポイントや視聴覚機器の活用 | 2005-04-00 ~ | 担当授業では、グラフや画像、映像資料等のビジュアル教材や資料によって直観的に理解を深めやすい内容に関しては、とくにパワーポイントやビデオなどの視聴覚機器を活用しながら、授業を進めている。ただし、パワーポイント等の利用は、学生たちが講義ノートを取りにくくなるなど、学習効果をむしろ低下させる場合があることにも配慮している。板書のようなクラシックな講義形式とマルチメディアをミックスさせ、適度なバランスをとるように工夫している。 | |||
3 | 統計ソフトSPSSの活用 | 2005-04-00
~2015-03-00 |
前勤務校の実習授業「フィールド・プラクティカムⅠ(データ分析の基礎)」および「フィールド・プラクティカムⅡ(多変量解析の手法)」では、SPSSを統計分析の実習に活用し、専門的な統計分析ツールを用いた社会調査のための指導に力を入れた。 | |||
4 | 授業アンケートの回収とコメント | 2005-04-00 ~ | 各授業科目では、受講生へのリアクション・ペーパーを提出してもらい、授業内容や講義のやり方等について質問やコメントを受け取り、授業改善のための重要な資料としている。学生からの質問やコメントには、必要に応じて、次回授業の開始時に答えるようにしてきた。 | |||
5 | 留学生への個別指導 | 2006-05-00
~2009-03-00 |
中国からの留学生の受け入れの担当教員として、提携校の教員との連絡やヴィザ申請手続き等の支援を行った。また来日後は、各留学生の個別指導、ゼミでの教育、大学院入試対策の個別指導など幅広い指導を行った。 | |||
6 | 新入生への面談指導 | 2015-04-00 ~ | 1回生を対象にしたゼミ「社会学科総合演習Ⅰ」では、ゼミが終わった後に、毎週2~3名程度を研究室に呼び、一人につき10分程度の面談を行っている。学修上の質問のほか、大学生活の全般(部活やサークル、アルバイトなど)について、本人に悩みなどがないか、プライバシーに配慮しながら話を聞くようにしている。とりとめのない内容が多いが、大学教員の研究室に入る機会を新入生のあいだに早期に設けることは、学生にとってよい刺激になっているようである。 | |||
7 | 卒論指導 | 2015-04-00 ~ | 卒業論文を執筆する学生に対しては、通常のゼミ時間のほかに、研究室での個別指導の時間を設けている。また、eメールを活用し(とりわけ年末年始の冬期休暇中)、論文のファイルデータを添付ファイルで受信し、卒論草稿に対して、Wordの校閲機能を用いた添削やコメントをして、きめ細かい指導を行ってきた。 | |||
8 | 留学生への個別指導 | 2016-09-00 ~ | 日本のポピュラー文化に関する研究を目的に本学に留学してきた学生に対する個別指導を行ってきた。
また研究室での面会の時間を週1回設けて、本人が留学生活に慣れるための日常生活上の相談などにも対応してきた。 | |||
9 | 視覚障がい学生への授業 | 2016-09-00 ~ | 担当授業に視覚障がいのある学生の受講に対しては、板書内容を口頭で細かく説明をしたり、講義資料をメールで送信したりするなどの配慮を行っている。また試験については、当該学生の要望を聞き、パソコン入力での解答を認めている。 | |||
2 作成した教科書、教材、参考書 | ||||||
1 | 『歴史社会学のフロンティア』 | 1997-07-00 | 歴史社会学分野の古典や代表的テキストの解説を通して、この分野の幅広い知識を得られる恰好のテキストとなっている。担当執筆箇所では、A.D.Smith, The Ethnic Origins of Nations に関するレヴューを通して、スミスのナショナリズム研究のユニークネスについて解説し、これまでのナショナリズム研究の整理検討を行った。 | |||
2 | グレアム・ターナー『カルチュラル・スタディーズ入門―理論と英国での発展』 | 1999-05-00 | カルチュラル・スタディーズの大学院レベルのテキストとして海外で定評のある書籍の日本語訳。本訳書は90年代の日本におけるカルチュラル・スタディーズの受容に先鞭をつけたものとして広く読まれ、幾度も増刷されてきたテキストである。 | |||
3 | 『社会文化理論ガイドブック』 | 2005-06-00 | 現代社会を学ぶための諸テーマを設け、さまざまなキーワードやトピックを取り上げながら社会学の理論を幅広く学べる恰好のテキストとなっている。担当執筆箇所は、「ドゥルーズ 管理社会」と「リオタール ポストモダン」の各章。 | |||
4 | 定期試験向けの例題集の作成 | 2005-07-00
~2015-03-00 |
社会統計学関連の授業では、定期試験のための問題集(プリント)をテキストとは別に自前で作成し、受講生に事前に配布し、試験対策を行なわせた。また問題集の答え合わせと解説を試験前の2週の授業で実施し、きめ細かい指導を心掛けてきた。 | |||
5 | 『社会学ベーシックス 第7巻「ポピュラー文化」』 | 2009-05-00 | 社会学の古典や名著のレヴューを通して、それぞれの著作や著者についての解説や学問的位置づけを網羅的に行ったシリーズのなかの一冊。担当執筆箇所では、ミハイル・バフチンの主著『フランソワ・ラブレーの作品と中世ルネサンスの民衆文化』の読解を通して、バフチンのグロテスク・リアリズム論にみられる民衆文化の現代的意義とその可能性について論じている。 | |||
6 | 『社会学事典』 | 2010-06-00 | 日本社会学会編集による社会学事典。中項目事典である本書において、「カルチュラル・スタディーズ」についての解説を行っている。 | |||
7 | 『文化社会学入門―テーマとツール』 | 2010-10-00 | 文化社会学を学ぶための諸テーマを設け、さまざまなトピックや諸理論、諸概念について幅広い解説をおこなっている。担当執筆箇所は、「カルチュラル・スタディーズ―文化の政治学」および「マルクス主義―絡み合う経済と文化」の各章。 | |||
8 | 『全訂新版 現代文化を学ぶ人のために』 | 2014-08-00 | 定評のある文化社会学のテキストの第3版。担当執筆箇所では、観光文化について文化社会学や観光社会学の視点から論じ、観光化する現代社会の諸相について考察を深めている。 | |||
9 | 『映画は社会学する』 | 2016-07-00 | 社会学の代表的な理論や概念を映画作品を例に取り上げながら紹介し、理解を深める社会学のテキスト。執筆担当章では、観光社会学や文化社会学の古典であるジョン・アーリの「観光のまなざし」論を扱い、ツーリストの経験のもつ社会的、文化的な構築性を論じた。本論は、アーリの議論を敷衍しながら、ハワイ観光に関連する映画作品のイメージの構築性について検討し、ポストツーリズム的状況を射程に入れた観光社会学について論じている。 | |||
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等 | ||||||
1 | オープンキャンパスでのモデル授業の講師 | 2006-07-00
~2015-03-00 |
前勤務校のオープンキャンパスでは、毎年モデル授業を担当し、高校生向けに社会学や文化研究に関する授業を行い、大学での学びの紹介に力を入れた。 | |||
2 | e-とぴあ講座(公開講座)での講師 | 2006-10-00 | 前勤務校の社会人向け公開講座「e-とぴあ講座」の講師を務めた。講座名を「〈煽りの文化〉と〈癒しの文化〉」と題し、現代日本社会におけるストレスと癒しに関して、文化社会学的な視点から現代人のメンタリティのあり方をめぐって講義を行った(90分×3回)。 | |||
3 | 上海の大学との学生交流の指導、引率 | 2007-11-22
~2007-11-25 |
前勤務校と提携があった中国の上海第二工業大学を訪問し、日本語学科の学生とのワークショップを実施した。演習の研究報告などを通して両校の交流を深めた。 | |||
4 | シンポジウムでの企画、運営、司会の担当 | 2008-11-00 | 前勤務校の人権週間のプログラムの一環として、ドキュメンタリー映画『おいしいコーヒーの真実』の上映と上映後のシンポジウムの企画、運営、および司会を担当した。コーヒー豆を題材にグローバル経済におけるフェアトレードの重要性について、パネラーの方々との活発な意見の交換をおこなった。 | |||
5 | 公開授業の講師 | 2009-00-00
~2015-00-00 |
前勤務校の定例プログラム「マイノリティウィーク」(前期)と「人権週間」(後期)では、文化の多様性や人権などのテーマをめぐって社会学分野での授業を公開授業形式で毎年実施している。 | |||
6 | 大学見学会での高校生への体験授業 | 2016-07-16 | 京都翔英高校の生徒を対象に社会学科のモデル授業を実施した。高校生にも馴染みの深いアニメや映画などの作品を題材に描かれる「庇護される子ども/戦闘する子ども」のイメージの比較などを通して、近代社会の特徴について考察をおこなった。 | |||
7 | 紫明講座(生涯学習講座)での講師 | 2017-05-24
~2017-06-07 |
【ポピュラー文化を通して考える現代社会――社会学の視点から】を講座名とした生涯学習講座の講師を務め、3回にわたる講義を行った。各回のテーマは5月24日「観光文化論」、5月31日「ポピュラー文化論」、6月7日「現代文化の未熟さとシニシズムについて」。 | |||
4 その他教育活動上特記すべき事項 | ||||||
1 | 21世紀COEプログラムのシンポジウム・セミナー等の企画、運営、成果公開業務 | 2002-12-00
~2005-03-00 |
京都大学大学院文学研究科21世紀COEプログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」の研究員として、「研究プロジェクトの企画・運営を担当した。また、研究班のHP管理、更新やニューズレターの編集、成果報告書作成等の業務を担当した。 | |||
2 | 社会福祉士資格の国家試験受験対策の講師 | 2007-10-00 | 前勤務校の社会福祉学部で開講された社会福祉士資格の国家試験のための受験対策講座の講師(社会学担当)を務めた。 | |||
3 | 教員免許状更新講習の講師 | 2009-07-00 | 中学校・高等学校社会・公民科教諭向けの教員免許状更新のための講師を務め、「グローバル化と現代社会」のテーマで講義を行った。 | |||
B 職務実績 | ||||||
1 | 学科ホームページの作成・管理 | 2005-04-00
~2012-03-00 |
前勤務校の社会学部応用社会学科のサーバを管理し、学科HPでの授業情報や教員情報等の更新を行ってきた。(学科改組によって、2012年3月まで) | |||
2 | 大学院生の修士論文執筆指導と学位取得について | 2005-04-00 ~ | 修士論文の指導教員として論文執筆の指導を行ってきた。 | |||
3 | 統計ソフトSPSSの導入およびライセンス更新業務 | 2005-04-00
~2015-03-00 |
SPSS導入のため、IBMとのライセンス契約の更新(50ユーザー分)と学内のPC端末へのインストール作業をSEと協働で行った。 | |||
4 | CHC委員会(人権と文化の多様性に関する委員会)委員としての活動 | 2005-04-00
~2015-03-00 |
前勤務校の委員会(CHC)の委員として、文化的、民族的マイノリティや障害者問題などに関するいくつかの公開講演会や映画上映会の企画運営を通して、大学と地域との連携を促進する試みを行った。 | |||
5 | 指導大学院生の専門社会調査士取得について | 2007-06-00 | 指導教員として大学院社会学研究科修士課程で教育を行った院生は、四国学院大学で最初の専門社会調査士資格(2006年度申請分)を取得した。 | |||
6 | 大谷学会庶務としての職務遂行 | 2019-04-01
~2021-03-31 |
大谷学会庶務として、学会誌の編集、学術講演会の企画運営等の職務を遂行した。 | |||
7 | 文学部社会学科 学科主任としての職務遂行 | 2020-04-01
~2021-03-31 |
文学部社会学科の2020年度学科主任を務めた。
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8 | 大谷大学地域連携室長としての職務遂行 | 2021-04-01
~2023-03-31 |
大谷大学地域連携室長として、地域連携室の運営が円滑に行われるよう努めた。 | |||
9 | 社会学部長および大学執行部メンバーとしての職務遂行 | 2021-04-01
~2023-03-31 |
社会学部長および大学執行部メンバーとしての職務遂行 | |||
10 | 教務部会長および教育推進室副室長としての職務遂行 | 2023-04-01 ~ | 教務部会長および教育推進室副室長としての職務遂行 | |||
11 | 大学コンソーシアム京都 教育開発事業部長としての職務遂行 | 2023-04-01 ~ | 大学コンソーシアム京都 教育開発事業部長としての職務遂行 | |||
C 学会等及び社会における主な活動 | ||||||
所属期間及び主な活動の期間 | 学会等及び社会における主な活動 | |||||
1 | 1997-04-00~0000-00-00 | 関西社会学会会員 | ||||
2 | 2005-04-00~0000-00-00 | 日本社会学会会員 | ||||
3 | 2008-05-00~2008-05-00 | 関西社会学会 第59回大会【理論・学説Ⅰ】部会 司会担当(開催地:松山大学) | ||||
4 | 2009-11-00~2012-03-00 | 香川県三豊市事務事業外部評価委員 | ||||
5 | 2012-08-00~2014-08-00 | 香川県丸亀市定住自立圏共生ビジョン懇談会委員 | ||||
D 研究活動 | ||||||
著書、学術論文等の名称 | 単著、 共著の別 | 発行又は 発表の年月 | 発行所、発表雑誌等 又は 発表学会の名称 | 概要 | ||
Ⅰ著書 | ||||||
1 | グレアム・ターナー『カルチュラル・スタディーズ入門――理論と英国での発展』 | 共訳 | 1999-05-00 | 作品社 | Graeme Turner, British Cultural Studies:An Introduction, Routledge, 1996.の翻訳。カルチュラル・スタディーズの大学院レベルのテキストとして海外で定評のある書籍の日本語訳。本訳書は90年代の日本におけるカルチュラル・スタディーズの受容に先鞭をつけたものとして広く読まれ、幾度も増刷されてきたテキストである。
総頁数347頁 翻訳担当箇所 第6章 46頁(250-295頁) 共訳者 溝上由紀、毛利嘉孝、鶴本花織、大熊高明、成実弘至、野村明宏、金智子 |
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2 | 多元的世界における寛容と公共性――東アジアの視点から | 共著 | 2007-03-00 | 晃洋書房 | 本書収録の拙稿タイトルは「文化の〈あいだ〉と寛容の条件」。本稿は、グローバル化が進展する現代社会において、寛容性はいかなるアポリアに直面しているのかを論じ、寛容の社会的条件について「公共性」と「信用」という観点から分析した。
総頁数232頁 本人担当:第Ⅱ部12章 13頁(215頁~227頁) 編者:芦名定道 共著者:芦名定道、氣多雅子、澤井義次、飯田剛史、楊聡、金文吉、金承哲、岩野祐介、今滝憲雄、野中亮、武藤慎一、徐亦猛、坂部晶子、阿部利洋、堀川敏寛、松浦雄介、水野英莉、野村明宏、松田素二 |
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3 | 「からだ」の社会学―
身体論から肉体論へ | 共著 | 2008-08-00 | 世界思想社 | 本書収録の拙稿タイトルは「絵画と肉体―ヴィジュアル・カルチャーの〈眼差し〉をめぐって」。本稿では、新しい美術史(ヴィジュアルカルチャー研究)の視点から、近代の視の制度の多面性を論じた。絵画や映画のオーディエンスは作品を単に受動的に観るわけではなく、能動的でもある。「眼差し」をめぐるJ.クレーリーやG.アガンベンの議論を参照し絵画と肉体(眼差し)とのインタラクティヴな作用について分析している。
総頁数266頁 本人担当:第4章 33頁(118-151頁) 編者 池井望・菊幸一 共著者 谷口雅子、野村明宏、梅津顕一郎、渡辺潤、松田恵示、井上俊、小谷敏、山口健二 |
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4 | 全訂新版 現代文化を学ぶ人のために | 共著 | 2014-08-00 | 世界思想社 | 定評のある文化社会学のテキストの第3版のなかで、観光文化についての論考「観光と文化―真正性をめぐって」を執筆した。担当執筆箇所では、D.ブーアスティンの「擬似イベント論」やJ.アーリの「観光のまなざし論」、D.マキャーネルの「オーセンティシティ論」等の観光社会学関連の理論的成果を積極的に取り入れながら、現代社会と観光文化について考察を深めている。また文化社会学的な視点から観光化する日常についての研究を進めた。
総頁数262頁 本人担当:第12章「観光と文化――真正性をめぐって」 15頁(194頁~208頁) 編者 井上俊 共著者 近森高明、加藤裕治、岡田朋之、山田真茂留、松浦雄介、土井隆義、長谷正人、岡崎宏樹、瓜生吉則、清水諭、河原和枝、野村明宏、牟田和枝、永井良和、山中千恵、藤沢三佳、清水学、亀山佳明 |
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5 | 映画は社会学する | 共著 | 2016-07-00 | 法律文化社 | 観光社会学や文化社会学の古典であるジョン・アーリの「観光のまなざし」論は、ツーリストの経験のもつ社会的、文化的な構築性を論じた。本論は、アーリの議論や概念を敷衍しながら、ハワイ観光に関連する映画作品のイメージの構築性について検討している。60年代の東北の炭鉱町でのハワイアンリゾート施設を舞台とした『フラガール』(2006)では、当時の映画やTV番組、広告などで作られたイメージが重層的にリアリティを構築しているだけでなく、現実の観光施設に再帰的な影響を及ぼすポストツーリスト的な状況も示している。本稿ではこのようなリアルとフィクションの関係について考察した。
総頁数256頁 本人担当:第16章「観光のまなざし」 12頁(185頁~196頁) 編者 西村大志・松浦雄介 共著者 野中亮、西川知亨、丸山里美、赤枝香奈子、坂部晶子、工藤保則、井上義和、近森高明、今田絵里香、木村至聖、岡崎宏樹、菊池哲彦、野村明宏、竹内里欧、阿部利洋、阪本博志、多田光宏 |
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6 | 集合的創造性――コンヴィヴィアルな人間学のために | 共著 | 2021-02-00 | 世界思想社 | 本書収録の拙稿タイトルは「集合体の社会学と創造性――自然と文化とその《外部》」。本稿では、人類学における存在論的転回後のアニミズム的思考やアクターネットワーク理論から導かれる「自然」と「文化」概念の再検討を行なった。多自然主義と単文化主義が組み合わされたアニミズム的世界には、自他の視点の交換が連続的に継起するプロセスがあり、そこには集合的創造性の発露として、多様体である自己の主体化が伴われることを論じている。
総頁数277頁 本人担当:第2章 24頁(59-82頁) 編者:松田素二 共著者:松田素二、松浦雄介、野村明宏、阿部利洋、倉島哲、坂部晶子、安井大輔、石原俊、佐々木祐、宋基燦、丸山里美 |
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7 | 日常的実践の社会人間学――都市・抵抗・共同性 | 共編 | 2021-03-00 | 山代印刷株式会社出版部 | 生活世界の日常的実践をめぐる論考を都市・抵抗・共同性の3部構成で編んだ論集。本書収録の拙稿タイトルは「他者の視点に立つことを再考する――模倣とパースペクティヴィズムをめぐって」
総頁数372頁 本人担当:第Ⅲ部22章 14頁(319頁~332頁) 編者:松田素二、阿部利洋、井戸聡、大野哲也、野村明宏、松浦雄介 |
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以上7点 | ||||||
Ⅱ学術論文 | ||||||
1 | 近代の中のネーション/ネーションの中の前近代――ネーション-ステイト研究における近代主義と永続主義 | 単著 | 1997-12-00 | 『京都社会学年報』第5号、京都大学大学院文学研究科社会学研究室 | ネーション-ステイトがもつ近代性と、そこに内在する前近代的な側面との並存のメカニズムを分析し、近代国家が民族的起源を流用しながらナショナル・アイデンティティをいかにして構築してきたかについて検討している。22頁(79頁~101頁) | |
2 | 植民地における近代的統治に関する社会学――後藤新平の台湾統治をめぐって」 | 単著 | 1999-12-00 | 『京都社会学年報』第7号、京都大学大学院文学研究科社会学研究室 | 日本の帝国主義下における台湾をケーススタディとした歴史社会学的研究。台湾の植民地統治での後藤新平の諸政策とその言説を検討することによって、植民地支配の統治技法と近代社会一般の権力作用との類似性を論じている。M.フーコーの生権力論の成果を活かし、日本の植民地において進められた教育行政や都市衛生、インフラ整備、産業開発等を生権力的な視点から論じた。歴史修正主義的な視点に対しても再考を促している。
なお、本論文は中国語に訳出され『近代化與殖民―日治臺灣社會史研究文集』(國立臺灣大學出版中心2012年)に収録された(Ⅲ 口頭発表・その他17)。 24頁(1頁~24頁) |
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3 | 〈社会的なもの〉と〈個人的なもの〉における非決定性の関係論――規律社会から管理社会への移行をめぐって | 単著 | 2001-04-00 | 『哲学研究』第571号、京都哲学会 | 本稿は、ブルデューやギデンズらの構造主義以後の社会理論に対する批判的検討を踏まえて、現代社会における個人と社会の関係について考察している。とりわけ、ドゥルーズらによる理論的成果を手がかりにしながら、個人と社会の二項に先行する「関係性」に焦点を合わせて、主体化とパフォーマティヴィティについて検討している。34頁(107頁~140頁) | |
4 | エスノグラフィと表現の問題――サバルタンと生活環境主義 | 単著 | 2003-03-00 | 『地域環境保全システムと環境政策の人類学的研究』(科学研究費補助金(基盤研究B(1)研究成果報告書 課題番号12410083 研究代表:松田素二) | サバルタン(被抑圧者)のナラティヴを聞き取るための社会調査の困難と可能性について検討するとともに、鳥越皓之や松田素二らの提唱した「生活環境主義」に基づくエスノグラフィがサバルタンの声をいかに聞き取ることができるかについて考察した。近代技術主義や自然環境主義への批判的オルタナティヴとして登場した生活環境主義は、他者理解のための説得力ある視点をもちうることを明らかにし、エスノグラフィの可能性を論じている。
14頁(67頁~80頁) |
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5 | 多元的世界における文化の不寛容――グローバル化への課題 | 単著 | 2004-03-00 | 『人文知の新たな総合に向けて』、21世紀COEプログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」第二回報告書Ⅲ、京都大学大学院文学研究科 | 国民国家の形成メカニズムと文化相対主義およびレイシズムの関係性を論じ、現代のグローバル化のなかで顕在化している文化主義とネオレイシズムがもたらす社会的不寛容について分析している。
14頁(121頁~134頁) |
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6 | 複数性の番人――多文化主義をめぐる社会理論 | 単著 | 2005-03-00 | 『人文知の新たな総合に向けて』、21世紀COEプログラム「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」第三回報告書、京都大学大学院文学研究科 | 近代のシティズンシップと多文化主義、および文化相対主義の関連について論じ、現代の文化概念の変容が社会的メンバーシップにとって、いかなる意味をもつのかについて、理論社会学的に検討している。
23頁(269頁~291頁) |
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7 | 連関する生の多様性と共同性――ポスト多文化主義の自然と文化
| 単著 | 2024-05-25 | 『大谷大學研究年報』第76集、大谷學會 | 本稿では、同質性や類似性を基盤とするのではなく、多様性や差異をよりどころとする共同性や連帯の可能性について探究している。ポスト多文化主義的な視点に基づき、B.ラトゥールのアクターネットワーク理論やG.ドゥルーズの多様体の存在論、ヴィヴェイロス・デ・カストロの多自然主義、さらにはG.アガンベンの「見本」概念などの検討を行っている。これらの関係論的な存在論によって、異質で多様なアクターの連関のなかに新たな共同性が現れてくる可能性を探っている。 | |
以上7点 | ||||||
Ⅲ 口頭発表・その他 | ||||||
1 | 歴史社会学のフロンティア | 共著 | 1997-07-00 | 人文書院 | 担当執筆箇所では、近代国民国家の民族的起源に焦点を向け、ネーションの前近代的基盤について論じたA.D. Smith, The Ethnic Origins of Nations の解説をおこなっている。また、これまでのナショナリズム研究を整理検討し、構築主義的なネーション論に対する修正を加えたスミスのナショナリズム論の意義について論評を加えている。
総頁数260頁 本人担当:第1部15章 6頁(113頁~118頁) 編者 筒井清忠、共著者 沼尻正行、山下雅之、小川伸彦、佐藤卓己、水垣源太郎、中里英樹、吉田純、鵜飼孝造、田野大輔、永谷健、大川清丈、牟田和恵、松浦雄介、春日直樹、野村明宏、永井良和、野崎賢也、宮武美智子、石田あゆう、高橋一郎、鈴木幹子、佐藤哲彦、木村涼子、田中紀行 |
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2 | 規律社会から管理社会への移行をめぐって ―マイケル・ハート「グローバルな管理社会」を中心に | 口頭発表 | 2000-09-00 | 現代社会学研究会(於:京大会館) | G.ドゥルーズの著名なエッセイ「追伸―管理社会について」やF.ガタリとの著作『千のプラトー』、さらにM.ハートの論考などを参照し、フーコーの規律訓練型の権力以降の統治権力について議論し、現代社会の変容について考察を進めた。
発表時間 90分 |
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3 | Giorgio Agamben,
“Absolute Immanence”, Potentialitiesをめぐって | 口頭発表 | 2001-11-00 | 現代社会学研究会(於:京大会館) | 著名なイタリアの哲学者であり美学者であるG.アガンベンの著作について解説した。アガンベンは、ドゥルーズとフーコーの遺した最後のエッセイを採り上げ、両者の探究を交錯させるようなかたちで注釈し、「生」「内在」「潜勢力」といったキー概念を軸に、哲学・思想のもうひとつの系譜――「超越の哲学」に対する「内在の哲学」の系譜――をトレースしようとする試みを巧みに行っていることを論評した。
発表時間 90分 |
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4 | エスノグラフィと表現の問題―凝視と瞥見 | 口頭発表 | 2002-11-00 | 現代社会学研究会(於:京大会館) | G.スピヴァクの論考「サバルタンは語ることができるか」を糸口にエスノグラフィがいかに他者の声を聞き取ることができるのかについて考察し、そのうえで、J.バトラーやS.ホールらの主体化論やパフォーマティヴィティ論の理論的成果を援用しながら、インタラクティヴなエスノグラフィの可能性についての考察を行った。
発表時間 90分 |
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5 | グローバル化におけるシティズンシップと共同性 | 口頭発表 | 2004-03-00 | 現代社会学研究会(於:京大会館) | グローバル化とネオリベラリズムの進展する現代社会の中でのネーションやシティズンシップの変容について議論を行い、近年のナショナリズムにみられる国家への深い没入や排他性がグローバル化と複雑に絡み合っている機制について論じた。
発表時間 90分 |
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6 | 社会文化理論ガイドブック | 共著 | 2005-06-00 | ミネルヴァ書房 | 担当執筆箇所は、「ドゥルーズ 管理社会」と「リオタール ポストモダン」の各章。前者においては、フーコーの規律社会論からドゥルーズの管理社会論への展開を踏まえ、現代社会の変容について論じている。後者では、リオタールに代表されるポストモダン思想に関する解説をおこなっている。
総頁数302頁 本人担当:45章および49章 4頁(189頁~192頁)、4頁(207頁~210頁) 編者 大村英昭・宮原浩二郎・名部圭一 共著者 阿部潔、内海博文、小笠原博毅、川森博司、工藤宏司、渋谷知美、杉本学、田中耕一、中野昌宏、難波功士、浜田宏、松田恵示、薬師院仁志、山上浩嗣、宇城輝人、奥野卓司、岸政彦、小松丈晃、清水学、竹中均、野中亮、長谷正人、福間良明、南田勝也、森真一、野村明宏、山泰幸、油井清光 |
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7 | 肉体とイメージ―ヴィジュアル・カルチャーの〈眼差し〉をめぐって | 口頭発表 | 2005-09-00 | 現代社会学研究会(於:京大会館) | 本報告では、N.ブライソンやJ.クレーリー、M.フリードらの新しい美術史(ヴィジュアルカルチャー研究)の分野から視覚文化における近代の〈視の制度〉について考察し、「観る/観られる」という眼差しの交差がわれわれにダイナミックでリアルな経験を与える契機について論じた。
発表時間 90分 |
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8 | Indeterminable Relations in Control Societies: Reconsidering Social Theories | 単著 | 2006-00-00 | Humaniora Kiotoensia: On the Centenary of Kyoto Humanities, Graduate School of Letters, Kyoto University | 本稿では、A.ギデンズやP.ブルデューらに代表される「再帰性」をキー概念とした社会理論に対する再考を行い、社会と個人の二項関係をめぐる理論社会学的研究を行っている。その考察のなかではG.ドゥルーズなどの現代思想の成果なども取り込み、現代の規律社会から管理社会への移行を分析するための新たな社会理論の構築にも取り組んでいる。本稿は、学術論文3の英語版にあたる。
総頁数390頁 本人担当:PartⅡ-8 27頁(331頁~357頁) 編者 Tetsuo Nakatsukasa 共著者 Masaaki Sugiyamaほか19名(本人含む) |
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9 | 植民地経営 | エッセイ | 2007-08-00 | 『都市問題』vol.98 No.9(後藤新平生誕150周年記念 8月号特別増刊)、東京市政調査会 | 東京市政調査会の依頼による寄稿エッセイ。台湾総督府民政長官および南満洲鉄道総裁を務めた後藤新平の政治思想とその諸政策について概説し、後藤が主導した植民地統治と近代における社会政策との連続性について検討した。
2頁(12頁~13頁) |
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10 | 社会学ベーシックス 第7巻『ポピュラー文化』 | 共著 | 2009-05-00 | 世界思想社 | 本書収録の拙稿タイトルは「民衆文化の豊かさ」。ロシアの思想家ミハイル・バフチンの主著『フランソワ・ラブレーの作品と中世ルネサンスの民衆文化』の解説を通して、バフチンのグロテスク・リアリズム論を通してみる民衆文化の現代的意義とその可能性について論評を加えている。
総頁数239頁 本人担当:第4章 9頁(33-42頁) 編者 井上俊・伊藤公雄 共著者 時安邦治、黒田勇、長谷正人、野村明宏、渡辺潤、河原和枝、近森高明、板倉史明、辻泉、小川博史、石田佐恵子、早川洋行、太田健二、玉利智子、松田素二、丸山哲央、鵜飼正樹、井上俊、伊藤公雄、疋田正博、西村大志、永井良和 |
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11 | 隣保館利用状況調査結果に関する分析報告書 | 報告書 | 2009-10-00 | 香川県人権・同和政策課
四国学院大学社会福祉学部 富島喜揮研究室・社会学部 野村明宏研究室 |
香川県人権・同和政策課から委託された調査研究の報告書。県内隣保館の利用状況に関するアンケート調査について、調査結果の統計分析(単純集計、作表、クロス集計、カイ二乗検定等)および提言をおこなった。
総頁数125頁 共著者 富島喜揮 |
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12 | 多文化主義・反‐反本質主義・コミュニティ | 口頭発表 | 2010-02-00 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | 本報告は、文化に対する構築主義的な理解が浸透する中で文化的な多様性の尊重を主張する言説には、どのようなタイプがあるかを分類し、多文化主義に含まれるディレンマをネオリベラリズムとの関わりのなかで整理し論評を加えた。またアイデンティティ・ポリティクスとしての反‐反本質主義(P.ギルロイ)について論じ、アイデンティティの固定化を迂回し、開放的なコミュニティを探求するための多文化主義の可能性について考察した。
発表時間 90分 |
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13 | 「こころの健康づくり意識調査」結果報告書 | 報告書 | 2010-03-00 | 香川県中讃保健福祉事務所 | 香川県中讃保健福祉事務所から委託された調査研究の報告書。香川県が推進する自殺予防対策事業の基礎資料とするための意識調査アンケートを実施し、調査結果をもとにした統計データの分析(単純集計、作表、クロス集計、カイ二乗検定等)を担当した。
総頁数84頁 共著者 富島喜揮 |
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14 | 社会学事典 | 事典 | 2010-06-00 | 丸善 | 日本社会学会編集による社会学辞典。中項目事典である本書において、「カルチュラル・スタディーズ」についての解説を行なっている。英国を中心とした欧米でのカルチュラル・スタディーズの形成と発展、日本での導入について解説するとともに、人文社会分野での学術的意義について論評を加えている。
総頁数945頁 2頁(498頁~499頁) |
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15 | 文化社会学入門―テーマとツール | 共著 | 2010-10-00 | ミネルヴァ書房 | 文化社会学を学ぶための諸テーマを設け、さまざまなトピックや諸理論、諸概念について幅広い解説を行っている本テキストでは、ふたつの章を担当している。担当執筆箇所は「カルチュラル・スタディーズ―文化の政治学(ポリティクス)」および「マルクス主義―絡み合う経済と文化」。
総頁数234頁 本人担当 計4頁:Ⅲ部2章6節、Ⅲ部2章7節 2頁(180頁~181頁)、2頁(182頁~183頁) 編者 井上俊・長谷正人 共著者 赤枝香奈子ほか60名(本人含む) |
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16 | 自殺予防・心の健康づくり対策モデル 働く人のこころの健康に関するアンケート調査報告書 | 共著 | 2011-03-00 | 香川県中讃保健福祉事務所 | 2009年度より香川県中讃保健福祉事務所から継続して委託された調査研究の報告書。香川県が推進する自殺予防対策事業の基礎資料とするための意識調査アンケートを実施し、調査結果をもとにした統計分析(単純集計、作表、クロス集計、カイ二乗検定等)を担当した。
総頁数65頁 共著者 富島喜揮 |
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17 | 重層化するコミュニケーションと細分化する社会―サブカルチャー研究のための覚書 | 口頭発表 | 2011-06-00 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | サブカルチャーの分野では、90年代に「セカイ系」と呼ばれる作品群が高い人気を得て消費された。セカイ系の物語世界の特徴には、J.ラカンの概念でいう「現実界」と「想像界」の直接的な結びつきがあるが、これはまさにポストモダン的な状況を反映したものとも考えられる。本報告では、セカイ系の世界観を通して、キャラ的なコミュニケーションや自己の確率的な複数性について考察を進めた。
発表時間 90分 |
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18 | 近代化與殖民―日治臺灣社會史研究文集 | 共著 | 2012-04-00 | 國立臺灣大學出版中心 | 拙稿タイトル「殖民地近代化統治中的社會學――從後藤新平的臺灣統治談起」(阮文雅訳)
学術論文2「植民地における近代的統治に関する社会学――後藤新平の台湾統治をめぐって」の中国語版にあたる。 総頁数599頁 本人担当:第4章 43頁(153~195頁) 編者 薛化元 共著者 小坂井敏晶、小熊英二、野村明宏、栗原純、野口真広、大友昌子、近藤正巳、駒込武 |
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19 | 観光文化の〈オーセンティシティ〉をめぐって | 口頭発表 | 2012-12-00 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | 近年の日本の観光産業の動態について概観するとともに、「文化を観察する文化」としての観光文化の特徴について考察している。とりわけ「擬似イべント論」や「観光のまなざし論」、オーセンティシティ概念を踏まえ、現在の観光文化の変容について論じた。そのうえで、現代のシミュラークル化した社会では、フィクションとリアルの境界が曖昧となり、観光において両者が重なり合った現実(拡張現実)を作り出していることを指摘した。
発表時間 90分 |
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20 | 再帰性と恒常性とその外部、あるいは破局主義をめぐって | 口頭発表 | 2014-06-00 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | 本報告では、まずH.アレントやD.メーダ、A.D.スミスらの労働についての論考を参照し労働概念の多義性について論じた。そのうえでZ.バウマンのいう生産社会から消費社会への移行のなかでは労働を通じた自己実現や社会的きずなが困難になっていることを指摘した。さらにギデンズらの再帰性概念を補完する恒常性概念を取り上げ、アイデンティティ概念をめぐる現代社会学について考察を進め、J.P.デュピュイの破局主義の意義について論じた。
発表時間 90分 |
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21 | カルチュラル・スタディーズ | 単著 | 2014-08-00 | 世界思想社
『全訂新版 現代文化を学ぶ人のために』 |
付章「現代文化研究の視点と方法」のなかで「カルチュラル・スタディーズ」についてのキーワード解説を行っている。
2頁(242頁~243頁) |
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22 | 隣保館利用状況調査結果分析報告書 | 共著 | 2015-01-00 | 香川県人権・同和政策課
四国学院大学社会福祉学部 富島喜揮研究室・社会学部 野村明宏研究室 |
香川県人権・同和政策課から委託された調査研究の報告書。県内隣保館の利用状況に関するアンケート調査について、調査結果の統計分析(単純集計、作表、クロス集計、カイ二乗検定等)および提言をおこなった。2009年に実施した同調査研究(口頭発表・その他11)に対する追跡調査の目的も兼ねている。
総頁数53頁 共著者 富島喜揮 |
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23 | 日常のどこにクリエイティヴィティはあるのか | 口頭発表 | 2015-03-21 | シンポジウム「文化から日常へ――創造的接合知生成のための日常人類学的研究」(於:京都大学文学部) | 「社会的存在としての人間」という社会学的人間観は、行為主体の創造性や主体性について、十全な理論的展開を示してこなかった。本報告では、松田素二の日常的実践論やソフトレジスタンス論を再考し、文化から日常への視点の転回によって示されるクリエイティヴィティの可能性について考察を進めた。
発表時間20分 |
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24 | 〈観光のまなざし論〉再考――映画『フラガール』を題材に | 口頭発表 | 2015-10-10 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | 「観光のまなざし論」や「擬似イベント論」「オーセンティシティ論」等の観光社会学におけるいくつかの概念を用いて、映画の中で観光地のイメージについて分析を行った。映画の編み出すフィクションやイメージのなかでツーリスティックなロマン主義的まなざしや集合的まなざしがいかに駆動しているかについて考察した。
発表時間90分 |
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25 | 多文化主義と多自然主義 | 口頭発表 | 2016-12-17 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | 多文化主義についての歴史的な展開プロセスと類型的な整理をしたうえで、多文化主義の基盤にある「自然」と「文化」を分割する二項図式を批判的に検討した。そのうえで、近年の人類学の諸成果、とくにヴィヴェイロス・デ・カストロの多自然主義やパースペクティヴ主義の理論的成果を検討し、人文・社会科学における存在論的転回や関係論的アプローチのエッセンスについて論じた。
発表時間90分 |
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26 | 関係論的存在論と現代社会 | 口頭発表 | 2017-03-02 | 大谷大学哲学会 春季研究会 | これまでの主な研究を概観したうえで、社会学的思考のベースになってきた構築主義や相対主義、多文化主義などの思考からの転回をはかる試みをおこなった。とくに近年の人類学が提起しているパースペクティヴ主義や多自然主義を取り上げ、その関係論的アプローチの諸成果を参照しながら、それらの知見のもつ現代的な意義を考察した。 | |
27 | 自然と文化をめぐる関係論的な存在論 | 口頭発表 | 2018-04-28 | 現代社会学研究会(於:京都大学楽友会館) | 近年の人類学においては、「存在論的転回」がはかられ、多文化主義やポストモダン人類学、構築主義的な思考を超克する試みとして関心を集めている。これらの動向は社会学や現代社会論においても重要な示唆を与えるものと考えられる。本報告では、以上を踏まえたうえで、Ph.デスコラやヴィヴェイロス・デ・カストロらによって論じられた4つの存在論「アニミズム/ナチュラリズム/トーテミズム/アナロジズム」の考察を通して、自然と文化の二分法に対する再検討を行なった。
発表時間90分 |
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28 | 自然と文化とその《外部》――集合的創造性の理論的位置づけのために | 口頭発表 | 2019-03-30 | 創造性研究会 | 現代は、クリエイティヴであることを個人や集団に強く求める社会となっている。本報告では、近年の思弁的実在論や人類学の「存在論的転回」などの隣接領域のいくつかの成果を参照しつつ、創造性とはいかなるものかについて、理論社会学的な考察を試みている。
発表時間30分 |
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29 | 書評:北島義和著『農村レクリエーションとアクセス問題――不特定の他者と向き合う社会学』 | 書評 | 2019-06-30 | 『ソシオロジ』第64巻1号 | アイルランドの農村におけるウォーキングや山歩きをめぐり、地元の土地所有者とウォーカーとのあいだで生じている対立的状況――「農村アクセス問題」――に関するエスノグラフィへの書評。生活の場を他者と共有することで生じる対立的状況において、自らの暮らしをあきらめずに他者と折り合う日常的実践について取り上げた本書の成果を概観するとともに、人類学や社会学の理論的知見を参照しながら、本書のもつアクチュアリティや今後の展開の可能性について指摘した。7頁(158-164頁) | |
30 | 多自然主義と自他のあわい――環世界間の転移可能性と身体の変容可能性をめぐって
| 口頭発表 | 2021-09-25 | 分身の会(於:龍谷大学/online開催) | 本研究報告では、D.グレーバーが提起した「根本的他性」に関する議論を糸口に、存在論的転回後の人類学および社会学の批判的検討をおこなった。また、ミメーシス的行為での自他(あるいは人間と動物)の二重性にみられるパースペクティヴの交換可能性とその限界に対し、ブランケンブルグの「パースペクティヴ性」を参照することによって積極的意義を見いだした。
発表時間60分 |
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31 | 多様性と共同性の折り合いを考える――存在論的転回後の社会学の視点から | 口頭発表 | 2022-10-28 | 御命日勤行講話(大谷大学) | 現代社会における多文化主義の高まりは、個々の自由な生き方や多様性を尊重する一方で、社会の連帯や統合を弱体化させるというジレンマも抱えてきた。本講話の前半では、多文化主義や文化相対主義のもつアポリアについて、文化的寛容性や民主主義に内在するパラドクスの考察を通して示し、多様性と共同性が本質的に両立しがたい原理であることを確認した。そのうえで、近年の新自由主義の下でのダイバーシティ推進が、社会的マイノリティを包摂すると同時に、分断を進めている状況について批判的検討を加えた。後半では近年の人類学の存在論的アプローチやアクターネットワーク論の知見に基づき、他と切り離された単独の主体を前提にした社会モデルではなく、関係性が先行してアクター同士がつながり合う集合体モデルを提示し、「何も共有しないものたちの共同性」に関する考察を進めた。現代人にとって、互いの異質性を認め合いながら、より良いつながり方を探り共同性を培うことは容易ではないが、「つながりにくさを共有することによってつながる」というパラドキシカルな社会的連帯は、多様性と共同性に折り合いをつけるための貴重な可能性のひとつであるとして講話を結んだ。発表時間60分 | |
32 | 連関する生の多様性と共同性を組み直す――生物社会的存在の社会学の試み | 口頭発表 | 2023-09-16 | 分身の会(於:龍谷大学) | 本報告では、同質性や類似性を基盤とするのではなく、多様性や差異をよりどころとする連帯や共同性の可能性について検討した。とくに異種混淆的な連関によって生成する「何も共有しないものたちの共同性」をめぐりG.ドゥルーズやB.ラトゥール、G.アガンベン、人類学の存在論的転回等に関する理論的成果を取り上げる中で考察を深めた。
発表時間60分 |
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以上32点 |