教育研究業績の一覧 古谷 伸子
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A 教育業績 | ||||||
教育実践上の主な業績 | 年月日 | 概要 | ||||
1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む) | ||||||
1 | 社会調査に関わるグループワークの指導・支援 | 2008-04-00
~2010-03-00 |
大谷大学文学部社会学科の助教として、他教員1名と共同担当した「フィールドワーク1・2」において実践した。この科目では、学生がグループごとに模擬的社会調査を実施する。テーマの設定、調査計画の立案・発表、調査、調査結果の分析・発表、報告書作成といった一連の作業を教室内および授業時間外に研究室で指導・支援し、時間管理にも注意しつつ全てのグループが1年間の授業期間内に結果をまとめられるよう進行した。 | |||
2 | 京都高大連携研究協議会実践研究共同教育プログラム(京都府立東宇治高等学校1年Ⅱ類文理系セミナー)講師 | 2008-11-22 | 2008年11月22日、2009年11月28日。京都府立東宇治高等学校第2学年で実施しているタイでの海外研修の事前学習として、他教員1名とともにタイの社会・文化について紹介し、調べ学習を指導した。グループごとのテーマ設定、資料収集、検討、発表において助言・コメントし、調べ学習(調査研究)の面白さと重要性が高校生に伝わるよう努めた。 | |||
3 | 情報機器・視聴覚資料を用いた講義 | 2010-04-00 ~ | 海外の文化について講義する際、学生が具体的なイメージによって理解を深め、また対象に関心をもてるように、パワーポイントを使用し講義内容に関する画像や映像を合わせて提示している。そのなかには自らタイのフィールドで撮影し、編集したものも含まれる。 | |||
4 | 授業内容に対する学生の意見・感想・疑問の収集とそれらに対する応答
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2010-04-00 ~ | 受講生が大人数のクラスでも、なるべく教員からの一方的な講義にならないよう、授業内容の節目にあたる回で、コメントシートに意見・感想・疑問等を自由に書いてもらっている。書かれた内容については次回の授業冒頭で応答し、必要な場合は補足説明を加え、学生の学習意欲向上に努めている。また、少人数のクラスでは個別にコメントを付して返却することもある。 | |||
5 | 授業評価アンケートの実施 | 2011-04-00 ~ | 学期の終わりに各大学所定の様式を用いて授業評価アンケートを実施し、授業改善に活かしている。結果については概ね良好で、例えば非常勤講師として最も長く(2011年4月~2018年3月)、授業を担当してきた関東学院大学における授業改善アンケートでは、「先生の話し方は分かりやすかった」、「教科書・教材は適切でした」、「授業に対する熱意が感じられました」の3項目が継続して高く評価された。 | |||
2 作成した教科書、教材、参考書 | ||||||
1 | 講義内容のレジュメと資料 | 2010-04-00 ~ | 講義形式の授業では、講義内容のレジュメを作成して民族誌の抜粋やその他の図表などの資料とともに配布し、授業中に参照するとともに、学生が事後学習に役立てられるよう工夫している。 | |||
2 | 関東学院大学国際文化学部比較文化学科編『比較文化事典』 | 2015-02-20 | 関東学院大学国際文化学部比較文化学科の授業担当者たちが項目を執筆し、学生が座右に置く事典のなかで、担当科目である「現代の東南アジア」に関する一部の項目を執筆した。 | |||
3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等 | ||||||
4 その他教育活動上特記すべき事項 | ||||||
B 職務実績 | ||||||
1 | 外部資金の獲得(パーリ学仏教文化学会:平成16年度前田基金研究助成、研究代表者) | 2004-04-00
~2005-03-00 |
研究課題「現代タイにおける仏教の存在形態」を研究代表者として行った。 | |||
2 | 外部資金の獲得(科学研究費補助金、研究分担者) | 2008-04-00
~2010-03-00 |
科学研究費補助金基盤研究(B)海外学術調査「東南アジア大陸部における生成的コミュニティ」(研究課題番号:19401045、2007.4.1.~2010.3.31、研究代表者:田辺繁治)において、「北タイにおける民間治療師ネットワーク」を担当した。 | |||
3 | 外部資金の獲得(公益財団法人日本科学協会:平成22年度笹川科学研究助成、研究代表者) | 2010-04-00
~2011-02-00 |
研究課題「北タイ民間治療師の商業化/非商業化をめぐる多角的研究―治療行為の価値づけを中心に」を研究代表者として行った。 | |||
4 | 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、基幹研究「人類学におけるミクロ‐マクロ系の連関」事務局 | 2010-10-00
~2013-09-00 |
2010年10月~2013年9月、2015年11月~2016年3月。公開セミナー、研究セミナー、公開合評会、シンポジウム、国際ワークショップ、国際シンポジウム、写真展など、本基幹研究が主催・共催する研究・教育事業を運用し、報告書編集業務の一部を担当した。また、専用ウェブサイト、学会等の各種メーリングリスト、twitter等々によって活動内容を広報した。 | |||
5 | 外部資金の獲得(科学研究費補助金、研究分担者) | 2011-04-00
~2014-03-00 |
科学研究費補助金基盤研究(B)海外学術調査「東南アジア大陸部におけるコミュニティ運動」(研究課題番号:23401050、2011.4.1~2014.3.31、研究代表者:田辺繁治)において、「北タイにおける民間医療復興運動」を担当した。
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6 | 「文化/社会人類学研究セミナー」担当スタッフ(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所主催) | 2011-12-03 | 2011年12月3日、2012年12月8日、2013年12月14日。文化/社会人類学の博士論文を執筆中の大学院生およびPDを対象とした研究セミナーに担当スタッフとして参加し、受講者の研究に対してコメントした。
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7 | ちょうふ市内・近隣大学等公開講座 東京外国語大学「出会いの人類学」第2回 講師 | 2012-12-13 | 公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団主催の公開講座において一般市民を対象に、「治療師とクライアント―北タイにおける民間医療の現場から」と題する講演を行った。 | |||
8 | 外部資金の獲得(公益財団法人日本科学協会:平成25年度海外発表促進助成、研究代表者) | 2013-04-00
~2013-06-00 |
国際研究集会において、“The Folk Medicine Revival Movement and the Legitimacy of Folk Healers: A Case Study of Mo Mueang in Northern Thailand”と題する発表を行った。
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9 | 外部資金の獲得(科学研究費補助金、研究代表者) | 2013-04-00
~2017-03-00 |
科学研究費助成事業若手研究(B)「タイにおける医療システムの再編と民間治療師実践の変容に関する人類学的研究」(研究課題番号:25770303、2013.4.1.~2017.3.31.)を研究代表者として行った。 | |||
10 | 大瀬二郎写真展「遥かなる地へ思いを馳せて」企画協力(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所主催) | 2016-12-05
~2017-01-20 |
ウガンダ在住の報道写真家、大瀬二郎氏の写真展開催に企画協力した。企画の段階から大瀬氏と主催者側の双方と打ち合わせを行い、展示プランを調整するとともに、キャプションの確認、写真パネルの搬入・管理、展示作業などを行った。 | |||
11 | 外部資金の獲得(科学研究費補助金、研究分担者) | 2017-04-00
~2021-03-00 |
科学研究費補助金基盤研究(A)海外学術調査「グローバル化における権力編成の変動と新たなコミュニティ運動―東南アジア大陸部から」(研究課題番号:17H01648、2017.4.1.~2021.3.31予定、研究代表者:西井凉子)において、「東北タイにおける複合農業・森林再生のコミュニティ運動」を担当している。 | |||
C 学会等及び社会における主な活動 | ||||||
所属期間及び主な活動の期間 | 学会等及び社会における主な活動 | |||||
1 | 2001-12-00~0000-00-00 | 日本文化人類学会会員 | ||||
2 | 2003-02-00~0000-00-00 | パーリ学仏教文化学会会員 | ||||
3 | 2009-05-00~0000-00-00 | 日本タイ学会会員 | ||||
D 研究活動 | ||||||
著書、学術論文等の名称 | 単著、 共著の別 | 発行又は 発表の年月 | 発行所、発表雑誌等 又は 発表学会の名称 | 概要 | ||
Ⅰ著書 | ||||||
1 | 『時間の人類学――情動・自然・社会空間』 | 共著 | 2011-03-00 | 世界思想社 | 民間治療師の治療行為のなかでも特に商品化が顕著な薬に焦点をあて、薬の生産から配布、使用へといたる各段階を順に描きながらその特徴を明らかにし、薬を媒介に構築される治療師‐クライアント関係が短期的なものから長期的なものへと発展する可能性について論じた。
本人担当:第7章「薬が媒介する関係性――北タイの民間治療師とクライアントをつなぐ薬」 22頁(182~203頁) 編著者:西井凉子、共著者:箭内匡、佐藤知久、田中雅一、檜垣立哉、久保明教、古谷伸子、春日直樹、高木光太郎、岩谷彩子、床呂郁哉、小池郁子、石井美保、名和克郎、土佐桂子、田辺繁治 |
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2 | Culture(s), création et identités: un regard anthropologique pluriel | 共著 | 2014-03-00 | Institut de recherches sur les Langues et les Cultures d'Asie et d'Afrique, Université nationale des Etudes Etrangères de Tokyo | 北タイにおける民間医療復興運動について、民間治療師の正当化の観点から論じた。
本人担当:“Le mouvement de restauration de la médecine populaire au Nord de la Thaïlande : la légitimation des guérisseurs” 32頁(129~160頁) 編著者:Jun’ichi Oda, Yu-Sion Live, 共著者:Mounir Allaoui, Bernard Champion, Jean-François Hamon, Hideo Fukazawa, Nobuko Koya, Ryôko Nishii, Ikuya Tokoro,Cédric Mong-Hy, Aude-Emmanuelle Hoareau, Olivier Lebreton, Michel Baulaigue, Aiko Nishikida |
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3 | Communities of Potential: Social Assemblages in Thailand and Beyond | 共著 | 2016-03-00 | Chiang Mai: Silkworm Books | 北タイにおける民間医療復興運動をアセムブレッジとして捉え、治療師たちが、そこに関わる多様なアクターと接触し、触発されることによって獲得してきた正当性のあり方を明らかにすると同時に、彼らの能力がそれぞれ異なって発動される様子を示した。
本人担当:Chapter3“The folk medicine revival movement in northern Thailand: the exercise of healers’ capacities and legitimization of healing practices” 21頁(63~83頁) 編著者:Shigeharu Tanabe, 共著者:Kwanchewan Buadaeng, Nobuko Koya, Toshihiro Abe, Ryoko Nishii, Ariya Svetamra, Kanoksak Kaewthep, Kyonosuke Hirai, Apinya Feungfusakul, Mayumi Okabe, Malee Sitthikriengkrai |
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4 | 『大学生のための異文化・国際理解――差異と多様性への誘い』 | 共著 | 2017-01-00 | 丸善出版 | 病気の原因についての考え方や対処法を含め、病むという経験は社会や文化、また個人によっても多様である。このことについて医療人類学の知見や北タイ農村における具体的事例を参照しながら論じ、病気をめぐる異文化理解へむけ端緒を開くことを目指した。
本人担当:第11章「病むという経験の多様性」 13頁(143~155頁) 編著者:高城玲、共著者:阿部克彦、飯國有佳子、大庭絵里、古谷伸子、杉田弘也、泉水英計、中野紀和、廣田律子、八尾祥平、吉留公太 |
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5 | Community Movement in Southeast Asia: An Anthropological Perspective of Assemblages | 共著 | 2022-03-00 | Chiang Mai: Silkworm Books | 「売るための農業」から「生きるための農業」への転換をはかる試みとして始まった東北タイにおける複合農業のネットワークに注目し、それが地域、国家、グローバルな市場経済といった多層的なつながりにおいて、多様な人や組織、農作物などの物が関わり合うなかで、人びとの価値観の変化をともないながら展開してきたことを示した。そして、外部とのつながりをもちながら、かつ自律性を保つ新たなコミュニティの様態を指摘した。
本人担当:Chapter7 “The Integrated Agriculture and Community Movement in Northeast Thailand” 28頁(211~238頁) 編著者:Ryoko Nishii, Shigeharu Tanabe, 共著者:Ryo Takagi, Keiko Tosa, Ayako Saito, Tadayuki Kubo, Nobuko Koya, Tomoko Nakata, Toshihiro Abe |
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以上5点 | ||||||
Ⅱ学術論文 | ||||||
1 | パリッタ儀礼――仏の教えと除災招福 | 単著 | 2004-03-00 | 『哲学論集』第51号(大谷大学哲学会) | 仏教文献の律における用例を手がかりにパリッタ(護呪経典)の定義を示し、その成立および集成書編纂過程を明らかにした。そして、タイでの現行儀礼における朗誦と対照することによって、呪文であると同時に仏の教えでもあるというパリッタの両義性を指摘した。
15頁(ⅹⅶ~ⅹⅹⅹⅰ頁) |
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2 | 病いをめぐる仏教実践――現代タイにおけるがん患者ケアの事例から | 単著 | 2005-12-00 | 『パーリ学仏教文化学』第19号(パーリ学仏教文化学会) | タイのがんセンターで行われている仏教的ケアを事例として取り上げ、ケアの内容とそうしたケアに対する患者の反応を記述した。そして、僧侶が患者を訪問して説法し、また話し相手となることによって、悲観的に考えがちな患者の思考にどのような影響を及ぼすのか、その可能性と限界について考察した。
10頁(43~52頁) |
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3 | 治療行為に対する謝礼のあり方――北タイの民間治療師「モー・ムアン」と患者の関係 | 単著 | 2007-12-00 | 『大谷大学大学院研究紀要』第24号(大谷大学大学院文学研究科) | 人々から尊敬をもって「ポー・リエン(養父)」と呼ばれてきた北タイの民間治療師と患者の関係について、両者のあいだの相互行為、特に治療行為に対する謝礼のあり方に着目し、治療の贈与性という観点から考察した。そして、「人助け」への志向という治療師の人格をともなってなされる無償の治療が、結果として患者を返礼にかりたてていることを示し、両者が互酬的関係にあることを明らかにした。
22頁(85~106頁) |
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4 | 北タイの民間治療師(モー・ムアン)の民族誌――治療師‐クライアント関係の変容を中心に | 単著 | 2009-03-00 | 大谷大学 | 博士論文。1990年代初頭、エイズが社会問題化したことを契機にグループ化、ネットワーク化し、実践や社会関係を変容させてきた北タイの民間治療師(モー・ムアン)についての民族誌である。特に、治療師とクライアントの関係性に焦点をあてて分析し、それが治療師個人のうちに生じた利己的関心と利他的関心の交渉の結果として文脈ごとに異なって構築されていく様子を示した。
総頁数125頁 |
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5 | タイの医療システムにおける民間治療師の位置づけと正当性 | 単著 | 2012-03-00 | 『哲学論集』第58号(大谷大学哲学会) | タイにおける伝統医療(タイ医療)と民間医療の関係を歴史的背景と法律における規定から提示した。そのうえで、個々の治療師の経験をもとに、現在、治療師の正統化をめぐっては中央からの正当化とそれらから差異化するかたちでの正統化という二つの異なる方向性がみられることを指摘した。
16頁(20~35頁) |
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6 | 民間医療復興の地域的特徴について――東北タイ・サコンナコン県の事例から | 単著 | 2019-02-00 | 『哲学論集』第65号(大谷大学哲学会) | 北タイやその他の地域との比較を視野に入れつつ、本稿では東北タイのサコンナコン県の事例から民間医療復興の地域的特徴について報告している。農業を活動基盤とする「インペーン・ネットワーク」との関わりや豊かな森林資源との関わりが、この地域の民間治療師の知識や実践、およびアイデンティティに影響していることを指摘した。
15頁(23~37頁) |
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7 | 東北タイの複合農業における生活基盤の確立と持続可能性 | 単著 | 2022-03-00 | 『大谷学報』第101巻第2号(大谷大学大谷学会) | 東北タイ・サコンナコン県の「インペーン・ネットワーク」に焦点をあて、複合農業実践家の経験や農産物加工事業にについて検討し、当該地域における複合農業実践の特徴を次のとおり指摘した。まず自家消費のための食料を生産し、そのうえで余剰分や在来の商品作物(ワーイやマーク・マオ)などを販売し一定程度の現金収入を確保する。また、こうした特徴に加え、地味の維持や働き方も持続可能性の要因として挙げることができる。
19頁(17~35頁) |
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8 | 現代タイにおける複合農業実践の社会的・文化的位置づけ | 単著 | 2024-02-00 | 『哲學論集』第70号(大谷大学哲学会) | タイ農業の近代化とアジア通貨危機、プーミポン前国王の「足るを知る経済」、(とりわけ仏教思想を背景とする)先行するオルタナティブ農業の試み、伝統的農業との関連の4つの観点から関連する先行研究を整理し、現代タイにおける複合農業実践の社会的・文化的な位置づけを行った。
16頁(43~58頁) |
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9 | 「足るを知る経済」とコミュニティ市場――東北タイ農村の事例から | 単著 | 2025-03-00 | 『大谷大学社会学部研究年報』第1号(大谷大学社会学会) | コロナ禍後にタイでみられるようになったコミュニティ市場に注目し、東北タイ農村における具体的な事例の提示と分析をとおして、その取組みの特徴と可能性を指摘した。また、コミュニティ市場は、「足るを知る経済」が現代のタイ社会にどのように根付いているかを理解するための重要な参照対象になると考えられる。
12頁(25~36頁) |
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以上9点 | ||||||
Ⅲ 口頭発表・その他 | ||||||
1 | 病いをめぐる仏教実践―現代タイにおけるがんセンターの事例から | 口頭発表(一般発表) | 2005-05-00 | パーリ学仏教文化学会第19回学術大会 | 学術論文2「病いをめぐる仏教実践―現代タイにおけるがん患者ケアの事例から」の予備的考察を発表したものである。
発表時間20分 |
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2 | 北部タイの民間治療師モー・ムアンと患者の関係―報酬の概念を中心に | 口頭発表(一般発表) | 2007-06-00 | 日本文化人類学会第41回研究大会 | 伝統的には贈与関係にあったと考えられる北タイの民間治療師と患者の関係が、治療師の活動の場が広がり、また市場経済化が進展することによって多様化し、治療の報酬が商品交換の文脈でなされるような状況が生じていることについて報告した。
発表時間20分 |
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3 | 北タイ民間治療師ネットワークにおける治療師のアイデンティティ | 口頭発表(一般発表) | 2009-05-00 | 日本文化人類学会第43回研究大会 | 北タイ民間治療師ネットワークにおける活動のうち、公的イベントでの知識の紹介を事例として取り上げ、日常とは異なる文脈で公衆に対して知識を紹介・実践することによって、いかに治療師のアイデンティティが強化され、またゆらぎを見せるかを報告した。
発表時間20分 |
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4 | 北タイ民間治療師(モー・ムアン)の民族誌―治療師‐クライアント関係の変容を中心に | 口頭発表 | 2009-06-00 | 2008年度修了者博士論文発表会(日本文化人類学会) | 学位論文「北タイの民間治療師(モー・ムアン)の民族誌―治療師‐クライアント関係の変容を中心に」の概要を報告した。
発表時間40分 |
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5 | 命によって命を学ぶ―北タイの民間治療師「モー・ムアン」の経験と薬作り | 単著 | 2011-07-00 | 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所『FIELD+』no. 6 | 自身のフィールドワークについて紹介するなかで、臨床経験によって薬の内容を発展させていく北タイ民間治療師の治療に対する考え方を述べた。治療師が「命によって命を学ぶ」と表現するように、治療経験の末にたどりついた独自の治療法や薬方は、それまでに関わった多くのクライアントの命から教えてもらったことであり、そのことが薬作りに誠実に向き合う姿勢につながっていることを明らかにした。
2頁(20頁~21頁) |
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6 | 民間治療師ネットワークの形成と治療師の正当化―北タイ・チェンマイ県の事例から | 口頭発表(一般発表) | 2012-07-00 | 日本タイ学会第14回研究大会 | 北タイ・チェンマイ県における民間治療師グループ、ネットワークの形成過程を明らかにしたうえで、一連の運動を経て、現在、治療師には中央からの正当化とそれらから差異化するかたちでの正統化、いわば下からの正統化という二つの異なる方向性がみられることを報告した。
発表時間35分 |
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7 | 治療師とクライアント―北タイにおける民間医療の現場から | 講座(公開講座) | 2012-12-00 | ちょうふ市内・近隣大学等公開講座:東京外国語大学「出会いの人類学」第2回
(公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団) |
一般市民を対象に、タイにおける伝統医療・民間医療の位置付けや北タイの民間治療師実践の諸相について講演を行った。
講演時間100分 |
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8 | The Folk Medicine Revival Movement and the Legitimacy of Folk Healers: A Case Study of Mo Mueang in Northern Thailand | 口頭発表(一般発表) | 2013-05-00 | 5th SSEASR Conference “Healing, Belief Systems, Cultures and Religions of South and Southeast Asia”(South and Southeast Asian Association for the Study of Culture and Religion) | 北タイの民間医療復興運動がもたらした治療師の三つの正当性、すなわち民間治療師グループおよびネットワークに関与した外部機関の傘のもとでの正当性、法的正当性、再帰的に強調されるようになった伝統的正統性について論じた。
発表時間30分 |
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9 | Legitimization of Healing Practices: The Folk Medicine Revival Movement in Northern Thailand | 口頭発表(一般発表) | 2014-04-00 | 12th International Conference on Thai Studies “Thailand in the World”
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クー(師)の崇拝と互酬的な治療師‐クライアント関係という北タイにおける民間治療師の伝統的正統性の構成を明示した。そのうえで、それらが民間治療師のグループ活動や治療師の個人的治療実践のなかで、タイ医療や利益目的の薬販売から自らの実践を差異化するために強調されていることを報告した。
発表時間30分 |
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10 | 『タイを知るための72章(第2版)(エリア・スタディーズ30)』 | 分担執筆(コラム) | 2014-07-00 | 明石書店 | 本人担当:「コラム8 モー・ムアン」
「モー・ムアン」と呼ばれる北タイの民間治療師について、知識・技法、グループ活動、現在的特徴などに言及しながら解説した。 3頁(182頁~184頁) 編者:綾部真雄 |
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11 | 『比較文化事典』 | 分担執筆(事典) | 2015-02-00 | 明石書店 | 本人担当:「屋敷地共住集団」
タイの「屋敷地共住集団」について解説した。本書は、学生たちが座右に置くものとして、関東学院大学国際文化学部比較文化学科の授業担当者たちがそれぞれ関連項目を執筆した事典である。 2頁(195頁~196頁) 編者:関東学院大学国際文化学部比較文化学科 |
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12 | 民間医療復興における地域的特殊性とその要因について―東北タイ・サコンナコン県の事例を中心に | 口頭発表(分科会発表) | 2016-07-00 | 日本タイ学会第18回研究大会
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分科会「グローバリゼーション下の「文化復興」実践を問いなおす」において、東北タイ・サコンナコン県の農業者ネットワークを中心に、そこに関わる個人や機関のあいだで展開した民間医療復興の実態について報告し、地域的特殊性とその要因を検討した。
発表時間20分 |
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13 | タイの民間医療をめぐる法的状況と治療師の実践 | 口頭発表 | 2017-01-00 | 2016年度第6回白山人類学研究会
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医療行為や薬の売買をめぐる法的制約も多いなかで、タイの民間治療師たちはそれらといかに折り合いをつけ、自らの正当性を確保しつつクライアントのニーズに応えてきたのか。これについて主に北タイの事例から考察した。
発表時間90分 |
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14 | Cultural Revival Among People Living in the Phu Phan Forest in Northeast Thailand | 口頭発表(パネル発表) | 2017-07-00 | 13th International Conference on Thai Studies
“Globalized Thailand? Connectivity, Conflict and Conundrums of Thai Studies” |
“Cultural Revival in Thailand”パネルにおいて、東北タイ・サコンナコン県のプー・パーン国立公園周辺で結成された「インペーン・ネットワーク」の活動について報告した。特に、土着の健康文化あるいは民間医療に関する活動に注目し、その特徴と潜在力について考察した。
発表時間20分 |
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15 | 『東南アジア文化事典』 | 分担執筆(事典) | 2019-10-00 | 丸善出版 | 本人担当:「民間療法」
東南アジアの文化について広く紹介する中項目の事典において、「第5章宗教と世界観」の一項目を担当し、民間療法やその専門家の特徴について述べた。 2頁(246頁~247頁) 編者:信田敏宏ほか |
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16 | 『2020年度学科科目実践研究「フィールドワーク」成果集』 | 報告書 | 2021-03-00 | 大谷大学地域連携室 | 本人担当:「まえがき」
大谷大学文学部社会学科「フィールドワークⅠ・Ⅱ」および社会学部現代社会学科「フィールドワーク入門1・2」における全17班の報告を収録した成果集である。担当教員の一人として編集作業を行い、まえがきを執筆した。 1頁(3頁) |
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17 | 『探求フィールドワーク報告書2020 新型コロナウィルスの地域社会への影響――左京西部いきいき市民活動センターの活動を中心に』 | 報告書 | 2021-03-00 | 大谷大学地域連携室 | 本人担当:「講評」
大谷大学社会学部現代社会学科「探求フィールドワーク1・2」における社会調査実習の報告書である。コロナ禍におけるいきセンの活動やそこに関わる人びとの思いについてまとめられている。交流の場としてのいきセンの役割に注目して講評を執筆した。 1頁(34頁) |
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18 | 『2022年度学科科目実践研究「フィールドワーク入門」成果集』 | 報告書 | 2023-03-00 | 大谷大学地域連携室 | 本人担当:「まえがき」
大谷大学社会学部現代社会学科「フィールドワーク入門1・2」における全15班の報告を収録した成果集である。科目担当教員の一人として編集作業を行い、まえがきを執筆した。 1頁(ⅰ頁) |
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以上18点 |